JP3448997B2 - ポリイミド組成物 - Google Patents

ポリイミド組成物

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JP3448997B2 JP30690794A JP30690794A JP3448997B2 JP 3448997 B2 JP3448997 B2 JP 3448997B2 JP 30690794 A JP30690794 A JP 30690794A JP 30690794 A JP30690794 A JP 30690794A JP 3448997 B2 JP3448997 B2 JP 3448997B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は側鎖を有するポリイミド
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリイミド樹脂は市販のプラスチック中
最高の耐熱性を有し、耐衝撃性、寸法安定性、電気特
性、耐摩耗性も良く、また温度による特性の変化も少な
い優れたプラスチックである。このような特徴を活かし
て、絶縁材料、封止材料やプリント基板などの電気電子
分野をはじめ、航空宇宙用素材、機械用素材として使用
されている。また近年、液晶表示素子の配向膜材料とし
ても注目されており、多くのポリイミド系配向膜が開発
されている。
【0003】時計や電卓に用いられている液晶表示素子
には、上下2枚で1対をなす電極基板の間でネマチック
液晶分子の配列方向を90度捻った構造のツイステッド
ネマチック(以下TNと略す)モードが主に採用されて
いる。また、液晶のねじれ角を180〜270度にした
スーパーツイステッドネマチック(以下STNと略す)
モードも現在一般的になり、ワープロ、パソコンなどの
大型ディスプレイ用として大量に生産されている。この
ような液晶表示素子に使用される配向膜は、単に液晶分
子を配列させるだけでは不十分であり、応答性を良くし
双安定性を確実にするため、基板面と液晶分子との間に
TNモードで1〜4度、STNモードで4〜8度のプレ
チルト角をもたせなければならない。また、近年さらに
コントラストや視角依存性が優れた表示素子として、超
捻れ複屈折効果(以下SBEと略す)モードが開発され
ているが、この方式では20〜30度といった高いプレ
チルト角が要求される。
【0004】また液晶表示素子のカラー化が望まれてい
るが、現在広く用いられているカラー表示方式の一つに
カラーフィルター方式があり、液晶カラーテレビやパソ
コン用ディスプレイへの利用が広がっている。この方式
は、基板と透明電極との間にカラーフィルターを設ける
方式である。この方式では、透明電極、カラーフィルタ
ーを付設した基板にポリアミド酸を塗布、乾燥、焼成す
ることによりポリイミド膜を作製するが、染料型のカラ
ーフィルターは比較的耐熱性に劣るため、焼成によりフ
ィルターが退色劣化する可能性がある。従ってカラーフ
ィルターを付設する際には、なるべく低温で焼成するこ
とが好ましい。
【0005】特開平4−100020号公報には側鎖に
直鎖アルキルエステルを有するジアミノ化合物と、3,
3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物から成
る、前記式〔1〕の構造単位を有するポリイミド配向
膜、およびそれを用いた液晶表示素子が開示されてい
る。しかしこの配向膜のプレチルト角については具体的
な記述がない。一方、特開平3−179322号公報、
特開平3−179323号公報および特開平5−272
44号公報には、側鎖に液晶基を有するジアミンをモノ
マーとするポリイミド系液晶配向膜が開示されている。
しかしこれらのポリイミドは製造時に200〜250℃
で1〜2時間の焼成が必要であり、耐熱性の低い染料カ
ラーフィルターを付設した場合、焼成によりフィルタ−
の退色劣化を招くおそれがあった。
【0006】本発明者は、側鎖にフレキシブルなアルキ
ル鎖から成るスペーサーを有し、その先端にフェニルシ
クロヘキシル基またはフェニルビシクロヘキシル基の様
な液晶基を持つジアミンと、2,2−ビス(4−アミノフ
ェノキシフェニル)−プロパンとをモノマーとして得ら
れる、低温硬化性に優れたポリイミドを発明し、特願平
6−173269号において特許出願をおこなったが、
このポリイミドを液晶配向膜として用いた場合プレチル
ト角は約8度と比較的低い値であった。そこでさらに検
討を重ねた結果、側鎖にフレキシブルなアルキル鎖から
成るスペーサーを介してフェニルシクロヘキシル基、ま
たはフェニルビシクロヘキシル基の様な液晶基を持つジ
アミン成分とテトラカルボン酸二無水物との反応で得ら
れる、前記式〔2〕の構造単位を有するポリイミド配向
膜を製造したところ、30度以上の高いプレチルト角を
持つことを発見し、特願平6−234162号において
特許出願をおこなった。しかしこのポリマーは単独重合
体であるため、目的に応じてプレチルト角を自由に制御
することは困難であった。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上
記の問題点を解決すること、すなわち、ポリイミド製造
の際に、より低温短時間の焼成で製造できる電気および
電子材料用、特に液晶セル製造時にカラーフィルター等
の退色を招くことなく、液晶配向性に優れており、さら
に5〜30度の広い範囲でプレチルト角を自由に制御で
きる液晶配向膜として有用な、ポリイミド組成物を提供
することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは鋭意
検討を重ねた結果、前記式〔1〕の構造単位で示され
る、あらゆるポリイミド樹脂と、側鎖にフェニルシクロ
ヘキシル基またはフェニルビシクロヘキシル基の様な、
液晶基を持つジアミン成分をモノマーとして得られる、
前記式〔2〕の構造単位から成るポリイミド樹脂の組成
物、特に側鎖にフレキシブルなアルキル鎖を有するジア
ミン成分をモノマーとして得られる、前記式〔6〕の構
造単位から成るポリイミド樹脂と、前記式〔2〕の構造
単位から成るポリイミド樹脂の組成物は、比較的低温か
つ短時間の焼成で製造することができる事から、液晶セ
ル製造時にカラーフィルター等の退色を招くことなく、
製膜性やガラス基板への密着性および熱的安定性に優れ
ており、かつ液晶配向性も良好であった。さらに式
〔1〕の構造単位または式〔6〕の構造単位と式〔2〕
の構造単位とのモル比を変えることにより、5〜30度
の広い範囲でプレチルト角を自由に制御できる事を見い
だし、本発明を完成した。
【0009】すなわち本発明の構成は下記の通りであ
る。 (1)式〔1〕で示される構造単位からなるポリイミド
樹脂と式〔2〕で示される構造単位(ただし式〔1〕の
構造単位を含まない)からなるポリイミド樹脂とから成
り、式〔1〕で示される構造単位が全体の5〜95モル
%であるポリイミド組成物。
【化10】 (Aは2価の有機基、Bは4価の有機基を示す。)
【化11】 (mは1〜20の整数、nは1〜2の整数、Rは炭素
数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、Bは4価
の有機基を示す。) (2)式〔3〕で示されるジアミノ化合物(ただし式
〔5〕の構造単位を含まない)と式〔4〕で示されるテ
トラカルボン酸二無水物とを溶媒中で反応させて得られ
るポリアミド酸と、式〔5〕で示されるジアミノ化合物
と式〔4〕で示されるテトラカルボン酸二無水物とを溶
媒中で反応させて得られるポリアミド酸とを、式〔3〕
で示されるジアミノ化合物と式〔4〕で示されるテトラ
カルボン酸二無水物とを反応させて得られるポリアミド
酸が全体の5〜95モル%となるよう混合した後加熱に
より脱水閉環して得られる、前記(1)項に記載のポリ
イミド組成物。
【化12】 (Aは2価の有機基を示す。)
【化13】 (Bは4価の有機基を示す。)
【化14】 (mは1〜20の整数、nは1〜2の整数、Rは炭素
数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基を示す。) (3)式〔6〕で示される構造単位からなるポリイミド
樹脂と式〔7〕で示される構造単位からなるポリイミド
樹脂とから成り、式〔6〕で示される構造単位が全体の
5〜95モル%である、前記(1)項に記載のポリイミ
ド組成物。
【化15】 (Rは炭素数1〜20のアルキル基を示す。)
【化16】 (mは1〜20の整数、nは1〜2の整数、Rは炭素
数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基を示す。) (4)式〔8〕で示されるジアミノ化合物と式
〔9〕で
示されるテトラカルボン酸二無水物とを溶媒中で反応さ
せて得られるポリアミド酸と、記(2)項に記載の式
〔5〕で示されるジアミノ化合物と式
〔9〕で示される
テトラカルボン酸二無水物とを溶媒中で反応させて得ら
れるポリアミド酸とを、式〔8〕で示されるジアミノ化
合物と式
〔9〕で示されるテトラカルボン酸二無水物と
を反応させて得られるポリアミド酸が全体の5〜95モ
ル%となるよう混合した後加熱により脱水閉環して得ら
れる、前記(3)項に記載のポリイミド組成物。
【化17】 (Rは炭素数1〜20のアルキル基を示す。)
【化18】 (5)前記(1)項〜(4)項のいずれかに記載される
ポリイミド組成物を用いることを特徴とする液晶配向
膜。 (6)前記(5)項に記載された液晶配向膜を備えた液
晶表示素子。
【0010】本発明のポリイミド組成物を製造するに
は、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物との縮合反応
によって得られた2種のポリアミド酸を、溶液状態で混
合した後基板上に塗布し、加熱処理して脱水反応させて
ポリイミド組成物を基板上に形成する方法が好ましい。
【0011】以下具体的に説明する。式〔3〕で示され
るジアミノ化合物、または式〔8〕で示される3,5−
ジアミノ安息香酸アルキルエステルと、式〔4〕で示さ
れるテトラカルボン酸二無水物、または式
〔9〕で示さ
れる3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
(BPDA)とを縮合して1種のポリアミド酸を製造す
る。
【0012】上記式〔8〕で示される3,5−ジアミノ
安息香酸アルキルエステルを化19に従い製造できる。
すなわち、トリエチルアミン存在下、アルコールと3,
5−ジニトロベンゾイルクロリドとを縮合し、3,5−
ジニトロ安息香酸アルキルエステルを得、この化合物を
パラジウム−炭素触媒存在下接触還元して3,5−ジア
ミノ安息香酸アルキルエステルを製造する。
【0013】
【化19】 (R2は炭素数1〜20のアルキル基を示す。)
【0014】式〔5〕(mは1〜20の整数、nは1〜
2の整数、R1は炭素数1〜20のアルキル基またはア
ルコキシ基を示す。)で示される3,5−ジアミノ安息
香酸〔4−(トランスー4−アルキル−シクロヘキシ
ル)フェノキシアルキル〕エステルと、式〔4〕で示さ
れるテトラカルボン酸二無水物、またはBPDAとを縮
合してもう一種のポリアミド酸を製造する。
【0015】上記式〔5〕で示される3,5−ジアミノ
安息香酸〔4−(トランス−4−アルキル−シクロヘキ
シル)フェノキシアルキル〕エステルを化20に従い製
造できる。すなわち、初めに4−(トランス−4−アル
キル−シクロヘキシル)フェノールと、α,ω−アルキ
レンハロヒドリンとを、過剰の炭酸カリウムの存在下ジ
メチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピ
ロリドン(NMP)、もしくはジメチルホルムアミド
(DMF)等の溶媒中100〜150℃で縮合しアルコ
ール体を得る。続いてこの化合物をトリエチルアミン存
在下、3,5−ジニトロベンゾイルクロリドと縮合し、
3,5−ジニトロ安息香酸〔4−(トランス−4−アル
キル−シクロヘキシル)フェノキシアルキル〕エステル
を得る。最後にこの化合物をパラジウム−炭素触媒存在
下接触還元して3,5−ジアミノ安息香酸〔4−(トラ
ンス−4−アルキル−シクロヘキシル)フェノキシアル
キル〕エステルを製造する。
【0016】
【化20】 (mは1〜20の整数、nは1〜2の整数、R1は炭素
数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、Xはハロ
ゲンを示す。)
【0017】上記ジアミンとテトラカルボン酸二無水物
との縮合反応は、無水の条件下、DMAc、NMP、D
MF、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラ
ン、ブチロラクトン、クレゾール、フェノール、ハロゲ
ン化フェノール、シクロヘキサノン、ジオキサン、テト
ラヒドロフランなどの溶媒中、好ましくはNMP溶媒中
−10〜30℃の温度で行う。
【0018】上記2種のポリアミド酸を溶液状態で混合
した後、約200℃で焼成することによりポリイミド組
成物を得る。
【0019】ポリイミド組成物における、式〔1〕およ
び式〔2〕で示される各構造単位のモル比は、式〔1〕
が5〜95モル%、式〔2〕が95〜5モル%である事
が好ましい。式〔1〕または式〔2〕の比率を5モル%
以下にすると、ブレンドの効果が失われる。この関係は
式〔6〕および式〔7〕で示される構造単位のブレンド
から成る、ポリイミド組成物においても同様に成立す
る。
【0020】ポリイミド分子中における式〔2〕および
式〔7〕で示される構造単位の中のmは3以上である事
が好ましく、さらに好ましくはmが6以上である。mを
3以下にすると側鎖方向のフレキシビリティが低下する
ため、製造時に高温の焼成が必要となる。
【0021】ポリイミド分子中における式〔6〕で示さ
れる構造単位の中のアルキル基の長さは3以上である事
が好ましく、さらに好ましくは6以上である。3以下に
すると側鎖方向のフレキシビリティが低下するため、低
温硬化性が悪化する。
【0022】液晶配向膜および液晶表示素子に用いる基
板は通常ガラス基板であり、基板上に電極、具体的には
ITO(酸化インジウム−酸化スズ)や酸化スズの透明
電極を形成しているが、さらにこの電極と基板との間
に、基板からのアルカリ溶出を防止するための絶縁膜、
カラーフィルター、カラーフィルターオーバーコート等
のアンダーコート膜を設けてもよく、電極上に絶縁膜、
カラーフィルター膜などのオーバーコート膜を設けても
よい。また電極上にTFT(スィンフィルムトランジス
ター Thin−Film−Transistor)素
子、MIM(メタルインシュレーターメタル Meta
l−Insulator−Metal)素子などの能動
素子を形成していてもよい。これらの電極、アンダーコ
ート、その他の液晶セル内の構成は、従来の液晶表示素
子の構成が使用可能である。
【0023】本発明のポリイミド組成物または液晶配向
膜を基板上に形成させるには、上記2種のポリアミド酸
を所望の比率で混合し、NMP、DMAc、DMF、D
MSO、ブチルセロソルブ、エチルカルビトールなどの
溶媒に溶解し、0.1〜30重量%溶液に調整し、この
溶液を刷毛塗り法、浸責法、回転塗布法、スプレー法、
印刷法等により基板上に塗布し、100〜450℃、好
ましくは180〜220℃で焼成を行い、脱水閉環反応
させてポリイミド組成物の膜を設ける。塗布前に基板表
面上をシランカップリング剤で処理し、その上にポリイ
ミド組成物の膜を形成させれば、膜と基板との接着性を
改善することができる。しかる後、この被膜面を布など
で一方向にラビングして液晶配向膜を得る。
【0024】液晶表示素子用の基板を使用してセルを作
成し、液晶を注入し、注入口を封止して液晶表示素子を
作る。この封入される液晶としては、通常のネマチック
液晶の他、二色性色素を添加した液晶等種々の液晶が使
用できる。本発明の液晶配向膜は、液晶配向性が良く、
ポリアミド酸の構造及び混合比を選ぶことにより、5〜
30度の広い範囲でプレチルト角を自由に制御すること
が出来る。
【0025】本発明の液晶表示素子は、液晶配向性がよ
く、5〜30度の広い範囲でプレチルト角を自由に制御
することが出来る液晶配向膜、すなわち本発明に関わる
液晶配向膜を備えていることが特徴であり、通常基板、
電圧印加手段、液晶配向膜、液晶層などにより構成され
る。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例によって何等限定され
るものではない。
【0027】次に、実施例で得られたポリイミド組成物
および液晶配向膜の物性は以下の方法で測定した。分解
温度(Td):示差熱重量同時測定装置(セイコー電子工
業社製 TG / DTA−220型)を用い毎分10℃の昇温
速度で測定し、重量減少5%の温度をTdとした。プレチ
ルト角:磁場静電容量法を用いて測定した。
【0028】
【実施例】
実施例1 式〔1〕、式〔2〕で示される構造単位から成るポリイ
ミド組成物の製造(Aは1,3−フェニレン基、Bは3,
3',4,4'−ビフェニレン基を示す): 1)式〔1〕で示される構造単位から成るポリイミドの
前駆体の製造:50mlの三ツ口フラスコに、1,3−フ
ェニレンジアミン0.6061g(1.50mmol)、
NMP3.0mlを入れて、窒素気流下室温で攪拌溶解し
た。次いでこの液を10℃に保ち、BPDAを0.44
13g(1.50mmol)投入した。NMP3mlで
器壁についたBPDAを洗い落とし、3時間反応を行っ
た。得られたワニスをそのまま次の工程に使用した。
【0029】2)式〔5〕で示される3,5−ジアミノ
安息香酸〔4−(トランス−4−エチル−シクロヘキシ
ル)フェノキシプロピル〕エステル(m=3、n=1、
1=C25)の製造。 冷却管、攪拌機を付けた1Lの三つ口フラスコに、ジメ
チルホルムアミド500ml、4−(トランス−4−エ
チル−シクロヘキシル)フェノール20.4g(0.10
mol)、炭酸カリウム41.4g(0.30mol)を
入れ室温で攪拌した。ここに3−ブロモ−1−プロパノ
ール18.1g(0.13mol)を加え100℃で激し
く攪拌した。10時間反応させた後この液を2Lの水に
加え、酢酸エチル1.5Lで抽出した。続いて有機層を
3N塩酸で3回、2N水酸化ナトリウム水溶液で3回、
さらに水で洗浄した。得られた酢酸エチル層を無水硫酸
ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して得られた結
晶を、nーヘプタンで2回再結晶して4−(トランス−
4−エチル−シクロヘキシル)フェノキシプロパノール
17.6g(0.067mol)を得た。融点は68.5
〜69.9℃であった。
【0030】続いて、攪拌機をつけた500mlの三つ
口フラスコにTHF300mlを取り、ここに4−(ト
ランス−4−エチル−シクロヘキシル)フェノキシプロ
パノール18.0g(0.068mol)、トリエチルア
ミン11.4mlを加え0℃で攪拌した。これに3,5
−ジニトロベンゾイルクロリド15.7g(0.068m
ol)をTHF50mlに溶かした溶液を30分で滴下
し、このまま6時間反応を行なった。反応終了後この液
を1Lの水に加え、酢酸エチル1.5Lで抽出した。続
いて有機層を3N塩酸で3回、飽和重曹水で3回、さら
に水で洗浄した。得られた酢酸エチル層を無水硫酸ナト
リウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して得られた結晶
を、酢酸エチルで2回再結晶して3,5−ジニトロ安息
香酸〔4−(トランス−4−エチル−シクロヘキシル)
フェノキシプロピル〕エステル23.3g(0.051m
ol)を得た。融点は108.0〜109.4℃であっ
た。この化合物の構造をIRとNMRで確認した後、該
化合物の接触還元を行った。
【0031】すなわち、3,5−ジニトロ安息香酸〔4
−(トランス−4−エチル−シクロヘキシル)フェノキ
シプロピル〕エステル15.0g(0.033mol)を
酢酸エチル300mlに溶かし、5%パラジウムー炭素
1.50gを加え常温常圧下で接触還元を行った。反応
終了後触媒をろ別し、溶媒を減圧下留去して得られた結
晶をn−ヘプタン/酢酸エチルで2回再結晶して、3,
5−ジアミノ安息香酸〔4−(トランス−4−エチル−
シクロヘキシル)フェノキシプロピル〕エステル11.
1g(0.028mol)を得た。この化合物の融点は
91.5〜92.4℃であった。
【0032】3)式〔2〕で示される構造単位から成る
ポリアミド酸の製造:50mlの三ツ口フラスコに、3,
5−ジアミノ安息香酸〔4−(トランス−4−エチル−
シクロヘキシル)フェノキシプロピル〕エステル0.5
942g(1.50mmol)、NMP3.0mlを入れ
て、窒素気流下室温で攪拌溶解した。次いでこの液を1
0℃に保ち、BPDAを0.4413g(1.50mmo
l)投入した。NMP3mlで器壁についたBPDAを
洗い落とし、3時間反応を行った。得られたワニスをそ
のまま次の工程に使用した。
【0033】4)ポリイミド組成物の製造:1)で製造
したワニスを0.50gと、3)で製造したワニスとを
1.00g混合し、均一になるまで攪拌した。この混合
物をNMP/ブチルセロソルブ=1/1溶媒で4.0w
t%に希釈後、ITO付きガラス基板上に回転塗布法
(スピンナー法)で塗布した。塗布された基板を200
℃で30分間焼成し、膜厚600オングストロームのポ
リイミド組成物の膜を形成した基板を得た。このポリイ
ミド組成物は、分解温度が391.4 ℃で、ガラス基
板への密着性がよかった。
【0034】5)セル作成およびプレチルト角測定 ポリイミド組成物を形成した2枚の基板の膜面にそれぞ
れラビング処理を施し、ラビング方向がアンチパラレル
になるようにセル厚20μmの液晶セルを組み立て、チ
ッソ(株)製液晶FB−01を封入した。その後液晶を
封入したセルに120℃で30分間加熱処理を行った。
加熱処理後放冷し、プレチルト角を求めると16.7度
であった。また、このセルを顕微鏡で観察したところ、
配向に乱れがなく優れた液晶配向性をしめした。
【0035】実施例2 式〔6〕、式〔7〕で示される構造単位から成るポリイ
ミド組成物の製造:1)式〔8〕で示される3,5−ジ
アミノ安息香酸ステアリルエステル(R2=C1837
の製造。攪拌機をつけた500mlの三つ口フラスコに
THF200mlを取り、ここにステアリルアルコール
13.5g(0.050mol)、トリエチルアミン8.
4mlを加え0℃で攪拌した。これに3,5−ジニトロ
ベンゾイルクロリド11.5g(0.050mol)をT
HF50mlに溶かした溶液を30分で滴下し、このま
ま6時間反応を行なった。反応終了後この液を1Lの水
に加え、酢酸エチル1.5Lで抽出した。続いて有機層
を3N塩酸で3回、飽和重曹水で3回、さらに水で洗浄
した。得られた酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾
燥し、溶媒を減圧下留去して得られた結晶を、酢酸エチ
ルで2回再結晶して3,5−ジニトロ安息香酸ステアリ
ルエステル18.1g(0.039mol)を得た。融点
は75.9〜76.7℃であった。この化合物の構造をI
RとNMRで確認した後、該化合物の接触還元を行っ
た。
【0036】すなわち、3,5−ジニトロ安息香酸ステ
アリルエステル8.0g(0.017mol)を酢酸エチ
ル300mlに溶かし、5%パラジウムー炭素1.0g
を加え常温常圧下で接触還元を行った。反応終了後触媒
をろ別し、溶媒を減圧下留去して得られた結晶をn−ヘ
プタン/酢酸エチルで2回再結晶して、3,5−ジアミ
ノ安息香酸ステアリルエステル4.48g(0.011m
ol)を得た。この化合物の融点は81.8〜82.6℃
であった。
【0037】2)式〔6〕で示される構造単位から成る
ポリイミドの前駆体の製造:50mlの三ツ口フラスコ
に、3,5−ジアミノ安息香酸ステアリルエステル0.
6061g(1.50mmol)、NMP3.0mlを入れ
て、窒素気流下室温で攪拌溶解した。次いでこの液を1
0℃に保ち、BPDAを0.4413g(1.50mmo
l)投入した。NMP3mlで器壁についたBPDAを
洗い落とし、3時間反応を行った。得られたワニスをそ
のまま次の工程に使用した。
【0038】3)式〔7〕で示される構造単位から成る
ポリイミドの前駆体の製造:実施例1の3)に準じてポ
リイミド前駆体の製造を行った。得られたワニスをその
まま次の工程に使用した。
【0039】4)ポリイミド組成物の製造:2)で製造
したワニスを0.11g、3)で製造したワニスを1.0
0g混合し、実施例1の4)と同様に行った。このポリ
イミド組成物の分解温度を表1に示す。
【0040】5)セル作成およびプレチルト角測定 実施例1の5)に準じてセル作成を行った。プレチルト
角を表1に示す。
【0041】実施例3〜6 式〔6〕で示されるポリイミドの前駆体、および式
〔7〕で示されるポリイミドの前駆体の成分比を変える
以外は、実施例の4)、5)に準拠して行った。その
成分比と得られたポリイミド組成物の物性値を表1に示
す。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明により得られたポリイミド組成物
は、低温短時間の焼成で製造可能で、かつ分解温度が3
20℃以上と高く高温での使用が可能である。また、本
ポリイミド組成物を用いた液晶配向膜は、ガラス基板へ
の密着性および液晶配向性に優れている。さらに組成比
を変えることにより、プレチルト角を約5〜30度の広
い範囲で自由に制御出来ることから、TN、STN、S
BE用液晶セルの配向膜用材料として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3で得られたポリイミドフィルムのIR
スペクトル図である。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式〔1〕で示される構造単位からなるポリ
    イミド樹脂と式〔2〕で示される構造単位(ただし式
    〔1〕の構造単位を含まない)からなるポリイミド樹脂
    とから成り、式〔1〕で示される構造単位が全体の5〜
    95モル%であるポリイミド組成物。 【化1】 (Aは2価の有機基、Bは4価の有機基を示す。) 【化2】 (mは1〜20の整数、nは1〜2の整数、Rは炭素
    数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、Bは4価
    の有機基を示す。)
  2. 【請求項2】式〔3〕で示されるジアミノ化合物(ただ
    し式〔5〕の構造単位を含まない)と式〔4〕で示され
    るテトラカルボン酸二無水物とを溶媒中で反応させて得
    られるポリアミド酸と、式〔5〕で示されるジアミノ化
    合物と式〔4〕で示されるテトラカルボン酸二無水物と
    を溶媒中で反応させて得られるポリアミド酸とを、
    〔3〕で示されるジアミノ化合物と式〔4〕で示される
    テトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られるポリ
    アミド酸が全体の5〜95モル%となるよう混合した後
    加熱により脱水閉環して得られる、請求項1に記載の
    リイミド組成物。 【化3】 (Aは2価の有機基を示す。) 【化4】 (Bは4価の有機基を示す。) 【化5】 (mは1〜20の整数、nは1〜2の整数、Rは炭素
    数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基を示す。)
  3. 【請求項3】式〔6〕で示される構造単位からなるポリ
    イミド樹脂と式〔7〕で示される構造単位からなるポリ
    イミド樹脂とから成り、式〔6〕で示される構造単位が
    全体の5〜95モル%である、請求項1に記載のポリイ
    ミド組成物。 【化6】 (Rは炭素数1〜20のアルキル基を示す。) 【化7】 (mは1〜20の整数、nは1〜2の整数、Rは炭素
    数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基を示す。)
  4. 【請求項4】式〔8〕で示されるジアミノ化合物と式
    〔9〕で示されるテトラカルボン酸二無水物とを溶媒中
    で反応させて得られるポリアミド酸と、請求項2に記載
    式〔5〕で示されるジアミノ化合物と式〔9〕で示さ
    れるテトラカルボン酸二無水物とを溶媒中で反応させて
    得られるポリアミド酸とを、式〔8〕で示されるジアミ
    ノ化合物と式〔9〕で示されるテトラカルボン酸二無水
    物とを反応させて得られるポリアミド酸が全体の5〜9
    5モル%となるよう混合した後加熱により脱水閉環して
    得られる、請求項3に記載のポリイミド組成物。 【化8】 (Rは炭素数1〜20のアルキル基を示す。) 【化9】
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載されたポリ
    イミド組成物を用いることを特徴とする液晶配向膜。
  6. 【請求項6】請求項5に記載された液晶配向膜を備えた
    液晶表示素子。
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