JPH0642602Y2 - 袋状集塵フィルタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、塵埃を蓄積し水分を吸収することができる袋
状集塵フィルタに関する。

従来の技術 従来、乾燥しているゴミや塵埃だけでなく水分を含む塵
埃さらには多少の水をも吸引することができる掃除機が
みられる。この種の掃除機は吸引した水を塵埃などから
分離して水溜め室に溜めておき、ある程度の量になった
とき排出する構造となっている。

考案が解決しようとする課題 しかしながら、このような掃除機内に吸引した水を溜め
ておく構造では、掃除機に、塵埃などから水分を分離す
るための構造や、掃除機を移動したり、掃除機の姿勢を
傾けたとき、水溜め室内の水が外部に漏れたりモータを
濡らして破損しないような構造を設ける必要があり、こ
のため構造が複雑になる欠点がある。

また、塵埃とは別に溜った水を捨てる必要があり、捨て
る際汚れた水によって手指が汚れることとなり衛生上好
ましくなかった。

本考案は上記のような問題点に鑑み考案されたものであ
って、掃除機本体に水分を溜めておくための特別の構造
を設ける必要がなく、しかも溜った水を捨てる操作が簡
単で手指を汚すことがない袋状集塵フィルタを提供する
ことを目的としている。

課題を解決するための手段 上記目的を達成するために本考案は、掃除機本体に内蔵
された送風機付きモータにて吸引した水分を含む塵埃等
を収納するゴミ収納部に着脱自在に配置される袋状集塵
フィルタにおいて、その袋状のフィルタの内面の送風機
付きモータにて吸引される側面を対向する他の側面より
高く形成され、且つその内面の両側面から下面にかけて
水分等の液を保持する液保持性及び該液を不透過にする
液不透過性を有するとともに通気性を有する吸収体が形
成され、該吸収体は内側から順次、液を透過させるため
の液透過層、該液を吸収保持させるための吸収保持層、
該液を不透過にするための液不透過層が積層された構造
となっていることを特徴としている。

作用 上記構成によれば、袋状集塵フィルタの内面の少なくと
も一部に吸収体が形成され、該吸収体は内側から順次、
液透過層、吸収保持層、液不透過層が積層された構造と
なっているので、吸引されて掃除機などのノズルから袋
状集塵フィルタに入った水分を含む塵埃や水は、液透過
層を透過して吸収保持層に達して吸収保持され、しかも
液不透過層によってフィルタへの水の漏れが防止され
る。

実施例 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第２図は掃除機の断面図である。図中、掃除機本体11の
カバー12内には送風機付きモータ13が内蔵され、この送
風機付きモータ13の前方にはゴミ収納部14が配設されて
いる。ゴミ収納部14の上部には蓋15が設けられ、この蓋
15を着脱するためのロックレバー16が掃除機本体11の先
端付近に設けられている。蓋15にはホースの取り付け部
17が接続されており、このホースの取り付け部17の先端
はゴミ収納部14内に貫入されている。一方ゴミ収納部14
内には袋状集塵フィルタ18が着脱自在に配置されてお
り、上記ホースの取り付け部17先端はこの袋状集塵フィ
ルタ18に装着されている。したがって、ホース（図示せ
ず）により吸引された水分を含む塵埃、水は袋状集塵フ
ィルタ18内に入ることになる。

袋状集塵フィルタ18には、袋状のフィルタ19の内面の一
部、具体的には下面から側面にかけて吸収体20が形成さ
れている。フィルタ19への吸収体20の取り付けは接着剤
による接着、熱融着などにより行なわれる。吸収体20
は、第１図に示すように、液透過層21、吸収保持層22、
液不透過層23の３層が内面側から順次形成された構造と
なっている。液透過層21には例えば液透過性のトップシ
ートが用いられている。吸収保持層22には例えば吸収性
高分子、合成パルプ、天然パルプまたはこれらの混合物
が用いられ、例えば吸収性高分子ではこれを液不透過層
23に付着させたものが用いられている。液不透過層23に
は液不透過性のバックシートが用いられている。吸収体
20は吸収保持層22および液不透過層23により液保持性、
液不透過性を有するが、通気性を併せ持つことが可能で
あり、本実施例では吸収体20を形成したフィルタ19部分
からも空気を吸引することができるようになっている。
したがって、フィルタ19の内面全体に吸収体20を形成す
ることも可能である。

つぎに、上記した掃除機の使用方法について説明する。

掃除機を作動させ、ホース先端のノズル（図示せず）か
ら吸引された水分を含む塵埃や水は袋状集塵フィルタ18
内に入る。袋状集塵フィルタ18内の空気は送風機の負圧
により強制的にフィルタ19から排出される。塵埃中の水
分や水は吸収体20の液透過層21を透過し、吸収保持層22
に達して吸収保持され、しかも液不透過層23によってフ
ィルタ19への水の漏れが防止される。したがって、フィ
ルタ19のうち吸収体20を形成した部分から排気される場
合についても、吸収体20から水が漏れ出ることはない。

本実施例は、吸引された水分や水を吸収体20に吸収保持
させるので、水分を溜めておくための特別の構造を掃除
機本体11に設ける必要がなくなり、乾燥した塵埃の吸引
に用いる通常の掃除機本体を使用することができる。

吸引された水分や水は塵埃とともに袋状集塵フィルタ18
に収容されているので、溜った水を塵埃とはべつに処分
する必要がなくなくなり、手指を汚さずきわめて衛生的
に処理できる。

考案の効果 以上の説明により明らかなように、本考案にかかる袋状
集塵フィルタにあっては、袋状のフィルタの内面の送風
機付きモータにて吸引される側面を対向する他の側面よ
り高く形成され、且つその内面の両側面から下面にかけ
て水分等の液を保持する液保持性及び該液を不透過にす
る液不透過性を有するとともに通気性を有する吸収体が
形成され、該吸収体は内側から順次、液を透過させるた
めの液透過層、該液を吸収保持させるための吸収保持
層、該液を不透過にするための液不透過層が積層された
構造となっているので、吸引されて掃除機のノズルから
袋状集塵フィルタに入った水分を含む塵埃や水は、液透
過層を透過して吸収保持層に達して吸収保持され、しか
も、液不透過層によって水がフィルタへ漏れるのが防止
される。したがって、水を吸引する場合でも掃除機本体
に水分を溜めておくための特別の構造を設ける必要がな
くなり、乾燥した塵埃の吸引に用いる通常の掃除機本体
を使用することができる。吸引された水分や水は塵埃と
いっしょに袋状集塵フィルタに収容されているので、溜
った水の処分が簡単であり、手指を汚さずきわめて衛生
的に処理できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる袋状集塵フィルタの一部を示す
断面図、第２図は袋状集塵フィルタを使用した掃除機の
断面図である。 18……袋状集塵フィルタ、19……フィルタ、20……吸収
体、21……液透過層、22……吸収保持層、23……液不透
過層

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】掃除機本体に内蔵された送風機付きモータ
   にて吸引した水分を含む塵埃等を収納するゴミ収納部に
   着脱自在に配置される袋状集塵フィルタにおいて、その
   袋状のフィルタの内面の送風機付きモータにて吸引され
   る側面を対向する他の側面より高く形成され、且つその
   内面の両側面から下面にかけて水分等の液を保持する液
   保持性及び該液を不透過にする液不透過性を有するとと
   もに通気性を有する吸収体が形成され、該吸収体は内側
   から順次、液を透過させるための液透過層、該液を吸収
   保持させるための吸収保持層、該液を不透過にするため
   の液不透過層が積層された構造となっていることを特徴
   とする袋状集塵フィルタ。