JPH064159B2 - し尿及び生活廃水の浄化方法 - Google Patents
し尿及び生活廃水の浄化方法Info
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- JPH064159B2 JPH064159B2 JP7646787A JP7646787A JPH064159B2 JP H064159 B2 JPH064159 B2 JP H064159B2 JP 7646787 A JP7646787 A JP 7646787A JP 7646787 A JP7646787 A JP 7646787A JP H064159 B2 JPH064159 B2 JP H064159B2
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- treatment
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W10/00—Technologies for wastewater treatment
- Y02W10/10—Biological treatment of water, waste water, or sewage
Landscapes
- Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はし尿及び生活廃水の浄化方法に関するものであ
り、更に詳しくは既存の曝気気式浄化槽をそのまま使用
して汚水の処理効率を高める技術に関するものである。
り、更に詳しくは既存の曝気気式浄化槽をそのまま使用
して汚水の処理効率を高める技術に関するものである。
(従来の技術) 今日、し尿及び生活廃水の浄化には曝気式浄化槽が多く
使用されているが、従来、特に初期において製造・販売
された曝気式浄化槽では処理能力が低く、放流水質が環
境基準に満たない等多くの問題を有していた。そのため
に年々改良が加えられ、例えば日立浄化槽(日立化成工
業社製、商品名:ハイバッキー)に見られる如く優れた
品質のものが生産・販売されるようになってきた。
使用されているが、従来、特に初期において製造・販売
された曝気式浄化槽では処理能力が低く、放流水質が環
境基準に満たない等多くの問題を有していた。そのため
に年々改良が加えられ、例えば日立浄化槽(日立化成工
業社製、商品名:ハイバッキー)に見られる如く優れた
品質のものが生産・販売されるようになってきた。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、今日でも初期において製造・販売された
曝気式浄化槽は数多く使用されており、これらの既存の
浄化槽について維持・管理が行われてはいるものの、環
境基準に満たない処理水を放流している場合が多い。こ
のような事態を放置しておくことは河川の汚染や衛生上
極めて問題であり、早急に解決されなければならない。
このため、新型の浄化槽に代えることなく従来型の浄化
槽の処理能力を高めるために、例えば日立し尿三次処理
装置(日立化成工業社製)に見られるような三次処理装
置が開発されている。しかし、この装置を用いた場合に
は確かに水質は向上するものの敷地・工事等が必要なた
め、それほど普及しておらず、依然として上記問題は解
決されていないのが現状である。
曝気式浄化槽は数多く使用されており、これらの既存の
浄化槽について維持・管理が行われてはいるものの、環
境基準に満たない処理水を放流している場合が多い。こ
のような事態を放置しておくことは河川の汚染や衛生上
極めて問題であり、早急に解決されなければならない。
このため、新型の浄化槽に代えることなく従来型の浄化
槽の処理能力を高めるために、例えば日立し尿三次処理
装置(日立化成工業社製)に見られるような三次処理装
置が開発されている。しかし、この装置を用いた場合に
は確かに水質は向上するものの敷地・工事等が必要なた
め、それほど普及しておらず、依然として上記問題は解
決されていないのが現状である。
そこで本発明の目的は、今まで積極的な浄化能力の向上
が図られていなかった、従来型の曝気式浄化槽であっ
て、環境基準に満たない処理水を放流している浄化槽の
廃水処理能力を極めて簡便な方法で向上させ、早急に上
記問題を解決し得る技術を提供することにある。
が図られていなかった、従来型の曝気式浄化槽であっ
て、環境基準に満たない処理水を放流している浄化槽の
廃水処理能力を極めて簡便な方法で向上させ、早急に上
記問題を解決し得る技術を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、上記問題点を解消すべく鋭意検討した結
果、曝気式浄化槽内に特定の担体を投入することによ
り、好気的微生物と汚水との親和性および接触面積の拡
大が良好に図られ汚水の処理効率が高められることを見
出し、本発明を完成するに至った。
果、曝気式浄化槽内に特定の担体を投入することによ
り、好気的微生物と汚水との親和性および接触面積の拡
大が良好に図られ汚水の処理効率が高められることを見
出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、既存の曝気式浄化槽を用いてし尿及
び生活廃水を処理するにあたり、該浄化槽内に、幹ポリ
マーの表面にグラフト共重合されたポリアニオンを有す
る好気的微生物付着用の担体を投入し生物化学的な汚水
処理効率を高めることを特徴とするし尿及び生活廃水の
浄化方法に関するものである。
び生活廃水を処理するにあたり、該浄化槽内に、幹ポリ
マーの表面にグラフト共重合されたポリアニオンを有す
る好気的微生物付着用の担体を投入し生物化学的な汚水
処理効率を高めることを特徴とするし尿及び生活廃水の
浄化方法に関するものである。
本発明に適用可能な既存の曝気式浄化槽としては、例え
ば日立浄化槽全曝気型(日立化成工業社製)やサワー浄
化槽全曝気型(前沢化工社製)等を挙げることができ、
特に限定されるべきものではない。また、その操作条件
も従来通りの操作条件でよく、特に変更を要するもので
はない。従って、費用や設備の面で極めて有利である。
ば日立浄化槽全曝気型(日立化成工業社製)やサワー浄
化槽全曝気型(前沢化工社製)等を挙げることができ、
特に限定されるべきものではない。また、その操作条件
も従来通りの操作条件でよく、特に変更を要するもので
はない。従って、費用や設備の面で極めて有利である。
本発明に使用する幹ポリマーにおいては、材質をセルロ
ース、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリアミド、ポリウレタン等の高分子
化合物とし、また形状は特に限定されるものではない
が、好ましくは円筒状、カーテン状、のれん状、ひも
状、粒状又は球状とする。更にこの幹ポリマーは、表面
をポリアニオンでグラフト共重合する。かかるグラフト
共重合用アニオンとしては、アクリル酸、メタクリル
酸、スチレン−無水マレイン酸共重合体等を挙げること
ができる。
ース、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリアミド、ポリウレタン等の高分子
化合物とし、また形状は特に限定されるものではない
が、好ましくは円筒状、カーテン状、のれん状、ひも
状、粒状又は球状とする。更にこの幹ポリマーは、表面
をポリアニオンでグラフト共重合する。かかるグラフト
共重合用アニオンとしては、アクリル酸、メタクリル
酸、スチレン−無水マレイン酸共重合体等を挙げること
ができる。
上述した担体を本発明の浄化方法に使用する場合、該担
体を直接曝気式浄化槽に投入せずに、予め微生物を該担
体に固定化させたものを使用してもよい。また、担体は
浄化槽内において固定型であっても移動型であってもよ
い。
体を直接曝気式浄化槽に投入せずに、予め微生物を該担
体に固定化させたものを使用してもよい。また、担体は
浄化槽内において固定型であっても移動型であってもよ
い。
本発明の他の一面は、前記好気的微生物による生物学的
汚水処理の後、汚水の処理効率を更に高めるために流出
槽中に浮遊懸濁物質を回収する特殊フィルタを取り付け
ることである。
汚水処理の後、汚水の処理効率を更に高めるために流出
槽中に浮遊懸濁物質を回収する特殊フィルタを取り付け
ることである。
すなわち本発明は、前記好気的微生物による生物学的汚
水処理の後に、浮遊懸濁物質を抗菌処理したフィルタに
より除去し、更に処理効率を高めることを特徴とするし
尿及び生活廃水の浄化方法に関するものである。
水処理の後に、浮遊懸濁物質を抗菌処理したフィルタに
より除去し、更に処理効率を高めることを特徴とするし
尿及び生活廃水の浄化方法に関するものである。
この場合、フィルタの材質及び形状は特に限定されるべ
きものではないが、好ましくは材質をセルロース、ポリ
エステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリアミド等の高分子化合物とし、形状を不織
布、織布又はニット状とする。フィルタは、維持管理の
際に交換すればその能力を十分に発揮することができ、
また抗菌処理を行ったフィルタを用いることにより廃水
の浄化能力を向上持続させることができる。かかる抗菌
処理は市販の抗菌処理剤により、あるいはカチオン性モ
ノマーをフィルタにグラフト共重合反応させることによ
り行うことができる。
きものではないが、好ましくは材質をセルロース、ポリ
エステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリアミド等の高分子化合物とし、形状を不織
布、織布又はニット状とする。フィルタは、維持管理の
際に交換すればその能力を十分に発揮することができ、
また抗菌処理を行ったフィルタを用いることにより廃水
の浄化能力を向上持続させることができる。かかる抗菌
処理は市販の抗菌処理剤により、あるいはカチオン性モ
ノマーをフィルタにグラフト共重合反応させることによ
り行うことができる。
(作用) 本発明においては、幹ポリマーの表面にグラフト共重合
されたポリアニオンを有する担体を曝気式浄化槽内に投
入して好気的微生物の発生を容易にし、また処理効率の
一層の向上を企図する場合には併せて抗菌処理したフィ
ルタを流出槽中に取り付けるものである。このような措
置は極めて簡便であり、しかも費用も従来法に比し極め
て安価ですむにもかかわらず極めて処理効率が高い。こ
のように優れた特徴を有する本発明は以下に示す過程を
経て見出された。
されたポリアニオンを有する担体を曝気式浄化槽内に投
入して好気的微生物の発生を容易にし、また処理効率の
一層の向上を企図する場合には併せて抗菌処理したフィ
ルタを流出槽中に取り付けるものである。このような措
置は極めて簡便であり、しかも費用も従来法に比し極め
て安価ですむにもかかわらず極めて処理効率が高い。こ
のように優れた特徴を有する本発明は以下に示す過程を
経て見出された。
本発明者らは先ず汚水の調査を行ったところ、汚水中の
浮遊懸濁物質が負に帯電していることが明らかとなった
ため、当初浮遊懸濁物質を除去できれば処理水中のBO
Dは低下するであろうとの見解に立ち、正に帯電しいる
市販の高分子凝集剤を汚水に投入したり、正電荷をもつ
モノマーを高分子物質にグラフトさせ、それを担体とし
て曝気槽中に入れてみた。その結果、後者の場合、曝気
しても凝集物の再拡散も起こらず、一時的にBODの低
下が認められた。しかし、曝気式浄化槽の特徴である好
気的微生物による生物膜の発生が認められなかった。こ
れは正に帯電しているポリマーによる微生物の細胞膜破
壊の結果と考えられる。尚、正電荷をもつモノマーを高
分子物質にグラフトするような上記処理は抗菌性処理フ
ィルタには極めて有用であることが分かる。
浮遊懸濁物質が負に帯電していることが明らかとなった
ため、当初浮遊懸濁物質を除去できれば処理水中のBO
Dは低下するであろうとの見解に立ち、正に帯電しいる
市販の高分子凝集剤を汚水に投入したり、正電荷をもつ
モノマーを高分子物質にグラフトさせ、それを担体とし
て曝気槽中に入れてみた。その結果、後者の場合、曝気
しても凝集物の再拡散も起こらず、一時的にBODの低
下が認められた。しかし、曝気式浄化槽の特徴である好
気的微生物による生物膜の発生が認められなかった。こ
れは正に帯電しているポリマーによる微生物の細胞膜破
壊の結果と考えられる。尚、正電荷をもつモノマーを高
分子物質にグラフトするような上記処理は抗菌性処理フ
ィルタには極めて有用であることが分かる。
そこで本発明者らは、逆に負電荷をつモノマーを高分子
物質にグラフトしこれをフィルタとして使用すれば目づ
まりすることなく浮遊物質をろ過できるのではないかと
考え、アルクル酸をグラフトしたセルロースを袋状に
し、これを廃水枡中にいれてみた。この結果、驚くべき
ことに微生物膜発生が3日目に肉眼で認められ、しかも
BODが連続的に測定しても半分以下に低下した。しか
しながら、浮遊物質で袋が満たされ、長期的使用後に生
物膜による目づまりが認められた。
物質にグラフトしこれをフィルタとして使用すれば目づ
まりすることなく浮遊物質をろ過できるのではないかと
考え、アルクル酸をグラフトしたセルロースを袋状に
し、これを廃水枡中にいれてみた。この結果、驚くべき
ことに微生物膜発生が3日目に肉眼で認められ、しかも
BODが連続的に測定しても半分以下に低下した。しか
しながら、浮遊物質で袋が満たされ、長期的使用後に生
物膜による目づまりが認められた。
以上述べてきた知見に基づき、負電荷をもつ高分子物質
を担体として使用すれば生物膜の発生を早め汚水の処理
効率を高めることができ、しかも抗菌処理したフィルタ
を使用すれば生物膜の発生を阻止でき目づまりすること
なく浮遊物質をろ過できると考え、本発明を完成するに
至った。実際、本発明によれば汚水の処理効率は格段に
高まり、BOD,CODは使用前の50%以下に低下し
た。
を担体として使用すれば生物膜の発生を早め汚水の処理
効率を高めることができ、しかも抗菌処理したフィルタ
を使用すれば生物膜の発生を阻止でき目づまりすること
なく浮遊物質をろ過できると考え、本発明を完成するに
至った。実際、本発明によれば汚水の処理効率は格段に
高まり、BOD,CODは使用前の50%以下に低下し
た。
(実施例) 次に本発明を実施例により説明する。
実施例1 実際の浄化槽のモデルとして、第1図に示すモデル装置
1を用いて実験を行った。この装置1では、上部から人
口汚水の流入水2を導入すると、人口汚水は小孔3及び
好気的微生物用担体4を介して装置1全体を満たし、し
かる後、フィルタ5を介して放流水6として流出するよ
うに工夫されている。尚、この装置では担体及びフィル
タの効果を十分に確認できるようにするために曝気装置
は設けなかった。
1を用いて実験を行った。この装置1では、上部から人
口汚水の流入水2を導入すると、人口汚水は小孔3及び
好気的微生物用担体4を介して装置1全体を満たし、し
かる後、フィルタ5を介して放流水6として流出するよ
うに工夫されている。尚、この装置では担体及びフィル
タの効果を十分に確認できるようにするために曝気装置
は設けなかった。
本実施例ではBOD125mg/の人口汚水を用い、好気性微
生物付着用担体4としてアクリル酸グラフトセルロース
(グラフト率20.2%)を、またフィルタ5としてジメチ
ルアミノエチルメタクリレートをグラフトしたセルロー
ス(グラフト率10.4%)を夫々第1図に示す如く装置1
に取り付けた。この装置1からの流出水6のBOD、アン
モニウムイオン濃度及びリン酸イオン濃度を測定したと
ころ、第2図の(a)〜(c)に示す結果を得た。
生物付着用担体4としてアクリル酸グラフトセルロース
(グラフト率20.2%)を、またフィルタ5としてジメチ
ルアミノエチルメタクリレートをグラフトしたセルロー
ス(グラフト率10.4%)を夫々第1図に示す如く装置1
に取り付けた。この装置1からの流出水6のBOD、アン
モニウムイオン濃度及びリン酸イオン濃度を測定したと
ころ、第2図の(a)〜(c)に示す結果を得た。
第2図の(a)〜(c)から明らかな如く、流水中のBOD、ア
ンモニウムイオン濃度及びリン酸イオン濃度は日数の経
過と共に低下した。また担体には実験開始後32日目に
明らかに生物膜の発生が肉眼で認められたが、フィルタ
には生物膜の発生は認められなかった。
ンモニウムイオン濃度及びリン酸イオン濃度は日数の経
過と共に低下した。また担体には実験開始後32日目に
明らかに生物膜の発生が肉眼で認められたが、フィルタ
には生物膜の発生は認められなかった。
実施例2 人工汚水としてCOD300mg/を用いた以外は実施例1と
同様の実験を行ったところ、第3図(a)〜(c)に示す結果
を得た。また担体のみの効果を見るためにポリカチオン
で表面グラフトされた抗菌性フィルタを取り付けずに行
ったCODの測定結果を第3図(a)に一緒に示す。
同様の実験を行ったところ、第3図(a)〜(c)に示す結果
を得た。また担体のみの効果を見るためにポリカチオン
で表面グラフトされた抗菌性フィルタを取り付けずに行
ったCODの測定結果を第3図(a)に一緒に示す。
この実験結果より、汚水の組成が異なっても前記担体及
びフィルタ装着による処理効率向上の効果があることが
確認された。また第3図(a)より担体のみでも十分にC
ODの低下効果があることが分かる。
びフィルタ装着による処理効率向上の効果があることが
確認された。また第3図(a)より担体のみでも十分にC
ODの低下効果があることが分かる。
実施例3 人工汚水としてCOD100mg/を用い、担体としてアクリ
ル酸をグラフトしたセルロース(グラフト率3.9%)を
前記装置1のフィルタ5の個所に、またフィルタとして
不織布を前記装置1の担体4の個所に設けた以外は前記
実施例1と同様の実験を行った。得られた結果を第4図
の(a)〜(c)に夫々示す。
ル酸をグラフトしたセルロース(グラフト率3.9%)を
前記装置1のフィルタ5の個所に、またフィルタとして
不織布を前記装置1の担体4の個所に設けた以外は前記
実施例1と同様の実験を行った。得られた結果を第4図
の(a)〜(c)に夫々示す。
この実験結果より、担体とフィルタの位置を逆にしても
汚水処理に対し効果があることが分かった。しかし実施
例2と3を比較した場合、人工汚水中のCODの初期濃度
が違うにしてもその低下率は実施例2の方がはるかに大
きいことから、抗菌処理を行った素材を用いるのは好気
的微生物処理の後、処理水を放流する直前が好ましいこ
とが分かる。
汚水処理に対し効果があることが分かった。しかし実施
例2と3を比較した場合、人工汚水中のCODの初期濃度
が違うにしてもその低下率は実施例2の方がはるかに大
きいことから、抗菌処理を行った素材を用いるのは好気
的微生物処理の後、処理水を放流する直前が好ましいこ
とが分かる。
比較例1 人工汚水としてCOD100mg/を用い、担体4及び5とし
て共に未処理不織布を用いた以外は前記実施例1と同様
の実験を行ったところ、1週間後にわずかに生物膜の発
生が肉眼で認められたにすぎず、イオン濃度の低下には
担体に化学処理を施す必要があることが確認された。
尚、CODの低下には未処理の素材でもある程度効果が認
められた。また、内側、外側両方の不織布に生物膜の発
生が認められた。従って、生物膜の発生によるフィルタ
の目詰まりを防ぐ意味で、フィルタに抗菌処理を施す必
要があることも分かった。
て共に未処理不織布を用いた以外は前記実施例1と同様
の実験を行ったところ、1週間後にわずかに生物膜の発
生が肉眼で認められたにすぎず、イオン濃度の低下には
担体に化学処理を施す必要があることが確認された。
尚、CODの低下には未処理の素材でもある程度効果が認
められた。また、内側、外側両方の不織布に生物膜の発
生が認められた。従って、生物膜の発生によるフィルタ
の目詰まりを防ぐ意味で、フィルタに抗菌処理を施す必
要があることも分かった。
実施例4 pH6.2に調整したCOD100mg/の人工汚水中にメタクリ
ル酸をグラフトしたポリ塩化ビニル(グラフト率15.6
%)を浸漬し、水溶性カルボジイミドで該汚水中の微生
物をアミド結合によりグラフト部分のカルボキシル基に
予め一部固定化させておいたところ、カルボジイミドに
よる重量増加2%の他に、微生物による重量増加1.2
%が認められ、合計で3.2%の重量増加が認められた。
これを担体とし、市販の抗菌処理で処理したポリエステ
ル−レーヨン不織布をフィルタとして用いた以外は前記
実施例1と同様にして前記人工汚水の処理実験を行っ
た。得られた結果を第5図の(a)〜(c)に示す。
ル酸をグラフトしたポリ塩化ビニル(グラフト率15.6
%)を浸漬し、水溶性カルボジイミドで該汚水中の微生
物をアミド結合によりグラフト部分のカルボキシル基に
予め一部固定化させておいたところ、カルボジイミドに
よる重量増加2%の他に、微生物による重量増加1.2
%が認められ、合計で3.2%の重量増加が認められた。
これを担体とし、市販の抗菌処理で処理したポリエステ
ル−レーヨン不織布をフィルタとして用いた以外は前記
実施例1と同様にして前記人工汚水の処理実験を行っ
た。得られた結果を第5図の(a)〜(c)に示す。
初期のリン酸濃度が等しい第5図の(c)と第2図の(c)と
の比較より明らかなごとく、微生物を固定化した担体を
用いた方が汚水処理の初期効率が高かった。
の比較より明らかなごとく、微生物を固定化した担体を
用いた方が汚水処理の初期効率が高かった。
実施例5 次に第6図に示す曝気装置付モデル浄化装置10を用い、
本発明に係る各種担体及びフィルタの効果を検討した。
この装置10は、第1図に示す装置とは曝気装置14がある
点で特に異なるものである。具体的には、4℃に温度調
節された人工汚水だめ用タンク11内の汚水を人工汚水一
時だめ用タンク12に導入し、ここから汚水を流入水13と
してモデル浄化槽15に導入した。尚、タンク12において
オーバーフローした汚水はタンク11に流入させた。モデ
ル浄化槽15には実際の浄化槽で用いるものと同様の担体
16を数個投入し、また曝気装置14からは空気17を送り込
み生物学的汚水処理を行った。モデル浄化槽15で好気的
微生物による生物学的汚水処理が施された汚水はしかる
後に流出槽18に送り込み、次いでフィルタ19を介して流
出水20として取り出した。
本発明に係る各種担体及びフィルタの効果を検討した。
この装置10は、第1図に示す装置とは曝気装置14がある
点で特に異なるものである。具体的には、4℃に温度調
節された人工汚水だめ用タンク11内の汚水を人工汚水一
時だめ用タンク12に導入し、ここから汚水を流入水13と
してモデル浄化槽15に導入した。尚、タンク12において
オーバーフローした汚水はタンク11に流入させた。モデ
ル浄化槽15には実際の浄化槽で用いるものと同様の担体
16を数個投入し、また曝気装置14からは空気17を送り込
み生物学的汚水処理を行った。モデル浄化槽15で好気的
微生物による生物学的汚水処理が施された汚水はしかる
後に流出槽18に送り込み、次いでフィルタ19を介して流
出水20として取り出した。
本実施例では、上述の如く移動式担体を用い、その材質
を夫々、a)未処理ポリウレタン、b)未処理ポリ塩化ビニ
ル布で包んだポリウレタン、及びc)アクリル酸グラフト
ポリ塩化ビニル布(グラフト率8.5%)で包んだポリウ
レタンとし、またフィルタとしては抗菌処理した不織布
を使用した。
を夫々、a)未処理ポリウレタン、b)未処理ポリ塩化ビニ
ル布で包んだポリウレタン、及びc)アクリル酸グラフト
ポリ塩化ビニル布(グラフト率8.5%)で包んだポリウ
レタンとし、またフィルタとしては抗菌処理した不織布
を使用した。
このようにして汚水処理した各流出水20のCOD、アンモ
ニウムイオン濃度及びリン酸イオン濃度を測定したとこ
ろ、第7図の(a)〜(c)に示す結果を得た。第7図の(a)
〜(c)から明らかな如く、曝気の効果はCOD,アンモニウ
ムイオン,リン酸イオンの全てにおいて顕著に認められ
た。また未処理の素材を用いた場合よりも化学処理を行
った素材の方が効果が持続することも明らかとなった。
ニウムイオン濃度及びリン酸イオン濃度を測定したとこ
ろ、第7図の(a)〜(c)に示す結果を得た。第7図の(a)
〜(c)から明らかな如く、曝気の効果はCOD,アンモニウ
ムイオン,リン酸イオンの全てにおいて顕著に認められ
た。また未処理の素材を用いた場合よりも化学処理を行
った素材の方が効果が持続することも明らかとなった。
実施例6 実際の浄化槽に、アクリル酸グラフトポリ塩化ビニル
(グラフト率12.3%)の担体及び市販の抗菌処理剤で処
理したポリエステル/レーヨン不織布のフィルタを取り
つけ、半月後にBOD,CODの定量を行った。その結果、BO
D,CODともに装着前の50%に低下した。
(グラフト率12.3%)の担体及び市販の抗菌処理剤で処
理したポリエステル/レーヨン不織布のフィルタを取り
つけ、半月後にBOD,CODの定量を行った。その結果、BO
D,CODともに装着前の50%に低下した。
(発明の効果) 以上説明してきたように本発明のし尿及び生活廃水の浄
化方法においては、今まで積極的な浄化能力の向上が図
られていなかった従来型の曝気式浄化槽の浄化能力を極
めて簡便な方法で格段に向上させることができるという
効果が得られる。これにより、現在十分に守られていな
かった環境基準を満たし、河川の汚染等の問題を早急に
解決することができる。
化方法においては、今まで積極的な浄化能力の向上が図
られていなかった従来型の曝気式浄化槽の浄化能力を極
めて簡便な方法で格段に向上させることができるという
効果が得られる。これにより、現在十分に守られていな
かった環境基準を満たし、河川の汚染等の問題を早急に
解決することができる。
第1図は、本発明の効果を確認するために用いた浄化槽
のモデル装置の斜視図、 第2図(a)は実施例1で処理した人工汚水の時間とBODと
の関係を示す線図、 第2図(b)は実施例1で処理した人工汚水の時間とNH4 +
の濃度との関係を示す線図、 第2図(c)は実施例1で処理した人工汚水の時間とPO4 3-
の濃度との関係を示す線図、 第3図(a)は実施例2で処理した人工汚水の時間とCODと
の関係を示す線図、 第3図(b)は実施例2で処理した人工汚水の時間とNH4 +
の濃度との関係を示す線図、 第3図(c)は実施例2で処理した人工汚水の時間とPO4 3-
の濃度との関係を示す線図、 第4図(a)は実施例3で処理した人工汚水の時間とCODと
の関係を示す線図、 第4図(b)は実施例3で処理した人工汚水の時間とNH4 +
の濃度との関係を示す線図、 第4図(c)は実施例3で処理した人工汚水の時間とPO4 3-
の濃度との関係を示す線図、 第5図(a)は実施例4で処理した人工汚水の時間とCO
Dとの関係を示す線図、 第5図(b)は実施例4で処理した人工汚水の時間とNH4 +
の濃度との関係を示す線図、 第5図(c)は実施例4で処理した人工汚水の時間とPO4 3-
の濃度との関係を示す線図、 第6図は、本発明の効果を確認するために用いた曝気装
置付モデル浄化装置の断面図、 第7図(a)は実施例5で各種担体を用いて処理した人工
汚水の時間とCODとの関係を示す線図、 第7図(b)は実施例5で各種担体を用いて処理した人工
汚水の時間とNH4 +の濃度との関係を示す線図、及び 第7図(c)は実施例6で各種担体を用いて処理した人工
汚水の時間とPO4 3-の濃度との関係を示す線図である。 1…モデル装置、2…流入水 3…小孔 4…好気的微生物用担体 5…フィルタ、6…放流水 10…曝気装置付きモデル浄化装置 11…人工汚水だめ用タンク 12…人工汚水一時だめ用タンク 13…流入水、14…曝気装置 15…モデル浄化槽、16…担体 17…空気、18…流出槽 19…フィルタ、20…流出水
のモデル装置の斜視図、 第2図(a)は実施例1で処理した人工汚水の時間とBODと
の関係を示す線図、 第2図(b)は実施例1で処理した人工汚水の時間とNH4 +
の濃度との関係を示す線図、 第2図(c)は実施例1で処理した人工汚水の時間とPO4 3-
の濃度との関係を示す線図、 第3図(a)は実施例2で処理した人工汚水の時間とCODと
の関係を示す線図、 第3図(b)は実施例2で処理した人工汚水の時間とNH4 +
の濃度との関係を示す線図、 第3図(c)は実施例2で処理した人工汚水の時間とPO4 3-
の濃度との関係を示す線図、 第4図(a)は実施例3で処理した人工汚水の時間とCODと
の関係を示す線図、 第4図(b)は実施例3で処理した人工汚水の時間とNH4 +
の濃度との関係を示す線図、 第4図(c)は実施例3で処理した人工汚水の時間とPO4 3-
の濃度との関係を示す線図、 第5図(a)は実施例4で処理した人工汚水の時間とCO
Dとの関係を示す線図、 第5図(b)は実施例4で処理した人工汚水の時間とNH4 +
の濃度との関係を示す線図、 第5図(c)は実施例4で処理した人工汚水の時間とPO4 3-
の濃度との関係を示す線図、 第6図は、本発明の効果を確認するために用いた曝気装
置付モデル浄化装置の断面図、 第7図(a)は実施例5で各種担体を用いて処理した人工
汚水の時間とCODとの関係を示す線図、 第7図(b)は実施例5で各種担体を用いて処理した人工
汚水の時間とNH4 +の濃度との関係を示す線図、及び 第7図(c)は実施例6で各種担体を用いて処理した人工
汚水の時間とPO4 3-の濃度との関係を示す線図である。 1…モデル装置、2…流入水 3…小孔 4…好気的微生物用担体 5…フィルタ、6…放流水 10…曝気装置付きモデル浄化装置 11…人工汚水だめ用タンク 12…人工汚水一時だめ用タンク 13…流入水、14…曝気装置 15…モデル浄化槽、16…担体 17…空気、18…流出槽 19…フィルタ、20…流出水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酉田 正美 群馬県桐生市広沢町3丁目3697番地 (56)参考文献 特開 昭61−204090(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】既存の曝気式浄化槽を用いてし尿及び生活
排水を処理するにあたり、該浄化槽内に、幹ポリマーの
表面にグラフト共重合されたポリアニオンを有する好気
的微生物付着用の担体を投入し、曝気処理中に生物膜を
早期に発生せしめ、生物化学的な汚水処理効率を高める
ことを特徴とするし尿及び生活排水の浄化方法。 - 【請求項2】既存の曝気式浄化槽を用いてし尿及び生活
排水を処理するに際し、該浄化槽内に投入され、生物膜
を早期に発生せしめるために使用される、幹ポリマーの
表面にグラフト共重合されたポリアニオンを有する好気
的微生物付着用の担体。 - 【請求項3】既存の曝気式浄化槽を用いてし尿及び生活
排水を処理するにあたり、該浄化槽内に、幹ポリマーの
表面にグラフト共重合されたポリアニオンを有する好気
的微生物付着用の担体を投入し、曝気処理中に生物膜を
早期に発生せしめ、生物化学的な汚水処理効率を高めた
後、浮遊懸濁物質をポリカチオンで表面グラフトされた
抗菌性フィルタにより除去し更に処理効率を高めること
を特徴とするし尿及び生活排水の浄化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7646787A JPH064159B2 (ja) | 1987-03-31 | 1987-03-31 | し尿及び生活廃水の浄化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7646787A JPH064159B2 (ja) | 1987-03-31 | 1987-03-31 | し尿及び生活廃水の浄化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63242393A JPS63242393A (ja) | 1988-10-07 |
JPH064159B2 true JPH064159B2 (ja) | 1994-01-19 |
Family
ID=13605971
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7646787A Expired - Lifetime JPH064159B2 (ja) | 1987-03-31 | 1987-03-31 | し尿及び生活廃水の浄化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH064159B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AUPR833301A0 (en) | 2001-10-17 | 2001-11-08 | Advanced Environmental Technologies Pty Ltd | Organic waste treatment |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61204090A (ja) * | 1985-03-06 | 1986-09-10 | Hitachi Plant Eng & Constr Co Ltd | 微生物の固定方法 |
JPS62166889A (ja) * | 1986-01-20 | 1987-07-23 | Agency Of Ind Science & Technol | 固定化微生物、該固定化微生物の製法及び該固定化微生物を用いる水処理方法 |
-
1987
- 1987-03-31 JP JP7646787A patent/JPH064159B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63242393A (ja) | 1988-10-07 |
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