JPH0640760A - 低吸水性大型セラミック板製造用素地組成物および低吸水性大型セラミック板の製造方法 - Google Patents

低吸水性大型セラミック板製造用素地組成物および低吸水性大型セラミック板の製造方法

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JPH0640760A
JPH0640760A JP3208984A JP20898491A JPH0640760A JP H0640760 A JPH0640760 A JP H0640760A JP 3208984 A JP3208984 A JP 3208984A JP 20898491 A JP20898491 A JP 20898491A JP H0640760 A JPH0640760 A JP H0640760A
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ceramic plate
plate
mica
talc
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JP3208984A
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Toyoshige Okamoto
豊重 岡元
Toshiyuki Henmi
俊之 逸見
Koichi Kaneko
幸一 金子
Haruya Sato
治哉 佐藤
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NIPPON RENGA SEIZO KK
Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
NIPPON RENGA SEIZO KK
Chichibu Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低吸水率の大型セラミック板を提供する。 【構成】 ガラスおよび/またはフリット粉末を15〜
60重量%、結合剤として粘土を15〜45重量%、ま
た乾燥焼成におけるセラミック板の平面方向の乾燥焼成
収縮の低減付与材として雲母を3〜40重量%、βワラ
ストナイトを0〜40重量%で、またタルクが0〜20
重量%で、かつ雲母とβワラストナイトおよびタルクの
合計が60重量%未満よりなる混合物に、適量の水を加
えて板状あるいは板状に近い形に押出した後、さらに押
出し方向または押出し方向と直角方向あるいは両方向に
ローラー圧延して板状に成形し、所定サイズにカットし
て成形体としたものを、900〜1200℃にて焼成し
て低吸水性大型セラミック板を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築物の外装材、内装
材、床材等に用いられる吸水率が低く、比較的低温にて
焼成でき、かつ大型板の製造が可能なセラミック板製造
用素地組成物および低吸水性大型セラミック板の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築物の内外装材や床材として、従来よ
りタイル、陶板および結晶化ガラス建材等が用いられて
きており、内外装材に対する多様化、高級化志向の高ま
りとともに、その種類もますます増大している状況であ
る。中でも大型セラミック板は、従来のタイルに比し、
施工の合理化の面や個性化といったような点で特徴を有
しており、最近になり900×1800mm以上の大型
のセラミック板も市販されてきている状況にある。とこ
ろで、これらのセラミック板を外装材として用いるに
は、耐凍結融解性の面で、セラミック板の吸水率が低い
方がよく、4%程度以下、できれば2%以下が好ましい
とされている。しかし、セラミック板製造用原料調合品
の成形体は、その乾燥や焼成冷却に際して収縮し、変形
や亀裂の発生を起こし易く、特に吸水率が2%以下と小
さく、よく焼結した60cm角以上の大型セラミック板
を製造するような場合には、その焼成収縮量も非常に大
きくなってしまい、所定サイズのものを製造するための
寸法精度が落ちたり、反りや亀裂が発生し易いというよ
うな問題があり、そのような大型セラミック板を歩留り
よく製造することは、非常に困難である。また一般的な
原料を用いて吸水率を2%以下にするためには、通常1
200℃以上の高温を必要とし、吸水率を下げるため焼
成温度を上げすぎると、例えば最近セラミック板の焼成
によく使用されるローラーハースキルンを使用した場
合、焼成時に焼成体が軟化して垂れ下がってしまった
り、ひどい場合には、ローラーに巻き付いてしまうとい
うような問題がある。また大型板になればなるほど成形
が不均一になり、かたよりが生じ易く、そのため反りや
亀裂が発生してしまい、結局は大型板の製造が困難にな
ってしまうというような問題があるのが実情である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点、すなわち吸水率ガ2%程度以下の大型セラミック板
製造用素地組成物と、幅が60cm程度以上の大型セラ
ミック板を、寸法精度よく、かつ反りや亀裂の発生がほ
とんどなくて歩留りよく製造するための方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、セラミック板
製造用素地組成物として、ガラスやフリット、雲母、粘
土さらにはβワラストナイトやタルクを主原料とするこ
とにより、吸水率が2%以下と小さい低吸水性セラミッ
ク板が得られるようにしたものである。また、本発明に
おいては、低吸水性大型セラミック板の製造において、
使用原料としてガラス粉末を15〜60重量%、結合材
として粘土を15〜45重量%、また乾燥焼成における
セラミック板の平面方向の乾燥焼成収縮の低減付与材と
して雲母を3〜40重量%、βワラストナイトを0〜4
0重量%、タルクが0〜20重量%で、かつ雲母とβワ
ラストナイトおよびタルクの合計が60重量%未満より
なる混合物に、適量の水を加えて板状あるいは板状に近
い形に押出した後、さらに押出し方向または押出し方向
と直角方向あるいは両方向にローラー圧延して板状に成
形したものを、900〜1200℃にて焼成するという
製造方法により、前記低吸水性大型セラミック板の工業
化に成功したものである。
【0005】本発明においては、使用原料として、比較
的低温にて軟化するガラスやフリットを使用しており、
これは系全体の易焼性を高めるとともに、ガラスやフリ
ット自体は構造水を有せず、また成型に際してもほとん
ど吸水しないため、乾燥焼成過程における脱水による収
縮が少なく、成形体の焼成時の収縮低減、ひいては寸法
精度の向上および反りや亀裂発生の防止に寄与するもの
である。なおこれらガラス原料としては、窓ガラスや瓶
ガラス等の廃品回収品やガラス製造時に破損したり、不
必要な部分の切り屑等を粉砕したものでよく、通常これ
ら市場に種々の種類や粒度のものの粉砕品がでており、
それらで十分使用可能であり、さらにはシラス等の天然
ガラスヲ使用することも可能である。このガラス粉末の
粒度であるが、使用量が同じであれば、一般的には粒度
が細かい方がより低温にて焼成可能となるが、通常は2
50μm程度以下に粉砕されたもので十分である。また
フリットについては、軟化温度の低いものからやや高い
ものまで種々の組成のものが市販されており、それらを
適切に使い分ければ良い。本発明においては、ガラスや
フリット以外の原料についてもそれらと同様、構造水等
を含まないかあるいは少ない原料をできるだけ使用する
ことにより、焼成時の過熱減量による収縮をより小さく
し、全体の収縮量を抑えるようにしている。さらに本発
明においては、より積極的に成形体の乾燥および焼成収
縮を低減し、また焼成時の焼成体の軟化にともなう垂れ
下がり等による変形を低減するため、セラミック板の製
造に一般的に採用される、プレス成形や押出し成形等に
おいて、厚さ方向よりも平面方向に配向し易い異方性の
結晶物質である雲母やβワラストナイトさらにはタルク
を原料として使用することとしている。
【0006】本発明においては、その組成物を用いて、
セラミック板を製造する場合、その成形方法に、特には
こだわらなくても公知の成形方法によれば、雲母やβワ
ラストナイトおよびタルクは、平面方向により強く配向
され易いのであるが、さらに本発明の大型セラミック板
の製造方法においては、これらの異方性結晶を成形に際
して、成形体の平面方向により一層強力に配向させるよ
うに成形する方法を採用している。雲母やβワラストナ
イトおよびタルク等が配向した成形体の乾燥焼成時の平
面方向の収縮は、それらの結晶形態によるつっぱり効果
により抑え、乾燥焼成に必要な収縮は、できるだけ厚さ
方向で収縮吸収させてしまうことにより、大型セラミッ
ク板の寸法精度の向上はもちろん、乾燥焼成による反り
および亀裂の発生を抑え、また高温焼成時の焼成軟化に
ともなう垂れ下がりや反り等の変形に対しても抵抗性を
付与するようにしている。なおこれら雲母やβワラスト
ナイトおよびタルクの粒度であるが、これらは粒形が大
きいほど一般的には、すでに述べたようなつっぱり効果
が大きくなるのであるが、あまりにも大きなものを使用
すると、成形体が焼結しにくくセラミック板の吸水率を
下げることが困難になってしまい、またあまりにも粒度
が小さすぎると、つっぱり効果が小さくなってしまうと
いうようなことになる。それ故通常は840μm以下程
度、好ましくは500〜150μm以下程度の粒度のも
のを用いた方が良好である。但しタルクについては、粒
度が大きいと焼成時の脱水が不十分になりやすく、また
滑剤としての性能をより良く活かすためにも、雲母やβ
ワラスナイトよりは粒度の小さいものを用いる方が好ま
しい。
【0007】ところで、押出成形機にて直接板状のもの
を押出成形する場合、中心部分から端部に亘って完全に
均一に押出し成型するのは相当困難で、とくに幅広のも
のではほとんど不可能であり成型歪が残留してしまい、
そのため乾燥や焼成時の反りや亀裂の発生の原因になっ
てしまうというのが実情である。そこで本発明の大型セ
ラミック板の製造方法においては、残留歪みをできるだ
け少なくして、より均一な板状成形を得られるようにし
ている。すなわち、セラミック板の成形に一般的に用い
られる押出し成形に加えて、さらにローラーによる圧延
を行い板状成形体とするものである。このように押出し
成形体を、さらにローラーにて均一な所定厚さに圧延す
ることにより、例えば押出し成形体の中央部と側端部の
間の残留歪をとり、さらにこのローラーによる圧延に際
しては、所定サイズよりも大きめに圧延し、どちらかと
いうと残留歪や不均一性のより大きい前後部および側端
部をカットして所定サイズの成形体とすることにより、
できるだけ均一な板状成形体を得ることが可能となり、
結果として反りや亀裂が発生しにくく寸法精度の良好な
大型セラミック板が得られるのである。
【0008】すなわち本発明の大型セラミック板の調合
原料の成形に際しては、上記のような考え方のもとに選
択した原料を使用し、成形体中において異方性結晶を平
面方向に配向をさせるため、所定調合物に適当な量の水
を加えよく混練した後、まず最終成形厚さよりも厚い板
状に押出成形してから、次にローラーにて所定の圧さに
圧延し、さらに所定サイズにカットし成形体を得るので
ある。なお押出しに際し、原料粒子の配向方向は、押出
し厚さや押出機の仕様等により影響されるが、通常は押
し出し方向に配向することが多いようである。そのため
このような場合、次のローラーによる圧延に際しては、
押出方向と直角方向に圧延してやれば、平面方向により
平均的に配向した成形体が得られることになる。しかし
このような処理を行っても、例えば針状のβワラストナ
イトを原料に使用したような場合には、セラミック板の
幅方向と長さ方向とで、配向性に違いが出てしまいやす
く、結果としてセラミック板の幅方向と長さ方向の曲げ
強さに違いが出てしまうことになる。セラミック板とし
て場合によっては、幅方向と長さ方向にそのような配向
性に違いがある方が好ましい場合もあるが、それはそれ
でよしとして、すべての平面方向に均一に配向した大型
セラミック板を得るためには、押出しサイズと圧延割合
を調整することによりある程度可能であるが、種々のサ
イズの大型セラミック板を簡単に得るためには不十分で
ある。押出し成形後、成形体中の結晶の配向をより簡単
に均一にする方法としては、ローラーによる圧延を押し
出し方向およびそれと直角方向の両方に圧延することに
より可能となる。このようにして平面方向に均一に配向
した成形体を得るためには、例えば簡単な方法として
は、焼成後の幅方向と長さ方向の収縮率をそれぞれ測定
し、それぞれの収縮率が一致するよう、幅方向と長さ方
向それぞれの圧延割合を調整するものである。このよう
にうまく圧延を調整して製造した成形体は、平面方向で
の結晶配向状態はほぼ同じようなものとなり、一般的に
より均一な特性を有するセラミック板が得られるのであ
る。なお大型セラミック板の焼成用の炉としては、とく
にこだわらないものの、反りの少ない大型のセラミック
板を焼成するためには、近年セラミック板の焼成用にエ
ネルギー効率が良好で、上下から乾燥焼成および冷却を
行え、一般に台車炉等よりも全体がより均一な温度分布
が達成できるローラーハースキルンを使用することが好
ましい。このように本発明においては、原料の選択や成
形方法を適切に選択することにより、反りや亀裂の発生
のほとんどない大型セラミック板を、効率よくかつ精度
よく製造することが可能となったのである。
【0009】すでに述べたように、本発明においては、
まず第1に、使用原料として窓ガラス、瓶ガラス等のガ
ラス粉末やフリットを使用するのである。これらガラス
粉末やフリットは、もともと高温処理されたものであ
り、ほとんど水分を含まず吸水もせず、乾燥焼成過程に
おける収縮が小さく、かつ軟化温度が他の原料に比較し
て低いため、セラミック板の焼結収縮に対する変形追従
性を増大させ、結果として焼成時の亀裂や反りの発生を
抑えるとともに、系全体の易焼性を高め焼成温度を低下
させる効果を有するのである。次に本発明においては、
板状あるいは針状の異方性結晶物質である雲母やβワラ
ストナイトあるいはさらにタルクを使用する。これはす
でに述べたように、セラミック板の成形に際し、本結晶
を成形体の平面方向に配向させることにより、乾燥焼成
にともなう平面方向の収縮を抑え、寸法精度の向上を図
るとともに、反りや亀裂の発生を防止するのである。な
お雲母については、金雲母、白雲母、絹雲母あるいは粘
土質の物など種々のものがあるが、本発明においては、
それらを限定するものではなく、雲母族のものであれば
すべて使用可能である。またタルクは、雲母やβワラス
トナイトと同様の異方性結晶物質であり、成形に際し
て、すでに述べたような結果を発揮するとともに、さら
に滑剤としての性質を有しており、成形をスムースにし
たりする効果があるため、添加してやることは好ましい
ことである。しかしタルクの添加量が多すぎると、タル
クは他のものより脱水温度が高いため、その使用量が多
すぎると、場合によっては焼成温度に達しても脱水が完
了せず、内部からの蒸気圧により焼成体が発泡してしま
うという欠点があり、そのため原料の調合割合によって
は、その使用量や焼成条件等には注意する必要がある。
【0010】一方、本発明のセラミック板の調合原料の
成形や圧延に際して、うまく成形するためには、ある程
度の結合剤が必要であるが、該結合材として本発明にお
いては、粘土を使用している。この粘土としては、特に
限定するものではないが、結合性能が大きい方がより少
量で押出し成型が可能となるため、一般的には、木節粘
土や蛙目粘土等の高可塑性の粘土を使用することが好ま
しい。しかし、これらの粘土の主要構成鉱物であるカオ
リナイト等は、本発明に使用する他の原料に比較して、
より多くの構造水を含有しているため、それらを多く使
用すると焼成収縮が大きくなってしまい、反りや亀裂発
生の原因となってしまうとともに、吸水率を下げるため
には、1200℃以上の高温を必要とするようになり、
焼成しにくくなるのである。また反対に少ないと成形が
うまくいかないのである。なお本発明においては、特に
粘土質結合材の使用量が少ない場合、成形体の成形性と
乾燥強度を上げるため結合材として水ガラス(珪酸アル
カリ)あるいは有機質のバインダーを加えることを妨げ
るものではなく、またステアリン酸塩等の滑剤や分散剤
等を添加することも好ましいこともある。これらの材料
は、成形をスムースにしたり、成形体の緻密性の向上、
あるいは全体の易焼成を高めたりして焼成適正温度の調
節等に寄与し、結果として乾燥焼成収縮を抑え、寸法精
度の向上および反りや亀裂の発生を抑制する作用を有す
るのである。次に本発明の製造方法においては、成形方
法としてすでに述べたように板状押出し後、ローラー圧
延による残留歪の除去等による均一成形体が得られるた
め、亀裂や反りの発生が少なく寸法精度も良好な大型の
セラミック板の製造を可能とするものである。なお焼成
方法については、特に限定はしないものの、通常のセラ
ミックタイルの焼成によく用いられるローラーハースキ
ルンを用いることが好ましい。これはローラーハースキ
ルンの場合、成形体の上下からの乾燥焼成や冷却が可能
になり、成形体に対してより均一な熱処理が得られやす
いからである。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明する。 (実施例−1)窓ガラス粉末(150μm以下)35
部、雲母10重量%、ワラストナイト(500μm以
下)20重量%、蛙目粘土35重量%の混合物に水を外
割で18%添加混練したものを、真空土練機にて厚さ約
40mm、幅約500mm、長さ約1100mmの板状
に押出成形し、さらに押出し方向と直角方向にローラー
にて約6.8mm、の厚さに圧延したものを、幅約96
8mm長さ約1950mmにカット後、ローラーハース
キルンにて、焼成温度約1125℃、約20分間焼成に
て30枚焼成し、ほとんど反りがなく、かつすべてにつ
いて亀裂の発生もなく、吸水率1%以下の約6×900
×1800mmの大型セラミック板を得た。なおこの場
合の収縮は、長さ方向約7.0%、幅方向約7.8%で
あり、厚さ方向は約10.8%であった。 (実施例−2)窓ガラス粉末33重量%、フリット(日
本フリット社製品PN5280)3重量%、雲母5重量
%、ワラストナイト15重量%、蛙目粘土33重量%の
混合物に水を外割で18%添加混練したものを実施例−
1と同様の成形処理したものを、ローラーハースキルン
にて、焼成温度950℃、約20分間焼成にて20枚焼
成し、ほとんど反りや亀裂の発生なく、吸水率1.0%
以下の約6×900×1800mmの大型セラミック板
を得た。なお長さ方向および幅方向の収縮は、それぞれ
約7.2%および7.9%あり、厚さ方向は約11.0
%であった。
【0012】(実施例−3)窓ガラス粉末30重量%、
雲母15重量%、ワラストナイト25重量%、蛙目粘土
30重量%の混合物に水を外割で17%添加混練したも
のを、真空土練機にて厚さ約40mm、幅約500m
m、長さ約1100mmの板状に押出成形し、さらに押
出し方向と直角方向に約1100mm幅までローラー圧
延し、さらに押出し方向に厚さ約6.8mmにローラー
圧延したものを、幅約968mm長さ約1950mmに
カット後、ローラーハースキルンにて、焼成温度約11
25℃、約20分間焼成にて49枚焼成し、ほとんど反
りや亀裂の発生なく、吸水率0.3%以下の約6×90
0×1800mmの大型セラミック板を得た。なお長さ
方向と幅方向の収縮は、それぞれ約7.0%および7.
1%であり、厚さ方向は約10.8%であった。なおロ
ーラーによる圧延を実施例−1と同様にしたものの収縮
は、長さ方向約6.7%、幅方向約7.6%あり、厚さ
方向は約10.6%であった。この実施例−3からも分
かるように、押出し成形体を成形体中の原料粒子の配向
を均一になるよう圧延してやることにより、長さ方向と
幅方向の収縮率をほぼ同じようなものにすることができ
ることは明かである。 (実施例−4)窓ガラス粉末30重量%、雲母10重量
%、ワラストナイト20重量%、蛙目粘土35重量%、
タルク5重量%の混合物に水を外割で18%添加混練し
たものを実施例−2と同様の成型処理したものを、ロー
ラーハースキルンにて、焼成温度1150℃、約20分
間焼成にて16枚焼成し、ほとんど反りや亀裂の発生な
く、吸水率1.0%以下の約6×900×1800mm
大型セラミック板を得た。なお長さ方向と幅方向の収縮
は、それぞれ約6.8%および7.0%であり、厚さ方
向は約11.0%であった。またタルクを使用すること
により、実施例1および実施例2にくらべて、真空土練
機による押出しがよりスムースになるという効果があっ
た。以上の実施例からも分かるように、本発明の組成物
によれば、吸水率が低いセラミック板が容易に得られ、
また本発明の方法によれば幅および長さ方向の収縮は厚
さ方向に比較して小さく抑えることや、さらには幅方向
と長さ方向の収縮を同じようにすることも可能であり、
変位の大きい幅および長さ(平面)方向の収縮を抑える
ことにより、大型セラミック板をより精度よく製造でき
るとともに、反りや亀裂の発生もほとんど無いような製
品の製造が可能となるである。
【0013】(比較例)ガラス粉末を使用せず、また蛙
目粘土を45重量%よりも多くし、その他長石等の配合
により、900mm角以上の大型セラミック板の製作を
試みたが、吸水率を2%以下に下げるためには、120
0℃以上の高温を必要とし、また焼成温度を上げると、
焼成時にセラミック板が軟化して垂れ下がってしまった
り、収縮率が幅や長さ方向で10%以上にもなってしま
い、そのため寸法精度も悪く反りや亀裂が発生したりす
るという問題が生じ、大型板を歩留りよく製造するのは
困難であった。以上のように本発明の方法によれば、大
型セラミック板がほとんど反りや亀裂の発生もなく、ま
た寸法精度がよいものを比較的容易に製造可能である。
なお、本発明のセラミック板製造用の使用原料として、
鉄等の金属酸化物を多く含む原料を使用することによ
り、例えば褐色に着色したセラミック板が得られる。こ
のように素地用原料として含有不純物の異なるものを使
用することにより、種々の着色セラミック板が得られる
が、本発明においては、本質的な悪影響のないかぎり、
さらに他の金属酸化物や金属のリン酸塩や炭酸塩等ある
いは市販の無機顔料等の着色材を添加して、着色したセ
ラミック板を得たりあるいは、また調合原料の易焼成を
高めたり焼成温度を調整するため、他に長石や、スラグ
粉末を加えることを妨げるものではない。しかし、着色
材等を用いる場合でも、すでに述べたように含水量の少
ないものを用いる方が良いことは言うまでもないことで
ある。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば低吸水性のセラミック板
が得られる。また本発明の製造方法によれば、低吸水率
の反りや亀裂のない大型セラミック板を工業的に生産可
能となる。
フロントページの続き (72)発明者 逸見 俊之 埼玉県熊谷市月見町二丁目1番1号 秩父 セメント株式会社中央研究所内 (72)発明者 金子 幸一 埼玉県深谷市大字上敷免89番地 日本煉瓦 製造株式会社深谷事業所内 (72)発明者 佐藤 治哉 埼玉県深谷市大字上敷免89番地 日本煉瓦 製造株式会社深谷事業所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス粉末および/またはフリット粉
    末、雲母および粘土を主原料とする原料土よりなること
    を特徴とするセラミック板製造用素地組成物
  2. 【請求項2】 ガラス粉末および/またはフリット粉
    末、雲母、粘土、さらにβワラストナイトとタルクの2
    種のうち1種以上を混合したものを主原料とする原料土
    よりなることを特徴とするセラミック板製造用素地組成
  3. 【請求項3】 ガラスおよび/またはフリット粉末が1
    5〜60重量%、可塑性粘土が15〜40重量%、雲母
    が3〜40重量%、βワラストナイトが0〜40重量
    %、またタルクが0〜20重量%で、かつ雲母とβワラ
    ストナイトおよびタルクの合計が3〜60重量%となる
    よう調整した原料土より成る低吸水性大型セラミック板
    製造用素地組成物
  4. 【請求項4】 大型セラミック板製造に当り、使用原料
    としてガラスおよび/またはフリッ卜粉末を15〜60
    重量%、結合剤として粘土を15〜45重量%、また乾
    燥焼成におけるセラミック板の平面方向の乾燥焼成収縮
    の低減付与材として雲母を3〜40重量%、βワラスト
    ナイトを0〜40重量%、またタルクが0〜20重量%
    で、かつ雲母とβワラストナイトおよびタルクの合計が
    60重量%未満よりなる混合物に、適量の水を加えて板
    状あるいは板状に近い形に押出した後、さらに押出し方
    向または押出し方向と直角方向にローラー圧延して板状
    に成形し、所定サイズにカットして成形体としたもの
    を、900〜1200℃にて焼成することを特徴とする
    低吸水性大型セラミック板の製造方法。
  5. 【請求項5】 大型セラミック板の製造に当り、使用原
    料としてガラスおよび/またはフリット粉末を15〜6
    0重量%、結合剤として粘土を15〜45重量%、また
    乾燥焼成におけるセラミック板の平面方向の乾燥焼成収
    縮の低減付与材として雲母を3〜40重量%、βワラス
    トナイトを0〜40重量%、またタルクが0〜20重量
    %で、かつ雲母とβワラストナイトおよびタルクの合計
    が60重量%未満よりなる混合物に、適量の水を加えて
    板状あるいは板状に近い形に押出した後、さらに押出し
    方向および押出し方向と直角方向の両方向にローラー圧
    延して板状に成形し、所定サイズにカットして成形体と
    したものを、900〜1200℃にて焼成することを特
    徴とする低吸水性大型セラミック板の製造方法。
JP3208984A 1991-05-17 1991-05-17 低吸水性大型セラミック板製造用素地組成物および低吸水性大型セラミック板の製造方法 Pending JPH0640760A (ja)

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