JPH0641122B2 - 木材の防腐防虫処理法及び処理薬剤 - Google Patents

木材の防腐防虫処理法及び処理薬剤

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JPH0641122B2
JPH0641122B2 JP13320086A JP13320086A JPH0641122B2 JP H0641122 B2 JPH0641122 B2 JP H0641122B2 JP 13320086 A JP13320086 A JP 13320086A JP 13320086 A JP13320086 A JP 13320086A JP H0641122 B2 JPH0641122 B2 JP H0641122B2
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安宏 野村
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 この発明は木材防腐防虫処理法及び処理薬剤に関する。
さらに詳しくは、加圧注入法により木材に注入して木材
の防腐防虫処理を行なう処理法及び処理薬剤に関する。
(ロ)従来の技術 木材の防腐防虫処理として防腐防虫薬剤を木材に注入す
る方法が知られており、その具体的な方法として加圧注
入法、浸漬法、塗布法等が用いられている。これらのう
ち加圧注入法は、木材を金属製(通常、鉄製)の加圧可
能な木材処理用タンク内に入れて減圧下該タンクに配管
接続された薬液貯蔵・回収タンクから、薬液を導入して
木材を浸漬状態とした後、加圧して薬液を木材の内部迄
浸透させ、残りの薬液を再び薬液貯蔵・回収タンクに収
容して再使用する方法であり、工業上有利でかつ水溶性
の防腐防虫剤の水溶液を用いる上で最適な方法である。
そして、上記木材加圧注入処理系内へ注入する薬液とし
ては、防腐効果及び防虫効果の点で従来いわゆるCCA
(クロム化合物,銅化合物,ヒ素化合物を混合した木材
防腐剤)の水溶液が一液タイプの処理剤として用いられ
ている。かかるCCAの薬液を用いた処理法は金属製の
木材処理用タンク、薬液貯蔵・回収タンク、これらの接
続配管等の腐食を生じず、かつ薬剤の沈澱等を生じ難く
長時間の繰り返し使用に耐えうる方法である。
一方、最近第四級アンモニウム塩が木材の防腐剤として
有効であることが認められてきており、この水溶液を処
理液として用いて加圧注入を行なう提案もなされている
(特開昭58-188607号公報)。また、この発明の発明者
の一人は、第四級アンモニウム化合物と、重金属イオン
供給化合物(銅及び亜鉛イオン供給化合物)を併用する
ことにより、木材腐朽菌並びに白蟻に対して相乗的な防
腐・防蟻効力を有することを見い出し、この水溶液を木
材防腐防蟻剤として木材に処理を行なう発明を特許出願
した(特願昭59-191079号)。
(ハ)発明が解決しようとする問題点 しかしながら、前者のCCAを用いる方法においては、
注入処理後の木材の毒性が問題となつており、例えば、
この木材を焼却した際に猛毒の亜砒酸ガスや六価クロム
の灰が飛散するという公害上の問題点がある。従つて、
CCAに代替しうる実質的に無害な薬液を用いる加圧注
入処理法が切望されている。
一方、後者の第四級アンモニウム塩と重金属供給化合物
(銅及び亜鉛イオン供給化合物)を併用する方法はCC
Aに比して低毒性であるが、その水溶液で木材に注入処
理する場合、処理用タンク、薬液貯蔵・回収タンク、配
管等が特殊ステンレス製であれば問題はないが、鉄製で
あれば、これらに対して腐食が生じたり、処理液中の銅
が析出する問題が生じる。このような問題が生じれば、
処理機器に悪影響を与えるのはもとより、処理液中の防
腐防虫効力を有する有効成分の安定性に悪影響を与え、
本来の目的とする十分な防腐防蟻処理が事実上不可能と
なるため、実使用に供し得ないという問題点がある。
この発明は、かかる問題点を解消すべくなされたもので
あり、ことに、一回の加圧注入処理で意図する防腐防虫
性を木材に付与でき、かつ各タンク、配管等に対する腐
食性が著しく改善できると共に毒性の点や銅析出の点も
解消でき、しかも長時間の繰り返し処理を可能とする木
材防腐防虫処理方法を提供しようとするものである。
(ニ)問題点を解決するための手段及び作用 本発明者らは、上記観点から、まず第四級アンモニウム
塩の低毒性に注目しこれに低毒性の防腐防虫(防蟻)成
分である銅イオン供給化合物を組合わせた一液性の薬液
を用いて加圧注入を行なう点に想着し検討を行なつた。
しかしながらこれらを単に併用しても金属銅析出及びタ
ンクや配管等の腐食の発生を防止することはできない。
この点について防食性成分を更に併用することも考えら
れる。しかしながら、汎用の防食剤を単に添加するのみ
では、腐食性が改善されるものの薬液の安定性が不充分
で繰り返し使用に耐えず(後述する比較例参照)また、
金属銅の析出が防止できない。本発明者らは、添加する
防食性成分の種々の組合わせについて更に鋭意研究・検
討を重ねた結果、防食性成分としてアンモニアまたは特
定の水溶性アミン化合物とモリブデン化合物又は亜硝酸
塩とを特定比で上記防腐・防虫性成分に併用することに
より、処理液(薬液)の安定性が阻害されることなくむ
しろ向上されると共に金属銅の析出も防止され、しかも
優れた相乗的防食効果が奏される事実を見出しこの発明
を完成させるに到つた。
かくしてこの発明によれば (a)第四級アンモニウム塩系化合物 (b)銅化合物 (c)アンモニアまたは、銅イオンと錯体を形成しうる水
溶性アミン化合物及び (d)モリブデン化合物又は亜硝酸塩 を(a):(b):(c):(d)として1:0.06〜1.5:0.05〜3.
5:0.05〜0.8の重量割合〔但し、(b)は銅イオン含量
に、(c)は含窒素量に、(d)はモリブデン又は亜硝酸イオ
ン含量に換算した値である。〕で含有しかつ成分(a)を
0.25〜4重量%含む水性溶液を、木材処理用の加圧可能
なタンク及び薬剤貯蔵・回収用タンク並びにこれらを接
続する管路から構成されてなる木材加圧処理系内に導入
し、該処理系内の腐食を防止しつつ木材に加圧注入して
防腐防虫処理を行なうことを特徴とする木材の防腐防虫
処理法が提供される。
この発明の一つの特徴とする点は、まず低毒性の一液タ
イプの処理液を用いるべく、防腐防虫成分として上記成
分(a)及び(b)を採用した点にある。この発明の他の特徴
とする点は、上記成分(a)及び(b)に更に防食性成分とし
て特定比で成分(c)及び(d)を組合せた点にある。成分
(c)や(d)を単独で成分(a)及び(b)に組合せたり他の公知
の防食性成分を組合せても処理剤の安定性と優れた防食
性を共に得ることは困難である。従つてかかる組合せは
選択されたものといえる。
この発明に用いる上記成分(a)としては、下式 (式中、R1は炭素数8〜18のアルキル基、R2は低級ア
ルキル基、炭素数8〜18のアルキル基又はベンジル基、
3及びR4はそれぞれ低級アルキル基、Xはハロゲン原
子を示す) で表わされる第四級アンモニウム化合物が挙げられ、よ
り具体的には、オクチルトリメチルアンモニウムクロラ
イド、デシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデ
シルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシル
トリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメ
チルアンモニウムクロライド等のアルキルC8〜C18
リメチルアンモニウムハライド類や、オクチルデシルジ
メチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルア
ンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウム
クロライド、オクチルドデシルジメチルアンモニウムク
ロライド、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムクロラ
イド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロライド
等のジアルキルC8〜C18ジメチルアンモニウムハライ
ド類や、ドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロラ
イド、ヘキサデシルジメチルベンジルアンモニウムクロ
ライド、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムク
ロライド等のアルキルC8〜C18ベンジルジメチルアン
モニウムハライド類が挙げられる。もちろんこれらは混
合物であつてもよく、一般油脂由来の混合アルキル基を
有する混合物、例えば、C8〜C18アルキルトリメチル
アンモニウムクロライド、C8〜C18ジアルキルジメチ
ルアンモニウムクロライド、C8〜C18アルキルジメチ
ルベンジルアンモニウムクロライド等を用いることがで
きる。これらのうち、ジデシルジメチルアンモニウムク
ロライド、ドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロ
ライド及びヘキサデシルジメチルベンジルアンモニウム
クロライドを用いるのが好ましい。
この発明に用いる成分(b)の銅イオン供給化合物として
は、銅を含有する水溶性無機又は有機塩類が適してお
り、その好ましい例としては、硫酸銅(II)、塩化銅
(II)、塩基性炭酸銅、硝酸銅(II)、酢酸銅(II)、
酸化銅(II)等が挙げられる。
この発明に用いる成分(c)としては、アンモニア、また
は式 で表わされる銅イオンと錯体を形成しうる水溶性アミン
化合物が挙げられる。ここでR1は有機基、ヒドロキシ
ル基またはアミノ基、R2・R3はそれぞれ有機基または
水素原子を表わす。有機基とはアルキル基、アルケニル
基、アルキレン基、アリル基、アラルキル基、シクロア
ルキル基などの炭化水素基およびアミノ基、アルキルア
ミノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、酸性の基(例
えばクロル基)を持たない基で置換された炭化水素基を
意味し、有機基が互いに結合してピペリジン環のような
環を形成する場合を含む。たとえばエチルアミン、ジエ
チルアミン、トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチ
ルアミン、トリメチルアミン、イソプロピルアミン、ジ
イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、などのような
1〜C5アルキルのアミン類、エタノールアミン、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノ
ールアミンなどのヒドロキシルアルキル(C1〜C5)を
有するモノアミン類、エチレンジアミン、プロピレンジ
アミン、トリメチレンジアミン等のアルキレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン
等のようなポリアルキレンポリアミン、アミノエチルエ
タノールアミノ等のようなヒドロキシアルキル基を有す
るポリアミン、シクロヘキシルアミン等のような環式ア
ミンなどが挙げられる。特に経済面を考慮すると、エチ
ルアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、エチレン
ジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン
などのC1〜C3アルキルもしくは、アルキレンアミンま
たはアンモニアを用いるのが好ましい。なお、かかるア
ンモニアや水溶性アミン化合物以外の銅イオンと錯体を
形成しうる化合物を用いてもこの発明のごとき効果は充
分に発揮されず適さない。
また、この発明に用いる成分(d)におけるモリブデン化
合物としては、モリブデン酸化合物(例えばモリブデン
酸ナトリウム、無水モリブデン酸、モリブデン酸、モリ
ブデン酸第一鉄、モリブデン酸アンモニウム)、モリブ
デン鉱石等が挙げられる。これらのうち処理液の安定性
の点でモリブデン酸ナトリウムまたはモリブデン酸アン
モニウムを用いるのが好ましい。
一方、成分(d)における亜硝酸塩としては、亜硝酸リチ
ウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム及び亜硝酸ア
ンモニウム等が挙げられる。これらのうち、処理液の安
定性の点で亜硝酸ナトリウムを用いるのが好ましい。
上記各成分を水に溶解させることにより、この発明に用
いる水性溶液(処理液)が得られる。ただし、この溶液
中には場合によつては親水性有機溶剤が含まれてもよ
い。また、もちろんより以上の防虫効力を持たせるた
め、他の防虫剤を混合し、処理液としても良い。
溶解させる前記各成分(a)、(b)、(c)、及び(d)の添加比
率は、成分(a)を1として重量比で(b)が0.06〜1.5、(c)
が0.05〜3.5(d)が0.05〜0.8〔但し、(b)は銅イオン含量
に、(c)は含窒素量に、(d)はモリブデン又は亜硝酸イオ
ン含量に換算した値である。〕とし、これらのうち(a)
と(b)の比率は、防腐性及び防虫性のバランスの点で決
定されるものである。また成分(c)は成分(b)の銅イオン
1個に対して、窒素イオン4個以上必要である。〔(b)
の銅イオン含量0.06に対して(c)の含窒素量0.05以
上〕。成分(d)は成分(a)を1として、モリブデン又は亜
硝酸イオン含量0.05〜0.8必要である。
一方、成分(c)が成分(d)の銅イオン1個に対して窒素イ
オン4個以下〔(b)の銅イオン含量0.06に対して(c)の含
窒素量0.05未満〕であつたりまた成分(d)が成分(a)を1
としてモリブデンや亜硝酸イオンの含量が0.05未満であ
ると、実用濃度下で有効成分の銅が析出したり、腐食抑
制効果が不充分で適さない。また成分(c)が3.5を越えた
り、成分(d)が0.8を越えると逆に成分(c)による鉄キレ
ートによる腐食が生じたり、増量に見合う処理液安定性
や腐食抑制効果の増加が奏されず経済的な面で適さな
い。よつて、これらの好ましい添加比率は成分(a)を1
として(b):(c):(d)が0.06〜1.5:0.05〜3.5:0.05〜
0.8(重量比)〔但し(b)は銅イオン含量に、(c)は含窒
素量に(d)はモリブデン又は亜硝酸イオン含量に換算し
た値である。〕である。
処理法液中のこれら防腐防虫成分の濃度は、防腐防虫処
理の対象たる木材の種類や用途等によつて左右される
が、通常、木材1m3当り上記成分(a)が1kg以上含浸さ
れるように調整するのが適しており、この観点から上記
成分(a)が処理液中0.25〜4重量%となるように設定す
るのが適している。他の成分の濃度についてはこれに準
じて前記比率により適宜決定する。
加圧注入を行なうタンクの減圧条件や加圧条件及び工程
については、従来の条件をそのまま適用することができ
る。
なお、上記成分(a)、(b)、(c)及び(d)を水性溶媒に溶解
してなる溶液は上記濃度下で直接加圧注入用の木材防腐
防虫処理剤として有用であると共に上記濃度以上であつ
ても加圧注入時に所定濃度に希釈して用いるための木材
防腐防虫剤として有用である。ことに、上記各成分を含
有しているため製剤としての安定性も著しく向上されて
おり、また鉄接触時に銅が析出せず全体として従来に比
して高濃度の製剤とすることが可能であり、輸送や保存
上有利である。従つて、この発明は、 (a)第四級アンモニウム塩系化合物 (b)銅化合物 (c)アンモニアまたは銅イオンと錯体を形成しうる水溶
性アミン化合物及び (d)モリブデン化合物又は亜硝酸塩 を(a):(b):(c):(d)として1:0.06〜1.5:0.05〜3.
5:0.05〜0.8の重量割合〔但し、(b)は銅イオン含量
に、(c)は含窒素量に、(d)はモリブデン又は亜硝酸イオ
ン含量に換算した値である〕で水性溶媒中に溶解してな
る木材防腐防虫剤をも提供するものである。
ただし、成分(d)として亜硝酸塩を選択した場合には、
成分(c)のアミン化合物としては亜硝酸塩とのニトロソ
化を生じない第1級又は第3級アミンを用いるのが好ま
しい。
なおこの発明の方法に用いる処理液並びに処理剤中に
は、その効果を阻害しない限り他の添加剤例えば消泡剤
等が添加されていてもよい。
この発明の方法によれば、低毒性の成分(a)及び(b)の存
在により防腐防虫処理を毒性の問題を誘起することなく
一回の加圧注入処理で行なうことができる。そして更に
低毒性の成分(c)及び(d)の存在により優れた処理液の安
定性と防食作用が発揮され木材加圧注入処理系の腐食が
防止されることとなる。
(ホ)実施例 試験例1 加圧注入法に適した処理液として、この発明の実施例で
ある木材防腐防虫剤及び比較例である木材防腐防虫剤を
調製し、その製剤安定性と腐食抑制能を試験した。その
結果を第1表及び第2表に示す。なお試験方法及び第1
及び2表中の記号の意味を下記する。
製剤安定性試験 (試験方法)各種組成の木材防腐防虫剤を調製し、調製
時及び常温(10℃〜25℃)で1ケ月間放置後の製剤安定
性を観察した。
(第1表中の記号の意味) ○…製剤安定性良好(調製液が均一で青色透明な状態) ×…製剤安定性不良(水酸化銅析出、濁り及び/又は沈
澱が生成している状態) II腐食抑制効果確認試験 (試験方法)で調製した各種木材防腐防虫剤10g(第
1表)又は40g(第2表)を試験液として試験管に採取
し、市販の鉄釘(第1表)又はspccのテストピース(50
×30×1mm;第2表)を脱脂後半浸漬し、常温(10℃〜
25℃)において1ケ月間放置後の鉄釘又はテストピース
の腐食状態を観察した。
(第1表中の記号の意味) 第1表中の数字は各種組成の木材防腐防虫剤の各成分の
配合割合を重量%でしめしている。又( )内の数字は、
第四級アンモニウム塩を1とした銅イオン供給化合物
(銅イオンとして)アンモニアまたはアミン化合物(含
窒素量として)及びモリブデン化合物(モリブデンとし
て)または亜硝酸塩(亜硝酸イオンとして)の重量比の
換算値である。
〔考察〕製剤例No.1〜7の試験結果より明らかなよう
に第四級アンモニウム塩を1として、重量比で銅化合物
(銅イオンとして):アンモニアまたは水溶性アミン化
合物(含窒素量として):モリブデン化合物(モリブデ
ンとして)が0.06〜1.5:0.05〜3.5:0.05〜0.8として
配合された木材防腐防虫剤は製剤安定性良好であり、金
属(鉄)に対して充分な腐食抑制効果を発揮しているこ
とがわかる。また、成分(d)として亜硝酸塩を用いた製
剤例No.17〜24についても同様である。
腐食抑制効果が発揮されない製剤例No.9におけるアミ
ン化合物量(含窒素量として)の1/3の量と製剤例No.10
におけるモリブデン化合物量(モリブデンとして)の1/
2の量とを配合した製剤例No.2が製剤安定性が良好でか
つ充分な腐食抑制効果を発揮していることから明らかな
ように、この発明成分(c)と成分(d)の組合せは予期でき
ない優れた腐食抑制効果を示す。このことは、例えば製
剤例No.26とNo.27に対する製剤例No.18についても同様
(1/5と1/2)である。
これら製剤例No.1〜7及び17〜24で示される木材防腐
防虫剤は適宜希釈又は希釈することなく加圧注入法に適
した処理液として使用できる。
上記の実施例に比較して試験No.8〜10,14,15、25〜2
7、31〜33で示されるようにモリブデン化合物もしくは
亜硝酸塩及び/またはアミン化合物が配合されていない
かまたは配合比が不十分であれば木材防腐防虫剤は液が
濁り、製剤が不安定であつたり、製剤安定性は良好であ
るが、金属(鉄)に対する腐食抑制効果はなく、金属
(鉄)存在下における実用には耐えないものであること
がわかる。又試験No.11〜13,16、28〜30及び34で示され
るようにアミン化合物と他の公知の腐食抑制剤成分を配
合したり、モリブデン化合物又は亜硝酸塩とこの発明以
外のアミン化合物とを配合しても、腐食抑制効果が発揮
されなかつたり(製剤例No.11,12,13、28,29、30)、腐
食抑制効果が発揮されても製剤安定性が悪く、有効成分
の第四級アンモニウム塩が析出したり(製剤例No.17、3
4)等の不都合が生じ良好な製剤は見当たらなかつた。
試験例2 下記製剤例1〜7を5倍に水で希釈した液を用いて試験
例1と同様な試験を行なった。但し試験期間は、3週間
である。試験終了後鉄釘の腐食状態及び液の着色等の状
態を観察した結果、釘の腐食は認められず、又液は青色
透明であった。
(加圧注入法に適した高濃度製剤例) 製剤例1 (i)ジデシルジメチルアンモニウムクロライド (純分75%) 6.67g (ii)硫酸銅 5g (iii)トリエチレンテトラミン 5g (iv)モリブデン酸ナトリウム 5g (v)ノニオン界面活性剤(ノニルフエノールのエチレン オキサイド10モル付加物) 5g (vi)水 73.33g (ii)(iii)(iv)及び(vi)を混合溶解後(v)(i)の順に混合
溶解して均一な液状製剤を得た。
製剤例2 (i)ジデシルジメチルアンモニウムクロライド (純分75%) 6.67g (ii)硫酸銅 5g (iii)ジエチレントリアミン 6.5g (iv)モリブデン酸ナトリウム 4g (v)ノニオン界面活性剤(ノニルフエノールのエチレン オキサイド10モル付加物) 5g (vi)水 72.83g 製剤例3 (i)ジデシルジメチルアンモニウムクロライド (純分75%) 6.67g (ii)硫酸銅 5g (iii)エチレンジアミン 5.0g (iv)モリブデン酸ナトリウム 2.5g (v)ノニオン界面活性剤(ノニルフエノールのエチレン オキサイド10モル付加物 5g (vi)水 75.83g 製剤例4 (i)ジデシルジメチルアンモニウムクロライド (純分75%) 6.67g (ii)塩化銅 4.55g (iii)ジエチレントリアミン 6.67g (iv)モリブデン酸ナトリウム 7.5g (v)ノニオン界面活性剤(ノニルフエノールのエチレン オキサイド10モル付加物) 5g (vi)水 69.61g 製剤例5 (i)ジデシルジメチルアンモニウムクロライド (純分75%) 6.67g (ii)硫酸銅 5g (iii)アミノエチルエタノールアミン 9.5g (iv)モリブデン酸ナトリウム 5g (v)ノニオン界面活性剤(ノニルフエノールのエチレン オキサイド10モル付加物) 5g (vi)水 68.83g 製剤例6 (i)ジデシルジメチルアンモニウムクロライド (純分75%) 6.77g (ii)硫酸銅 5g (iii)アンモニア 4.8g (iv)モリブデン酸ナトリウム 2.5g (v)ノニオン界面活性剤(ノニルフエノールのエチレン オキサイド10モル付加物) 5g (vi)水 75.93g 製剤例7 (i)ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド (純分80%) 6.25g (ii)硫酸銅 5g (iii)トリエチレンテトラミン 5g (iv)モリブデン酸アンモニウム 3.63g (v)ノニオン界面活性剤(ノニルフエノールのエチレン オキサイド10モル付加物) 5g (vi)水 75.12g *製剤例1〜7は約5〜10倍に希釈して使用得られた
各製剤は常温で3ケ月放置後においても変化なく貯蔵安
定性は良好であった。又上記水で希釈時においても均一
に希釈された。
試験例3 下記製剤例8〜14を5倍に水で希釈した液を用いて試
験例2と同様な試験を行なった。但し試験期間は、3週
間である。試験終了後鉄釘の腐食状態及び液の着色等の
状態を観察した結果、釘の腐食は認められず、又液は青
色透明であった。
(加圧注入法に適した高濃度製剤例) 製剤例8 (i)ジデシルジメチルアンモニウムクロライド (純分75%) 6.67g (ii)硫酸銅 5g (iii)トリエチレンテトラミン 5g (iv)亜硝酸ナトリウム 5g (v)ノニオン界面活性剤(ノニルフエノールのエチレン オキサイド10モル付加物) 5g (vi)水 73.33g (ii)(iii)(iv)及び(vi)を混合溶解後(v)(i)の順に混合
溶解して均一な液状製剤を得た。
製剤例9 (i)ジデシルジメチルアンモニウムクロライド (純分75%) 6.67g (ii)硫酸銅 5g (iii)ジエチレントリアミン 6.5g (iv)亜硝酸ナトリウム 4g (v)ノニオン界面活性剤(ノニルフエノールのエチレン オキサイド10モル付加物) 5g (vi)水 72.83g 製剤例10 (i)ジデシルジメチルアンモニウムクロライド (純分75%) 6.67g (ii)硫酸銅 5g (iii)エチレンジアミン 3.3g (iv)亜硝酸ナトリウム 3.3g (v)ノニオン界面活性剤(ノニルフエノールのエチレン オキサイド10モル付加物) 6g (vi)水 75.73g 製剤例11 (i)ジデシルジメチルアンモニウムクロライド (純分75%) 6.67g (ii)塩化銅 4.55g (iii)ジエチレントリアミン 6.67g (iv)亜硝酸ナトリウム 7.5g (v)ノニオン界面活性剤(ノニルフエノールのエチレン オキサイド10モル付加物) 7.5g (vi)水 67.11g 製剤例12 (i)ベンザルコニウムクロライド (純分80%) 6.25g (ii)硫酸銅 5g (iii)アミノエチルエタノールアミン 9.5g (iv)亜硝酸ナトリウム 3g (v)ノニオン界面活性剤(ノニルフエノールのエチレン オキサイド10モル付加物) 6g (vi)水 70.25g 製剤例13 (i)ジデシルジメチルアンモニウムクロライド (純分75%) 6.77g (ii)硫酸銅 5g (iii)アンモニア 4.8g (iv)亜硝酸ナトリウム 2.5g (v)ノニオン界面活性剤(ノニルフエノールのエチレン オキサイド10モル付加物) 5g (vi)水 75.93g 製剤例14 (i)ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド (純分80%) 6.25g (ii)硫酸銅 5g (iii)エチレンジアミン 3.3g (iv)亜硝酸アンモニウム 3.63g (v)ノニオン界面活性剤(ノニルフエノールのエチレン オキサイド10モル付加物) 5g (vi)水 76.82g *製剤例8〜14約5〜10倍に希釈して使用得られた
各製剤は常温で3ケ月放置後においても変化なく貯蔵安
定性は良好であった。又上記水で希釈時においても均一
に希釈された。
(ヘ)発明の効果 この発明の方法によれば、1回の加圧注入操作で防腐防
虫性を木材に付与できしかも加圧注入系における処理液
の有効成分安定性及び腐食の問題を著しく改善できる。
さらに各使用成分がいずれも低毒性のものであるため、
公害上の問題も改善されており作業者に対する害も生じ
ない。しかも、前述の製剤安定性試験にも見られるよう
に処理液の安定性も優れており、銅イオンの析出も防止
され、長時間の繰り返し使用にも適している。従って処
理操作、効率等のいずれの面についても極めて優れかつ
有用な方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金田 貞興 大阪府大阪市東淀川区東淡路2丁目10番15 号 株式会社片山化学工業研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−257202(JP,A) 特表 昭58−500654(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)第四級アンモニウム塩系化合物 (b)銅化合物 (c)アンモニアまたは、銅イオンと錯体を形成しうる水
    溶性アミン化合物及び (d)モリブデン化合物又は亜硝酸塩 を(a):(b):(c):(d)として1:0.06〜1.5:0.05〜3.
    5:0.05〜0.8の重量割合〔但し、(b)は銅イオン含量
    に、(c)は含窒素量に、(d)はモリブデン又は亜硝酸イオ
    ン含量に換算した値である。〕で含有しかつ成分(a)を
    0.25〜4重量%含む水性溶液を、木材処理用の加圧可能
    なタンク及び薬剤貯蔵・回収用タンク並びにこれらを接
    続する管路から構成されてなる木材加圧処理系内に導入
    し、該処理系内の腐食を防止しつつ木材に加圧注入して
    防腐防虫処理を行なうことを特徴とする木材の防腐防虫
    処理法。
  2. 【請求項2】(a)第四級アンモニウム塩系化合物 (b)銅化合物 (c)アンモニアまたは、銅イオンと錯体を形成しうる水
    溶性アミン化合物及び (d)モリブデン化合物又は亜硝酸塩 を(a):(b):(c):(d)として1:0.06〜1.5:0.05〜3.
    5:0.05〜0.8の重量割合〔但し、(b)は銅イオン含量
    に、(c)は含窒素量に、(d)はモリブデン又は亜硝酸イオ
    ン含量に換算した値である。〕で水性溶媒中に溶解して
    なる木材防腐防虫薬剤。
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