JPH0641561U - マットレス装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】この考案は簡単な構成で良好な寝心地を与える
ことができるマットレス装置を提供することにある。 【構成】 クッション性を備えた支持層４の上面に繊維
層６を接着積層して積層クッション体２を形成し、この
積層クッション体には、上記繊維層を切断して上記支持
層の厚さ方向中途部に至る分割溝７を格子状に設け、そ
の分割溝によって上記積層クッション体は複数の分割ブ
ロック８に分割されていることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は利用者に快適な寝心地を与えることができるマットレス装置に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

マットレス装置には使用されるクッション体によって種々のタイプのものがあ り、たとえば上記クッション体にスプリングユニットを用いたタイプやウレタン フォ−ムなどの弾性クッション体を用いたタイプなどがある。

【０００３】 スプリングユニットを用いたマットレス装置は、良好なクッション性能を呈す るものの、コスト高となるばかりか、高重量化して持ち運びに不便であり、簡易 型のマットレスとしては適さないということがあった。

【０００４】 その点、ウレタンフォ−ムなどの弾性クッション体を用いたマットレス装置は 、比較的安価であるばかりか、軽量で持ち運びにも便利であるという利点を有す る。その反面、従来の弾性クッション体は、シ−ト状のウレタンフォ−ムを単に 袋状の外装体内に収容しているだけであった。そのため、クッション性は有する ものの、通気性や吸湿性が十分に得られないということがあった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

このように、従来の弾性クッション体を用いたマットレス装置は、通気性や吸 湿性が悪いということがあった。

【０００６】 この考案は上記事情に基づきなされたもので、その目的とするところは、クッ ション体にスプリングユニットを用いずに、安価な構成とし、しかも良好な通気 性や吸湿性を有するばかりか、快適なクッション性を利用者に与えることができ るマットレス装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するためにこの考案は、クッション性を備えた支持層の上面に 通気性を備えた繊維層を接着積層して積層クッション体を形成し、この積層クッ ション体には、上記繊維層を切断して上記支持層の厚さ方向中途部に至る分割溝 を格子状に設け、その分割溝によって上記積層クッション体は複数の分割ブロッ クに分割されていることを特徴とする。

【０００８】

【作用】

上記構成によれば、支持層の上面に積層された繊維層が通気性や吸湿性を有す るばかりか、積層クッション体が複数の分割ブロックに分割されていることで、 各分割ブロックがそれぞれ独立したクッション性を呈する。

【０００９】

【実施例】

以下、この考案の一実施例を図１乃至図３を参照して説明する。図２はマット レス装置１を示し、このマットレス装置１は３つのマットレス部１ａ〜１ｃに分 割されている。各マットレス部１ａ〜１ｃはシ−ト状の積層クッション体２が布 地を袋状に縫製した外装体３内に収容されてなり、隣り合う外装体３は折り畳み 自在に連結されている。つまり、マットレス装置１は、使用時には３つのマット レス部１ａ〜１ｃを平板状に並設することができ、不使用時には折り重ねること ができるようになっている。

【００１０】 上記積層クッション体２は支持層４の上面に繊維層５を接着層６によって接着 積層してなる。上記支持層４は弾力性を有するとともに、その弾力性にへたりが 生じずらい構造、たとえば不織状態でシ−ト状に積層したポリエステル繊維をゴ ムなどの弾性接着剤で一体的に結合した構造となっている。したがって、支持層 ４は、ポリエステル繊維の太さや接着剤の種類あるいは上記繊維の密度を調整す ることによって、そのクッション性や通気性を任意に設定することができる。上 記繊維層５は、柔らかな感触を持ち、保温性、吸湿性に優れた特性を有する天然 素材である、羊毛フェルトが用いられている。

【００１１】 そして、上記積層クッション体２には、繊維層５から支持層４の厚さ方向中途 部に至る深さで分割溝７が格子状に設けられている。この分割溝７により、上記 積層クッション体２には、角柱状の複数の分割ブロック８が形成されている。

【００１２】 このような構成のマットレス装置１において、利用者がその上面側に仰臥して 利用する場合、利用者には積層クッション体２の繊維層５の柔らかな感触が伝わ る。しかも、羊毛フェルトからなる上記繊維層５は保温性および吸湿性に優れて いるから、そのことによっても、利用者に快適な寝心地を与えることができる。

【００１３】 一方、上記支持層４はへたりずらい弾力性を有する。したがって、支持層４は 、繊維層５の良好なクッション性と相俟って利用者に快適なクッション性を与え ることができる。

【００１４】 上記積層クッション体２は分割溝７によって複数の分割ブロック８に分割され ている。それによって、上記積層クッション体２の各分割ブロック８は、利用者 の身体の凹凸形状に応じて圧縮変形するから、利用者の身体を確実に支持するこ とになる。

【００１５】 しかも、利用者の身体は、各分割ブロック８の反発力によって押圧されること になる。つまり、各分割ブロック８はそれぞれが利用者の身体を局部的に押圧す るから、利用者は指圧作用を受けることができる。

【００１６】 さらに、積層クッション体２には、その上面に開放した分割溝７が格子状、つ まり縦横に連通して形成されているから、その分割溝７によって積層クッション 体２の上面側の通気性が大きく向上する。

【００１７】 なお、この考案は上記一実施例に限定されず、種々変形可能である。たとえば 、積層クッション体２の繊維層５は羊毛フェルトに限られず、通気性や保温性を 有する他の繊維、たとえば化繊綿などであってもよい。

【００１８】 また、マットレス装置１は積層クッション体２を３つに分割した構造に限られ ず、図４に示すように１枚ものであってもよく、その場合、その積層クッション 体２に形成される分割溝７の密度や深さを一定とせず、部分的に変えるようにし てもよい。

【００１９】 たとえば、利用者の重たい部分である、臀部を支える箇所においては分割溝７ の間隔を狭くすることで、その密度を低くし、軽い部分を支える箇所においては 間隔を広くすることで密度を高くする。分割溝７の密度が低ければ、利用者に固 めのクッション性を与えることができ、高ければ柔らかいクッション性を与える ことができる。したがって、分割溝７の密度を上述したように変えることで、利 用者の身体の重い部分を大きく落ち込ませることなく支持することができる。

【００２０】 また、分割溝７の密度だけでなく、深さを変えることによっても、利用者に与 える感触を変えることができる。たとえば、分割溝７を深くすれば、その分割溝 ７によって形成された分割ブロック８が弾性的に変形し易くなるから、浅い分割 溝７によって形成された分割ブロック８に比べて利用者に柔らかな感触を与える ことができる。 なお、積層クッション体２が３つに分割された構成において、分割溝７の密度 や深さを種々変化させる構成を採用しても良いこと、無論である。

【００２１】

【考案の効果】

以上述べたようにこの考案は、クッション性を備えた支持層の上面に通気性を 備えた繊維層を接着積層して積層クッション体を形成し、この積層クッション体 には、上記繊維層を切断して上記支持層の厚さ方向中途部に至る分割溝を格子状 に設け、その分割溝によって上記積層クッション体に複数の分割ブロックを形成 した。

【００２２】 したがって、このような構成によれば、積層クッション体は、その上面側の繊 維層が通気性を有するばかりか、格子状の分割溝によっても通気性を持たせるこ とができるから、全体として良好な通気性を備えることができる。さらに、積層 クッション体には分割溝によって分割ブロックを形成したから、各分割ブロック はそれぞれが受ける利用者の荷重に応じて独立的に弾性変形して利用者を確実に 支持することができる。さらに、分割ブロックは利用者の荷重によって圧縮され ると、その反発力で利用者の身体を局部的に押圧して指圧作用を呈するなどの利 点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例の積層クッション体の一部
分の拡大斜視図。

【図２】同じくマットレス装置の縦断面図。

【図３】同じくマットレス装置の一部分の拡大断面図。

【図４】この考案の他の実施例を示すマットレス装置の
縦断面図。

【符号の説明】

２…積層クッション体、４…支持層、６…繊維層、７…
分割溝、８…分割ブロック。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 クッション性を備えた支持層の上面に通
   気性を備えた繊維層を接着積層して積層クッション体を
   形成し、この積層クッション体には、上記繊維層を切断
   して上記支持層の厚さ方向中途部に至る分割溝を格子状
   に設け、その分割溝によって上記積層クッション体は複
   数の分割ブロックに分割されていることを特徴とするマ
   ットレス装置。