JPH0641558Y2 - 水泳帽 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は下端内周縁に着用者の肌に直接密着するゴム
製又は合成樹脂製の薄膜状伸縮部材を取り付けてなる水
泳帽に関する。

〈従来の技術〉 従来の耐水性の伸縮布又はメッシュ部材からなる水泳帽
は、第４図，第５図に示すように帽体31の下端の内周に
被覆ゴム糸を編成した幅3cm前後のゴムバンド32を縫着
した構造のものが知られている。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかし従来の上記のようなゴムバンド32は着用時に一定
の締付力を得ることと帽体31下端が帽体上部と同様に着
用者の頭部外周に幅広くフィットし且つデザインを損な
わないようにバンド32自体を3cm前後の幅をもたせてい
た。

このため帽体下縁はバンド幅に応じて生地布の厚み（約
０、5mm）より４〜５倍（約２〜２、5mm）の厚み部分が
形成され、着用者に異物感を与える欠点があり、さらに
ゴムバンド32は3cm前後もの幅を有するために着用時に
は第６図に示すように頭部外周に沿って下方に広がるテ
ーパー状をなして締付力を与えており、この締付力はゴ
ムバンド上端より下端が強く作用して上下端で締付力の
差を生じる結果、同図に示すようにゴムバンド32が矢印
方向にずり上る傾向にあり、水泳中の脱落の原因とな
る。

このような作用は、ゴムバンド内周面が額の肌面や頭髪
に対して強い密着力を有しないことや広い幅の範囲で頭
髪を押さえる結果、頭髪（長髪の場合）同志の滑りを誘
って脱落を助長することにも原因がある。

〈問題点を解決するための手段〉 上記問題点を解消するための本考案の水泳帽は、伸縮性
を有するテープ状をなす布製の補強部材３の片面に両側
端に縫着代を残してシリコンゴムからなる伸縮性に富ん
だ薄膜の伸縮皮膜５を融着せしめ、上記補強部材３の一
側端縁を伸縮性を有する生地からなる帽体１の下端部に
縫着し、前記伸縮皮膜５が上記帽体１の下端内周側に向
くように補強部材３を帽体１の内周側に折り返して該補
強部材３の他方の側端縁を帽体１の下端部内周面に縫着
したことを特徴としている。

〈作用〉 帽体１の締付部２の内周面の伸縮皮膜５は、帽体者用時
にその伸縮性により帽体の締付力を付与するとともに、
その内周面は着用者の肌に密着してスリップ防止効果を
発揮し、頭髪に対しても締付時のくい込みとずれ止め作
用を有する。

〈実施例〉 以下図示する２つの実施例につき詳述すると、第２図に
示す水泳帽は伸縮性と通気性及び防水性を兼ね備えたシ
ート状の、あるいは伸縮性を備えたメッシュ材からなる
複数枚の生地1a,1b,1cをはぎ合わせて形成された帽体１
を有し、その下端には頭部外周を締付けるための伸縮性
を補強された締付部２となっている。

上部締付部２は第１図（Ｂ）に示すように帽体１の生地
1a〜1cの下端周縁に、両側端が内周及び外周を覆うよう
に薄手（例えば０、5mm程度）のテープ状をなす伸縮性
を有する布製の補強部材３を中央で折曲て被覆し、その
両端を縫着部４において帽体１に固着している。

そして上記補強部材３の帽体内周面側には、例えば０、
１〜０、3mm程度の厚みを有するシリコンゴム等からな
る伸縮性に富んだ薄膜の伸縮皮膜５を融着によって取り
付けてあり、該伸縮皮膜５は帽体着用時において、着用
者の額の肌面に密着し且つ頭部外周の毛髪の上面に接触
し締付力を生ぜしめる。第１図に示す例では補強部材３
が帽体１の下縁に被覆されているのでその伸縮性を補強
するとともに下縁の強度補強にもなり、幅を狭くできる
ので着用時の異物感を与えない。また補強部材３の両端
は一回の縫着で帽体１に固着できるので上下端で２回以
上の縫着工程を要した従来のものより工程数を減少でき
る。

第３図は異なる実施例を示し、同図の例では、帽体１の
下端外周に補強部材３の一端を縫着部4aにおいて縫着
し、該縫着部4aの上部位置の帽体下端部を補強部材３と
ともに内側に折曲げて折曲部1dとし、補強部材３の他方
の端部を縫着部4bにより帽体１の内側に縫着固定してい
る。この例でも補強部材３の内周面側には前記同様伸縮
皮膜５が融着によって取り付けられている。

上記いずれの実施例においても補強部材３又は帽体１の
折曲部1dに対する伸縮皮膜の融着は帽体１への補強部材
３の固着又は折曲部1dの端部固着に先立って行うことが
でき且つその力が製造工程を容易にする。

〈考案の効果〉 この考案は以上の如く構成され、帽体内周面下端の伸縮
皮膜は着用者の額等の肌に密着しあるいは頭髪に接した
際にスリップ止めの効果を発揮するので、従来のように
締付部を幅広く且つ厚手にして強い締付力を得る必要が
なく、さらに締付部を帽体の単なる縁取り程度に幅狭に
できるので、比較的弱い締付力にもかかわらず頭部外周
へのくい込みが良好で帽体の脱落を帽子している。また
帽体下端に厚手で幅広のバンド状部を有しないので、締
付部の上下端の締付力の不均衡によるずり上りも防止さ
れ、着用時の違和感も生じない等多くの効果を奏するも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図（Ａ），（Ｂ）は本考案の要部断面斜視図、第２
図は同じく本考案の水泳帽の全体斜視図、第３図は異な
る実施例を示す要部断面斜視図、第４図〜第６図は従来
の水泳帽を示す全体斜視図、締付部断面斜視図及び締付
部のゴムバンドの作用状態を示す断面斜視図である。 1:帽体、1a〜1e:生地 1d:折曲部、2:締付部 3:補強部材、4,4a,4b:縫着部 5:伸縮皮膜

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】伸縮性を有するテープ状をなす布製の補強
   部材（３）の片面に両側端に縫着代を残してシリコンゴ
   ムからなる伸縮性に富んだ薄膜の伸縮皮膜（５）を融着
   せしめ、上記補強部材（３）の一側端縁を伸縮性を有す
   る生地からなる帽体（１）の下端部に縫着し、前記伸縮
   皮膜（５）が上記帽体（１）の下端内周側に向くように
   補強部材（３）を帽体（１）の内周側に折り返して該補
   強部材（３）の他方の側端縁を帽体（１）の下端部内周
   面に縫着してなる水泳帽。