JPH0641763Y2 - 工作機械 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はすくなくとも二つ以上の主軸を有した主軸の一
つに心押台を装備するところの工作機械に関する。

具体的には、一方の主軸に対して、該主軸の回転軸線方
向に相対的に送り動作の可能な主軸を有する工作機械に
関するもので、一方の主軸で加工された加工物を他の主
軸に受渡し、一方の主軸で一次加工された加工物の背面
もしくは裏面を他方の主軸で加工するもので、一サイク
ルで完成品を仕上げることが可能なことに特長を有して
いる。加工の適用範囲は、軸全長の比較的短いチャック
仕様をはじめ、長尺のバーワーク仕様更にはセンター仕
様等広範囲に及んでいる。従来、一般的にセンター仕様
を満足させるには、上記の一方の主軸の回転軸線上に心
押台の心押軸線を有し、一方の主軸の回転軸線方向にワ
ークの全長と相対して心押台の送り動作が相対的に可能
なように配置されている。この心押台の構成からして、
旋回型の刃物台を有する工作機械においては一般的に、
一方の主軸に対して他方の主軸は、一方の主軸の回転軸
線方向と、この回転軸線に対して直交する方向に送り動
作が相対的に可能なように配置されている。この場合、
他方の主軸で二次加工を行う場合には心押台は他方の主
軸と干渉しないように、他方の主軸より遠ざかった位置
に待機しなければならない。他方、心押台を用いてセン
ター仕様の加工を行う場合にも他方の主軸は前者と同様
な問題がある。いずれにしても、心押台と他方の主軸と
の相互の干渉をさけるために、相当の退避ストロークを
考慮しているのが事実であり、機械能力に比較して機械
が大型になる傾向にある。この点は床面のスペース確保
という大きな問題を解決しなければ容易な機械の導入は
図られない。また、単に、心押台と他の主軸との干渉に
とどまらず、工具とこれらの相互干渉も有り、旋回型の
刃物台であれば旋回の振りが大きくなり、全く上記と同
じ問題が生じる。また、上記の構成をとる機械にあって
は、同時的に心押台および他の主軸が相互に動作するこ
とはなく、加工するワークの対象に合わせて、センター
仕様かまたは背面加工により他の主軸を必要とする仕様
かによって選択されるもので、択一的な仕様の選択を余
儀される場合にあっては、一つの駆動源を介して機能上
動作させることは可能で経済上のコストを低減すること
が可能である。

以下、本考案を実施図に基づき説明図する。

本考案では旋削加工を対象とする工作機械に適用するも
ので、以下その構成を示す。

１は主軸台２上に駆動手段を介して回転可能に支承され
た第１主軸で、加工物を把持する第１チャック３が装備
されている。４は第１主軸１の回転軸線方向に主軸の回
転軸線を有する第２主軸で、第１主軸１の主軸回転軸線
方向と該回転軸線に対して直交する方向に相対的に送り
動作の可能である。該第２主軸４は第１主軸１の回転軸
線方向に延びた第１案内面５に支持されてサーボモータ
１とボールネジ７を介して相対的に送り動作の可能な第
１スライド８と、第１主軸１の主軸回転軸線方向に対し
て直交する方向にサーボモータ９とボールネジ10を介し
て相対的に送り動作の可能な第２スライド11とを一対と
する主軸送りスライド12上に装備されている。第２主軸
４は第１主軸１と同様に駆動手段を介して任意に回転速
度の変換はもとより第１主軸１の回転と同期して回転の
伝達駆動が可能である。13は第１主軸１の第１チャック
３に対して対向して第２主軸４に装備された第２チャッ
クで、第１チャック３と第２チャック13を介して加工物
の両端を把持することが可能なことはもとより、第１チ
ャック３より一次加工された加工物を、第２チャック13
に受渡し二次加工にあてられた加工物の把持を行う。14
は第２主軸４上に第１主軸１の主軸回転軸線と平行に枢
着された旋回軸15に固定され、第１主軸１の主軸回転軸
線に対して横切る方向に旋回可能な心押台で、該心押台
14に第１主軸１に対向して設けられた心押軸16の軸線
は、第１主軸１の主軸回転軸線と一致して回転可能に支
承されている。17は心押台14を第１主軸１の主軸回転軸
線に対して横切る方向に相対的に旋回動させる駆動手段
で、本考案の一実施例においては、旋回軸15に固定され
た歯車18と該歯車18と噛み合うラック19が駆動手段17で
ある流体シリンダの動作を介して動作されるようになっ
ている。20は心押台14の旋回動時に、第１主軸１の主軸
回転軸線上に、心押台14の心押軸16の軸線を位置決めす
るストッパ。21は加工領域上で第１主軸１および第２主
軸４の主軸回転軸線方向および該回転軸線に対して直交
する方向にサーボモータとボールネジを介して相対的に
送り動作の可能な一対のツールスライドに装備された旋
回型の刃物台で、工具22が放射状に保持されている。

次に本考案の作用を説明する。

第１主軸１と第２主軸４の構成をとる加工の適用として
は、第１主軸１後方より加工領域に供給された長尺の材
料を第１主軸１の第１チャック３を介して把持され加工
が始まり最終の突切り加工直前に、第２主軸４が前進し
加工物の加工側を第２チャック13を介して把持し、突切
り時の突切りボスを後工程に移さないように一サイクル
加工を済ます場合に用いる場合、２つには、 第１主軸１での一次加工後、第２主軸４で加工物の背面
もしくは裏面の加工を行い一サイクルで完成品として仕
上げる場合に用いる場合、３つとして、長尺の材料を用
いて、第１主軸１より材料を加工長さの全長に対応して
数回に分けて、加工領域に引出し、第２主軸４内を経て
第２主軸４後方に送り出し長物の加工を行う場合に用い
る場合である。いずれにしても、第２主軸４は第１主軸
１に対して相対的な離隔接近の送り動作を介して、加工
物とする関係を有する。この構成においてはチャック仕
様とする加工物の加工にも適用できるが、鍛造物の軸物
の加工にあっては、サイクルタイムおよび機械上の構造
を考慮すると、センター仕様の加工を満足させるべき、
心押台の装備の必要性が生じる可能な場合がある。上記
の構成の中に心押台を組入れる場合には、心押台14の心
押軸16を第１主軸１の主軸回転軸線と一致する同軸上に
位置せしめ、第２主軸４は第１主軸１の主軸回転軸線方
向と、心押台14および刃物台21の干渉を考慮する場合に
は上記主軸回転軸線に対して直交する方向に相対的に送
り動作が可能な主軸送りスライド12上に装備する構成と
なる。しかしながら、刃物台21および心押台14に対する
第２主軸４の相対位置関係はスパンを相当考慮し、主軸
送りスライド12の送りストロークも関係して機械の構成
が大型になる傾向になる。本考案においてはこの点を考
慮して、第１主軸１と第２主軸４の構成より適用される
加工範囲に更にセンター仕様として加工範囲まで一台の
機械により達成するものである。第１主軸と第１主軸４
の構成をとる加工より、センター仕様の加工の範囲を満
足させるには、第２主軸４が刃物台21および心押台14と
干渉がなくかつ相互のスパンが短い位置に相対関係を維
持させるためには、センター加工仕様の加工の時以外は
心押台14の心押軸14の軸線が第２主軸４の主軸回転軸線
上に位置させないことにより達成され、センター仕様を
適用とする加工時に、心押軸16を第２主軸４回転軸線上
に選択される構成をとればよい。以上より、その作用
は、第１主軸１と第２主軸４を介する上記加工の適用後
に、センター仕様の加工に入るには、第２主軸４を第１
主軸１の回転軸線より遠ざかった位置に待機させ、心押
台14の第１主軸１の回転軸線に対して横切る方向に相対
的に旋回動させ、第１主軸１の回転軸線上に心押軸16の
軸線を一致させることでセンター仕様の加工が可能とな
る。

以上より本考案においては、加工上の仕様に応じて、心
押台を第１主軸の回転軸線より退避動作が行え、しかも
第２主軸の送り動作を介して動作することが可能で、第
１主軸の回転軸線に対する心押軸の軸線間の相対的スパ
ンが小さい為、機械をコンパクトにおさめ、一つの駆動
送り源を介して上記の動作が行えることより経済上のコ
ストを低減することが期待できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の工作機械の構成を示す一実施例、第２
図は第１図に示す要部側面図。 １…第１主軸、４…第２主軸、12…主軸送りスライド、
14…心押台、15…旋回軸、16…心押軸

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】第１主軸１と該第１主軸１に装備した第１
   チャック３に対向した第２チャック13を装備した第２主
   軸４が上記第１主軸１の回転軸線方向と該回転軸線に対
   して直交する方向に相対的に送り動作が可能で、該第２
   主軸４上に上記回転軸線に対して横切る方向に相対的に
   旋回動作の可能な心押台14を設け、該心押台14に保持さ
   れた心押軸16を第１チャック３に対向して上記回転軸線
   上に一致させることを特長とする工作機械。