JPH0643044B2 - 木材加工装置における被加工物の加工方法および装置 - Google Patents

木材加工装置における被加工物の加工方法および装置

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JPH0643044B2
JPH0643044B2 JP2015414A JP1541490A JPH0643044B2 JP H0643044 B2 JPH0643044 B2 JP H0643044B2 JP 2015414 A JP2015414 A JP 2015414A JP 1541490 A JP1541490 A JP 1541490A JP H0643044 B2 JPH0643044 B2 JP H0643044B2
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    • B27WORKING OR PRESERVING WOOD OR SIMILAR MATERIAL; NAILING OR STAPLING MACHINES IN GENERAL
    • B27CPLANING, DRILLING, MILLING, TURNING OR UNIVERSAL MACHINES FOR WOOD OR SIMILAR MATERIAL
    • B27C9/00Multi-purpose machines; Universal machines; Equipment therefor

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、数値制御される加工ヘッドによって被加工
物を所定形状に切削加工するための自動化された木材加
工装置に係り、詳細には被加工物の搬入、位置決め固
定、加工及び搬出に至る一連の工程を自動的に行えるよ
うにした木材加工装置における被加工物の加工方法及び
装置に関するものである。
〔従来の技術〕
一般に木材加工装置で被加工物の切削加工を行う際、こ
の被加工物をテーブル上で固定する必要があり、その手
段として、上記被加工物を真空吸着により固定すること
は既に知られている。
第19図に示したのは、従来の被加工物吸着手段を備え
た木材加工装置の概略的な正面図である。図において、
1は木材加工装置、2は加工ヘッド、3は切削刃、4は
テーブル、100は被加工物吸着治具、101は吸引ポ
ンプ、102は固定具、103は固定ボルト、そしてA
は被加工物である。
次に動作について説明する。被加工物Aは、この被加工
物Aの形状及び大きさに合わせて製作された被加工物吸
着治具100に収容される。被加工物吸着治具100は
例えば固定具102、固定ボルト103等の治具クラン
プ手段によって、テーブル4上の所定位置に位置決めさ
れた後に固定される。この被加工物吸着治具100は吸
引ポンプ101に接続されるように構成されており、吸
引ポンプ101の作動によって被加工物Aは被加工物吸
着治具100に真空吸着され該治具100を介してテー
ブル4上の所定位置に固定される。この固定状態におい
て加工ヘッド2を作動させると共に切削刃3をも独自に
回転、振動等の駆動をさせて被加工物Aの加工を行って
いる。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の木材加工装置にあっては、被加工物の切削加工に
際して、その都度、被加工物の形状及び大きさに合わせ
た専用の吸着治具を製作しなければならず、その製作工
数は莫大なものであった。しかもこれら吸着治具は極め
て汎用性に乏しく、従ってこれら吸着治具の保管のため
に広大な専用スペースを必要としていた。また、これら
吸着治具の加工製品に占めるコストの割合は大きく、加
工製品のコストダウンを進める上での障害となってい
た。さらに、被加工物の切削加工に際して、吸着治具を
セットする時間を必要とし、多品種少量生産においては
特に装置の実稼働率を向上させるのに対して妨げとなっ
ていた。
従来の木材加工装置における被加工物の吸着手段では、
被加工物の形状及び大きさに合わせて製作した専用の吸
着治具の実効吸着力が少ない場合に、簡単に吸着力を増
加させることができず、いきおい安全を見て吸着力以外
の補助クランプ手段を併用せざるを得ない設計となり、
被加工物の端部にクランプ代として余分な材料取りを必
要としていた。
また、作業の大部分を人手に頼っているため、被加工物
を多量に処理する場合等には、作業が効率的に行われ
ず、ミスも発生しやすい等の問題点があった。
この発明は上記のような問題点を解消するためになされ
たもので、別途専用吸着治具を必要とすることなく、被
加工物の大きさや形状に応じて自動的に被加工物を加工
スペースの所定位置に位置決めして、固定すると共に、
加工製品の搬出等を全て自動的に行うことができるシス
テム化された木材加工装置における被加工物の加工方法
及び装置を得ることを目的としている。
さらに、この発明は被加工物の大きさや形状に応じて、
被加工物への実効吸着力を変更可能とし予め最適吸着力
を得るように設定して、補助クランプ手段を不要となし
被加工物にクランプ代を加えず経済的な材料取りが可能
な木材加工装置における被加工物の加工方法及び装置を
得ることを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
この発明に係る木材加工装置における被加工物の加工方
法および装置は、数値制御により木材加工装置を一括制
御する制御装置に、加工スペースに搬入される被加工物
の大きさ及び形状の数値データを入力し、この数値デー
タに基づいて、上記加工スペースの平面のX軸方向及び
Y軸方向に移動可能に配列され且つ上記被加工物を吸着
固定する複数の吸着パット装置から最適な数の吸着パッ
ト装置を選択して配置し、各吸着パット装置の吸着力が
最適となるように該吸着力を制御し、木材加工装置の本
体内に揺動支点を有する搬入搬出コンベアを設け、この
揺動支点を中心とする搬入搬出コンベアの上下方向の揺
動によってその搬送面を木材加工装置の加工スペースに
出没可能とし、搬送面が加工スペースに出現した状態で
被加工物を加工スペース内に搬入するのを第1ステップ
となし、上記複数の吸着パット装置上に上記搬入搬出コ
ンベアを下降させ加工スペースから退避させると共にコ
ンベア上の被加工物を下降中に吸着パット装置上に載置
するのを第2ステップとなし、上記平面X軸方向及びY
軸方向に各々直交する上記加工スペースにおけるそれぞ
れの端部付近に出没可能な位置決めストッパと該ストッ
パの出現位置の略対向位置に配設され、上記加工スペー
スに出現及び又は退避可能な押圧手段とより成る位置決
め手段を設け、加工スペースの相隣る二側面の下端部付
近にそれぞれ位置決めストッパを上昇出現させ、各々対
応する押圧手段によって被加工物を位置ストッパに押圧
して位置決めう行うのを第3ステップとなし、上記吸着
パット装置によって上記被加工物を吸着固定したのち、
上記位置決めストッパ及び押圧手段を上記加工スペース
により退避させて加工を行うのを第4ステップとなし、
加工終了を確認し、上記吸着パット装置による吸着を解
除した後、上記搬入搬出コンベアを上昇せしめ製品を搬
出するのを第5ステップとなすと共に、入力された上記
被加工物の大きさ及び形状の数値データに基づき上記木
材加工装置の加工ヘッド、上記搬入搬出コンベア、上記
吸着パット装置、上記位置決めストッパ及び上記押圧手
段等の動作を一括制御する制御装置を設け、上記第1ス
テップから第5ステップまでの各ステップを自動的に行
えるようにした木材加工装置における被加工物の加工方
法及び装置である。
〔作用〕
この発明の木材加工装置における被加工物の加工方法及
び装置では、搬入搬出コンベアの搬送面が加工スペース
内に到達するようにコンベアを上昇させ、搬送駆動する
ことにより装置外の被加工物が加工スペースに搬入され
る。実質的に被加工物の載置面を構成する吸着パット装
置は、被加工物の大きさや形状に対応した配列間隔を得
るため、予めX軸方向及びY軸方向に移動させて離散及
び又は集合状態を形成する。加工スペース内に搬入され
た被加工物は搬入搬出コンベアの下降によって吸着パッ
ト装置上に載置される、搬入搬出コンベアはさらに下降
を継続し加工スペースより没する。加工スペースに出現
した位置決め手段を作動させて被加工物を位置決めし、
吸着パット装置を作動させて被加工物を固定する。そし
て位置決め手段の作動を解除し、加工スペースより退避
させると加工スペースには被加工物のみが存在すること
となり、邪魔となるものはなく、被加工物の加工が円滑
に遂行できる。加工が終了すると吸着パット装置を解除
し、固定状態を解除された加工製品は上昇してきた搬入
搬出コンベアによって拾い上げられ同コンベヤの搬送駆
動によって加工スペース外へと搬出される。加工ヘッ
ド、搬入搬出コンベア、吸着パット装置及び位置決め装
置等の動作が制御装置によって一括制御されるので、被
加工物の加工が自動的に遂行し得る。
〔実施例〕
以下、この発明の一実施例を図について説明する。
第1図(A)はこの発明の一実施例を示す木材加工装置の
正面図であり、第1図(B)はその加工ユニットの斜視図
である。図において、1は木材加工装置、Sは加工スペ
ース、2は木材加工装置1のヘッドで、このヘッド2に
は加工ユニット2aが複数取り付けられ、各加工ユニッ
ト2aにはモータMで回転駆動される主軸スピンドル
MSを備え、この主軸スピンドルMSの下端に切削刃3
が着脱可能に取付けられている。なお、上記ヘッド2は
従来の木材加工装置1の場合と同様にNC制御により昇
降駆動されると共に、平面X−Y方向に駆動されるよう
になっている。200は搬入搬出コンベアで、該コンベ
ア200の一端は木材加工装置1の装置本体内に揺動可
能に支持されている。該コンベア200の他端側は上下
方向に移動可能であり、上昇して上死点に達すると該コ
ンベア200の搬送面が加工スペースS内に位置し、該
コンベア200の駆動によって被加工物Aの加工スペー
スS内への搬入及び加工製品の加工スペースSからの搬
出が可能となる。6は吸着パット装置で、該パット装置
6の上端面は実質的に被加工物Aの載置面を構成する。
吸着パット装置6は加工スペースSの平面X軸方向及び
Y軸方向に移動可能となっているので、被加工物Aの形
状、大きさに応じて最適の吸着力が得られるよう予め個
々の装置6の位置が選択制御される。
70はX軸方向位置決めストッパであり、後述のY軸方
向位置決めストッパ80と共に加工スペースS内に出没
自在に構成され位置決めに際しては加工スペースS内に
出現し基準面を形成して進行してきた被加工物Aに当接
して停止させる。90はX軸方向押圧手段であり、前記
X軸方向位置決めストッパ70のほぼ対向位置に配設さ
れ、Y軸方向ストッパ80に対して同様に配置されるY
軸方向押圧手段300と共に加工スペースS内に出現及
び/又は退避可能になっており、被加工物Aの位置決め
に際して被加工物Aを位置決めストッパ70の方向に押
圧し位置決めを行う。
第2図は搬入搬出コンベアを示す側面図である。図にお
いて、200は搬入搬出コンベア、201はコンベアベ
ルト、202は駆動ローラ、203は従動ローラ、20
4は保持ローラ、205,206はテンションローラ、
207は駆動軸であり駆動ローラと不図示のキー部材等
の係止部材によって一体的に結合されて自身の回転駆動
力を該ローラ202に伝達すると共に該駆動軸207は
支持板212に回動自在に軸支されている。
208は空圧シリンダ、209はシリンダロッド、21
0はアクチュエータ、211はアクチュエータ210の
回動支軸であり、上記支持板212に固設される。21
3はコンベアステー、Mは可逆回転可能なコンベア駆
動モータであり、不図示のギア群を介して減速された回
転駆動力を駆動軸207に伝達する。
次に動作について説明する。上記アクチュエータ210
の一端には円形カムが回動可能に軸支され、コンベアス
テー213に固設された結合片2131のカム溝に移動
可能に係合している。上記アクチュエータ210の他端
は空圧シリンダ208のシリンダロッド209の先端部
に結合部材を介して該シリンダロッド209の軸方向と
同一平面内に回動可能に軸支されている。また、上述の
如くアクチュエータ210はほぼその中央部で上記回動
支軸211によって支持板212の面上に回動可能に軸
支されているので空圧シリンダ208を作動させて、シ
リンダロッド209をピストン運動させると、アクチュ
エータ210によって、シリンダロッド209の水平ピ
ストン運動は結合片2131の上下運動へと変換され
る。コンベアベルト201は駆動ローラ202、従動ロ
ーラ203、保持ローラ204の間を巻回わされる無端
状ベルトでありテンションローラ205,206によっ
てテンションが調整される。この搬入搬出コンベア20
0はコンベアベルト201の搬送面が上昇して加工スペ
ースS内を通過可能となったときに、コンベア駆動モー
タMを可逆回転させ、搬入または搬出を行わせるもの
である。なお支持板212は後述の吸着パット装置のパ
ット取付ユニットに固着され、該ユニットのX軸方向の
移動にともなって移動する。
第3図は木材加工装置の被加工物吸着パット装置を示す
正面図、第4図は同側面図、第5図は同平面図、第6図
は被加工物吸着パット装置の要部断面図である。
木材加工装置1は被加工物Aを加工する加工スペースS
を備えている。この加工スペースSの底部付近にはテー
ブル4が配設され、テーブル4の上部に第3図〜第5図
に示すように複数のパット取付ユニット5〜5が並
行配列されている。これらのパット取付ユニット5
には、複数の吸着パット装置6がY軸方向へ移動可
能に装架されている。すなわち、上記各パット取付ユニ
ット5〜5は、第5図および第6図(A),(B)に示す
ように、上記テーブル4に装架されたX軸方向のスクリ
ューロッド(ユニットガイド手段)7に螺合され、該ス
クリューロッド7に沿ってX軸方向へ往復移動方向に支
持されている。
ここで上記吸着パット装置6の構成を第7図に基づいて
詳述する。上記吸着パット装置6は、上記Y軸方向のス
クリューロッド8に下部が螺合されたパット支持筒60
を備えている。このパット支持筒60には、その周壁上
部から周壁下部に向かってパット下降用流体供給ポート
61とパット上昇用流体供給ポート62および吸引ポー
ト63のそれぞれが順次設けられている。
上記パット下降用流体供給ポート61および上昇用流体
供給ポート62は、圧力流体(エアー)供給源に電磁切
換弁等を介して接続される。また、上記吸引ポート63
は真空吸引ポンプ等の真空吸引源に接続される。
かかるパット支持筒60内には、パット支持ロッド64
が昇降自在に嵌挿され、該パット支持ロッド64の上端
側は上記パット支持筒60の上端から突出している。そ
して、上記パット支持ロッド64の外周面部には環状受
圧突部65が一体形成されている。この環状受圧突部6
5は、上記パット支持筒60の内周面と上記パット支持
ロッド64の外周面との間で上記パット下降用流体供給
ポート61に接続した下降用圧力室61aと、パット上
昇用流体供給ポート62に接続した上昇用圧力室62a
とを仕切っている。
また、上記パット支持ロッド64には、その軸心部に沿
う吸引路66が設けられ、この吸引路66の下端部は上
記吸引ポート63側に屈曲した屈曲孔部66aとなって
いる。
この屈曲孔部66aは、第7図(B)に示すように上記パ
ット支持ロッド64の上昇位置で上記吸引ポート63に
接続し、且つ第7図(A)に示すように上記パット支持ロ
ッド64の下降位置では上記吸引ポート63から下降変
位して該吸引ポート63とは遮断されるようになってい
る。かかるパット支持ロッド64の上端には吸着パット
67が取付けられている。
この吸着パット67には、その上面に開口した吸引口6
8が設けられ、この吸引口68は上記吸引路66に接続
している。
このようにして吸着パット装置6が構成され、その複数
が上記各パット取付ユニット5〜5のそれぞれに配
列されている。
ここで、上記各パット取付ユニット5〜5には、そ
れぞれの長手方向に沿うY軸方向のスクリューロッド8
が装架され、このスクリューロッド(パットガイド手
段)8に上記複数の吸着パット装置6が往復移動自在に
螺合されている。そして、上記各パット取付ユニット5
〜5が上記X軸方向のスクリューロッド7に螺合さ
れている。従って、上記各吸着パット装置6はX軸方向
およびY軸方向のそれぞれに往復移動可能な支持構成と
なっている。
また、上記各吸着パット装置6は個々にサーボモータS
M1,SM2を備えており、これらのサーボモータSM
1,SM2の正逆回転起動により、上記各吸着パット装
置6がX軸方向のスクリューロッド7およびY軸方向の
スクリューロッド8に沿って往復移動するようになって
いる。
すなわち、上記サーボモータSM1,SM2は第7図
(A)および第6図(A)に示すように、それぞれの出力軸に
嵌着された主動ベベルギヤ9b,9aと、上記X軸方向
のスクリューロッド7およびY軸方向のスクリューロッ
ド8に螺合されて上記主動ベベルギヤ9b,9aに噛合
した従動ベベルギヤ10b,10aとを有する図示例構
成となっている。ここで、上記各パット取付ユニット5
〜5は、例えば第6図(A)において、それぞれの端
部に位置するサーボモータSM2の主動ベベルギヤ9a
が第6図(A)に示すようにX軸方向のスクリューロッド
7に螺合され、そのサーボモータSM2の正逆回転起動
により上記各パット取付ユニット5〜5がX軸方向
に移動するようになっている。
次に動作について説明する。木工用ルータ1による被加
工物の切削加工に際しては、第8図および第9図に示す
ように被加工物Aを複数の吸着パット装置67上に載置
して吸着固定させる。この場合の被加工物Aは、例えば
第8図に示す形状のものや第9図に示す大きさのものな
ど、形状や大きさが様々である。
そこで、パット取付ユニット5〜5駆動系のサーボ
モータSM2を制御起動させ、上記各パット取付ユニッ
ト5〜5がX軸方向のスクリューロッド7に沿って
X軸方向に走行駆動される。これによって、上記各パッ
ト取付ユニット5〜5の相互間隔が被加工物Aの大
きさや形状に対応した間隔に自動調整される。同時に、
各吸着パット装置6のそれぞれのサーボモータSM1を
制御起動させると、それらの吸着パッと装置6がY軸方
向のスクリューロッド8に沿ってY軸方向に走行駆動さ
れる。これによって上記各パット取付ユニット5〜5
におけるそれぞれの吸着パット装置6の相互間隔が被
加工物Aの大きさや形状に対応した間隔に同時的に自動
調整される。
このようにして、上記各吸着パット装置6のそれぞれが
X軸方向およびY軸方向に自動的に位置調整されること
により、被加工物Aの大きさや形状に対応した吸着パッ
ト装置6の配列間隔が得られる。
このような配列間隔に位置調整された吸着パット装置6
であっても、その全てで被加工物Aを吸着固定するとは
限らず、被加工物Aの形状や大きさによっては、第8図
および第9図の点線で示す部分の吸着パット67が上記
被加工物Aを吸着固定し、同図中の実線部分の吸着パッ
ト67は用をなさなくなる。
そこで、被加工物Aの吸着可能範囲内(第8図および第
9図の点線部分)にある吸着パット67のみを上昇さ
せ、それ以外(実線部分)の吸着不能な吸着パット67
は下降させたままにしておく。すなわち、吸着可能範囲
内の吸着パット67にあっては、その系統のパット支持
筒60のパット上昇用流体供給ポート62から圧力流体
を供給することにより、その圧力流体が上昇用圧力室6
2a内に流入し、パット支持ロッド64の環状受圧突部
65に下側から作用することにより、上記パット支持ロ
ッド64が上昇動作する。そして、その上昇位置では、
パット支持ロッド64の吸引路66の屈曲孔部66aが
吸引ポート63に接続する。このため、吸着パット67
の吸引口68に吸引力が作用し、その吸引力によって上
記吸着パット67上に被加工物Aが吸着固定される。こ
の状態で加工ヘッド2の切削刃3によって上記被加工物
Aの切削加工が行われる。この切削加工時に、用をなさ
ない(使用しない)吸着パット67は下降しているの
で、上記切削加工の邪魔になるようなことはない。ま
た、上記吸着パット67を下降させるには、パット上昇
用流体供給ポート62からの圧力流体の供給を停止し、
パット下降用流体供給ポート61圧力流体を供給する。
すると、そのパット下降用流体供給ポート61から下降
用圧力室61a内に圧力流体が流入し、この圧力流体が
パット支持ロッド64の環状受圧突部65に上側から作
用することにより、上記パット支持ロッド64が下降動
作する。そして、その下降位置では、パット支持ロッド
64の屈曲孔部66aがパット支持筒60の吸引ポート
63より下方に変位することにより、上記吸引ポート6
3が上記パット支持ロッド64によって遮断される。従
って、下降した吸着パット67には吸引力が作用せず、
この状態で吸着パット67は下降位置に待機する。
第10図は全部の吸着パット67を用いる場合を例とし
て、被加工物Aの大きさに応じて各吸着パット67の間
隔を変えた場合を示す。同図(A)は大きな被加工物Aの
場合であり、各吸着パット67の間隔を広くとってい
る。同図(B)は小さい被加工物Aの場合であり、各吸着
パット67の間隔は非常に狭くなっている。
第11図乃至第13図は被加工物の位置決め装置を示す
木材加工装置の平面図、正面図、そして側面図である。
これらの図において、70はX軸方向位置決めストッ
パ、80はY軸方向位置決めストッパ、90はX軸方向
押圧手段、300はY軸方向押圧手段である。400は
Y軸方向固定押圧手段である。X軸方向及びY軸方向位
置決めストッパ70,80は、被加工物Aに当接する当
接部を有する位置決め定規71,81と、空圧シリンダ
72,82と、この空圧シリンダ72,82をテーブル
4に固着する固着台73,83とより構成される。空圧
シリンダ72,82のシリンダロッドの先端に前記位置
決め定規71,81が固着される。位置決め定規71,
81は空圧シリンダ72,82の作動に応じて加工スペ
ースSに出現及び/又は退避する。
第14図はX軸方向押圧手段を示す側面図である。同図
において、91はアーム回動シリンダ、92はアーム昇
降シリンダ、93はアーム、94はアーム回動支点、9
5は押圧キャリッジ、96は押圧板、97がキャリッジ
ガイドレール、98は支柱、99はアーム支持部材、M
はキャリッジ移動モータである。
次にX軸方向押圧手段90の動作を説明する。支柱98
は加工ヘッド2に固設されている。アーム昇降シリンダ
92は支柱98に一体的に固設され、シリンダロッドの
先端にはアーム支持部材99を介してアーム93が結合
されているので、アーム昇降シリンダの作動に応じてア
ーム93が上下動を行う。一方、アーム支持部材99の
両側端にはアーム回動シリンダ91が回動可能に軸支さ
れ、アーム回動シリンダ91のシリンダロッドの先端に
はアームが軸支されている。そしてアーム93はアーム
回動支点94によって軸支されているので、アーム回動
シリンダ91の作動に応じて、水平方向に延出した状態
からほぼ垂直な退避状態へ約90°の回動が可能であ
る。アーム93の下端にはキャリッジガイドレール97
が配設され押圧キャリッジ95はこのキャリッジガイド
レール97を把持係合しアーム93の長手方向に移動が
可能である。そしてアーム93の先端に設設けたキャリ
ッジ移動モータMによってアーム93の長手方向に移
動される。押圧キャリッジ95には被加工物Aに当接し
て押圧する押圧板96が取付けられている。被加工物A
が吸着パット装置6に載置された後、X軸方向押圧手段
90を取付けた加工ヘッド2を移動させ該手段90が被
加工物AのX軸方向の外方付近に位置するようにして停
止する。次いで、アーム回動シリンダ91を作動させて
アーム93を水平状態にする。その後、アーム昇降シリ
ンダ92が作動して押圧板96が押圧位置付近に停止す
る。その後第13図に示したZ軸サーボモータSM3に
よってX軸方向押圧手段90の上下微調整して押圧板9
6の最適位置を設定する。押圧キャリッジ95も被加工
物Aの形状、大きさに応じて移動し、位置を設定する。
押圧板96の最適位置を決定した後、X軸方向シリンダ
95aによって該押圧板96をX軸方向に移動させて被
加工物AをX軸方向に押圧し位置決めを行う。
第15図はY軸方向押圧手段を示す側面図である。図に
おいて、301は加工ヘッド2の下方に固設された下降
シリンダ、302は水平押圧シリンダ、303は押圧部
材、304はシリンダ接続ブロックである。下降シリン
ダ301と水平押圧シリンダ302はシリンダ接続ブロ
ック304によって接続されている。押圧部材303の
下降位置は一定であり、常に被加工物Aを押圧可能な位
置に設定されている。
第16図はY軸方向固定押圧手段を示す側面図であり、
図において、401は押圧シリンダ、402は昇降シリ
ンダ、403は結合ブロック、404は押圧ヘッド、4
05は押圧部である。押圧シリンダ401は装置本体の
ガントリー部に固設される。押圧シリンダ401のシリ
ンダロッド先端には、昇降シリンダ402を接続するた
めの結合ブロック403が固着されていて、押圧ヘッド
404を固着した昇降シリンダ402を接続する。押圧
ヘッド404の先端に取付けられた押圧部材405によ
て被加工物AをY軸方向に押圧する。上記押圧部材40
5の加工面からの高さは上記押圧部材303と同様に上
記昇降シリンダ402のストロークによって決まり一定
である。
第17図(A),(B),(C)は被加工物Aを加工するときのフ
ローチャートである。このフローチャートはこの発明に
係る木材加工装置における被加工物の加工方法及び装置
によって被加工物の自動加工を行う場合の動作例を示し
たものである。
これらのフローチャートを参照して動作について説明す
る。まず、被加工物の大きさと形状は後述の制御装置
の、切削プログラムを作成するCADシステムに入力さ
れる。入力された形状・大きさにより吸着パット装置の
最適な選択、上昇、移動データと、加工データが生成さ
れる。これらデータはオンライン、又はオフラインで装
置内の制御装置のCPUに入力される。CPUは吸着パ
ット装置6の制御回路に対し使用するパット装置の選
択、上昇及び移動を支持する。吸着パット装置6の準備
が完了したことを確認して、搬入搬出コンベア200を
上昇させる。このとき吸着パット装置6の吸着パット6
7の上端面が実質的に形成する被加工物載置面上には障
害となるものが何も無い状態であることを確認する。こ
の一つの例として位置決めストッパを挙げた。次に搬入
搬出コンベア200の搬送面に被加工物Aを載置する。
このとき、例えば被加工物Aを立体倉庫等にバーコード
等のコード番号を付して保管しておき、ロボット装置で
指定の被加工物Aを選択し、これを搬出して、搬入搬出
コンベア200上に載置するようにすればさらに広い範
囲の自動化が達成される。搬送面上に被加工物Aが完全
に載置されたことを確認して、Mを正転駆動させて加
工スペースS内に搬送する。CADシステムに入力され
たデータにより予め加工ヘッドまたはY方向押圧手段が
下降して所定位置に待機して被加工物Aの検知を行う。
検知手段として近接スイッチNSが設けられている。被
加工物Aが所定位置に到達したことを確認してMを停
止させる(ST1)。搬入搬出コンベア200を下降さ
せて被加工物Aを吸着パット装置6上に載置する。載置
位置が適正か確認する。載置位置は上記近接スイッチN
Sによって行われる(ST2)。次にX軸方向,Y軸方
向位置決めストッパ70,80を上昇させて加工スペー
スS内に出現させる。出現完了を確認して、X軸方向押
圧手段を作動可能であるように退避状態を解除して準備
する。作動可能であることを確認する。そしてまずY軸
方向押圧手段300を作動させて被加工物AをY軸方向
に押圧する。被加工物AがY軸方向位置決めストッパ8
0とY軸方向押圧手段300との間に位置決めされたこ
とをセンサにより確認した後、X軸方向押圧手段90に
よってX軸方向に押圧する。押圧位置決め完了をセンサ
により確認する(ST3。次に吸着パット装置6を作動
して被加工物Aを吸着固定する。真空スイッチにより真
空圧の上昇を確認し、吸着固定の完了を確認の上、X軸
方向,Y軸方向押圧手段90,300を退避させる。退
避完了確認の後、予めCADシステムで作られNC装置
に転送されているプログラムにより加工サイクルを開始
する(加工ヘッドによる三次元下降がX軸方向,Y軸方
向位置決め手段70,80に及ぶ場合には両手段70,
80も退避させる)。NC装置により送出された加工完
了信号により加工サイクル完了を確認する(ST4)。
吸着パット装置6の吸着を解除する。吸着解除を確認し
て搬入搬出コンベア200を上昇させる。しかしてX軸
方向,Y軸方向位置決めストッパ70,80を退避をさ
せ、これを確認して搬入搬出コンベア200のMを正
転または逆転させて加工製品を搬出する(ST5)。こ
の後加工を引き続き行ってもよく、また装置を停止させ
るようにしてもよい。被加工物Aの搬入のときと同様、
ロボット装置等によって加工製品を受取り、保管場所に
収納すればさらに自動化の範囲を広げることが可能であ
る。
第18図はこの発明の実施例における制御装置の系統図
である。図において、500は木材加工装置1側と接離
可能なCADシステム、501はCPU、502はCP
Uの指示を具体化するプログマムコントローラ、503
はマイクロコンピュータを内蔵した吸着パット装置の位
置決め制御装置、504は木材加工装置1側の入力装
置、なおCADシステム500は別に入力装置を備えて
いる。505は木材加工をコントロールするNC装置、
506は吸着パット装置の昇降制御装置、507は位置
決めストッパ制御装置、508はX軸方向,Y軸方向押
圧手段の制御装置、509はストッパ吸着制御装置、5
10はコンベア駆動手段の制御装置である。プログラム
コントローラは目的に応じ複数組込まれる。
次に動作について説明する。CADシステム500は所
望の加工製品を得る切削プログラムを作成する。このC
ADシステム500に被加工物の形状および大きさを入
力すると加工ヘッドによる加工データおよび吸着パット
装置の選択、上昇、移動に係る最適データが生成され
る。CADシステムはバスを介して木材加工装置1側の
CPU501およびNC装置505に接続されてオンラ
イン作動が可能であると共に、これらとは切り離しての
オンライン作動もまた可能である。
吸着パット装置の位置決め制御装置503はマイクロコ
ンピュータを内蔵しており、上記CADシステム500
のデータに基づいたCPU501、プログラムコントロ
ーラ502の指示により同時に10軸の位置決めが可能
であり、合計では30軸の位置決めが可能である。各軸
が互いに干渉することなく同時位置決めが可能であるよ
うに入力値に基づいて演算を行い各4軸ずつのブロック
内で位置決め順序を自動判別して位置決めを行う。
プログラムコントローラ502を介して具体化されたC
PU501の指示は、上記各制御手段503乃至510
をそれぞれ介して各駆動手段へと伝達され動作する。入
力装置504へはキーボードのほかに木材加工装置1の
適所に配置したリミットスイッチ、近接スイッチおよび
各種センサによって各種情報がもたらされるようになっ
ている。この発明の実施例においては、加工のステップ
またはステップ内における1つ1つの加工動作が前の動
作終了を確認して次の動作へ移行するシーケンス制御体
系を採用しており、自動化への移行は簡単に行われるよ
うになっている。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明によれば、加工装置内に装備さ
れ、該加工装置の加工スペースに出没可能な搬入搬出コ
ンベアによって被加工物を加工スペースの所定位置に載
置し、実質的に被加工物の載置台となる吸着パット装置
によって任意に且つ強力な吸着力で被加工物を位置決め
固定し、また位置決めに際しては、加工スペースに出現
及び/又は退避可能な位置決め手段によって被加工物を
位置決めし、固定した後該手段を退避させるようにした
ので各工程は連続的な制御が可能となり、これらを一括
制御する制御装置を設けて自動化が達成されることとな
った。
また、被加工物の形状および大きさに合わせた専用の吸
着治具は不要となり、治具製作に要する工数、保管のス
ペース、治具交換の工数等が一切不要となると共に、被
加工物の位置決め固定に際し、クランプ代を余分にとら
なくともよいために材料取りも今までより少なくて済
み、自動化、専用治具の廃止等と相まって、極めて大き
な経済効果をもたらす木材加工装置における被加工物の
加工方法および装置である。
【図面の簡単な説明】
第1図(A),(B)はこの発明の一実施例による木材加工装
置の正面図およびその加工ユニットの斜視図、第2図は
搬入搬出コンベアの側面図、第3図は上記木材加工装置
の被加工物吸着パット装置の正面図、第4図は同側面
図、第5図は同平面図、第6図(A),(B)および第7図
(A),(B)は被加工物吸着パット装置の要部断面図、第8
図,第9図および第10図は形状および大きさの異なっ
た被加工物を吸着パット上に載置した状態の平面図、第
11図〜第13図は被加工物位置決め装置を示す上記木
材加工装置の平面図,正面図,そして側面図、第14図
はX軸方向押圧手段を示す側面図、第15図はY軸方向
押圧手段を示す側面図、第16図はY軸方向固定押圧手
段を示す側面図、第17図は被加工物加工の動作を示す
フローチャート、第18図はこの発明の実施例における
制御装置の系統図、第19図は従来の木材加工装置を示
す概略構成図である。 図において、1は木材加工装置、2は加工ヘッド、3は
切削刃、4はテーブル、6は吸着パット装置、70はX
軸方向位置決めストッパ、80はY軸方向位置決めスト
ッパ、90はX軸方向押圧手段、200は搬入搬出コン
ベア、300はY軸方向押圧手段、Aは被加工物、Sは
加工スペース。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 隆幸 静岡県浜松市三島町1418番地 株式会社平 安鐵工所内 (72)発明者 本多 正和 静岡県浜松市三島町1418番地 株式会社平 安鐵工所内 (56)参考文献 特開 昭64−26138(JP,A) 特開 昭62−249505(JP,A) 特公 昭61−1281(JP,B2)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】木材加工装置を一括制御する制御装置に、
    加工スペースに搬入される被加工物の大きさ及び形状の
    データを入力し、このデータに基づき、上記加工スペー
    スの平面X軸方向及びY軸方向に移動可能に配列され且
    つ上記被加工物を吸着固定する複数の吸着パット装置を
    選択配置するとともに各吸着パット装置の吸着力を制御
    し、上記木材加工装置の本体内に揺動支点を有し、上記
    加工スペースに搬送面が出没可能な搬入搬出コンベアに
    よって被加工物を該加工スペースに搬入する第1ステッ
    プと、上記複数の吸着パット装置上に上記搬入搬出コン
    ベアを下降させて上記被加工物を載置する第2ステップ
    と、上記平面X軸方向及びY軸方向に各々直交する上記
    加工スペースのそれぞれの端部付近に出没可能に設けら
    れた位置決めストッパを上昇出現させ、該位置決めスト
    ッパの各々の出現位置の略対向部に設けられ、上記加工
    スペースに出現及び又は退避可能な押圧手段によって上
    記被加工物を該位置決めストッパに押圧し位置決めを行
    う第3ステップと、上記吸着パット装置によって上記被
    加工物を吸着固定したのち上記位置決めストッパ及び押
    圧手段を上記加工スペースより退避させて加工を行う第
    4ステップと、加工終了を確認し、上記吸着パット装置
    による吸着を解除した後、上記搬入搬出コンベアを上昇
    せしめ製品を搬出する第5ステップとから構成されるこ
    とを特徴とする木材加工装置における被加工物の加工方
    法。
  2. 【請求項2】上記各手段に動作完了を検知する複数の対
    応検知手段を配設し、上記各ステップにおけるそれぞれ
    の手段の動作開始を検知信号に基づいて制御するように
    した特許請求の範囲第1項に記載の木材加工装置におけ
    る被加工物の加工方法。
  3. 【請求項3】切削刃が取付けられ、数値制御により駆動
    される加工ヘッドと被加工物が加工される加工スペース
    とを備えた木材加工装置において、上記加工スペースの
    平面X軸方向及びY軸方向に移動可能に配列された実質
    的に上記被加工物の載置面を形成し、該被加工物の大き
    さ及び形状のデータに基づき上記平面に選択配置される
    とともに上記データにより制御された吸着力により該被
    加工物を吸着固定する複数の吸着パット装置と、上記木
    材加工装置の本体内に揺動支点を有し、上記加工スペー
    スに出没可能に構成され、被加工物を上記加工スペース
    に搬入すると共に加工後の製品を該加工スペースの外に
    搬出する搬入搬出コンベアと、上記平面X軸方向及びY
    軸方向に各々直交する上記加工スペースにおけるそれぞ
    れの端部付近に出没可能な位置決めストッパと該ストッ
    パの出現位置の略対向位置に配設され、上記加工スペー
    スに出現及び又は退避可能な押圧手段とより成る位置決
    め手段と、入力された上記被加工物の大きさ及び形状の
    データに基づき、上記加工ヘッド、上記吸着パット装
    置、上記搬出コンベア及び上記位置決め手段等の動作を
    一括制御する制御装置とを備えたことを特徴とする木材
    加工装置における被加工物の加工装置。
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