JPH0640623U - 焼却炉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 タイヤや塗料カスや樹脂等の燃焼ガスを再燃
焼して浄化し、その再燃焼に灯油等の燃料を必要としな
い焼却炉を提供する。 【構成】 主焼却室１１と、該主焼却室１１に連通した
煙道１２とを備える焼却炉１０であって、前記煙道１２
に副燃焼室１３を設け、該副燃焼室１３の燃焼ガス通路
に酸化鉄材３６を配設している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、タイヤや塗料カスや樹脂等を焼却することによって発生する燃焼ガ スを浄化することができる焼却炉に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、タイヤや塗料カスや樹脂等の有煙焼却対象物の焼却においては、焼却対 象物を焼却室にて焼却し、その焼却によって発生する未燃焼分を含む燃焼ガスを そのまま排気し、あるいは、灯油を用いるバーナー等を設けて再燃焼させて排気 するようにしていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記従来例の前者においては煙がそのまま大気中に排出されて 環境保護の見地から好ましくなく、また後者においては、灯油の添加を必要とし て別途焼却用の燃料が必要であるという問題点があった。 本考案はこのような事情に鑑みてなされたもので、タイヤや塗料カスや樹脂等 の燃焼ガスを再燃焼して浄化し、その再燃焼に灯油等の燃料を必要としない焼却 炉を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記目的に沿う請求項１記載の焼却炉は、主焼却室と、該主焼却室に連通した 煙道とを備える焼却炉であって、前記煙道に副燃焼室を設け、該副燃焼室の燃焼 ガス通路に酸化鉄材を配設して構成されている。 また、請求項２記載の燃焼炉は、請求項１記載の燃焼炉において、前記焼却炉 の少なくとも天井は、内部に水が満たされた箱状体となって、該箱状体には熱を 外付けされた通気筒に移動させるヒートパイプが設けられて構成されている。 なお、以上において、酸化鉄材には通常の鉄材（棒、板、粒を含む）を適当な 隙間を有して配置し、これを自然な状態で使用し、表面に酸化鉄を形成させて使 用する場合も含む。

【０００５】

【作用】

請求項１及び請求項２記載の焼却炉においては、焼却対象物を主焼却室に投入 して焼却し、該焼却によって発生する燃焼ガスを煙道に設けられた副燃焼室に配 設されて加熱された酸化鉄材に触れさせ、これによって含まれる酸素を活性化し 、未燃焼物を該活性化された酸素によって燃焼させて外部に排気する。これによ って、比較的低い温度にて燃焼が遂行される。 特に、請求項２記載の焼却炉においては、焼却炉の使用によって少なくとも天 井に溜められている水が加熱される。そして、ヒートパイプによって加熱された 水の熱を通気筒に移動させているので、通気室を通る空気が加熱され、熱源とし て回収できる。

【０００６】

【実施例】

続いて、添付した図面を参照しつつ、本考案を具体化した実施例につき説明し 、本考案の理解に供する。 ここに、図１は本考案の第１の実施例に係る焼却炉の正面図、図２は同平面図 、図３は同側面図、図４はパイプに鉄筋を取付けた状態を示す説明図、図５は本 考案の第２の実施例に係る焼却炉の正面図である。 本考案の第１の実施例に係る焼却炉１０は図１〜３に示すように、主焼却室１ １が備えられ、その主焼却室１１に内部が連通する煙道１２が設けられ、しかも 煙道１２には副燃焼室１３が設けられている。 前記主焼却室１１及び煙道１２の側壁１４及び天井は、内部に水を充満する空 間を備え、外側と内側を金属板の一例であるステンレス板１５にて形成されてい る。 そして、主焼却室１１の一方の側壁１４には、その内側に水を循環させること ができるように下部の両側に給水口１６と、排水口１７とをそれぞれ備え、側壁 １４の内側に一方から水を入れ、他方から排水することができるようになってい る。その側壁１４の上部に投入口１８が設けられ、その投入口１８は投入蓋用の 引手１９を取り付けた鉄板からなる投入蓋２０を開閉自在に備えている。焼却対 象物は、投入蓋２０を開けて主焼却室１１の中に投入される。 また、その側壁１４の下部には燃えかす取り口２１が設けられ、その燃えかす 取り口２１には引手２２が取り付けられたかす取り用蓋２３が開閉自在に備えら れ、燃えカスは適時、燃えかす取り口２１から外部に排出するようになっている 。 更に、主焼却室１１の側面を形成する側壁１４の４面にはそれぞれ、それらの 下部に４箇所づづ一次空気供給口２４が主焼却室１１の内部と連通して設けられ ている。その一次空気供給口２４はブロワー（省略して自然換気にすることも可 能）に接続され、主焼却室１１の内部に空気を送り込み焼却の促進を図るように なっている。 また、主焼却室１１の他方の側壁１４の上下部に空気取入口２５が主焼却室１ １の内側に連通して設けられている。 主焼却室１１の底部には、ステンレス板１５ａ上に敷き詰めた耐火レンガ２６ が備えられている。

【０００７】 前記煙道１２の下部には複数の（この実施例においては４箇所づつ）ブロワー に接続された二次空気供給口２７が、煙道１２の内側と外側に連通して設けられ 、燃焼ガスの再燃焼の促進を図るようになっている。また、排気口２７ａが設け られ、上部の煙突２９とフランジ２８によって連結されている。そして、煙道１ ２の側壁１４には点検口３０が備えられ、その点検口３０には蓋３２が設けられ 、煙道１２の内部点検を行うことができるようになっている。

【０００８】 また、煙道１２に設けられた副燃焼室１３は、図１に示すように、上部にセラ ミック製の仕切り板３３が設けられ、その下部に６本のステンレス製のパイプ３ ４が設けられている。該パイプ３４には図４に示すように、端部を半円状に屈曲 させた鉄筋３６が掛止されている。 そして、鉄筋３６は、煙が通り易いように前記パイプ３４に互いに隙間を設け て掛止され、その下端は煙道１２の底面に接触し、パイプ３４に掛かる負担を軽 減するようになっている。 主焼却室１１の上部の天井には、側壁１４と同じく水冷構造の天井３８が設け られ、焼却炉全体の温度上昇を防止するようになっている。前記排気口２７ａは 該天井３８に取付けられている。

【０００９】 続いて、本考案の第１の実施例に係る焼却炉１０の使用方法について説明する 。 まず、給水口１６から水を側壁１４内に導入し、主焼却室１１の側壁１４内、 煙道１２の側壁１４内、及び煙道１２に取付けた６本のパイプ３４、天井３８内 に満たし、その一部を排水口１７から排水する。そして、引手１９を引いて投入 蓋２０を開け、投入口１８よりタイヤや塗料かすや樹脂等の焼却対象物を主焼却 室１１に投入して燃やす。 その焼却過程においては、一次空気供給口２４に接続したブロアーを駆動して 主焼却室１１内に空気を送り込み焼却の促進を図る。また、空気取入口２５から も外気を主焼却室１１内に取り入れる。

【００１０】 そして、焼却対象物の焼却によって発生した燃焼ガスは煙道１２に入る。その 煙道１２では、熱せられた鉄筋３６の表面の酸化鉄が触媒となり燃焼ガスに含ま れる黒鉛や匂いを低い温度で燃焼させて浄化する。また、低い温度で燃焼するの で、ＮＯｘも減少する。この再燃焼においては二次空気供給口２７に接続された ブロアーを駆動して煙道１２内に適当量の空気を送り込み、燃焼を促進する。ま た、煙道１２における前記鉄筋３６の点検及び交換は、点検口３０の蓋３２を開 けて行うことができる。煙道１２にて再燃焼して浄化された燃焼ガスは、煙突２ ９を介して外に排出される。 更に、鉄筋３６は焼却炉１０の使用によりその表面の酸化が促進され、より燃 焼触媒としての機能が高まる。鉄筋３６が瘠せた場合には鉄筋屈曲部３５をパイ プ３４から外し、他の新たな鉄筋３６に取り替える。

【００１１】 次に、本考案の第２の実施例に係る焼却炉について説明する。 本考案の第２の実施例に係る焼却炉４０は図５に示すように、図１〜３に示す 焼却炉１０の天井３８にその一部が連通された多数のヒートパイプ４１を立設さ せ、そのヒートパイプ４１をステンレス製の通気筒４２にて覆ったものである。 その他の構造については、第１の実施例と同様であるので、同一の番号を付して その詳しい説明を省略する。 前記通気筒４２の一方は導入口４３が形成され、他方には排気口４４が設けら れている。 そして、導入口４３はブロアーに連結され、外気が通気筒４２に送り込まれる ようになっている。また、排気口４４はビニールハウスに連結されて、ブロアー からの外気を排気し、前記ビニールハウスに送り込むようになっている。

【００１２】 続いて、本考案の第２の実施例に係る焼却炉４０の使用方法について説明する が、主焼却室１１によるタイヤや塗料カス等の焼却及び副燃焼室１３による燃焼 ガスの再燃焼方法については、第１の実施例に係る焼却炉１０と同様なものであ るので説明を省略し、ヒートパイプ４１及び通気筒４２の使用方法について説明 する。 主焼却室１１によるタイヤや塗料カス等の焼却及び煙道１２における再燃焼が 行われることによって、天井３８内の水は暖まり、その熱はヒートパイプ４１に よって取り出され、通気筒４２を通過する空気を暖め、ブロアーの駆動により導 入口４３から送り込まれた空気によって排気口４４からビニールハウスに送り込 まれる。 このヒートパイプ４１は、お湯を内部に循環させる場合に比較して保温が必要 なく安いコストで取り付けることができる。 また、この焼却炉４０は、タイヤを焼却することができるので燃料は只同然に 入手可能であると共に、焼却炉４０を使用することによって発生する廃熱の有効 利用を図ることも可能であり、非常に有用性の高いものである。 なお、酸化鉄材の一例として鉄筋３６を使用したが、鉄筋３６に限らず、酸化 した鉄材であれば角柱状等の他の形状にて形成されたものを用いても良い。

【００１３】

【考案の効果】

請求項１及び２記載の焼却炉においては、副燃焼室に酸化鉄材が設けられてい るので、酸素が活性化され、未燃焼ガスを比較的低い温度で再燃焼させることが でき、これによって排気ガスが浄化される。 特に、請求項２記載の焼却炉においては、焼却炉によって発生する熱をヒート パイプを設けて取り出し、通気筒を通過する空気を加熱するようにしているので 、熱源の有効利用が図られ、通気筒内の暖気を利用してビニールハウス等の暖房 対象物を暖房することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例に係る焼却炉の正面図で
ある。

【図２】同平面図である。

【図３】同側面図である。

【図４】パイプに鉄筋を取付けた状態を示す説明図であ
る。

【図５】本考案の第２の実施例に係る焼却炉の正面図で
ある。

【符号の説明】

１０ 焼却炉 １１ 主焼却室 １２ 煙道 １３ 副燃焼室 １４ 側壁 １５ ステンレス板 １５ａ ステンレス板 １６ 給水口 １７ 排水口 １８ 投入口 １９ 投入蓋用引手 ２０ 投入蓋 ２１ 燃えかす取り口 ２２ 引手 ２３ かす取り用蓋 ２４ 一次空気供給口 ２５ 空気取入口 ２６ 耐火レンガ ２７ 二次空気供給口 ２７ａ 排気口 ２８ フランジ ２９ 煙突 ３０ 点検口 ３２ 蓋 ３３ 仕切り板 ３４ パイプ ３５ 鉄筋屈曲部 ３６ 鉄筋 ３８ 天井 ４０ 焼却炉 ４１ ヒートパイプ ４２ 通気筒 ４３ 導入口 ４４ 排気口

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｆ２３Ｇ 7/12 ＺＡＢ Ａ 7815−3Ｋ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 主焼却室と、該主焼却室に連通した煙道
   とを備える焼却炉であって、前記煙道に副燃焼室を設
   け、該副燃焼室の燃焼ガス通路に酸化鉄材を配設したこ
   とを特徴とする焼却炉。
2. 【請求項２】 前記焼却炉の少なくとも天井は、内部に
   水が満たされた箱状体となって、該箱状体には熱を外付
   けされた通気筒に移動させるヒートパイプが設けられて
   いることを特徴とする請求項１記載の焼却炉。