JPH0641599Y2 - 自動販売機玩具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は硬貨を投入し菓子等の内容物を取り出す自動販
売機玩具に関する。

〈従来の技術〉 従来、上記の玩具としては第10図に示されるようなもの
が周知である。この玩具は、コイン（Ｎ）を投入口
（８）に入れて押し込むことにより、菓子（Ｃ）の落下
通路（81）に位置する栓体（82）を移動させ、菓子
（Ｃ）を取出口（83）に落下させるものである。

また、実公昭55-10000号公報には、コインの投入口と、
レバーとを備え、レバーを下げることにより、収納物と
コインとが取出口に落下する自動販売機玩具が掲載され
ている。この玩具は、レバーの動きを数多くの部品を介
して開閉器に伝達し、収納部を落下させると共に、投入
口内で挟持していたコインも同時に落下させるものであ
る。

〈考案が解決しようとする課題〉 しかし、前者の玩具であると、コインの押し込み動作で
直接菓子が落下するので、動作が単純で面白みに欠ける
面がある。また、押し込まれたコインは、手を離すとも
との位置に戻ってしまうため、玩具としては今一つ子供
の興味を引くことができなかった。

また、後者の玩具は、構成部品が非常に多く構造が複雑
であり、しかもコインを投入してもしなくても収納物が
取り出せるため、興醒めするという欠点を有する。

〈課題を解決するための手段〉 本考案の自動販売機玩具は、玩具の本体内に配されると
共に、一端が本体に軸支され上下に回動可能に設けられ
たレバーと、投入されたコインをレバーとで挟むようこ
のレバーと並べて配されると共に、一端が本体に軸止さ
れ、上下に回動可能に設けられた回動片と、収納部の下
方に配されると共に、回動片の回動により作動し収納物
を落下させる作動器と、投入されたコインの前下方の周
縁部に当接する支持部とを備える。このレバーはコイン
の上の周縁部に掛合する回動片突起を有し、回動片はコ
インの後下方の周縁部に掛合する回動片突起を有する。
そして、両者の突起により、レバーの下方への回転が投
入されたコインを介して回動片から作動器に伝達される
と共に、レバー押し下げ状態における支持部と回動片突
起との間隔がコインの直径より大とされてなる。尚、こ
こでいうコインとは、当然玩具のコインを含むものであ
る。

〈作用〉 コイン（Ｎ）を投入口へ投入すると（第３図）、コイン
（Ｎ）は回動片（５）の回動片突起（53）と、支持部
（17）とで支持される（第４図）。

次にレバー（４）を下方に回転させると、レバー突起
（43）がコイン（Ｎ）の上の周縁部に掛合し（第５
図）、コイン（Ｎ）を押し下げる（第６図）。押し下げ
られたコイン（Ｎ）は、支持部（17）に当接しながら回
動片（５）の回動片突起（53）を押し下げる。これによ
り回動片（５）は回転し、作動器（６）を作動させて、
収納物を落下させる（第８、第９図）。

そして、回動片突起（53）は、コイン（Ｎ）が押し下げ
られ切った際に、コイン（Ｎ）の周縁部に摺擦されるこ
とにより、支持部（17）との距離をコイン（Ｎ）の直径
以上に開いてコイン（Ｎ）を落下させる（第７図）。

〈実施例〉 以下に図面を参照して、この考案の好適な実施例を例示
的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されて
いる構成部品の寸法、形状、材質、その相対配置など
は、特に特定的な記載がないかぎりは、この考案の範囲
をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説
明例に過ぎない。

第１図は本考案の自動販売機玩具を示す斜視図である。
この玩具は、前半体（１）と、後半体（２）と、後半体
（２）の上部に設けられた収納部（３）とからなる。

前半体（１）の前壁（11）には、コイン（Ｎ）が投入さ
れる投入口（12）が設けられ、投入口（12）の横にはレ
バー（４）の先端が突出している。そして、前壁（11）
の裏側の投入口（12）下方には、第３〜第７図に示され
るように、支持部（17）が設けられており、この支持部
（17）は投入されたコインの前下方の周縁部に当接す
る。

また、この前半体（１）の上部には広告等が表示される
表示部（13）が設けられており、表示部（13）の下方に
は窓部（14）が設けられている。窓部（14）には缶ジュ
ースの模型（Ｊ）…（Ｊ）が収納されており、この模型
（Ｊ）…（Ｊ）は前壁（11）に軸止された窓蓋（15）を
開くことにより取り出すこともできる。窓部（14）の下
方には取出口（16）が設けられており、収納部（３）に
収納された菓子は、レバー（４）を下方に回転させるこ
とにより、ここに落下する。

第２図は後半体（２）と収納部（３）とを示す分解斜視
図である。図中、（４）はレバー、（５）は回動片、
（６）は作動器を夫々示す。

レバー（４）は後部に左右に突出した軸部（41）（41）
を有し、この軸部（41）（41）は後半体（２）の軸支孔
（21）に回動自在に軸支されている。また、右の軸部
（41）にはバネ（42）が嵌挿されており、このバネ（4
2）によって、レバー（４）は上方に付勢されている。
そして、このレバー（４）の上部の回動片（５）側に
は、コイン（Ｎ）の上の周縁部に掛合する掛合突起（4
3）が設けられている。

回動片（５）は後部に嵌挿孔（51）を有し、この嵌挿孔
（51）にはレバー（４）の左の軸部（41）に回動自在に
嵌挿される。嵌合孔（51）のレバー（４）側には肉厚部
（51a）が設けられており、この肉厚部（51a）によっ
て、レバー（４）と回動片（５）とは、コイン（Ｎ）が
挿入可能な距離をもって平行に並んでいる。回動片
（５）もレバー（４）と同様に左の軸部（41）に嵌挿さ
れたバネ（52）によって上方に付勢されている。そし
て、回動片（５）の下部には、コイン（Ｎ）の後下方の
周縁部に掛合する回動片突起（53）がレバー（４）の側
に向かって突設されている。また、（54）は摺動孔を示
し、この摺動孔（54）には、後述する作動器（６）の偏
心軸（63）が嵌挿される。

作動器（６）は菓子１個を収容する大きさの受容部（6
1）を有し、受容部（61）の左右には支持軸（62）（6
2）が突出し、右の支持軸（62）には更に、偏心した偏
心軸（63）が設けられている。支持軸（62）（62）は後
半体（２）の軸受（22）に回動自在に軸支され、偏心軸
（63）は前述したように作動器（５）の摺動孔（53）に
摺動自在に嵌挿される。

収納部（３）は透明の素材よりなり、下部に開口部（3
1）を有す。この開口部（31）は後半体（２）の落下通
路（23）を通じて取出口（16）に連絡している。

以上の構成を有する実施例の自動販売機玩具の使用方法
と作動を説明する。

コイン（Ｎ）を投入口（16）から投入する（第３
図）。尚、レバー（４）及び回動片（５）が上方に付勢
されていることは前に述べたが、レバー（４）はストッ
パー（15）に、回動片（５）はストッパー（15）に夫々
当たることにより停止している（第３図）。

投入されたコイン（Ｎ）は回動片（５）の回動片突起
（53）と、前壁（11）の支持部（17）とで支持される
（第４図）。

レバー（４）を下方に回転させると、レバー突起（4
3）がコイン（Ｎ）の上の周縁部に掛合する。（第５
図）。

更にレバー（４）を回転させると、レバー突起（43）
がコイン（Ｎ）を押し下げる。押し下げられたコイン
（Ｎ）は、支持部（17）に当接しつつ回動片（５）の回
動片突起（53）を摺擦しながら押し下げ、回動片（５）
を回転させる（第６図）。この回動片（５）の回転が摺
動孔（54）と偏心軸（63）を介して伝わることにより、
第８図、第９図に示されるように、作動器（６）が回転
し、受容部（61）に収容していた菓子（図示せず）を取
出口（16）に落下させる。

そして、回動片突起（53）は、コイン（Ｎ）が下げら
れ切った際に、コイン（Ｎ）の周縁部に摺擦されること
により、支持部（17）との距離をコイン（Ｎ）の直径以
上に開いてこれを取出口（16）に落下させる（第７
図）。また、回動片（５）は、回動片突起（53）がコイ
ンの直径を通り過ぎることにより、コインの係止から解
放される。その結果、前述のようにバネ（52）により付
勢されている回動片（５）は、上方へ復帰する。この
際、落下するコインの上の周縁部を回動片突起（53）に
て強く摺擦し、コインをはじくように落下させることが
できる。そして、復帰した際には、この回動片（５）が
第３図に示されるストッパー（25）に当たることにより
音をたてることができる。

レバー（４）を離すと、付勢されていたバネの作用に
より、レバー（４）も第３図に示されるように元の位置
に復帰する。

このように、実施例の自動販売機玩具は、コインを投入
口に入れてレバーを回転させれば、１個の菓子がコイン
と共に取出口に落下するものである。しかも、コインを
投入しなければ、レバーを回転させても菓子は出てこ
ず、より本物の自動販売機玩具に近いものとなってお
り、子供達の興味を十分に引く玩具となっている。

尚、実施例では、本体と収納部は別体としたが、一体で
もよい。また、コインの出口は菓子の取出口とは別にす
るか、或いは本体内に貯るようにしておいてもよい。更
にレバーと回動片の形状は、コインがズレないようでな
れば、実施例に限られず多種の形状が採用できる。

〈考案の効果〉 以上、上述のように本考案は、コインを投入しレバーを
回転させると収納物が取り出せ、かつ使用したコインが
投入口とは別の所から出て来、しかも、コインを投入し
なければレバーを回転させても収納物が出てこないとい
う、本物の自動販売機に近い自動販売機玩具を簡単な構
造により提供することができた。この自動販売機玩具
は、子供の興味を引くに十分であり、また、子供に楽し
い遊びを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２図は同実
施例の収納部と後半体を示す分解斜視図、第３図乃至第
９図は夫々同実施例の作動状態を示す説明図、第10図は
従来例を示す断面図である。 （１）……前半体、（２）……後半体、（３）……収納
部、（４）……レバー、（５）……回動片、（６）……
作動器、（11）……前壁、（17）……支持部、（43）…
…レバー突起、（53）……回動片突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】菓子等の収納物が入れられる収納部と、コ
   インを投入する投入口と、少なくとも１つの取出口とを
   備えた自動販売機玩具において、玩具の本体内に配され
   ると共に、一端が本体に軸支され上下に回動可能に設け
   られたレバーと、投入されたコインをレバーとで挟むよ
   うこのレバーと並べて配されると共に、一端が本体に軸
   止され、上下に回動可能に設けられた回動片と、収納部
   の下方に配されると共に、回動片の回動により作動し収
   納物を落下させる作動器と、投入されたコインの前下方
   の周縁部に当接する支持部とを備え、レバーはコインの
   上の周縁部に掛合する回動片突起を有し、回動片はコイ
   ンの後下方の周縁部に掛合する回動片突起を有し、両者
   の突起により、レバーの下方への回転が投入されたコイ
   ンを介して回動片から作動器に伝達されると共に、レバ
   ー押し下げ状態における支持部と回動片突起との間隔が
   コインの直径より大とされてなることを特徴とする自動
   販売機玩具。