JPH0642501Y2 - テーブル，デスク用配線保持具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、天板裏面などに電気
配線を施す場合に使用するテーブル，デスク用配線保持
具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近時、コンピューターやワードプロセッ
サーなどの電気機器をテーブルやデスクの天板上に設置
し、前記電気機器に電気配線を施すことが多くなってい
る。従来、テーブル，デスクの天板上の電気機器に電気
配線を行う場合に、配線用のコードの複数箇所を天板の
裏面や幕板に粘着テープや係止具によって止めるのが一
般的であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし、粘着テープや
係止具を用いてコードを天板の裏面などに止めたので
は、電源との関係などでコードの本数が多くなると、配
線作業やコードの増減が面倒であり、また、コードを止
めた箇所以外で、人や器物がコードに引っ掛ってコード
に接続したプラグが抜けたり、粘着テープや係止具が外
れてコードが垂れ下がったりするという問題点があっ
た。

【０００４】この考案は、前述した問題点を解決して、
配線用のコードの本数が多くなっても、これらを天板裏
面などに容易に作業性よく保持でき、人や器物がコード
に直接引っ掛からないようにして、コードに接続したプ
ラグが抜けたり、コードが垂れ下がったりするのを防止
できる、テーブル，デスク用配線保持具を提供すること
を目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この考案のテーブル，デ
スク用配線保持具は、合成樹脂の一体成形品からなる取
付具および覆い具によって両端が開口した扁平な箱状に
構成し、前記取付具は、取付板の両側に側板を設け、前
記取付板の一端に突出させた連結片に前記側板と同方向
に突出するヒンジ突起を形成し、取付板の他端に突出さ
せた連結片に前記ヒンジ突起が回動可能に嵌合する嵌合
孔を形成してなり、前記覆い具は、前記取付板と対向す
る覆い板の一側部に枢着部を形成し、前記覆い板の他側
部に、外側板を形成すると共に開閉操作片を突出させて
なり、取付具の一方の側板に、覆い具の枢着部を枢着
し、取付具の他方の側板に覆い具の外側板を係脱可能に
係合保持させたものである。

【０００６】

【作用】この考案によるテーブル，デスク用配線保持具
は、隣接する一方の配線保持具の取付板を天板裏面など
に接着して固着し、一方の配線保持具の一方の連結片に
設けたヒンジ突起に、他方の配線保持具の他方の連結片
に設けた嵌合孔を係合させ、他方の配線保持具を、前記
ヒンジ突起の軸回りに必要に応じ回動させて位置決めす
ると共に、両配線保持具を連結し、他方の配線保持具を
天板裏面などに固着することにより、多数の配線保持具
を天板裏面などに配置する。そして、各配線保持具の覆
い具を開いて外側方から配線用のコードを配線保持具に
収容した後、覆い具を閉じてその外側板を取付具の他方
の側板に係止するものである。

【０００７】したがって、多数の配線保持具にこれらの
側方から多数のコードを入れることができると共に、配
線保持具をこれらの連結部で曲げる自由度が大きいの
で、天板裏面などに容易にしかも作業性よくコードを保
持できる。また、この状態で、覆い具を開いてコードを
配線保持具に収容するコードを増減させ、覆い具を閉じ
ることにより、コードの増設なども容易にできる。

【０００８】さらに、配線保持具の相互間隔が狭いの
で、人や器物がコードに直接引っ掛かることがほとんど
ない上に、配線保持具の天板裏面などへの接着面積が広
く、強固な固着ができるので、コードに接続したプラグ
の抜けや、コードの垂れ下がりを確実に防止できる。

【０００９】

【実施例】以下、この考案の一実施例につき、図を参照
して説明する。図１はこの考案の一実施例によるテーブ
ル，デスク用配線保持具を示す斜視図である。図１にお
いて、１はテーブル，デスク用配線保持具であり、この
配線保持具１は、取付具２および覆い具３からなり、両
端が開口した扁平な箱状に構成してある。また、取付具
２および覆い具３は、ある程度弾性のある合成樹脂の一
体成形品からなるものである。

【００１０】前記取付具２は、平面長方形状の取付板４
の両側に側板５，６を直角に屈曲させて設け、一方の側
板５の両端および取付板４と一体に端片７を設け、これ
らの端片７に側板５と平行にヒンジピン８を突出させ、
他方の側板６外面の取付板４に近い位置に全長にわたる
係止突条９を突出させてある。取付板４の両端には連結
片１０，１１をそれぞれ外側に突出させてあり、連結片
１０，１１は取付板４の幅方向中央部に配置してある。

【００１１】一方の連結片１０には側板５，６と同方向
にヒンジ突起１２を突出させてあり、ヒンジ突起１２は
連結片１０の丸孔１０ａの外周側に複数の平面円弧状の
分割円弧片１２ａを形成し、これらの円弧片１２ａの外
周に円弧状孔１０ｂを形成してある。また、分割円弧状
片１２ａの先端部には係止部１２ｂを形成し、係止部１
２ｂは基端を円弧状片１２ａ外周側に突出させ、先細テ
ーパ状に外周面が傾斜させてある。

【００１２】他方の連結片１１にはヒンジ突起１２が回
動可能に嵌合する円形の嵌合孔１３が形成してある。ま
た、他方の連結片１１は一方の連結片１０の厚さ分だけ
取付板４の内面から突出させてある。前記覆い具３は取
付板４とほぼ同じ平面形状の覆い板１４の一側にストッ
パー兼用側板１５を突出させ、この兼用側板１５の両端
および覆い板１４と一体に端片１６ａを設け、これらの
端片１６ａにピン嵌合孔１６ｂを設けて、枢着部１６を
構成してある。

【００１３】覆い板１４の他側には、外側板１８をスト
ッパー兼用側板１５と同方向に直角に屈曲させて設け、
外側板１８の内面両端部には係止突条９に係脱可能に係
止する係止突起１９を突出させてある。外側板１８の長
さ方向中央部には開閉操作片２０を覆い板１４延長方向
に突出させてある。そして、覆い具３の端片１６ａに設
けたピン嵌合孔１６ｂを、取付具２の端片７に設けたヒ
ンジピン８に回動可能に嵌合させて覆い具３の一側部を
取付具２の一側部に枢着し、覆い具３の外側板１８に設
けた係止突起１９を取付具２の側板６に設けた係止突条
９に係脱可能に係止保持させてある。

【００１４】次に、前述した構成の配線保持具１の使用
について説明する。図２に例示するように、テーブル２
１の天板２２裏面に多数の取付具２の取付板４を両面粘
着テープまたは接着剤によって固着する。この場合に、
図３に示すように、天板２２裏面に既に固着してある一
方の配線保持具１に設けた一方の連結片１０のヒンジ突
起１２に、未固着の隣接する他方の配線保持具１に設け
た他方の連結片１１の嵌合孔１３を押込むことにより、
ヒンジ突起１２の係止部１２ｂを弾性変形させて縮径さ
せ、他方の連結片１１が係止部１２ａを通過すると、弾
性復元力によって係止部１２ａが拡径する。そして、連
結片１０，１１が重なり合った状態で、これらの連結片
１０，１１を連結し、ヒンジ突起１２の軸回りに他方の
連結片１１が回動可能となると共に、この連結片１１は
一方の連結片１０の係止部１２ａによってヒンジ突起１
２の軸方向に位置決めされる。

【００１５】そこで、一方の配線保持具１に対して他方
の配線保持具１を必要に応じ所要角度だけヒンジ突起１
２を中心として回動させて位置決めし、他方の配線保持
具１の取付板４を天板２２裏面に固着する。なお、一方
の配線保持具１に対する他方の配線保持具１の回動角度
は、図４に鎖線で示すように、両側約３０°，合計６０
°程度になり、これ以上の回動は配線保持具１の対向す
るコーナー部の当接によって規制してある。

【００１６】必要数の配線保持具１を天板２２裏面に固
着した後、図５（ａ）に示す覆い具３が閉じた状態で、
その開閉操作片２０を矢印方向に押すことにより、係止
突条９と係止突起１９との係止を、外側板１８またはこ
れと他方の側板６との弾性変形によって外し、図５
（ｂ）に示すように、覆い具３をヒンジピン８の軸回り
に回動させて開く。

【００１７】図６に示すように、前述の操作を多数の配
線保持具１に行ってこれらの覆い具３を開き、テーブル
２１の脚２４内に通した複数の配線用のコード２３を脚
２４の上部から引き出し、覆い具３の覆い板１４内面に
外側方から支持させ、図２，図５（ｃ）に示すように、
覆い具３を矢印方向に回動させて閉じ、係止突起１９を
係止突条９に係止させることにより、多数の配線保持具
１内にこれらの覆い具３に支持してコード２３を収容
し、これらを天板２２裏面に保持させる。

【００１８】コード２３を配線保持具１内に収容して天
板２２裏面に支持した状態では、配線保持具１の相互間
隔を人の手指が入らない程度に狭くなるので、人や器物
がコード２３に直接引っ掛かることがほとんどない。ま
た、コード２３を増減させる場合には、配線保持具１の
覆い具３を開き、コードを追加したり、コードの一部を
取出したりした後、再び覆い具３を閉じればよい。ま
た、図２に示すように、コード２３を配線保持具１間か
ら分岐させることもできる。

【００１９】なお、前記実施例では、配線用のコードを
テーブルの天板裏面に保持する場合について説明した
が、この考案の配線保持具は、デスクの天板裏面，テー
ブルやデスクの幕板の内，外面，脚の外面や室内壁面な
どに配線用のコードなどを保持させる場合にも使用でき
る。また、コードなどを保持させる手順も、必ずしも前
記実施例の手順に限られることなく適宜変更できる。

【００２０】

【考案の効果】以上説明したように、この考案のテーブ
ル，デスク用配線保持具は、合成樹脂の一体成形品から
なる取付具および覆い具によって両端が開口した扁平な
箱状に構成し、前記取付具は、取付板の両側に側板を設
け、前記取付板の一端に突出させた連結片に前記側板と
同方向に突出するヒンジ突起を形成し、取付板の他端に
突出させた連結片に前記ヒンジ突起が回動可能に嵌合す
る嵌合孔を形成してなり、前記覆い具は、前記取付板と
対向する覆い板の一側部に枢着部を形成し、前記覆い板
の他側部に、外側板を形成すると共に開閉操作片を突出
させてなり、取付具の一方の側板に、覆い具の枢着部を
枢着し、取付具の他方の側板に覆い具の外側板を係脱可
能に係合保持させたので、次の効果が得られる。

【００２１】すなわち、 この考案によるテーブル，デ
スク用配線保持具は、隣接する一方の配線保持具の取付
板を天板裏面などに接着して固着し、一方の配線保持具
の一方の連結片に設けたヒンジ突起に、他方の配線保持
具の他方の連結片に設けた嵌合孔を係合させ、他方の配
線保持具を、前記ヒンジ突起の軸回りに必要に応じ回動
させて位置決めすると共に、両配線保持具を連結し、他
方の配線保持具を天板裏面などに固着することにより、
多数の配線保持具を天板裏面などに配置する。そして、
各配線保持具の覆い具を開いて外側方から配線用のコー
ドを配線保持具に収容した後、覆い具を閉じてその外側
板を取付具の他方の側板に係止するものである。

【００２２】したがって、多数の配線保持具にこれらの
側方から多数のコードを入れることができると共に、配
線保持具をこれらの連結部で曲げる自由度が大きいの
で、天板裏面などに容易にしかも作業性よくコードを保
持できる。また、この状態で、覆い具を開いてコードを
配線保持具に収容するコードを増減させ、覆い具を閉じ
ることにより、コードの増設なども容易にできる。

【００２３】さらに、配線保持具の相互間隔が狭いの
で、人や器物がコードに直接引っ掛かることがほとんど
ない上に、配線保持具の天板裏面などへの接着面積が広
く、強固な固着ができるので、コードに接続したプラグ
の抜けや、コードの垂れ下がりを確実に防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例によるテーブル，デスク用
配線保持具を示した斜視図である。

【図２】図１の配線保持具によってコードを配線したテ
ーブルの天板の裏面図である。

【図３】図１の配線保持具の連結操作を示した部分斜視
図である。

【図４】図１の配線保持具の回動角度を説明する概略平
面図である。

【図５】（ａ），（ｂ），（ｃ）はそれぞれ図１の配線
保持具にコードを収容する操作を説明するための横側面
図である。

【図６】図１の配線保持具の連結状態でコードを収容す
る操作を説明するための斜視図である。

【符号の説明】

１ 配線保持具 ２ 取付具 ３ 覆い具 ４ 取付板 ５，６ 側板 ８ ヒンジピン ９ 係止突条 １０，１１ 連結片 １２ ヒンジ突起 １３ 嵌合孔 １４ 覆い板 １６ 枢着部 １８ 外側板 １９ 係止突起 ２０ 開閉操作片

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成樹脂の一体成形品からなる取付具お
   よび覆い具によって両端が開口した扁平な箱状に構成
   し、前記取付具は、取付板の両側に側板を設け、前記取
   付板の一端に突出させた連結片に前記側板と同方向に突
   出するヒンジ突起を形成し、取付板の他端に突出させた
   連結片に前記ヒンジ突起が回動可能に嵌合する嵌合孔を
   形成してなり、前記覆い具は、前記取付板と対向する覆
   い板の一側部に枢着部を形成し、前記覆い板の他側部
   に、外側板を形成すると共に開閉操作片を突出させてな
   り、取付具の一方の側板に、覆い具の枢着部を枢着し、
   取付具の他方の側板に覆い具の外側板を係脱可能に係合
   保持させたことを特徴とするテーブル，デスク用配線保
   持具。