JPH0641228A - α−オレフィン重合用触媒 - Google Patents

α−オレフィン重合用触媒

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JPH0641228A
JPH0641228A JP19848192A JP19848192A JPH0641228A JP H0641228 A JPH0641228 A JP H0641228A JP 19848192 A JP19848192 A JP 19848192A JP 19848192 A JP19848192 A JP 19848192A JP H0641228 A JPH0641228 A JP H0641228A
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JP
Japan
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component
acid
polymerization
olefin
catalyst
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JP19848192A
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English (en)
Inventor
Kazukiyo Aiba
一清 相場
Masabumi Imai
正文 今井
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Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
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Publication date
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 本発明は、高立体規則性及び高剛性を示し、
高嵩密度のα−オレフィン重合体粉末を高収率で製造し
得るα−オレフィン重合用触媒を提供することを目的と
する。 【構成】 (A)Ti含有触媒成分を次の3工程で予備
重合して得た触媒成分、オレフィンの重合、ビニル
シクロアルカンの重合、立体障害アミンの存在下、オ
レフィンの重合、(B)有機アルミニウム化合物及び
(C)電子供与性化合物からなるα−オレフィン重合用
触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、α−オレフィン重合用
触媒に関し、より詳しくは高剛性のポリプロピレン等の
α−オレフィン重合体を高収率で製造し得るα−オレフ
ィン重合用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリマーの結晶化速度を上げ、ひ
いては高剛性のプロピレン重合体を製造するために、ポ
リマーに核剤を添加する試みがいくつかなされている。
プロピレン重合体に核剤を添加する方法の一つに、プロ
ピレンの重合に先立って、ビニルシクロアルカンを微量
重合させ、核剤として機能するビニルシクロアルカン重
合体を、最終目的物のプロピレン重合体に含ませる方法
が知られている(特開昭60−139710号公報)。
しかし、この方法では、得られるプロピレン重合体パウ
ダーの嵩密度が大巾に低下するという問題点がある。こ
の問題点を解決する方法として、プロピレンの本重合に
先立って、プロピレンを予備重合させる工程(工程1)
と、ビニルシクロアルカンを予備重合させる工程(工程
2)を行う方法が提案されている(特開平1−2170
15号公報)。この方法で重合体パウダーの嵩密度の改
良効果があるのは、実質最初に工程1を、次いで工程2
を行う方法であるが、この場合はプロピレンの本重合時
の触媒活性が低下するという弊害がある。更に、本発明
者らがこの方法で、特にオレフィンの気相重合実験を行
った所、塊状ポリマーの生成、重合反応器壁へのスケー
ルアウトという事態が発生し、長時間安定したオレフィ
ンの重合が困難という問題がある。
【0003】又、ビニルシクロアルカンは、重合反応性
がプロピレン等に比べ格段に低く、その重合速度を上げ
る目的から、重合を高温で行う等の方法が行なわれる
が、その結果としてプロピレンの本重合時の触媒活性が
悪化する。更に、プロピレン重合体の立体規則性を向上
させる目的で、ビニルシクロアルカンの予備重合を、電
子供与性化合物の存在下に行う試みもなされているか、
これによりビニルシクロアルカンの重合反応性が低下す
るという問題点がある。
【0004】又、チタン化合物、有機アルミニウム化合
物及び有機ケイ素化合物の存在下、オレフィンの予備重
合を多段に行ない、各予備重合段階で異なる有機ケイ素
化合物を用い、且つ各予備重合段階の少なくとも1段階
において、分岐オレフィン、ビニルシクロアルカン、ス
チレン系化合物を重合することからなる透明性に優れた
ポリプロピレンを得るのに好適なオレフィンの予備重合
方法も提案されている(特開平4−96907号公報)
が、この方法においてもプロピレン本重合時の触媒の重
合能力の低下は避けられない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高立体規則
性及び高剛性を示し、高嵩密度のプロピレン等のα−オ
レフィン重合体パウダーを高収率で製造し得るα−オレ
フィン重合用触媒を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を行った結果、オレフィンの予備重合を二段階で行い、
それら予備重合の間で、ビニルシクロアルカンの予備重
合を行い、かつ第二段のオレフィンの予備重合を立体障
害アミンの存在下行うことによって得られるチタン含有
触媒成分を有機アルミニウム化合物及び電子供与性化合
物と組み合わせた触媒が本発明の目的を達成し得ること
を見出して本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明の要旨は、 (A)チタン含有触媒及び有機アルミニウム化合物の存
在下、下記,及びの予備重合工程をその順序に行
うことによって得られるオレフィン重合体含有及びビニ
ルシクロアルカン重合体含有触媒成分、 オレフィンを重合させる工程、 ビニルシクロアルカンを重合させる工程、 立体障害アミンの存在下、オレフィンを重合させる
工程、 (B)有機アルミニウム化合物並びに (C)電子供与性化合物、 からなるα−オレフィン重合用触媒にある。
【0008】触媒成分 本発明の触媒の一成分である触媒成分(以下、成分Aと
いう。)は、チタン含有触媒(以下、成分aという。)
及び有機アルミニウム化合物(以下、成分bという。)
の存在下、特定の方法で予備重合することによって得ら
れる。
【0009】(1)成分a 成分aとしては、三塩化チタン、四塩化チタン、トリク
ロルエトキシチタン、ジクロルジエトキシチタン、ジク
ロルジブトキシチタン、ジクロルジフェノキシチタン、
クロルトリブトキシチタン等のハロゲン化チタン化合物
が挙げられる。三塩化チタンとしては、四塩化チタンを
金属アルミニウムで還元したTiCl 3 ・1/3 AlCl
3 共晶体や、四塩化チタンを有機アルミニウム化合物で
還元した後、加熱処理、エーテル、エステル等の電子供
与性化合物、更にハロゲン元素、及び/又はハロゲン化
炭化水素、四塩化チタン、四塩化ケイ素等のハロゲン含
有化合物で処理した活性化三塩化チタンも使用すること
ができる。活性化三塩化チタンのより詳細な調製法は、
例えば特開昭47−34478号、同50−74594
号、同50−74595号、同50−123090号、
同50−123091号、同52−107294号、同
53−14192号、同53−65286号、同53−
65287号公報等に開示されている。
【0010】又、一般式MgR1 n 2 2-nで表わされる
マグネシウム化合物又はそれらを含む成分(以下、これ
らをマグネシウム含有化合物という。)と上記ハロゲン
化チタン化合物との接触物を使用することができる。上
記一般式において、R1 及びR2 は、ハロゲン原子、O
H基、炭化水素基、OR3 で表わされるアルコキシ基を
示す。又、0<n<2の場合、R1 とR2 は同一でも異
なってもよい。
【0011】ハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ
素が挙げられる。炭化水素基としては、炭素数1〜20
個のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アル
アルキル基等が挙げられ、アルキル基としては、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、2−エチル
ヘキシル、デシル等が、シクロアルキル基としては、シ
クロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル
等が、アリール基としては、フェニル、トリル、キシリ
ル、ナフチル等が、アルアルキル基としては、ベンジ
ル、フェネチル、3−フェニルプロピル等が例示でき
る。OR3 で表わされるアルコキシ基のR3 は、炭化水
素基を示し、それらは上記の炭化水素基と同じでよい。
【0012】マグネシウム化合物の具体例としては、M
gCl2 , MgBr2 , ClMgOH,MgEt2 , M
gBu2 ,MgHe2 ,MgPh2 ,EtMgBu,E
tMgCl,BuMgCl,BuMgBr,HeMgC
l,PhMgCl,Mg(OEt)2 ,Mg(OBu)
2 ,Mg(OHe)2 ,Mg(OPh)2 ,EtOMg
Cl,BuOMgCl等が挙げられる。なお、上記化合
物において、Et:メチル、Bu:ブチル、He:ヘキ
シル、Ph:フェニルをそれぞれ示す。又マグネシウム
含有化合物は、金属マグネシウムから常法により調製す
ることができる。
【0013】成分aは、前記ハロゲン化チタン化合物、
上記マグネシウム含有化合物並びに電子供与性化合物及
び/又はハロゲン含有化合物、更に上記三成分又は四成
分以外に、金属酸化物を接触させることによって得られ
るものも使用することができる。
【0014】電子供与性化合物としては、カルボン酸
類、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル類、カルボ
ン酸ハロゲン化物、アルコール類、エーテル類、ケトン
類、アミン類、アミド類、ニトリル類、アルデヒド類、
アルコレート類、有機基と炭素もしくは酸素を介して結
合した燐、ヒ素およびアンチモン化合物、ホスホアミド
類、チオエーテル類、チオエステル類、炭酸エステル等
が挙げられる。これの内カルボン酸類、カルボン酸無水
物、カルボン酸エステル類、カルボン酸ハロゲン化物、
アルコール類、エーテル類が好ましく用いられる。
【0015】カルボン酸の具体例としては、ギ酸、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン
酸、ピバリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸等の脂肪族モノカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グ
ルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマ
ル酸等の脂肪族ジカルボン酸、酒石酸等の脂肪族オキシ
カルボン酸、シクロヘキサンモノカルボン酸、シクロヘ
キセンモノカルボン酸、シス−1,2−シクロヘキサン
ジカルボン酸、シス−4−メチルシクロヘキセン−1,
2−ジカルボン酸等の脂環式カルボン酸、安息香酸、ト
ルイル酸、アニス酸、p−第三級ブチル安息香酸、ナフ
トエ酸、ケイ皮酸等の芳香族モノカルボン酸、フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタル酸、トリメ
リト酸、ヘミメリト酸、トリメシン酸、ピロメリト酸、
メリト酸等の芳香族多価カルボン酸等が挙げられる。カ
ルボン酸無水物としては、上記のカルボン酸類の酸無水
物が使用し得る。
【0016】カルボン酸エステルとしては、上記のカル
ボン酸類のモノ又は多価エステルが使用することがで
き、その具体例として、ギ酸ブチル、酢酸エチル、酢酸
ブチル、イソ酪酸イソブチル、ピバリン酸プロピル、ピ
バリン酸イソブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチ
ル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジイソブチル、コハク
酸ジエチル、コハク酸ジブチル、コハク酸ジイソブチ
ル、グルタル酸ジエチル、グルタル酸ジブチル、グルタ
ル酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン
酸ジブチル、セバシン酸ジイソブチル、マレイン酸ジエ
チル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジイソブチル、
フマル酸モノメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジイ
ソブチル、酒石酸ジエチル、酒石酸ジブチル、酒石酸ジ
イソブチル、シクロヘキサンカルボン酸エチル、安息香
酸メチル、安息香酸エチル、p−トルイル酸メチル、p
−第三級ブチル安息香酸エチル、p−アニス酸エチル、
α−ナフトエ酸エチル、α−ナフトエ酸イソブチル、ケ
イ皮酸エチル、フタル酸モノメチル、フタル酸モノブチ
ル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル
酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ2−エ
チルヘキシル、フタル酸ジアリル、フタル酸ジフェニ
ル、イソフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジイソブチ
ル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジブチル、ナ
フタル酸ジエチル、ナフタル酸ジブチル、トリメリト酸
トリエチル、トリメリト酸トリブチル、ピロメリト酸テ
トラメチル、ピロメリト酸テトラエチル、ピロメリト酸
テトラブチル等が挙げられる。
【0017】カルボン酸ハロゲン化物としては、上記の
カルボン酸類の酸ハロゲン化物が使用することができ、
その具体例として、酢酸クロリド、酢酸ブロミド、酢酸
アイオダイド、プロピオン酸クロリド、酪酸クロリド、
酪酸ブロミド、酪酸アイオダイド、ピバリン酸クロリ
ド、ピバリン酸ブロミド、アクリル酸クロリド、アクリ
ル酸ブロミド、アクリル酸アイオダイド、メタクリル酸
クロリド、メタクリル酸ブロミド、メタクリル酸アイオ
ダイド、クロトン酸クロリド、マロン酸クロリド、マロ
ン酸ブロミド、コハク酸クロリド、コハク酸ブロミド、
グルタル酸クロリド、グルタル酸ブロミド、アジピン酸
クロリド、アジピン酸ブロミド、セバシン酸クロリド、
セバシン酸ブロミド、マレイン酸クロリド、マレイン酸
ブロミド、フマル酸クロリド、フマル酸ブロミド、酒石
酸クロリド、酒石酸ブロミド、シクロヘキサンカルボン
酸クロリド、シクロヘキサンカルボン酸ブロミド、1−
シクロヘキセンカルボン酸クロリド、シス−4−メチル
シクロヘキセンカルボン酸クロリド、シス−4−メチル
シクロヘキセンカルボン酸ブロミド、塩化ベンゾイル、
臭化ベンゾイル、p−トルイル酸クロリド、p−トルイ
ル酸ブロミド、p−アニス酸クロリド、p−アニス酸ブ
ロミド、α−ナフトエ酸クロリド、ケイ皮酸クロリド、
ケイ皮酸ブロミド、フタル酸ジクロリド、フタル酸ジブ
ロミド、イソフタル酸ジクロリド、イソフタル酸ジブロ
ミド、テレフタル酸ジクロリド、ナフタル酸ジクロリド
が挙げられる。又、アジピン酸モノメチルクロリド、マ
レイン酸モノエチルクロリド、マレイン酸モノメチルク
ロリド、フタル酸ブチルクロリドのようなジカルボン酸
のモノアルキルハロゲン化物も使用し得る。
【0018】アルコール類は、一般式R4 OHで表わさ
れる。式においてR4 は炭素数1〜12個のアルキル、
アルケニル、シクロアルキル、アリール、アルアルキル
である。その具体例としては、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イ
ソブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノ
ール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、
ベンジルアルコール、アリルアルコール、フェノール、
クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、イソプ
ロピルフェノール、p−ターシャリーブチルフェノー
ル、n−オクチルフェノール等である。
【0019】エーテル類は、一般式R5 OR6 で表わさ
れる。式においてR5 ,R6 は炭素数1〜12個のアル
キル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アルア
ルキルであり、R5 とR6 は同じでも異ってもよい。そ
の具体例としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピル
エーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、
ジイソアミルエーテル、ジ−2−エチルヘキシルエーテ
ル、ジアリルエーテル、エチルアリルエーテル、ブチル
アリルエーテル、ジフェニルエーテル、アニソール、エ
チルフェニルエーテル等である。
【0020】ハロゲン含有化合物としては、金属ハライ
ド、非金属ハライド、ハロゲン化炭化水素、ハロゲン化
ケイ素化合物、ハロゲン含有アルコール等が挙げられ
る。
【0021】金属ハライドとしては、AlCl3 ,Si
Cl4 ,SnCl4 等が、非金属ハライドとしては、B
Cl3 ,PCl5 ,SOCl等が、ハロゲン化炭化水素
としては、ジクロルエタン、テトラクロルエタン、ヘキ
サクロルエタン、トリクロルエチレン、テトラクロルエ
チレン、ジクロルプロパン、オクタクロルプロパン、ト
リクロルシクロヘキサン、ジクロルベンゼン、ヘキサク
ロルベンゼン等が、ハロゲン化ケイ素化合物としては、
ジクロルシラン、トリクロルシラン、メチルジクロルシ
ラン、エチルジクロルシラン、ジメチルクロルシラン、
ジエチルクロルシラン、エチルクロルシラン、ブチルク
ロルシラン、フェニルジクロルシラン等が、ハロゲン含
有アルコールとしては、2−クロルエタノール、2,
2,2−トリクロルエタノール、1,1,1−トリクロ
ル−2−プロパノール、p−クレゾール、1−ブロム−
2−ブタノール等が挙げられる。又、金属酸化物として
は、シリカ、アルミナ等が挙げられる。
【0022】成分aとしては、前記ハロゲン化チタン化
合物、前記マグネシウム化合物並びに電子供与性化合物
及び/又はハロゲン含有化合物を接触させることによっ
て得られる、いわゆるマグネシウム担持型チタン触媒成
分を用いるのが、特に望ましい。その具体的な調製法と
しては、例えば、下記の特許公開公報に開示されている
方法が採用できる。特開昭55−36203号、昭55
−127406号、昭57−63310号、昭58−8
3006号、昭58−198503号、昭59−206
407号、昭60−115603号、昭61−7304
号、昭62−146904号、昭63−264607号
各公報
【0023】(2)成分b 成分bは、一般式 R7 n AlX3-n (但し、R7 はア
ルキル基又はアリール基、Xはハロゲン原子、アルコキ
シ基又は水素原子を示し、nは1≦n≦3の範囲の任意
の数である。)で示されるものであり、例えばトリアル
キルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムモノハライ
ド、モノアルキルアルミニウムジハライド、アルキルア
ルミニウムセスキハライド、ジアルキルアルミニウムモ
ノアルコキシド及びジアルキルアルミニウムモノハイド
ライドなどの炭素数1ないし18個、好ましくは炭素数
2ないし6個のアルキルアルミニウム化合物又はその混
合物もしくは錯化合物が特に好ましい。具体的には、ト
リメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ
プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、
トリブチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウ
ム、トリヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルアル
ミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルア
ルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、
ジエチルアルミニウムアイオダイド、ジイソブチルアル
ミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムモノハ
ライド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミ
ニウムジクロリド、メチルアルミニウムジブロミド、エ
チルアルミニウムジブロミド、エチルアルミニウムジア
イオダイド、イソブチルアルミニウムジクロリドなどの
モノアルキルアルミニウムジハライド、エチルアルミニ
ウムセスキクロリドなどのアルキルアルミニウムセスキ
ハライド、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチル
アルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムフェノ
キシド、ジプロピルアルミニウムエトキシド、ジイソブ
チルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウ
ムフェノキシドなどのジアルキルアルミニウムモノアル
コキシド、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチ
ルアルミニウムハイドライド、ジプロピルアルミニウム
ハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド
などのジアルキルアルミニウムハイドライドが挙げられ
る。これらの中でも、成分aに三塩化チタン又は活性化
三塩化チタンを用いる場合には、ジアルキルアルミニウ
ムモノトライドが、特にジエチルアルミニウムクロリド
が、又成分bに四塩化チタンを前記マグネシウム化合物
と接触させることによって得られるマグネシウム担持型
チタン触媒成分を用いる場合には、トリアルキルアルミ
ニウムが、特にトリエチルアルミニウム、トリイソブチ
ルアルミニウムが望ましい。
【0024】(3)予備重合 成分Aを得るために行なわれる予備重合は、下記の3工
程からなる。 オレフィンを重合させる工程(工程1)、 ビニルシクロアルカンを重合させる工程(工程
2)、 立体障害アミンの存在下、オレフィンを重合させる
工程(工程3)。 工程1〜工程3は、その順序に行うことが肝要である。
【0025】工程1及び工程3で用いられるオレフィン
としては、エチレンの他、フロピレン、1−ブテン、1
−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフ
ィンが挙げられ、工程1と工程3で異種のオレフィンが
使用可能であるが、特に共にプロピレンを用いるのが望
ましい。
【0026】又、工程2で用いられるジニルシクロアル
カンとしては、炭素数5〜10個の、例えばビニルシク
ロブタン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサ
ン、ビニル−3−メチルシクロペンタン、ビニル−2−
メチルシクロヘキサン、ビニル−3−メチルシクロヘキ
サン、ビニルノルボルナン等が挙げられるが、特にビニ
ルシクロヘキサンが望ましい。
【0027】工程3で用いられる立体障害アミンとし
て、例えば、下記一般式(I)及び一般式(II)で表わ
される化合物が使用し得る。
【化1】 一般式(I)において、R1 は水素原子又は炭化水素基
であり、炭化水素基としては、炭素数1〜8個のアルキ
ル基及び炭素数6〜8個のアリール基が望ましい。R2
は非置換若しくは置換のアルキレン基である。該アルキ
レン基としては、炭素数4〜5個のアルキレン基が特に
望ましい。
【0028】該置換のアルキレン基の置換基としては、
炭化水素基、アルコキシ基、飽和若しくは不飽和のアシ
ルオキシ基等が挙げられる。炭化水素基としては、炭素
数1〜8個のアルキル基、炭素数4〜6個のシクロアル
キル基、炭素数6〜8個のアリール基が挙げられ、炭素
数1〜6個のアルキル基が特に望ましい。アルコキシ基
としては、炭素数1〜10個の、例えば、メトキシ、エ
トキシ、プロポキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、フェ
ノキシ基等が挙げられる。該アシルオキシ基としては、
炭素数2〜20個の飽和もしくは不飽和のアシルオキシ
基が挙げられる。飽和のアシルオキシ基としては、例え
ば、アセトキシ、ブチリルオキシ、ステアロイルオキ
シ、ベンゾイルオキシ基等の一置換型アシルオキシ基の
他、マロニルオキシ、スクシニルオキシ、セバシロイル
オキシ基等の二置換型アシルオキシ基が挙げられる。不
飽和のアシルオキシ基としては、例えば、アクリルオキ
シ、メタクリルオキシ、クロトニルオキシ、イソクロト
ニルオキシ、オレオイルオキシ基等の一置換型アシルオ
キシ基の他、マレイルオキシ等の二置換型アシルオキシ
基が挙げられる。上記置換基の内、炭化水素基、アシル
オキシ基が望ましく、特に不飽和のアシルオキシ基が望
ましい。
【0029】上記R2 において、R2 が置換のアルキレ
ン基で、置換基が二置換型アシルオキシ基の場合、一例
としてアルキレン基が炭素数5個の場合、一般式(I)
で表わされる化合物は下記の構造を採ることができる。
但し、下記において、Xは二置換型アシルオキシ基を示
す。
【化2】
【0030】上記一般式(I)において、R3 ,R4
5 及びR6 は、水素原子又は炭化水素基である。炭化
水素基としては、炭素数1〜6個のアルキル基、炭素数
4〜6個のシクロアルキル基が望ましく、それらは同時
に同一でも異ってもよい。特にR4 〜R6 の少なくとも
一つが炭化水素基の場合が望ましい。
【0031】一般式(I)で表わされる化合物として下
記のものが例示できる。2,6−ジイソプロピル−ピペ
リジン、2,6−ジイソブチル−ピペリジン、2,6−
ジイソプロピル−4−メチル−ピペリジン、2,2,6
−トリメチル−ピペリジン、2,2,6,6−テトラメ
チル−ピペリジン、2,2,6,6−テトラエチル−ピ
ペリジン、2,2−ジメチル−6−シクロブチル−ピペ
リジン、2,2−ジメチル−6−(2,2′,6″,
6′−テトラメチル−ピペリジル)−ピペリジン、1,
2,2,6,6−ペンタメチル−ピペリジン、1−エチ
ル−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン、2,
2,4,6,6−ペンタメチル−ピペリジン、1−フェ
ニル−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン、
2,2,6,6−テトラメチル−4−アセトキシ−ピペ
リジン、2,2,6,6−テトラメチル−4−ベンゾイ
ルオキシ−ピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)−セバケート、2,5−ジメ
チル−ピロリジン、2,5,5−トリメチル−ピロリジ
ン、2,2,5,5−テトラメチル−ピロリジン、2,
2−ジメチル−5−シクロブチル−ピロリジン、1,
2,2,5,5−ペンタメチル−ピロリジン、1−エチ
ル−2,2,5,5−テトラメチル−ピリジン、ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)−セバケート、テトラキス(1,2,2,6,6−
ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブ
タンテトラカルボキシレート、2−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマ
ロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−
ピペリジル)、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジニル)エステル、ポリ〔{6−
(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,
3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメ
チレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)イミノ}〕2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル−クロトナート、1,2,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピペリジル−クロトナート、2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−イソクロトナ
ート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリ
ジル−イソクロトナート、2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジル−メタクリラート、1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−メタクリラー
ト、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ルオレラート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)−マレエート、2,5−ジメチル−4
−ピロリジル−クロトナート、1,2,5−トリメチル
−5−ピロリジル−イソクロトナート、1,2,5−ト
リメチル−4−ピロリジル−メタクリラート、ビス
(1,2,5−トリメチル−4−ピロリジル)−マレエ
ート。
【0032】前記一般式(II)で表わされる化合物の式
(II)におけるR7 は、水素原子又は炭化水素基であ
り、炭化水素基としては、炭素数1〜8個のアルキル基
及び炭素数6〜8個のアリール基が望ましい。R8 ,R
9 ,R10,R11は置換基を有してもよい炭化水素基であ
り、R8 とR9 又はR10とR11はそれぞれ連結され環を
形成していてもよい。又、R8 とR9 のいずれかと、R
10とR11のいずれかとが連結されて環を形成していても
よい。
【0033】一般式(II)で表わされる置換メチレンジ
アミン化合物としては、N,N,N′,N′−テトラメ
チルメチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラエ
チルメチレンジアミン、1,3−ジベンジルイミダゾリ
ジン、1,3−ジベンジル−2−フェニルイミダゾリジ
ン等が例示できる。
【0034】前記の3工程からなる予備重合は、各工程
いずれも不活性媒体の存在下に行うのが望ましい。不活
性媒体としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の飽
和脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等
の飽和脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素が使用し得る。不活性媒体は、成分
aの濃度が1〜500g/リットルとなるような量で用
いる。予備重合は、通常100℃以下、望ましくは30
℃以下、更に望ましくは−30℃〜+15℃の温度で行
なう。勿論、各工程毎に、更には各工程中の温度をそれ
ぞれ変えることは自由である。重合方式としては、バッ
チ式、回分式、連続式のいずれでもよい。
【0035】成分bは、各工程の濃度が1〜1,000
ミリモル/リットル、望ましくは20〜200ミリモル
/リットルになるように用い、又成分a中のチタン1グ
ラム原子当り、成分aが三塩化チタン又は活性三塩化チ
タンの場合0.5〜200グラムモル、望ましくは1〜
50グラムモル、成分aがマグネシウム担持型チタン触
媒成分の場合、0.5〜100グラムモル、望ましくは
1〜20グラムモルとなるように用いる。勿論、各工程
の濃度を変化させることは可能である。
【0036】又、工程3に存在させる立体障害アミン
は、工程3に存在する成分b、1モル当り、0.001
〜100モル、望ましくは0.01〜10モルの割合で
用いる。
【0037】工程1及び工程3に供給されるオレフィン
は気相でも、液相でもよく、又工程2に供給されるビニ
ルシクロアルカンは必要に応じて、工程2に新らたに供
給されることがある成分bと予め接触させた上で供給す
ることも可能である。工程1及び工程3では、そこで生
成したオレフィン重合体が成分aに取り込まれるが、そ
の量は成分a1グラム当り、工程1では0.01〜10
0g、望ましくは0.1〜50g、工程3では0.1〜
100g、望ましくは0.3〜100gであり、工程1
及び工程3の合計では、成分1グラム当り0.2〜20
0g、望ましくは0.5〜150gである。工程1の予
備重合量が、成分a1グラム当り0.01グラム未満で
は、工程2におけるビニルシクロアルカンの重合速度が
低下し、必要とする工程2の予備重合量を確保するため
に、工程2の予備重合温度を上げたり、予備重合時間を
長くしたりすることになり、これにより成分Aの触媒活
性が大巾に低下する。又、工程1及び工程3の合計重合
量が、成分a1グラム当り0.2グラム未満では、α−
オレフィン重合体の嵩密度が低下する。
【0038】又、工程2におけるビニルシクロアルカン
の予備重合量は、本発明の触媒を用いて得られるα−オ
レフィン重合体中1〜5,000重量ppmとなるよう
な量にすれば良く、従ってその量は、成分aひいては成
分Aの重合活性の度合に依存するが、通常、成分aが三
塩化チタン又は活性三塩化チタンの場合、成分a1グラ
ム当り0.001〜50グラム、成分aがマグネシウム
担持型チタン触媒成分の場合、成分a1グラム当り0.
01〜100グラムである。
【0039】工程1及び工程2それぞれ終了後の反応混
合物は、そのまま次工程に供給してもよく、前記の不活
性媒体で洗浄後及び/又は未反応のモノマー等を除去後
次工程に供給してもよい。本発明においては、工程2に
おける未反応のビニルシクロアルカンモノマーは、除去
せずに、工程2の反応混合物をそのまま、工程3に供給
する方法を採用する方が、本発明の効果がより顕著に表
われ好ましい。予備重合は、必要に応じて水素等の分子
量調節剤の存在下行うことができる。
【0040】かくすることにより調製された成分Aは、
前記の不活性媒体で希釈或いは洗浄することができる
が、成分Aの保存劣化を防止する観点からは、特に洗浄
するのが望ましい。洗浄後、必要に応じて乾燥してもよ
い。この場合、その触媒活性を低下させない為に、成分
Aを室温以下の温度でかつ減圧下乾燥させるのが特に好
ましい。又、成分Aを保存する場合は、出来る丈低温で
保存するのが望ましく、−50℃〜+30℃、特に−2
0℃〜+5℃の温度範囲が推奨される。
【0041】有機アルミニウム化合物 本発明の触媒の一成分である有機アルミニウム化合物
(以下、成分Bという。)は、前記成分Aを調製される
際に用いられる有機アルミニウム化合物(成分b)の中
から選択される。それらは、前記成分Aを調製する際と
同様に、成分aの種類に応じて選択するのが望ましく、
それら望ましい化合物としては、前記成分Aを調製する
場合と同じでよい。成分Aに対する成分Bの使用割合
も、前記成分Aを調製する際と同様、成分aの種類によ
って変化させるのが望ましく、その使用割合は、前記A
を調製する場合と同じでよい。
【0042】電子供与性化合物 本発明の触媒の一成分である電子供与性化合物(以下、
成分Cという。)は、前記成分aを調製する際に用いら
れることがある化合物並びにSi−O−C結合又はSi
−N−C結合を有する有機珪素化合物からなる電子供与
性化合物の中から選ばれる。
【0043】有機珪素化合物としては、Si−O−C結
合を有する化合物が望ましく、そのような化合物として
は、一般式R8 n Si(OR9 4-n 〔但し、R8 は炭
化水素基又はハロゲン原子、R9 は炭化水素基、0≦n
≦3を示す。〕で表される化合物が挙げられる。上記一
般式におけるR8 の炭化水素基としては、アルキル基、
シクロアルキル基、アリール基、アルアルキル基、アル
ケニル基、アルカジエニル基、シクロアルケニル基、シ
クロアルカジニル基等が挙げられる。R8 のハロゲン原
子としては、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。又、
9 の炭化水素基としてはアルキル基、シクロアルキル
基、アリール基、アルケニル基等が挙げられる。更に、
n個のR8 の炭化水素と(4−n)個のOR9 のR9
炭化水素基は同じでも異なってもよい。
【0044】その具体例としては、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テ
トライソブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、テ
トラ(p−メチルフェノキシ)シラン、テトラベンジル
オキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリ
エトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルト
リフェノキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロ
ピルトリエトキシシラン、エチルトリイソブトキシシラ
ン、エチルトリフェノキシシラン、ブチルトリメトキシ
シラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリブトキ
シシラン、ブチルトリフェノキシシラン、イソブチルト
リイソブトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジイソプロ
ポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジメチルジ
ヘキシルオキシシラン、ジメチルジフェノキシシラン、
ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジイソブトキシシ
ラン、ジエチルジフェノキシシラン、ジブチルジイソプ
ロポキシシラン、ジブチルジブトキシシラン、ジブチル
ジフェノキシシラン、ジイソブチルジエトキシシラン、
ジイソブチルジイソブトキシシラン、ジフェニルジメト
キシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニル
ジブトキシシラン、ジベンジルジエトキシシラン、ジビ
ニルジフェノキシシラン、ジアリルジプロポキシシラ
ン、ジフェニルジアリルオキシシラン、メチルフェニル
ジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシ
ラン、クロロフェニルジエトキシシラン等が挙げられ
る。上記の電子供与性化合物の内でも、有機珪素化合物
及びカルボン酸エステル類、特に有機珪素化合物が望ま
しい。
【0045】成分Cは、成分c1グラムモルに対して、
成分Bがアルミニウム原子として0.1〜40グラム原
子、望ましくは1〜25グラム原子の範囲となるような
量で用いる。
【0046】上記成分A,成分B及び成分Cからなる本
発明の触媒は、α−オレフィンを単独重合又は他のオレ
フィンと共重合する触媒として優れた性能を発揮する。
【0047】α−オレフィンの(共)重合 α−オレフィンの(共)重合は、上記触媒の存在下、α
−オレフィン、特に炭素数3〜10個のα−オレフィ
ン、例えばプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−
ペンテン、1−ヘキセン等を単独重合するか、これらα
−オレフィンと他のα−オレフィン及び/又はエチレン
若しくは炭素数3〜10個のジオレフィンをランダム又
はブロック共重合することにより行われる。α−オレフ
ィンの重合反応は、気相、液相のいずれでもよく、液相
で重合させる場合は、ノルマルブタン、イソブタン、ノ
ルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、
オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシ
レン等の不活性炭化水素中及び液状モノマー中で行うこ
とができる。重合温度は、通常−80℃〜+150℃、
好ましくは40〜120℃の範囲である。重合圧力は、
例えば1〜60気圧でよい。又、得られる重合体の分子
量の調節は、水素若しくは他の公知の分子量調節剤を存
在せしめることにより行われる。又、共重合においてα
−オレフィンに共重合させる他のオレフィンの量は、α
−オレフィンに対して通常30重量%迄、特に0.3〜
15重量%の範囲で選ばれる。重合反応は、連続又はバ
ッチ式反応で行い、その条件は通常用いられる条件でよ
い。又、共重合反応は一段で行ってもよく、二段以上で
行ってもよい。
【0048】
【実施例】本発明を実施例により具体的に説明する。な
お、例におけるパーセント(%)は特に断らない限り重
量による。ポリマー中の結晶性ポリマーの割合を示すヘ
プタン不溶分(以下HIと略称する。)は、改良型ソッ
クスレー抽出器で沸騰n−ヘプタンにより6時間抽出し
た場合の残量である。ポリマーのメルトフローレート
(MFR)はASTM D1238、嵩密度はASTM
D1895−69メソッドAにそれぞれ従って測定し
た。又、ポリマーの曲げ弾性率の測定は、ASTM D
790に準拠した。結晶化温度は、パーキンエルマー社
製示差走査熱量計DSCデルタ7型を用い、試料を23
0℃に10分間保持した後、50℃/分の速度で降温し
て測定した。デュポンインパクトは、樹脂温度210℃
で、直径20mm、厚さ2mmの円板に樹脂を成形し、
72時間経過後、JIS K6718に従い測定した
(−20℃)。
【0049】実施例1 成分aの調製 成分aの調製は、特開昭55−83006号公報の実施
例1に記載の方法に準じて行った。すなわち、無水塩化
マグネシウム0.95g、デカン10ml及び2−エチル
ヘキサノール4.7mlを125℃で2時間攪拌した後、
無水フタル酸0.55を加え、同温度で更に1時間攪拌
して均一溶液とした。室温迄冷却後、120℃に保持さ
れた四塩化チタン40ml中に、1時間にわたって全量を
滴下した。滴下終了後、混合液を2時間掛けて110℃
に昇温し、次いでジイソブチルフタレート0.54mlを
添加し、同温度で2時間攪拌した。熱ろ過により分離し
た固体部を200mlの四塩化チタン中に懸濁させ、11
0℃で2時間攪拌を行った。反応終了後、熱ろ過により
分離した固体部分を、デカン及びヘキサンで、洗液中に
遊離のチタン化合物が除去されなくなる迄充分洗浄し
た。上記の方法で調製した成分aは、チタンを2.0%
含んでいた。
【0050】予備重合 (1)プロピレンの予備重合(工程1) 窒素ガス置換した200mlのガラス製フラスコに、精製
ヘキサン100ml、トリイソブチルアルミニウム(以
下、TIBALという。)6ミリモル及び成分aをチタ
ン原子換算で2ミリモル装入後、プロピレンガスをポリ
プロピレンが成分a1g当り2g生成するように連続的
に供給し、0℃で1時間、プロピレンの予備重合を行っ
た。次いで、窒素ガスを吹込み、未反応のプロピレンを
パージした。
【0051】(2)ビニルシクロヘキサンの予備重合
(工程2) 引き続き、TIBAL4ミリモル添加した後、ビニルシ
クロヘキサン(以下、VCHという。)10gを装入し
て、10℃で5時間VCHの予備重合を行った。生成物
の一部を抜き出して分析した所、VCHの予備重合量は
成分a1g当り1gであった。
【0052】(3)プロピレンの予備重合(工程3) VCHの予備重合終了後、重合系の温度を0℃に下げ、
未反応のVCHモノマーを除去することなく、1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−クロトナ
ート5ミリモルを装入し、プロピレンガスをポリプロピ
レンの生成量が成分a1g当り1gとなるように、連続
的に供給し、30分間、0℃で予備重合を行った。重合
終了後、窒素ガスで十分に置換し、固体生成物を分離
後、精製ヘキサンで5回洗浄した。このようにして得ら
れた成分Aの全予備重合体量は、成分a1g当り4.5
gであった。
【0053】プロピレンの重合 窒素ガス置換を施した内容積1.5リットルのオートク
レーブに、上記で得られた成分A55mg、トリエチルア
ルミニウム(以下、TEALという。)0.4ミリモ
ル、ジフェニルジメトキシシラン0.08ミリモル、液
化プロピレン1リットル及び水素ガス600mlを装入し
た後、70℃で1時間プロピレンの重合を行った。重合
終了後、未反応のプロピレンをパージして、白色の重合
体パウダーを210g得た。従って、成分Aの触媒活性
は、21,000gPP/g・成分aであった。得られ
た重合体パウダーのHIは98.4%、嵩密度は0.4
6g/cm3 、MFRは7.8g/10分であり、パウ
ダー中に含まれる100μm以下の微粉は0%であっ
た。更に、上記パウダーに酸化防止剤を添加し、十分に
混合した後、造粒機によりペレットを作成し、重合体の
物性を測定した。それらの結果を表1に示した。
【0054】実施例2〜9 予備重合 実施例1の工程3において、1,2,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピペリジル−クロトナートの代りに、表
1に示す立体障害アミンを用いた以外は、実施例1と同
様にして、成分aの予備重合を行ない、成分Aを調製し
た。プロピレンの重合 上記で得られた成分Aを用いた以外は、実施例1と同様
にしてプロピレンの重合を行い、それらの結果を表1に
示した。
【0055】実施例10 予備重合 実施例1の工程2で用いたビニルシクロヘキサンの代り
に、ビニルシクロペンタンを用いた以外は、実施例1と
同様にして予備重合を行ない、成分Aを調製した。な
お、予備重合量は、表1の通りである。プロピレンの重合 上記で得られた成分Aを用いた以外は、実施例1と同様
にしてプロピレンの重合を行い、それらの結果を表1に
示した。
【0056】実施例11 予備重合 実施例1の予備重合時に用いたTIBALの代りに、T
EALを用いた以外は、実施例1と同様にして予備重合
を行ない、成分Aを調製した。なお、各工程の予備重合
量は、表1の通りであった。プロピレンの重合 上記で得られた成分Aを用いた以外は、実施例1と同様
にしてプロピレンの重合を行い、それらの結果を表1に
示した。
【0057】実施例12 予備重合 実施例1の工程2終了後、重合生成物を精製ヘキサンで
5回洗浄して未反応のVCHを除去した。次いでTEA
L10ミリモル及び1,2,2,6,6−ペンタメチル
−4−ピペリジル−クロトナート5ミリモルを装入した
後、実施例1の工程3を行ない、成分Aを調製した。プロピレンの重合 上記で得られた成分Aを用いた以外は、実施例1と同様
にしてプロピレンの重合を行い、それらの結果を表1に
示した。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】比較例1 予備重合 実施例1の工程1と同様にして、成分a1g当り4.5
gのプロピレン重合体を含む触媒成分を得た。プロピレンの重合 上記で得られた触媒成分を用いた以外は、実施例1と同
様にしてプロピレンの重合を行い、それらの結果を表2
に示した。
【0063】比較例2 予備重合 実施例1で用いたフラスコに、精製ヘキサン100ml、
TIBAL6ミリモル及び成分aをチタン原子換算で2
ミリモル装入後、VCH10gを装入して、50℃で1
時間VCHの予備重合を行ない、触媒成分を調製した。
予備重合量は、成分a1g当り1gであった。プロピレンの重合 上記で得られた触媒成分を用いた以外は、実施例1と同
様にしてプロピレンの重合を行い、それらの結果を表2
に示した。
【0064】比較例3 予備重合 実施例1の工程1と同様の操作を行った後、引き続き、
TIBAL4ミリモルを入れ、次いでVCH10gを入
れて、50℃で1時間VCHの予備重合を行い、触媒成
分を得た。プロピレンの重合 上記で得られた触媒成分を用いた以外は、実施例1と同
様にしてプロピレンの重合を行い、それらの結果を表2
に示した。
【0065】比較例4 予備重合 実施例1の工程1同様、フラスコにヘキサン、TIBA
L及び成分aを装入した後、VCH10gを添加して、
50℃で1時間VCHの予備重合を行った。重合終了
後、重合生成物を精製ヘキサンで5回洗浄して、未反応
のVCHを除去した。引き続き、TIBAL6ミリモル
を装入し、プロピレンガスをポリプロピレンが成分a1
グラム当り2g生成するように連続的に供給して0℃で
1時間プロピレンの重合を行ない、触媒成分を調製し
た。プロピレンの重合 上記で得られた触媒成分を用いた以外は、実施例1と同
様にしてプロピレンの重合を行い、それらの結果を表2
に示した。
【0066】比較例5 予備重合 実施例1で用いたフラスコに、精製ヘキサン100ml、
TEAL6ミリモル及び実施例1で得た成分aをチタン
原子換算で2ミリモル装入した後、VCH10gを装入
した。次いで、プロピレンガスをポリプロピレンが成分
a1グラム当り2g生成するように連続的に供給して0
℃で1時間、VCHとプロピレンの共重合を行ない、触
媒成分を調製した。プロピレンの重合 上記で得られた触媒成分を用いた以外は、実施例1と同
様にしてプロピレンの重合を行い、それらの結果を表2
に示した。
【0067】
【表5】
【0068】
【表6】
【0069】実施例13 予備重合 実施例1と同様にして成分aの予備重合を行い、成分A
を得た。プロピレンとエチレンのブロック共重合 上記で得た成分Aを用いて、実施例1と同様にしてプロ
ピレンの重合を行った。引き続き、エチレンとプロピレ
ンの混合ガス(50/50、重量比)を連続的に反応器
に導入し、エチレンとプロピレンの気相共重合を70℃
で1時間行った。重合終了後、未反応のモノマーをパー
ジして白色の重合体粉末を得た。エチレンとプロピレン
の共重合時の触媒活性、得られた重合体の物性等は表3
の通りであった。
【0070】実施例14 予備重合 実施例2と同様にして成分aの予備重合を行い、成分A
を得た。プロピレンとエチレンのブロック共重合 上記で得られた触媒成分を用いた以外は、実施例13と
同様にして、プロピレンとエチレンのブロック共重合を
行い、その結果を表3に示した。
【0071】比較例6 予備重合 比較例1と同様にして、成分aの予備重合を行い、触媒
成分を得た。プロピレンとエチレンのブロック共重合 上記で得られた触媒成分を用いた以外は、実施例13と
同様にして、プロピレンとエチレンのブロック共重合を
行い、その結果を表3に示した。
【0072】比較例7 予備重合 比較例3と同様にして、成分aの予備重合を行い、触媒
成分を得た。プロピレンとエチレンのブロック共重合 上記で得られた触媒成分を用いた以外は、実施例13と
同様にして、プロピレンとエチレンのブロック共重合を
行い、その結果を表3に示した。
【0073】
【表7】
【0074】
【発明の効果】本発明のα−オレフィン重合用触媒を用
いてプロピレン等のα−オレフィンを重合又は共重合さ
せるときは、高立体規則性及び高剛性を示し、かつ高嵩
密度のα−オレフィン(共)重合体粉末を高収率で得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の触媒の調製工程を示すフローチャート
図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)チタン含有触媒及び有機アルミニウ
    ム化合物の存在下、下記,及びの予備重合工程を
    その順序に行うことによって得られるオレフィン重合体
    含有及びビニルシクロアルカン重合体含有触媒成分、 オレフィンを重合させる工程、 ビニルシクロアルカンを重合させる工程、 立体障害アミンの存在下、オレフィンを重合させる
    工程、 (B)有機アルミニウム化合物並びに (C)電子供与性化合物、 からなるα−オレフィン重合用触媒。
JP19848192A 1992-07-24 1992-07-24 α−オレフィン重合用触媒 Pending JPH0641228A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19848192A JPH0641228A (ja) 1992-07-24 1992-07-24 α−オレフィン重合用触媒

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