JPH0640981Y2 - ステアリングコラム用軸受 - Google Patents

ステアリングコラム用軸受

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JPH0640981Y2
JPH0640981Y2 JP1989047456U JP4745689U JPH0640981Y2 JP H0640981 Y2 JPH0640981 Y2 JP H0640981Y2 JP 1989047456 U JP1989047456 U JP 1989047456U JP 4745689 U JP4745689 U JP 4745689U JP H0640981 Y2 JPH0640981 Y2 JP H0640981Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、ステアリングコラムと、このステアリング
コラム内に挿通されたステアリング軸との間に介装され
て、ステアリング軸をステアリングコラムに対して回転
自在に支持するためのステアリングコラム用軸受に関す
るものである。
〈従来の技術と考案が解決しようとする課題〉 従来、上記ステアリングコラム用の軸受としては、ケー
シング(外輪)を板材からプレス加工等で形成した針状
コロ軸受が用いられている。
しかし、ステアリング軸およびステアリングコラムは、
一般に、研磨加工等の精密加工を行っていないため、径
方向の寸法にばらつきが生じ易く、下記のような問題が
あった。
すなわち、ステアリングコラムの内径が、所定寸法値、
或いは、許容寸法範囲が定められている場合には、その
許容寸法範囲の上限値よりも大きいか、または、ステア
リング軸の外径が、所定寸法値、或いは許容寸法範囲の
下限値よりも小さい場合には、車両の振動に伴う異音が
発生したり、軸受がステアリングコラムから抜け落ちた
りする虞がある。また、ステアリングコラムの内径が、
所定寸法値、或いは許容寸法範囲の下限値よりも小さい
か、または、ステアリング軸の外径が、所定寸法値、或
いは許容寸法範囲の上限値よのも大きい場合には、軸受
を装着することが困難になったり、操舵トルクが大きく
なったりする虞がある。
そこで、前記板材のプレス加工品等からなるケーシング
に代えて、第4図に示すように、ステアリングコラム
(C)の内径よりも外径が大きく、かつステアリングコ
ラム(C)内に圧入されて固定される円筒状のゴム製弾
性リング(91)を備えたステアリングコラム用軸受
(9)が提案された(実開昭57-55666号公報参照)。な
お、同図において、(92)…はステアリング軸(S)の
外周面に当接された複数の針状コロ、(93)は上記針状
コロ(92)…を保持する保持器、(94)は針状コロ(9
2)…に外接し、且つ弾性リング(91)が外嵌された軌
道輪を示している。
上記ステアリングコラム用軸受(9)によれば、弾性リ
ング(91)の径方向の変形によって、ステアリングコラ
ム(C)およびステアリング軸(S)の径方向の寸法の
ばらつきが吸収されるので、寸法のばらつきに伴う前記
問題点を、ある程度まで解消することができる。
ところが、上記ステアリングコラム用軸受(9)では、
例えば車両が振動している状態でステアリング軸(S)
を回転させた際に生じる、ステアリング軸(S)のみそ
すり運動等により、弾性リング(91)に外力が加えられ
ると、軸受(9)がステアリングコラム(C)から簡単
に抜けてしまうという問題があった。
これは、上記弾性リング(91)が柔軟なゴム材料で形成
された比較的厚肉の成形品であり、この弾性リング(9
1)を、ステアリングコラム(C)の内径との差の分だ
け径方向に変形させてステアリングコラム(C)に圧入
した際に、弾性リング(91)に生じる応力の大部分が、
この弾性リング(91)の外周面をステアリングコラム
(C)の内壁面に押圧して、弾性リング(91)を抜け止
めする押圧力(図中黒矢印)として使用されず、同図中
に一点鎖線で示すように、他部材と接していない軸方向
端面(95)(96)や溝部分(97)…における変形、すな
わちゴム材料の逃げに費やされてしまうことが、第1の
原因であると考えられる。
また、弾性リング(91)とステアリングコラム(C)と
の間の隙間に、防錆のための油や軸受潤滑のためのグリ
ース等が侵入して、摩擦抵抗を減ずる油膜を形成するこ
とも、軸受がステアリングコラムから抜け易い原因の一
つとして挙げられる。
ステアリングコラム(C)の内径と弾性リング(91)の
外径との差を大きくすれば、この弾性リング(91)の外
周面をステアリングコラム(C)の内壁面に押圧する押
圧力は相対的に向上するが、コロ(92)…をステアリン
グ軸(S)に押圧する押圧力も高くなるため、操舵トル
クが上昇してしまう。
一方、弾性リングの内部に金属製の補強リングを埋設す
ると共に、弾性リングの外周の一部には、ステアリング
コラムの内壁面に当接し、且つ、一端に設けられた内向
きのフランジが、上記補強リングの一端に当接する金属
環を嵌め合わせたステアリングコラム用軸受が提案され
ている(実開昭63-45417号公報参照)。
このステアリングコラム用軸受によれば、補強リング
が、厚肉のゴム材料をリングの内側部分と外側部分とに
分離、薄肉化して補強すると共に、ステアリングコラム
(C)の内壁面に当接、固定された金属環が、ゴム材料
の逃げにともなう補強リングの移動を防止するので、弾
性リングのゴム材料の逃げが抑制され、しかも、上記金
属環が、弾性リングと共にステアリングコラムの内壁面
に当接して抜け止め力の一部を負担するので、軸受をス
テアリングコラムから抜けにくくすることが可能とな
る。
しかし、上記構成のステアリングコラム用軸受では、以
上のように弾性リングが複雑な構造となるため、製造コ
ストや工程数が上昇するという問題がある。
また、前述のように、ステアリングコラムは寸法精度が
低く、径方向の寸法のばらつきが大きいので、金属環を
ステアリングコラムの内壁面に当接させるには、種々の
外径の金属環を用意するか、または、金属環の外径をス
テアリングコラムの内径の誤差範囲の上限近傍に合わせ
ておき、ステアリングコラムに強制嵌合するなどの方策
が必要となる。
そして、前者の方法では、部品コストが高く付く上、ス
テアリングコラムの内径を調べて、それに適合した金属
環を選び出さねばならないなど、組み立てに手間がかか
るという問題があり、後者の方法では、誤差範囲の下限
近くの内径を有するステアリングコラムに圧入する際の
圧入力が過大になり、組み立てが容易でないという問題
がある。
ステアリングコラムの寸法精度を向上すれば、上記問題
は解消するが、寸法精度の低いステアリングコラムに対
応し得る、という利点を有する弾性リングを用いる意味
がなくなってしまう。
この考案は、以上の事情に鑑みてなされたものであっ
て、組み立てに手間がかからず、構造が簡単で、しか
も、外力が加えられた際に簡単に抜け落ちることのない
ステアリングコラム用軸受を提供することを目的として
いる。
〈課題を解決するための手段〉 上記課題を解決するための、この考案のステアリングコ
ラム用軸受は、軌道輪に外嵌されてステアリングコラム
に圧入される弾性リングが、円筒体の本体の一方の端面
に設けられた外向きのフランジと、他方の端面に設けら
れた、本体よりも僅かに外径の小さな円筒状の案内部と
を備え、かつ上記本体の外周面の、フランジの基部に隣
接する位置と、中央から僅かにフランジ寄りの位置の2
個所に、当該円筒体の全周に亘る2本の溝を有する円筒
体に、ゴムまたはプラスチックによって一体形成されて
いるとともに、上記2本の溝は、円筒体の外周面のう
ち、2本の溝で挟まれた部分の外周面の幅よりも、溝か
ら案内部までの部分の外周面の幅の方が広くなる位置に
配置されており、さらにこの2本の溝のうち中央側の溝
は、案内部側の溝内壁面の傾斜角度が、フランジ側の溝
内壁面の傾斜角度よりも大きめに設定されていることを
特徴としている。
また上記弾性リングは、スプリング硬さHs(JIS A)80
以上のゴムまたはプラスチックで形成されているととも
に、この弾性リングの、少なくともステアリングコラム
の内壁面に圧接される表面の表面粗さが、十点平均粗さ
で20Z以上であるのが好ましい。
〈作用〉 上記構成からなる、この考案のステアリングコラム用軸
受においては、弾性リングの外周面2個所に形成され
た、全周に亘る2本の溝のうち中央側の溝が、案内部側
の溝内壁面の傾斜角度を、フランジ側の溝内壁面の傾斜
角度よりも大きめに設定しているので、圧入された弾性
リングに引き抜き方向への力が加わった際には、案内部
側の内壁面の角部に生じる押圧力と、ステアリングコラ
ムの引き抜き方向とがほぼ直交して、上記押圧力によ
り、弾性リングのステアリングコラムからの引き抜きが
阻止される。
なお、弾性リングの圧入時には、フランジ側の内壁面の
角部に生じる押圧力と、ステアリングコラムの圧入方向
とが平行に近い角度になるので、圧入力は、上記引き抜
き力に比べて小さくて済む。
また弾性リングの外周面のうち、上記2本の溝で挟まれ
た部分の外周面の幅よりも、溝から案内部までの部分の
外周面の幅の方が広く設定されているので、弾性リング
がステアリングコラムに圧入された際に、圧入時の応力
は、幅の広い、溝から案内部までの部分の外周面により
多く集中する。このため、2本の溝で挟まれた部分の外
周面に応力が集中し、フランジ側の端面に材料の逃げが
発生してフランジが変形することで、操舵トルクやグリ
ースの洩れ止めに悪影響を及ぼすことが防止される。
さらに、上記幅の広い側の外周面に圧入時の応力が集中
することにより、中央側の溝の案内部側の内壁面の角部
は、常にフランジ方向への大きな力を受けることになる
ので、弾性リングの引き抜きに対する抵抗がより一層大
きくなる。
しかも、弾性リングの一端部には案内部が突設されてい
るので、弾性リング内への軌道輪の圧入、および弾性リ
ングのステアリングコラムへの圧入を円滑に行うことが
できる。
さらに上記弾性リングが、スプリング硬さHs(JIS A)8
0以上という、従来のものよりも硬度が高く変形しにく
いゴムまたはプラスチックで形成されている場合には、
ステアリングコラムに圧入された際に弾性リングに生じ
る応力の大部分を、材料の逃げではなく、ステアリング
コラムの内壁面に弾性リングの外周面を押圧する押圧力
として、より効果的に使用できるので、抜け止め力をよ
り一層向上させることができる。
また、上記弾性リングの表面のうち、少なくともステア
リングコラムに圧接される表面の表面粗さが、十点平均
粗さで20Z以上の粗面になっている場合には、油やグリ
ース等が侵入しても連続した油膜が形成されることがな
いので、やはり、抜け止め力をより一層向上させること
ができる。
〈実施例〉 以下にこの考案を、実施例を表す第1図(a)(b)〜
第3図(a)(b)を参照しつつ説明する。
この実施例のステアリングコラム用軸受は、ステアリン
グ軸(S)の外周面に当接する複数の転動体としての針
状コロ(1)…と、この針状コロ(1)…を等間隔で保
持する保持器(2)と、この保持器(2)の外側に配置
され、複数の針状コロ(1)…に外接する軌道輪(3)
と、この軌道輪(3)に外嵌された弾性リング(4)と
を具備するものである。
保持器(2)は、第2図に示すように、針状コロ(1)
の直径よりも肉厚の薄い円筒体からなり、その周囲に、
上記針状コロ(1)が挿入、保持される、複数の矩形状
のポケット(21)…が貫通、形成されている。
軌道輪(3)は、同図に示すように円筒状に形成されて
いると共に、その側壁面に、軸方向の全長に亘る斜めの
スリット(31)が形成されている。そして、内側に当接
される針状コロ(1)、または、外側に嵌合される弾性
リング(4)から外力を受けた際には、このスリット
(31)の幅が増減して、径方向の寸法が変えられるよう
になっており、ステアリング軸(S)の径方向の寸法の
ばらつきを、この径方向の寸法の変化によって、弾性リ
ング(4)に伝達するように構成されている。
弾性リング(4)は、全体がゴムまたはプラスチックで
円筒体に形成されており、この円筒体の一方の端面に
は、外向きのフランジ(41)が形成され、他方の端面に
は、円筒形の本体よりも僅かに外径の小さな円筒形の案
内部(42)が形成されている。
フランジ(41)は、第3図(a)に示すように、弾性リ
ング(4)がステアリングコラム(C)に圧入された際
に、このステアリングコラム(C)の端面に当接して、
軸受を位置決めするために用いられる。
一方、案内部(42)は、弾性リング(4)に軌道輪
(3)を圧入する際のガイド、および弾性リング(4)
をステアリングコラム(C)に圧入する際のガイドとし
て用いられるもので、ステアリングコラム(C)内に挿
入し得る外径寸法と、軌道輪(3)を通過させ得る内径
寸法とに形成されており、圧入時に、弾性リング、軌道
輪等が拗れたり潰れたりすることを防止する働きを有し
ている。また、この案内部(42)は、端面の肉厚を増し
て、弾性リング(4)がステアリングコラム(C)に圧
入された際の、材料の逃げを防止するためにも役立って
いる。
弾性リング(4)の内周面には、軌道輪(3)が嵌合、
収容される収容凹部(43)と、この収容凹部(43)の前
後に配置された、2つの内向きのフランジ(44)(45)
とが形成されている。
2つのフランジ(44)(45)のうち、案内部(42)側の
フランジ(44)は、軌道輪(3)と、この軌道輪(3)
の内側に配置された保持器(2)とを、収容凹部(43)
に圧入、嵌合させるため、外側の側面(44a)が、基部
から先端へかけて、収容凹部(43)方向に傾斜された傾
斜面となっている。
また、他方のフランジ(45)は、第3図(a)に示すよ
うに、先端がステアリング軸(S)の外周面に当接する
高さに形成されており、ステアリングコラム用軸受内か
らグリースが洩れるのを防ぐシーリングとして用いられ
る。
収容凹部(43)は、フランジ(44)側から軌道輪(3)
を嵌合する際に、このフランジ(44)が軌道輪(3)に
噛み込むのを防止するため、その幅が、軌道輪(3)の
幅にフランジ(44)の厚みを足した寸法よりも、広めに
設定されている。
弾性リング(4)の外周面には、フランジ(41)の基部
に隣接する位置と、外周面の中央から僅かにフランジ
(41)寄りの位置の2個所に、弾性リング(4)の圧入
時に生じる応力を均等化するための、全周に亘る2本の
溝(46)(47)が形成されている。
また、この2本の溝(46)(47)のうち、中央側の溝
(47)は、案内部(42)側の内壁面(47a)の傾斜角度
(第1図(a)中の「∠α」)が、フランジ(41)側の
内壁面(47b)の傾斜角度(同図中の「∠β」)よりも
大きめに設定されている。
そして、圧入された弾性リング(4)に引き抜き方向へ
の力が加わった際には、第3図(b)中に黒矢印で示す
ように、内壁面(47a)側の角部(40a)に生じる押圧力
と、ステアリングコラム(C)の引き抜き方向とがほぼ
直交して、上記押圧力により、弾性リング(4)のステ
アリングコラム(C)からの引き抜きが阻害される。
一方、弾性リング(4)の圧入時には、内壁面(47b)
側の角部(40b)に生じる押圧力と、ステアリングコラ
ム(C)の圧入方向とが、同図中に白抜きの矢印で示す
ように平行に近い角度になるので、圧入力は、上記引き
抜き力に比べて小さくて済むようになっている。
弾性リング(4)の外周面のうち、上記2本の溝(46)
(47)で挟まれた部分(以下「第1外周面(48)」とい
う)と、溝(47)から案内部(42)までの部分(以下
「第2外周面(49)」という)とは、第3図(a)に示
すように、弾性リング(4)がステアリングコラムに圧
入された際に、このステアリングコラム(C)の内壁面
に当接する当接面として使用されるように構成されてい
る。
また、両外周面(48)(49)は、弾性リング(4)の圧
入時に、フランジ(41)側の端面に材料の逃げが発生し
て、前記シーリングとしてのフランジ(45)が変形し、
操舵トルクやグリースの洩れ止めに悪影響を及ぼさない
ようにするため、圧入時の応力を第2外周面(49)の側
により多く集中させる目的で、この第2外周面(49)の
幅が、第1外周面(48)の幅よりも広く設定されてい
る。
また、上記のように幅の広い第2外周面(49)に圧入時
の応力が集中することにより、中央側の溝(47)の案内
部(42)側の内壁面(47a)の角部(40a)は、常にフラ
ンジ(41)の方向への大きな力を受けることになるの
で、弾性リング(4)の引き抜きに対する抵抗がより一
層大きくなる。しかも、角部(40a)の案内部(42)側
への変形も防止されるので、上記角部(40a)の変形に
よる、弾性リング(4)の抜け止め力の低下を防止する
こともできる。
また、例えば、弾性リング(4)をスプリング硬さHs
(JIS A)83のニトリルゴムで形成すると、スプリング
硬さHs(JIS A)75のニトリルゴムで形成された、同一
外径寸法の、従来の弾性リング(91)に比べて、ステア
リングコラム(C)内壁面への押圧力を25%向上するこ
とができる。
同一の押圧力を有する弾性リングを上記両材料で製造し
た場合には、この実施例における弾性リング(4)の外
径寸法を、従来の弾性リング(91)より33%小さくする
ことができ、ステアリング軸(S)の操舵トルクを30%
軽減することができる。
さらに、ステアリングコラム(C)の内壁面に圧接され
る外周面の表面粗さを、十点平均粗さで20Z以上に設定
すれば、油やグリース等が侵入しても連続した油膜を形
成できないので、抜け止め力を、さらに向上させること
ができる。
〈考案の効果〉 上記構成からなる、この考案のステアリングコラム用軸
受においては、弾性リングの外周面2個所に形成され
た、全周に亘る2本の溝のうち中央側の溝が、案内部側
の溝内壁面の傾斜角度を、フランジ側の溝内壁面の傾斜
角度よりも大きめに設定しているので、圧入された弾性
リングに引き抜き方向への力が加わった際には、案内部
側の内壁面の角部に生じる押圧力と、ステアリングコラ
ムの引き抜き方向とがほぼ直交して、上記押圧力によ
り、弾性リングのステアリングコラムからの引き抜きが
阻止される。
なお、弾性リングの圧入時には、フランジ側の内壁面の
角部に生じる押圧力と、ステアリングコラムの圧入方向
とが平行に近い角度になるので、圧入力は、上記引き抜
き力に比べて小さくて済む。
また弾性リングの外周面のうち、上記2本の溝で挟まれ
た部分の外周面の幅よりも、溝から案内部までの部分の
外周面の幅の方が広く設定されているので、弾性リング
がステアリングコラムに圧入された際に、圧入時の応力
は、幅の広い、溝から案内部までの部分の外周面により
多く集中する。このため、2本の溝で挟まれた部分の外
周面に応力が集中し、フランジ側の端面に材料の逃げが
発生してフランジが変形することで、操舵トルクやグリ
ースの洩れ止めに悪影響を及ぼすことが防止される。
さらに、上記幅の広い側の外周面に圧入時の応力が集中
することにより、中央側の溝の案内部側の内壁面の角部
は、常にフランジ方向への大きな力を受けることになる
ので、弾性リングの引き抜きに対する抵抗がより一層大
きくなる。
しかも、弾性リングの一端部には案内部が突設されてい
るので、弾性リング内への軌道輪の圧入、および弾性リ
ングのステアリングコラムへの圧入を円滑に行うことが
できる。
したがって、上記弾性リングを有するこの考案のステア
リングコラム用軸受は、組み立てに手間がかからず、構
造が簡単で、しかも、外力が加えられた際に簡単に抜け
落ちることのないものとなっている。
さらに上記弾性リングが、スプリング硬さHs(JIS A)8
0以上という、従来のものよりも硬度が高く変形しにく
いゴムまたはプラスチックで形成されている場合には、
ステアリングコラムに圧入された際に弾性リングに生じ
る応力の大部分を、材料の逃げではなく、ステアリング
コラムの内壁面に弾性リングの外周面を押圧する押圧力
として、より効果的に使用できるので、抜け止め力をよ
り一層向上させることができる。
また、上記弾性リングの表面のうち、少なくともステア
リングコラムに圧接される表面の表面粗さが、十点平均
粗さで20Z以上の粗面になっている場合には、油やグリ
ース等が侵入しても連続した油膜が形成されることがな
いので、やはり、抜け止め力をより一層向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)はこの考案のステアリングコラム用軸受の
一実施例を示す一部切断正面図、同図(b)はこの実施
例の一部側面図、第2図は上記実施例における転動体、
保持器および軌道輪を示す分解斜視図、第3図(a)は
上記実施例をステアリングコラムおよびステアリング軸
に装着した状態を示す断面図、同図(b)は弾性リング
の外周面に形成された溝の拡大断面図、第4図は従来の
ステアリングコラム用軸受の一例を示す断面図である。 (1)……転動体、(3)……軌道輪、(4)……弾性
リング、(41)……フランジ、(42)……案内部、(4
6)(47)……溝、(47a)(47b)……内壁面、(48)
……第1外周面、(49)……第2外周面。

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステアリング軸の外周面に当接する複数の
    転動体と、上記複数の転動体に外接する円筒状の軌道輪
    と、この軌道輪に外嵌された、ステアリングコラムに圧
    入される弾性リングとを備えたステアリングコラム用軸
    受において、上記弾性リングが、円筒体の本体の一方の
    端面に設けられた外向きのフランジと、他方の端面に設
    けられた、本体よりも僅かに外径の小さな円筒状の案内
    部とを備え、かつ上記本体の外周面の、フランジの基部
    に隣接する位置と、中央から僅かにフランジ寄りの位置
    の2個所に、当該円筒体の全周に亘る2本の溝を有する
    円筒体に、ゴムまたはプラスチックによって一体形成さ
    れているとともに、上記2本の溝は、円筒体の外周面の
    うち、2本の溝で挟まれた部分の外周面の幅よりも、溝
    から案内部までの部分の外周面の幅の方が広くなる位置
    に配置されており、さらにこの2本の溝のうち中央側の
    溝は、案内部側の溝内壁面の傾斜角度が、フランジ側の
    溝内壁面の傾斜角度よりも大きめに設定されていること
    を特徴とするステアリングコラム用軸受。
  2. 【請求項2】弾性リングが、スプリング硬さHs(JIS
    A)80以上のゴムまたはプラスチックで形成されている
    とともに、この弾性リングの、少なくともステアリング
    コラムの内壁面に圧接される表面の表面粗さが、十点平
    均粗さで20Z以上である請求項1記載のステアリングコ
    ラム用軸受。
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