JPH0641417U - 落花生収穫機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 落花生の収穫を能率的に行うこと。 【構成】 走行車体(8) の上部に、機体前後方向に茎部
引抜き手段(4) を設けて、同茎部引抜き手段(4) の前部
には葉部掻揚げ手段(3) を一体的に配設すると共に、茎
部引抜き手段(4) の後部には、同茎部引抜き手段(4) 側
の移送経路(6) に沿って脱粒手段(5) を設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、圃場に植付けられた落花生を連続的に堀取りながら収穫できる落花 生収穫機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、落花生を収穫する場合は、圃場に植立する落花生の茎部を手作業により 地中から引抜いて、根部に連なる落花生を回転自在の抜歯にて脱粒するものが存 在する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記従来例においては、圃場に植立する落花生の収穫が、作業者の 手作業による引抜きで行われるため、作業能率が低く、また、作業者の疲労が増 大するものであった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

そこで、本考案は、走行車体の上部に、機体前後方向に茎部引抜き手段を設け て、同茎部引抜き手段の前部には葉部掻揚げ手段を一体的に配設すると共に、茎 部引抜き手段の後部には、同茎部引抜き手段側の移送経路に沿って脱粒手段を設 けてなる落花生収穫機を提供せんとするものである。

【０００５】 また、本考案は、上記茎部引抜き手段及び葉部掻揚げ手段は、茎部引抜き手段 を機体に枢着する横枢支軸を中心に前部側が擺動可能に構成したこと、上記葉部 掻揚げ手段には、機体前方側が幅広間隔に構成されていると共に、平面視で略八 字状に配設された一対の無端ベルトを回動移動自在に架設し、しかも、同無端ベ ルトにはブラシ状の掻揚げ体を設けたこともに特徴を有する。

【０００６】

【実施例】 本考案の実施例を図面に基づき具体的に説明すると、１は落花生収穫機であっ て、機体２の前部には葉部掻揚げ手段３を傾斜状に設けていると共に、機体中間 部には茎部引抜き手段４を傾斜状に配設し、かつ、同茎部引抜き手段４と葉部掻 揚げ手段３とを一体的に連動連結している。

【０００７】 ５は茎部引抜き手段４の移送経路６に沿って後部下側位置6-1 に設ける脱粒手 段、７は茎部引抜き手段４の後端位置に延長状に連設する茎用放出体、８は機体 ２を支持して走行する走行車体である。

【０００８】 また、９は左右のクローラ走行部10,10 を門形状の機枠フレーム11に連結しな がら構成した架台で、同架台９の上部には、エンジン12及び油圧駆動装置13並び に変速用ミッションケース14が搭載されている。15は油圧切換弁、16は、機枠フ レーム11の側部位置に格納自在に設ける運転者用座席である。

【０００９】 また、17はエンジン12の動力を変速用ミッションケース14を介して走行車体８ 側へ伝達する動力伝達ケース、18は上記茎部引抜き手段４に設ける左右一対の無 端チェンで、同無端チェン18の外周には弾性ゴム製の凹部18-1と凸部18-2を設け て互いに噛合状に位置させている。

【００１０】 19は茎部引抜き手段４を擺動可能に枢支する横枢支軸、20は機枠フレーム11側 に設ける支持ブラケット、21は茎部引抜き手段４側の搬送フレーム22より上方に 突設する取付座であって、同取付座21と支持ブラケット20とを横枢支軸19を介し て枢着している。

【００１１】 そして、上記茎部引抜き手段４と葉部掻揚げ手段３は、架台９と茎部引抜き手 段４との間に設けられた伸縮自在の油圧シリンダ13A により横枢支軸19を中心と なって擺動可能に構成されている。

【００１２】 また、上記葉部掻揚げ手段３は、取付ブラケット23を介して茎部引抜き手段４ の前部に一体連結されており、同葉部掻揚げ手段３には一対の無端ベルト24が回 動移動自在に懸架されており、かつ、同無端ベルト24は、機体前方側が幅広間隔 に構成されていると共に、平面視で略八字状に配設されている。そして、同無端 ベルト24にはブラシ状の掻揚げ体25を一定間隔をおいて装着している。

【００１３】 26は、無端ベルト24を駆動する駆動軸、27は、左右の搬送フレーム22より前方 に突出する左右一対の取付ブラケットであって、同一対の取付ブラケット27には 、落花生Ａを植付けた畝Ｂに接地する一対の接地輪28を回動可能に軸支している 。

【００１４】 そして、同一対の接地輪28は、図５に示す如くかまぼこ状の畝Ｂに確実に接地 するために正面視略八字状に取付けられていると共に、畝Ｂを覆うマルチフィル ムＭを接地輪28にて押圧し、落花生Ａを引抜く際に、落花生Ａと共にマルチフィ ルムＭがはがれないように押えながら、落花生ＡとマルチフィルムＭとの分離を 行っている。Ｓは落花生Ａの子房柄であって、マルチフィルムＭを突き破って畝 内に侵入して落花生の実を結んでいる。

【００１５】 また、上記脱粒手段５は茎部引抜き手段４の後部位置で、かつ、下側位置に設 けられており、しかも、落花生Ａの茎部を挾持して搬送移送する移送経路６に沿 って設けられている。

【００１６】 そして、同脱粒手段５には、機体前後方向に位置させた左右一対の回転軸29に 各々二列のブラシ30を固着した脱粒ブラシ30A を対峙させながら、同脱粒ブラシ 30A を互いに内向き方向に回転自在に配設している。

【００１７】 31は脱粒ブラシ30A をカバーする脱粒ケースで、上側中央部32に移送通路33を 形成している。34は一対の脱粒ブラシ30A を各々駆動する油圧モーターである。

【００１８】 35は脱粒ケース31の後側面に固着する後部カバー、36は脱粒ケース31の下部外 側に下向きに垂れ下げたゴム板、37は脱粒された落花生Ｃを貯溜する受箱である 。38は左右のゴム板36の両外側位置に設ける網枠で、同網枠38にて脱粒されて飛 散する落花生Ｃを収納するものである。

【００１９】 39は走行車体８の前部に各々設ける転倒防止車輪、40は茎部引抜き手段４の中 央下側位置に回転自在に設ける鼓状の接地輪、41は、茎部引抜き手段４の下側に 設ける振動板であって、同振動板41は引抜かれた落花生Ａの根部に付着する土塊 をふるい落すものである。42は加振装置、43は脱粒手段５の後部に設ける広幅状 のゴム垂れ、44は走行車体８の後部に固定する茎葉の分離作業を行う作業者用ス テップであって、機体後側よりみて略八字形状に取付けられ、かつ、側面視Ｕ字 形状に形成されている。45は脱粒ケース31の下部に傾斜状に設ける選別金具で、 丸棒状のロッドを間隔をおいて溶接しながら篩網状に構成している。

【００２０】 そして、脱粒手段５より掻き落された落花生と土とは、選別金具45により選別 されるものである。

【００２１】 46は搬送フレーム22の後部に突設された後部ブラケットで、同後部ブラケット 46により茎用放出体７を回動移動自在に支持している。47は外周に搬送用突起48 を有する無端ベルト、49は油圧ポンプ、50はバッテリーである。

【００２２】 また、52は、収穫された落花生Ｃを収納するコンテナーを搭載する台枠であっ て、機体の両側に基部を中心に折りたたみ可能に装着されている。53は茎葉の分 離作業を行う作業者用座席であって、機体後部の左側、又は右側に取付取外し自 在に設けられている。54は座席取付部である。

【００２３】 本考案の実施例は上記のように構成されており、走行車体８を駆動しながら、 落花生Ａを植付けた畝Ｂの上部を走行させる。そして、機体前部に設ける葉部掻 揚げ手段３を畝Ｂに接地させながら、同葉部掻揚げ手段３により落花生Ａの葉部 を上方へ掻揚げる。

【００２４】 次に、茎部引抜き手段４により落花生Ａの茎部を挾持しながら茎部及び根部全 体を畝より引抜いて後方に搬送移送する。これと同時に、落花生Ａの根部を回転 する脱粒ブラシ30A により掻き落しながら根部に垂下する落花生や土塊を下方に 落とす。そして、落花生は、選別金具45により選別されて収穫されるものである 。

【００２５】 また、落花生が落された後の茎部は茎用放出ベルトにより後方に放擲される。

【００２６】 以上の如く、上記実施例によれば、走行車体８の上部に、機体前後方向に茎部 引抜き手段４を設けて、同茎部引抜き手段４の前部には葉部掻揚げ手段３を一体 的に配設すると共に、茎部引抜き手段４の後部には、同茎部引抜き手段４側の移 送経路６に沿って脱粒手段５を設けた落花生収穫機であるから、圃場に植立する 落花生Ａは、葉部及び茎部が円滑に掻き揚げられると共に、後方に搬送移送され る途中で落花生のみを確実に脱粒されるから、落花生の収穫作業が連続的に行な えると共に、収穫作業を能率的に行うことができるものである。

【００２７】 また、葉部掻揚げ手段３と茎部引抜き手段４は一体的に連結された構造である と共に、横枢支軸19を中心に擺動自在であるから、畝Ｂに対する接地が確実とな り機体の直進走行が容易となる。

【００２８】 また、上記葉部掻揚げ手段３は、ブラシ状の掻揚げ体25を有する一対の無端ベ ルト24が平面視で略八字状に配設されているから、畝Ｂを覆うマルチフィルムＭ を傷めることがなく、かつ、畝上に植立する落花生の葉部を確実に掻揚げること ができるものである。

【００２９】

【考案の効果】

本考案によれば、走行車体の上部に、機体前後方向に茎部引抜き手段を設けて 、同茎部引抜き手段の前部には葉部掻揚げ手段を一体的に配設すると共に、茎部 引抜き手段の後部には、同茎部引抜き手段側の移送経路に沿って脱粒手段を設け てた落花生収穫機であるから、圃場に植立する落花生は、葉部及び茎部が円滑に 掻き揚げられると共に、後方に搬送移送される途中で落花生のみを確実に脱粒さ れるから、落花生の収穫作業が連続的に行なえると共に、収穫作業を能率的に行 うことができるものである。

【００３０】 また、葉部掻揚げ手段と茎部引抜き手段は一体的に構成されていると共に、横 枢支軸を中心に擺動自在であるから、畝に対する接地が確実となり機体の直進走 行が容易となる。

【００３１】 また、上記葉部掻揚げ手段は、ブラシ状の掻揚げ体を有する一対の無端ベルト が平面視で略八字状に配設されているから、畝に覆せたマルチフィルムを傷める ことがなく、また、畝上に植立する落花生の葉部を確実に掻揚げることができる ものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る落花生収穫機の全体を示す斜視
図。

【図２】同全体側面図。

【図３】同落花生収穫機の背面図。

【図４】脱粒手段を示す概略断面図。

【図５】接地輪が畝に接地している状態を示す説明図。

【符号の説明】

１ 落花生収穫機 ３ 葉部掻揚げ手段 ４ 茎部引抜き手段 ５ 脱粒手段 ６ 移送経路 ８ 走行車体 19 横枢支軸 24 無端ベルト 25 掻揚げ体

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 走行車体(8) の上部に、機体前後方向に
   茎部引抜き手段(4)を設けて、同茎部引抜き手段(4) の
   前部には葉部掻揚げ手段(3) を一体的に配設すると共
   に、茎部引抜き手段(4) の後部には、同茎部引抜き手段
   (4) 側の移送経路(6) に沿って脱粒手段(5) を設けてな
   る落花生収穫機。
2. 【請求項２】 上記茎部引抜き手段(4) 及び葉部掻揚げ
   手段(3) は、茎部引抜き手段(4) を機体に枢着する横枢
   支軸(19)を中心に前部側が擺動可能に構成されてなる請
   求項１記載の落花生収穫機。
3. 【請求項３】 上記葉部掻揚げ手段(3) には、機体前方
   側が幅広間隔に構成されていると共に、平面視で略八字
   状に配設された一対の無端ベルト(24)を回動移動自在に
   架設し、しかも、同無端ベルト(24)にはブラシ状の掻揚
   げ体(25)を設けてなる請求項１記載の落花生収穫機。