JPH0643029U - 簡易魚道装置 - Google Patents

簡易魚道装置

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JPH0643029U
JPH0643029U JP8424692U JP8424692U JPH0643029U JP H0643029 U JPH0643029 U JP H0643029U JP 8424692 U JP8424692 U JP 8424692U JP 8424692 U JP8424692 U JP 8424692U JP H0643029 U JPH0643029 U JP H0643029U
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JP8424692U
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勝二 寺薗
正信 高尾
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財団法人ダム水源地環境整備センター
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 取り外し、持ち運びが簡単な樋状の魚道装置
を提供する。 【構成】 複数の樋状の水路ブロック6を箱状の折返し
ブロック7を介して、一方向に折返しながら傾斜させた
水路を形成させ、水路ブロック6の上流側を固定堰に取
付け、水路ブロック6の下流側を下流側河床に着地させ
る。複数の水路ブロック6が一方向に折返されているの
で、平面状に折りたたむことができ、積載し易くなりト
ラックで運搬し易くなる。そして、僻地等に運搬し魚道
のない既存の堰に取付けることができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、魚道のない既存の堰等に簡単に設けることのできる簡易魚道装置に 関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、河川に設けられたダム、堰は、洪水調節、貯水池の利水等に利用されて いる。近年、設計され構築されたダム、堰においては、魚の生態系を維持するた めに魚道を併設したものがある。魚道には、ダム、堰を迂回して上流側から下流 側までの長い水路をコンクリート壁で設け、該水路にコンクリート製または鋼板 製の堰体を複数個徐々に高低差をつけて階段状に設置したものがある。
【0003】 図7に示す魚道装置1は固定堰2を設けた水路3の中に設けられており、木製 の矩形断面状の樋4をらせん状に組み立て、固定堰2の堰高に合わせられている 。樋4の上流側端は固定堰2の越流堰部5に配設され、この箇所に組み付け固定 するので設置作業も前述のものより比較的容易である。また、魚類の遡上期およ び遡下期に取付け、期間を過ぎると取り壊すことができる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
上記の魚道装置1においては、固定堰2の形状に合わせて取付け作業を行うの で汎用性がなく、資材をその都度調達するので費用がかかる。
【0005】 本考案は、組み立て取り外しのできる簡易魚道装置を提供することを目的とす る。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案は上記目的を達成するために、樋状の第1の水路ブロックの一端に箱状 の第1の折返しブロックを、伸縮部材で連絡すると共に、ヒンジを介して連結し 、該第1の折返しブロックに、前記第1の水路ブロックに並列にして第2の水路 ブロックの一端を、伸縮部材で連絡すると共に、ヒンジを介して連結し、第2以 上の折返しブロックおよび第3以上の水路ブロックを順次一方側に取付け、終段 の折返しブロックに終段の水路ブロックの一端を、伸縮部材で連絡すると共に、 ヒンジを介して連結したことを特徴とする。
【0007】 また、前記複数の水路ブロックおよび折返しブロックに、底板を二重にして呼 び水水路部を下部に形成し、下流端の水路ブロックの呼び水水路部の排水口は整 流板を介して前記下流端の水路ブロックの流出口に向けたことを特徴とする。
【0008】
【作用】
本考案の魚道装置は上記のように構成したものであるから、第1の水路ブロッ クの先端部を固定堰の堰頂部に固定し、固定堰の下流側に設けると、第1の折返 しブロックが下流側に位置される。また、第2の水路ブロックは上流側に延設す ることになる。そして、複数の折返しブロックを順番に低く設置すると、ヒンジ および伸縮部材によって複数の水路ブロックが順番に傾斜を持ち、固定堰の上流 側から下流側までブロックによる水路が形成される。
【0009】 さらに、呼び水水路部を水路ブロックに併設したことで、作業工数を増やさず に魚道を設置でき、魚類の遡上の支援をすることができる。 また、複数個の水路ブロックは平面上において一方側に順に並ぶので、取り扱 い易い。
【0010】
【実施例】
以下、本考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。図1ないし図3に示す ように、魚道装置1は樋状の水路ブロック6(6a,6b,6c)を複数個連接して、固 定堰2の越流堰部5から水路3の下流側まで傾斜して設けたものであり、水路ブ ロック6の連接部に箱状の折返しブロック7を連設している。水路ブロック6は 水路ブロック6a,6b,6c・・ごとに分離可能であり、水路ブロック6の内部には適 宜間隔で隔壁8を取付けられるようになっている。また、水路ブロック6の最上 端には、堰高に合わせた水路ブロック6の長さまたは傾斜角度の調節を行うため の補助ブロック9が、水路ブロック6の外周面に沿って摺動自在に設けられてい る。また、補助ブロック9の外周面には水密ゴム10が取付けられている。
【0011】 水路ブロック6と折返しブロック7との接続は、蛇腹状の伸縮部材11が介在さ れ、また、水路ブロック6と折返しブロック7とで曲げられる内角側にヒンジ12 を配置している。複数個の折返しブロック7は、河床13にアンカーボルト14で固 定した受台15に固着され、しかも順番にその高さを低くしている。すなわち、水 路ブロック6の上流側下部と下流側上部とにヒンジ12が取付けられている。また 、水路ブロック6と折返しブロック7との側面には図4に示すように係合部16お よびフック17が取付けられている。
【0012】 次に、収納状態の魚道装置1を図5および図6を参照して説明する。魚道装置 1は、第1の水路ブロック6a、第2の水路ブロック6bおよび第3の水路ブロ ック6cを平行にし、かつ、第1の折返しブロック7aおよび第2の折返しブロ ック7bを共に平行にして同一平面上で固定するようになっている。側方に対向 する水路ブロック6と折返しブロック7との隙間には中間板を挿入してバンド19 またはボルトで締付けるようにしており、また、係合部16にフック17を掛けて固 定している。水路ブロック6の上流側口と下流側口とに盲蓋20を取りつけている 。
【0013】 魚道装置1を固定堰2に設置する場合、コンパクトにされた魚道装置1はトラ ック等で運搬し、クレーンで操作する。最初に、固定堰2の下流側に受台15を所 定位置に固定する。受台15の高さは設置場所の条件と魚類が必要とする勾配を勘 案して決定する。また、増水時の流出防止のため、アンカーボルト14で確実に固 定している。次に、クレーンで吊り上げた魚道装置1の第1の水路ブロック6a および第1の折返しブロック7を越流堰部5と受台15とに、盲蓋を取付けたまま 架設する。ここでクレーンの荷重が軽減される。
【0014】 次に、第2の水路ブロック6b、第3の水路ブロック6cを順に降下させて受 台15に載せ、補助ブロック9で調整した後、各部を固定する。このほか、図1に 示される魚道装置1は水路ブロック6を3基設けているが、さらに追加すること も可能である。また、水路ブロック6を3基有する魚道装置1を連接して使用す ることもできる。なお、一つの魚道装置1において、運搬用トラックの荷台に収 まる幅まで水路ブロック6を連設できる。
【0015】 固定堰2の下流側に魚道装置1を固定した後、盲蓋20を取り外すことによって 水が魚道装置1の水路を流れる。堰頂には一定の越流水深があり、越流時に魚類 の遡上、遡下を可能にするものである。
【0016】 魚道装置1を取り外すときは、上記の逆順を行えば作業が容易である。このほ か、水上輸送のときは水路ブロック6の上流側口と下流側口とに盲蓋20を取りつ けたままにして浮体として曳航するのも良い。
【0017】 次に、上記の魚道装置1に呼び水を配したものを図7ないし図13を参照して説 明する。先ず、図7に示すように、固定堰2の越流堰部5は、補助ブロック9の 上流端に連接した側板21を流入量を多くするように広げているので、側板21に沿 って広げて形成されている。水路ブロック6aおよび連接する下方の水路ブロック 6b,6c ・・は底板を二重に設け、図9に示すように底板の下部に呼び水水路部22 を配設している。同様に中継点である折返しブロック7の底板も二重に設け、連 絡部分は蛇腹部材23で接続させている。また、図11に示すように呼び水水路部22 の取水口24にはスクリーン25が取付けられる。
【0018】 図8に示すように、水路ブロック6cに設けた呼び水水路部22は、下流端近くで 外側に折れて水路ブロック6cの下部から外れて水路ブロック6cの側部に配置し、 呼び水水路部22の排水口26を整流板27を介して水路ブロック6cの流出口に向けて いる。この排水口26にもスクリーン25が設けられている。したがって、呼び水水 路部22は水路ブロック6と一体になっているので、通常の組み立て作業で魚類の 遡上を支援する呼び水機能を備えた魚道装置1を設置することができる。
【0019】
【考案の効果】
本考案は以上のように構成したものであるから、固定堰の下流側の水路中に設 置することができる。また、魚道装置を平面状に折り畳めるので、取り外し、持 ち運びが簡単になり、魚道のない既存の堰に取付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による実施例の魚道装置の側面図であ
る。
【図2】図1に示す魚道装置の平面図である。
【図3】図1に示す魚道装置の正面図である。
【図4】図1に示す魚道装置の水路ブロックの接続部を
示す要部側面図である。
【図5】図1に示す魚道装置の折り畳んだ状態を示す平
面図である。
【図6】図1に示す魚道装置の折り畳んだ状態を示す側
面図である。
【図7】他の実施例の呼び水機能を設けた魚道装置の上
流側の平面図である。
【図8】図7に示す呼び水機能を設けた魚道装置の下流
側の平面図である。
【図9】図7に示す呼び水機能を設けた魚道装置の中間
部の側面図である。
【図10】図7に示す呼び水機能を設けた魚道装置の下
流側の側面図である。
【図11】図7に示す呼び水機能を設けた魚道装置の上
流側の正面図である。
【図12】図7に示す呼び水機能を設けた魚道装置の下
流側の側面図である。
【図13】図7に示す呼び水機能を設けた魚道装置の下
流側の正面図である。
【図14】従来の魚道装置の斜視図である。
【符号の説明】
6 水路ブロック 6a 水路ブロック 6b 水路ブロック 6c 水路ブロック 7 折返しブロック 7a 折返しブロック 7b 折返しブロック 7c 折返しブロック 11 伸縮部材 12 ヒンジ 22 呼び水水路部 27 整流板

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樋状の第1の水路ブロックの一端に箱状
    の第1の折返しブロックを、伸縮部材で連絡すると共
    に、ヒンジを介して連結し、該第1の折返しブロック
    に、前記第1の水路ブロックに並列にして第2の水路ブ
    ロックの一端を、伸縮部材で連絡すると共に、ヒンジを
    介して連結し、第2以上の折返しブロックおよび第3以
    上の水路ブロックを順次一方側に取付け、終段の折返し
    ブロックに終段の水路ブロックの一端を、伸縮部材で連
    絡すると共に、ヒンジを介して連結したことを特徴とす
    る簡易魚道装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の水路ブロックおよび折返しブ
    ロックに、底板を二重にして呼び水水路部を下部に形成
    し、下流端の水路ブロックの呼び水水路部の排水口は整
    流板を介して前記下流端の水路ブロックの流出口に向け
    たことを特徴とする請求項1に記載の簡易魚道装置。
JP1992084246U 1992-11-12 1992-11-12 簡易魚道装置 Expired - Lifetime JP2548559Y2 (ja)

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