JPH0641708A - 珪素含有鋼板の溶融亜鉛めっき方法 - Google Patents
珪素含有鋼板の溶融亜鉛めっき方法Info
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- JPH0641708A JPH0641708A JP19707192A JP19707192A JPH0641708A JP H0641708 A JPH0641708 A JP H0641708A JP 19707192 A JP19707192 A JP 19707192A JP 19707192 A JP19707192 A JP 19707192A JP H0641708 A JPH0641708 A JP H0641708A
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Abstract
っきの発生がない溶融亜鉛めっき鋼板、または合金化溶
融亜鉛めっき鋼板を製造する。 【構成】(1) Siを 0.2%以上含有する熱延鋼板又は冷延
鋼板を母材として溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方法で
あって、表面を 0.4〜5 g/m2研削して除去した鋼板を 6
50℃以下の酸化性雰囲気中で処理し、鋼板表面にFeに換
算して 0.3〜1.5g/m2 の酸化鉄層を形成させ、次いで 5
00〜650 ℃の温度で還元した後、溶融亜鉛めっきを行う
ことを特徴とする珪素含有鋼板の溶融亜鉛めっき方法。 (2) 上記(1) の工程で溶融亜鉛めっきを行った後、さら
に合金化熱処理を施す合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造
方法。 冷延鋼板を母材とする場合は、予め焼鈍した後、上記
(1) 、(2) のプロセスで処理するのが望ましい。
Description
せた高強度の鋼板を母材とする溶融亜鉛めっき鋼板、ま
たは合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方法に関す
る。
において溶融亜鉛めっき鋼板が大量に使用されている
が、とりわけ経済性と防錆機能、塗装後の性能の良さが
評価されて合金化溶融亜鉛めっき鋼板が広く用いられて
いる。
浄工程を経た後、または脱脂洗浄を行うことなく、鋼板
を保護性または還元性の雰囲気で予熱し、その後水素と
窒素の混合ガスからなる還元性雰囲気で焼鈍し、次いで
めっき温度付近まで冷却して溶融亜鉛浴に浸漬すること
により製造される。
面に80nm程度の酸化膜が形成される方が溶融亜鉛との濡
れ性の点で好ましいとされるが、それ以上の厚さの酸化
膜は、ドロスの発生を増加させ、溶融めっきの密着性を
損なうという悪影響があると考えられている。溶融亜鉛
浴の中には後述の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造の範
囲も含めると0.08〜0.18% (以下、特に断らない限り
「%」は「重量%」を意味する) のAl (アルミニウム)
が含まれる。
的に溶融亜鉛めっきした鋼板を熱処理炉で 500〜600 ℃
の材料温度に3〜30秒加熱して、Fe−Zn合金めっき層を
形成させたものである。めっき層はFe−Znの金属間化合
物からなり、一般にその平均Fe濃度は8〜12%である。
そのめっきの付着量は、通常片面当たり25〜70g/m2であ
り、この範囲以下のものは通常の手段では製造すること
が難しく、またこの範囲を上回るものはめっき層の耐パ
ウダリング性を確保することが困難であるので一般には
供給されていない。
には、0.12〜0.2 %前後のAlが含有されることが多い。
その原因の一つは、通常の溶融亜鉛めっき鋼板の製造に
おいて、めっき皮膜と母材鋼板との界面に合金層が生成
するのを抑制し、皮膜加工性を保持するために浴中にAl
を添加するので、同一の浴を用いて合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板を製造すると、そのめっき皮膜にもAlが不可避的
に混入することにある。もう一つの原因は、合金化溶融
亜鉛めっき鋼板のめっき皮膜の耐パウダリング性を確保
し、かつ製造時のドロスの発生を抑制するために、めっ
き浴中にAlを含有させることがむしろ望ましいとされ、
通常0.08〜0.11%程度のAl含有溶融亜鉛浴が使用される
からである。Alはめっき時にめっき層中に富化する傾向
があるため、上記の浴でめっきすれば皮膜中のAl濃度は
0.12〜0.2 %の範囲となる。
従来低炭素Alキルド鋼板、極低炭素Ti添加鋼板等が主に
使用されてきた。しかし、近年、例えば自動車用材料で
は、軽量化対策の一つとして鋼板の高強度化が要請さ
れ、Siを 0.2%以上含む珪素含有鋼板が用いられようと
している。Siは鋼の延性を確保したまま強度を向上させ
る元素であるから、珪素添加鋼は上記の要請に応える望
ましい鋼材であると言える。
っきの母材としては大きな欠点を持っている。上記の通
常のプロセスに従って珪素含有鋼板を処理すると、焼鈍
過程で雰囲気中の極微量の水分と鋼板中のSiが反応し、
鋼板表面に溶融亜鉛との濡れ性を損なうSi−Oxide が生
成する。従って、鋼中のSi濃度の増加にともない不めっ
きが多発するようになる。珪素含有鋼板の表面に予め酸
化雰囲気での加熱によりFe酸化物を形成することで濡れ
性が改善されることは公知である。しかし、Si含有量が
0.2%を超えると従来のプロセスにおける酸化雰囲気
(例えば無酸化炉の空燃比を1〜1.35とした雰囲気) で
予熱しただけでは濡れ性の回復が難しい。
融亜鉛めっき鋼板を製造する場合には、合金化処理速度
が著しく遅れそのため生産能率が落ちるという難点があ
る。
添加極低炭素鋼をベースとするSi添加鋼を母材とする場
合は、再結晶化のための焼鈍温度が 800℃以上となるた
め鋼板表面へのSi−Oxide の析出が一層顕著になり濡れ
性の確保がさらに困難となる。
溶融めっきに先立ってNi、Fe等の下地めっきを施すこと
が知られているが、余分なめっき工程が付加されるため
工程が増えて製造コストの上昇を招くにもかかわらず、
Si含有量の高い鋼では、溶融亜鉛との濡れ性改善に十分
な効果が得られず、さらに均一な合金化処理が非常に難
しい等の問題がある。
含有鋼も、これに適切な溶融亜鉛めっき、または合金化
溶融亜鉛めっきを施す実際的な方法が見当たらないのが
現状である。
亜鉛めっきプロセスにおいては満足な溶融亜鉛めっき被
膜の形成が不可能であり、かつ合金化処理を施す場合そ
の生産性が非常に低い珪素含有鋼を母材とするめっき鋼
板を製造する実用的な方法の開発を課題としてなされた
ものである。
鋼板を母材とし、不めっき点の発生がないめっきを施
し、かつその合金化処理速度を十分に大きくし、経済的
に溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板
を製造する方法を提供することにある。
鉛めっき方法、または合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造
方法を要旨とする。
として溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方法であって、表
面を 0.4〜5 g/m2研削して除去した鋼板を 650℃以下の
酸化性雰囲気中で処理し、鋼板表面にFeに換算して 0.3
〜1.5 g/m2の酸化鉄層を形成させ、次いで 500〜650 ℃
の温度で還元した後、溶融亜鉛めっきを行うことを特徴
とする珪素含有鋼板の溶融亜鉛めっき方法。
きを行った後、さらに合金化熱処理を施す合金化溶融亜
鉛めっき鋼板の製造方法。
0.2%以上含有する熱延鋼板または冷延鋼板である。熱
延鋼板の場合は、冷間での塑性加工を受けていないの
で、多くの場合、そのままで加工性が保持できるから、
熱間圧延工程で巻き取ったコイルを酸洗して脱スケール
した状態で母材として使用できる。しかし、特定の機械
的性質を付与するために熱処理を施してから本発明のプ
ロセスに付してもよい。
してもよいが、本発明方法の酸化、還元の工程だけでは
母材の機械的特性(特に加工性)の調整が困難であるか
ら、所定の特性が得られるように予め焼鈍しておくのが
望ましい。この焼鈍はバッチ式焼鈍であってもよいし、
連続焼鈍であってもよい。
あれ、その表面にはSiを主体とする酸化物層が残存す
る。更に、溶融亜鉛めっきの連続炉で 700℃以上の水素
・窒素混合雰囲気中でで加熱されると、その雰囲気中の
水分によりSiの選択酸化が生じSiを主体とする酸化物層
が急増する。
した酸化物を直接溶融亜鉛と接触させないところにあ
る。そのために行うのが母材表面の研削およびその後の
酸化と還元の処理である。
鉛めっきを施す場合、研削所要量は片面当たり15g/m2以
上であり、かかる研削を行った場合、溶融めっきライン
(CGL)の連続炉内での加熱温度が 600℃前後であれ
ば不めっきの発生しない溶融めっきが可能である。しか
し、上記のような多量の研削は、通常のCGLの入り側
に設置されたブラシロールでは実施できず特殊な研削機
が必要であり、かつこうした重研削用のブラシは寿命が
短くて設備費、操業費が嵩む。
を作るとともに表層の結晶粒を微細化し、大量の転位を
導入して表面を活性化させる作用を持つ。しかし、多量
の研削による過剰な活性化は、鋼板と溶融亜鉛との反応
性を過度に高めてドロスの大量発生の原因になる。
た後、酸化性雰囲気中で加熱し鋼板表面に適切な酸化鉄
層を形成する工程を導入すれば、研削所要量を大きく削
減できることを見出した。
用効果と条件限定の理由を説明する。
%以上の鋼板 (熱延鋼板または冷延鋼板) である。Si含
有量が 0.2%未満であれば、従来の技術の工夫で対応が
可能であり、敢えて本発明方法を適用する必要がない。
なお、Si以外の成分については特に制約はないが、本発
明方法で製造されるめっき鋼板が特に自動車用として好
適であることを考慮すれば、強度と加工性、特にプレス
成形性、を兼備する組成を選ぶのが望ましい。そのため
には、C:0.001〜0.15%、Mn:0.1〜1.5 %、P: 0.01〜
0.1 %、さらにTi:0.01〜0.1 %を含む組成が推奨され
る。
所定の機械的性質に調質された鋼板は、次にその表面が
研削される。この研削の方法には何ら制約はない。研削
量が少ないから通常の研削用ブラシロールでも十分であ
る。研削量は 0.4g/m2から 5g/m2までに限定される。0.
4 g/m2未満では、Si系の酸化物層の除去が不十分であ
り、また、Feの酸化速度が小さく次工程での酸化が不十
分となる。5g/m2を超える研削量にするとSi系酸化物の
除去は完全になるが、次工程での酸化を適正範囲に調整
することが難しい。さらに、溶融亜鉛との反応が過剰に
活性化されドロス発生が増え、操業コストの上昇原因と
なる。
加熱されて酸化され、その表面にFeに換算して 0.3g/m2
から 1.5g/m2までの量に相当する酸化鉄が形成される。
雰囲気としては、CO2 、O2、H2O 等の酸化性ガスを含む
雰囲気が用いられる。酸化量がFe換算量で 0.3g/m2未満
では不めっきが生じやすく、1.5 g/m2を超えると次工程
での酸化鉄の還元が不十分となりやすく不めっきが発生
しやすくなる。
なければならない。この温度を超えると研削により表面
に導入された歪が減少して酸化反応が抑制されてFe−ox
ideの生成が不十分となり、その結果、次の還元工程で
還元鉄が十分に生成しない。
不めっきが発生しやすくなる。加熱温度の下限には特に
制約はないが 300℃以下では酸化速度が小さく処理に長
時間を要するので好ましくない。
程で 500〜650 ℃の温度で還元処理される。この目的の
ためには、水素5%以上を含み残部が非酸化性ガス (通
常窒素) からなる露点が−15℃以下の雰囲気を用いるの
がよい。処理温度が 500℃より低いと還元力が弱く還元
が不十分になり、650 ℃を超えるとSiの拡散が生じやす
く、鋼板表面に再度Siの濃化がおき不めっきが発生しや
すくなる。処理時間は15〜250 秒でよい。
ide が還元され、還元鉄層が形成される。この還元鉄層
はSi拡散のバリヤーとして作用し、十分な厚みがあれば
還元工程でのSiの表面への拡散を抑制する。以上の工程
で処理された鋼板は 380〜550 ℃程度に冷却され、Alを
0.05〜0.15%程度含有する溶融亜鉛浴中に浸漬されてめ
っきされ、さらにガスワイピングで付着量を所定範囲に
調整されて溶融亜鉛めっき鋼板としての製品になる。
は、上記の工程でめっきした鋼板を合金化処理炉に通
し、 450〜600 ℃に1〜120 秒加熱してめっき皮膜を合
金化する。
た溶融亜鉛めっき鋼板または合金化溶融亜鉛めっき鋼板
が得られる。本発明方法によれば、Si含有量が 1.5%を
超える鋼板に対しても健全な溶融亜鉛めっきが可能であ
る。
種A、板厚2.3mm)及び冷延鋼板(鋼種B〜D、板厚0.80
mm、未焼鈍材) を 250×100mm に裁断して供試材とし
た。
−30℃の雰囲気で、昇温速度 15 ℃/secで850 ℃に昇温
し120sec保持する焼鈍を予め行った。ただし、表3に
B’およびD’で示すのは、鋼種BおよびDの焼鈍して
いないものである。
いて片面当たり20g/m2以下の範囲で研削した。研削後の
鋼板を、所定雰囲気での熱処理が可能でかつ還元雰囲気
から直接溶融めっきが可能な、竪型溶融めっき装置に通
して溶融亜鉛めっきを行った。即ち、鋼板を必要に応じ
て、この装置内で、表2に示すa〜eの各種雰囲気で予
熱酸化した後、N2+25%H2の雰囲気で 600℃×60秒の還
元を施し 460℃の鋼板温度に冷却の後、全Al濃度 0.112
%、全Fe濃度 0.020%の溶融亜鉛浴中で溶融めっきを行
った。めっき時間は1秒とし、ガスワイパーにより亜鉛
付着量を片面当たり約50g/m2に調整した。めっき後不め
っきの発生状況を調査した。さらに、一部の試料につい
ては、500 ℃の温度で合金化処理を行い合金化所要時間
を測定した。めっきの評価および合金化処理を行ったも
のについては合金化所要時間を表3に示す。
例では全て不めっきがなく、合金化溶融亜鉛めっき鋼板
では比較的短時間に合金化処理ができている。比較例の
中では、20g/m2に近い大量の研削を行ったNo.6のみが良
好な結果を示しているが、このような大量研削を実生産
ラインで行うのは困難であり、もし実施できても設備
費、操業費の高騰が避けられない。
する溶融亜鉛めっき鋼板、または合金化溶融亜鉛めっき
鋼板が不めっきの発生なしに、しかも比較的経済的に製
造できる。
Claims (2)
- 【請求項1】Siを 0.2%以上含有する鋼板を母材として
溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方法であって、表面を
0.4〜5 g/m2研削して除去した鋼板を 650℃以下の酸化
性雰囲気中で処理し、鋼板表面にFeに換算して 0.3〜1.
5 g/m2の酸化鉄層を形成させ、次いで 500〜650 ℃の温
度で還元した後、溶融亜鉛めっきを行うことを特徴とす
る珪素含有鋼板の溶融亜鉛めっき方法。 - 【請求項2】請求項1に記載の工程で溶融亜鉛めっきを
行った後、さらに合金化熱処理を施す合金化溶融亜鉛め
っき鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19707192A JP2674429B2 (ja) | 1992-07-23 | 1992-07-23 | 珪素含有鋼板の溶融亜鉛めっき方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19707192A JP2674429B2 (ja) | 1992-07-23 | 1992-07-23 | 珪素含有鋼板の溶融亜鉛めっき方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0641708A true JPH0641708A (ja) | 1994-02-15 |
JP2674429B2 JP2674429B2 (ja) | 1997-11-12 |
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ID=16368236
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19707192A Expired - Fee Related JP2674429B2 (ja) | 1992-07-23 | 1992-07-23 | 珪素含有鋼板の溶融亜鉛めっき方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2674429B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5677005A (en) * | 1993-06-25 | 1997-10-14 | Kawasaki Steel Corporation | Method for hot dip galvanizing high tensile steel strip with minimal bare spots |
US6087019A (en) * | 1996-05-31 | 2000-07-11 | Kawasaki Steel Corporation | Plated steel sheet |
US7696671B2 (en) | 2004-10-15 | 2010-04-13 | Olympus Medical Systems Corporation | Array ultrasonic transducer having piezoelectric devices |
-
1992
- 1992-07-23 JP JP19707192A patent/JP2674429B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5677005A (en) * | 1993-06-25 | 1997-10-14 | Kawasaki Steel Corporation | Method for hot dip galvanizing high tensile steel strip with minimal bare spots |
US6087019A (en) * | 1996-05-31 | 2000-07-11 | Kawasaki Steel Corporation | Plated steel sheet |
US7696671B2 (en) | 2004-10-15 | 2010-04-13 | Olympus Medical Systems Corporation | Array ultrasonic transducer having piezoelectric devices |
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JP2674429B2 (ja) | 1997-11-12 |
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