JPH0640222Y2 - ワイヤロープ把握装置 - Google Patents

ワイヤロープ把握装置

Info

Publication number
JPH0640222Y2
JPH0640222Y2 JP4540092U JP4540092U JPH0640222Y2 JP H0640222 Y2 JPH0640222 Y2 JP H0640222Y2 JP 4540092 U JP4540092 U JP 4540092U JP 4540092 U JP4540092 U JP 4540092U JP H0640222 Y2 JPH0640222 Y2 JP H0640222Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire rope
grasping
stopper
lever
operation lever
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP4540092U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH066383U (ja
Inventor
周一 篠畑
Original Assignee
株式会社チルコーポレーション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社チルコーポレーション filed Critical 株式会社チルコーポレーション
Priority to JP4540092U priority Critical patent/JPH0640222Y2/ja
Publication of JPH066383U publication Critical patent/JPH066383U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPH0640222Y2 publication Critical patent/JPH0640222Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Load-Engaging Elements For Cranes (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、ワイヤロープの長手
方向の一部を把握して、これを固定するためのワイヤロ
ープ把握装置に関するもので、特に、このようなワイヤ
ロープ把握装置に備えるワイヤロープの解放機構の改良
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11は、この考案にとって興味ある従
来のワイヤロープ把握装置1の外観を示す正面図であ
り、図12は、ワイヤロープ把握装置1の内部を透視し
て示す正面図である。なお、このワイヤロープ把握装置
1に含まれるワイヤロープ把握機構は、たとえば、特公
昭52−19378号公報および特公昭62−1215
0号公報に開示される「牽引装置の安全装置」において
採用されたワイヤロープ把握機構と同じ原理を有してい
る。
【0003】図11および図12を参照して、ワイヤロ
ープ把握装置1は、ワイヤロープ2を固定すべき対象物
(図示せず)に取付けられるベース部材として機能する
ケース3を備える。ケース3は、シャックル4を介し、
ワイヤロープ2を固定すべき対象物に取付けられる。ワ
イヤロープ2は、ケース3の壁を貫通して設けられたブ
ッシュ5および6内をそれぞれ通って、ケース3内の空
間を横切って延びている。ケース3内には、ワイヤロー
プ2を選択的に把握するための機構が内蔵されている。
【0004】把握機構は、ワイヤロープ2を両側から挟
むように位置する、対をなす第1および第2のクランプ
爪7および8を備える。これらクランプ爪7および8
は、相互に近接・離隔可能に設けられ、近接状態におい
て、ワイヤロープ2を把握し、他方、離隔状態におい
て、ワイヤロープ2を解放する。クランプ爪7および8
には、それぞれの両側において2個ずつ半円軸突起9お
よび10が設けられる。図12では、これら半円軸突起
9および10は、クランプ爪7および8の各々の一方側
面に形成されたもののみが図示されているが、同様の形
状の半円軸突起がクランプ爪7および8の各々の他方側
面にも形成されている。
【0005】相互に対向する1対の半円軸突起9および
10は、把握リンク11および12の各々に設けられた
偏心半円穴13および14に受入れられる。把握リンク
11および12は、ケース3に対してピン15および1
6を介して回動可能に取付けられる。このようにして、
クランプ爪7および8、ならびに2個の把握リンク11
および12は、平行四辺形結合でケース3に対して取付
けられる。
【0006】ピン15および17の各々のまわりには、
ねじりばねの形態とされた把握ばね17が配置される。
この把握ばね17の各端部は、それぞれ、把握リンク1
1および12に固定された突起18および19に当接す
ることにより、把握リンク11および12は、それぞ
れ、ピン15および16を中心として矢印20方向に回
動するように常時付勢される。
【0007】上述した把握リンク11および12の矢印
20方向への回動の結果、偏心半円穴13および14の
各々の図12による垂直方向の径が狭められ、それによ
って、対をなす半円軸突起9および10が相互に近づけ
られ、それに伴い、クランプ爪7および8が相互に近づ
けられる。他方、把握リンク11および12が矢印21
方向に回動されたときには、偏心半円穴13および14
の各々の図12による垂直方向の径が広げられ、対をな
す半円軸突起9および10相互すなわちクランプ爪7お
よび8相互が離隔可能な状態となる。
【0008】把握リンク11および12を矢印21方向
に回動させるため、解放レバー22が、ケース3に対し
てピン23を中心として回動可能に取付けられる。解放
レバー22は、一方の把握リンク12に当接しながら矢
印24方向に回動することにより、把握リンク11およ
び12を矢印21方向に回動させる。
【0009】上述した同じピン23を介して、ケース3
に対し回動可能に操作レバー25が取付けられる。操作
レバー25は、図11に示すように、ケース3の外側に
配置される。
【0010】操作レバー25とピン23とは互いに固定
され、ピン23には、半径方向に突出する係合ピン27
が設けられる。他方、解放レバー22はピン23のまわ
りに回動可能なように取付けられ、解放レバー22に
は、係合ピン27に係合する係合ピン28が、ピン23
と平行に延びるように設けられる。したがって、操作レ
バー25が矢印29方向に回動操作されたとき、この回
動は、解放レバー22に伝達され、これを矢印24方向
へ回動させる。他方、ピン23のまわりには、ねじりば
ね30が配置される。このねじりばね30の一方端は、
ケース3の内面に当接し、他方端は、係合ピン28に当
接する。したがって、解放レバー22は、ねじりばね3
0により、矢印31方向に回動するように常時付勢され
ており、同様に、操作レバー25も、矢印32方向に回
動するように常時付勢されている。
【0011】なお、図12では図示されないが、前述し
た把握リンク11および12ならびに解放レバー22
は、それぞれ、2個ずつ、ケース3の相対向する内面の
各々に沿って配置され、ブッシュ5とブッシュ6との間
のワイヤロープ2の経路と干渉しないようにされる。ワ
イヤロープ2の経路上には、クランプ爪7および8のみ
が配置される。
【0012】次に、このワイヤロープ把握装置1の使用
方法について説明する。
【0013】まず、ワイヤロープ2を固定すべき対象物
に、シャックル4を介して、当該ワイヤロープ把握装置
1が取付けられる。
【0014】次に、ワイヤロープ2が、一方のブッシュ
6からケース3内に挿入される。このとき、操作レバー
25は、矢印29方向に回動するように操作される。こ
れによって、解放レバー22が矢印24方向に回動さ
れ、その結果、解放レバー22が把握リンク12に当接
して、これを矢印21方向に回動させる。これによっ
て、クランプ爪7および8が相互に離隔可能な状態とな
り、互いの間にワイヤロープ2を受入れることが容易に
なる。対をなすクランプ爪7および8の間を通過したワ
イヤロープ2の端部は、もう一方のブッシュ5からケー
ス3外に引出される。この段階では、操作レバー25に
対する操作を解除してもよい。
【0015】ワイヤロープ2は、ブッシュ6側における
有効長さを調節するため、その後、必要に応じて、ブッ
シュ5からさらに引出される。このとき、ワイヤロープ
2に接触するクランプ爪7および8は、把握リンク11
および12を矢印21方向に回動させるため、このよう
なブッシュ5からのワイヤロープ2の引出しは円滑に行
なうことができる。
【0016】上述のようにワイヤロープ2がクランプ爪
7および8の間に挿入された状態で、ワイヤロープ2が
矢印33方向へ引張られると、クランプ爪7および8
は、ワイヤロープ2との接触による摩擦力により、同じ
く矢印33方向へ移動しようとする。これに応じて、把
握リンク11および12は、矢印20方向へ回動し、ク
ランプ爪7および8相互の間隔を狭めるように作用す
る。その結果、クランプ爪7および8が、ワイヤロープ
2を強固に把握する。すなわち、ワイヤロープ2が矢印
33方向に移動しようとすればするほど、クランプ爪7
および8は、ワイヤロープ2をますます強く把握するこ
とになり、クランプ爪7および8の間からワイヤロープ
2が抜出ることなく、クランプ爪7および8によってワ
イヤロープ2を確実に把握することができる。
【0017】他方、ワイヤロープ2を、このワイヤロー
プ把握装置1から引抜きたい場合には、操作レバー25
が、矢印29方向へ回動するように再び操作される。こ
れによって、前述したワイヤロープ2を挿入する場合と
同様、クランプ爪7および8が相互に離隔可能な状態と
なり、ワイヤロープ2を容易に抜取ることができる。
【0018】
【考案が解決しようとする課題】上述したようなワイヤ
ロープ把握装置1において、ワイヤロープ2を挿入しよ
うとする場合、一方の手で操作レバー25を操作しなが
ら、他方の手でワイヤロープ2を挿入しなければならな
いため、このような作業は、それほど容易ではない。特
に、ワイヤロープ把握装置1が、適宜の固定面上に置か
れているのではなく、シャックル4を介して吊下げられ
ている場合のように、宙に浮いた状態とされている場合
には、ワイヤロープ把握装置1の位置が定まらず、上述
したような作業が一層困難となる。同様のことが、ワイ
ヤロープ2を引出す場合についてもいえる。
【0019】したがって、このようなワイヤロープ把握
装置1によれば、上述したように、ワイヤロープ2の挿
入および引出し作業が容易ではないことから、作業効率
を向上させることは容易ではない。
【0020】また、ワイヤロープ把握装置1がワイヤロ
ープ2を把握した状態、すなわちワイヤロープ2に負荷
がかかっている状態において、操作レバー25に対し
て、外力や振動などが不用意に作用した場合、クランプ
爪7および8相互の間隔が強制的に広げられることがあ
り、極めて危険である。
【0021】それゆえに、この考案の目的は、上述した
ような技術的課題を解決し、操作性および安全性の向上
が図られたワイヤロープ把握装置を提供しようとするこ
とである。
【0022】
【課題を解決するための手段】この考案は、前述した従
来のワイヤロープ把握装置と同様、ワイヤロープを固定
すべき対象物に取付けられるベース部材と、前記ワイヤ
ロープを両側から挟むように位置しかつ相互に近接・離
隔可能に設けられる対をなす第1および第2のクランプ
爪と、前記ベース部材に対して回動可能に取付けられか
つその一方向への回動により前記第1および第2のクラ
ンプ爪を相互に近接させるとともにその他方向への回動
により前記第1および第2のクランプ爪を相互に離隔可
能な状態とする把握リンクと、前記把握リンクを前記一
方向へ回動させるように常時付勢する把握ばねと、前記
ベース部材に対して回動可能に取付けられかつその一方
向への回動により前記把握リンクに当接してこれを前記
他方向へ回動させる解放レバーと、前記ベース部材に対
して回動可能に取付けられるものであって前記解放レバ
ーに回動を与えるための操作レバーとを備える、ワイヤ
ロープ把握装置に向けられるものであって、上述した技
術的課題を解決するため、次のような構成を備えること
を特徴としている。
【0023】すなわち、前記操作レバーには、当該操作
レバーの回動支点から放射方向に延びる経路に沿って移
動可能なストッパピンと、前記ストッパピンを一方向へ
移動させるように常時付勢するストッパばねと、前記ス
トッパピンを前記ストッパばねの弾性に抗して移動操作
するためのノブとが設けられる。また、前記ベース部材
には、前記ストッパばねの付勢により移動された前記ス
トッパピンの動きを規制することによって、前記解放レ
バーが、前記把握リンクに当接してこれを前記他方向に
回動させる解放位置と前記把握リンクから離れこれを前
記一方向へ回動可能な状態とする把握位置とに選択的に
保持されるように、前記操作レバーの位置を選択的に固
定するためのストッパ部材が設けられる。
【0024】
【作用】この考案において、操作レバーは、そこに設け
られるストッパピンとベース部材に設けられるストッパ
部材との作用により、ノブを操作しない限り、その位置
が固定される。このような操作レバーの位置の固定によ
り、解放レバーも、前述した解放位置と把握位置とに選
択的に保持されることができる。
【0025】
【考案の効果】したがって、この考案によれば、解放レ
バーをたとえば解放位置にもたらすように、操作レバー
を回動操作すれば、操作レバーはその位置に固定される
ため、操作レバーから手を離したとしても、解放レバー
も解放位置に保持されることができる。そのため、ワイ
ヤロープの挿入および引出し作業を行なうことが極めて
容易になり、ワイヤロープ把握装置の操作性が向上され
る。
【0026】また、ワイヤロープの挿入および引出しの
ための作業時間を短縮でき、作業効率が向上される。
【0027】また、解放レバーをたとえば把握位置にも
たらすように、操作レバーを回動すれば、操作レバーは
その位置に固定され、それに応じて、解放レバーも把握
位置に保持される。したがって、ワイヤロープを把握し
ている状態、すなわちワイヤロープに負荷がかかってい
る状態において、操作レバーが解放レバーを解放位置に
もたらすように不用意に回動されることがなく、ワイヤ
ロープ把握装置を極めて安全性の高いものとすることが
できる。
【0028】
【実施例】図1ないし図10は、この考案の一実施例に
よるワイヤロープ把握装置1aを説明するためのもので
ある。ここに、図1は、前述した図12に対応する内部
機構を透視して示したワイヤロープ把握装置1aの正面
図であり、図7ないし図10は、前述した図11に対応
するワイヤロープ把握装置1aの外観を示す正面図であ
り、それぞれ異なる状態を示している。また、図2およ
び図3は、ワイヤロープ把握装置1aの内部機構を透視
して示した、それぞれ、平面図および右側面図である。
【0029】このワイヤロープ把握装置1aは、前述し
た従来のワイヤロープ把握装置1と共通する要素を多く
含んでいる。したがって、図1ないし図10において、
これら共通する要素には、図11および図12で用いた
参照符号を同様に用いることにする。
【0030】ワイヤロープ把握装置1aは、ワイヤロー
プ2を固定すべき対象物(図示せず)に取付けられるベ
ース部材として機能するケース3を備える。ケース3
は、シャックル4を介して対象物に取付けられる。ケー
ス3の壁を貫通する状態でブッシュ5および6がそれぞ
れ設けられる。ワイヤロープ2は、ブッシュ5および6
を通って案内され、ケース3の内部空間を横切る。
【0031】ワイヤロープ2を両側から挟むように、対
をなす第1および第2のクランプ爪7および8が位置さ
れる。これらクランプ爪7および8は、相互に近接・離
隔可能である。クランプ爪7および8には、それぞれの
両側面において2個ずつ半円軸突起9および10が設け
られる。
【0032】上述した相互に対向する半円軸突起9およ
び10の各対は、把握リンク11および12の各々に形
成された偏心半円穴13および14にそれぞれ受入れら
れる。これら把握リンク11および12は、ケース3に
対してピン15および16を介してそれぞれ回動可能に
取付けられる。これら把握リンク11および12は、図
2に示されるように、それぞれ、一体に動作する2つの
部分からなり、これら部分は、互いの間に間隔を形成し
ながら、ケース3の相対向する内面の各々に沿って配置
される。
【0033】このようにして、クランプ爪7および8な
らびに把握リンク11および12は、平行四辺形結合で
ケース3に対して取付けられる。把握リンク11および
12が矢印20方向に回動すれば、偏心半円穴13およ
び14の各々の図1による垂直方向の径が狭められ、そ
れによって、対をなす半円軸突起9および10が相互に
近づけられ、その結果、対をなすクランプ爪7および8
が相互に近づけられる。他方、把握リンク11および1
2が矢印21方向に回動すれば、偏心半円穴13および
14の各々の図1による垂直方向の径が広げられ、それ
によって、対をなす半円軸突起9および10相互、すな
わち対をなすクランプ爪7および8相互が離隔可能な状
態とされる。
【0034】前述したピン15および16の各々のまわ
りには、ねじりばねの形態をなす把握ばね17が配置さ
れ、この把握ばね17の各端部は、それぞれ把握リンク
11および12に固定された突起18および19に当接
される。これによって、把握リンク11および12は、
前述した矢印20方向へ回動するように常時付勢され
る。
【0035】上述した把握ばね17は、この実施例で
は、ピン15のまわりからピン16のまわりにまで一体
に延びる単一のばねにより構成されたが、ピン15およ
び16の各々に関連して別々のばねが配置されても、ま
た、ねじりばね以外の形態のばねが用いられてもよい。
【0036】解放レバー22が、ケース3に対してピン
23を介して回動可能に取付けられる。解放レバー22
は、図2および図3に示されているように、一体に動作
する2つの部分からなり、これら部分は、互いの間に間
隔を形成しながら、ケース3の相対向する内面に沿って
配置される。解放レバー22は、矢印24方向への回動
により、把握リンク12に当接して、把握リンク11お
よび12を矢印21方向へ回動させる。
【0037】上述した解放レバー22に回動を与えるた
め、操作レバー25が、同じピン23を介してケース3
に回動可能に取付けられる。この実施例では、操作レバ
ー25とピン23とが互いに固定され、ピン23のまわ
りに回動可能なように解放レバー22が配置される。
【0038】操作レバー25と一体に回動するピン23
には、半径方向に突出する係合ピン27が設けられる。
他方、解放レバー22には、係合ピン27に係合し得る
係合ピン28が設けられる。したがって、操作レバー2
5が矢印29方向へ回動するように操作されたとき、係
合ピン27から係合ピン28へ動作が伝達され、解放レ
バー22が矢印24方向に回動される。ピン23のまわ
りには、ねじりばね30が配置される。ねじりばね30
の一方端は、ケース3の内面に当接し、他方端は、係合
ピン28に当接する。したがって、ねじりばね30は、
解放レバー22を矢印31方向へ回動させるように常時
付勢し、また、係合ピン28の係合ピン27への当接に
より、操作レバー25を矢印32方向へ回動させるよう
に付勢している。
【0039】以上述べた構成は、従来のワイヤロープ把
握装置1に備える構成と実質的に同様である。以下に、
この考案の実施例によるワイヤロープ把握装置1aに特
有の構成について説明する。
【0040】図4は、操作レバー25を単独で示す底面
図であり、図5は、同じく操作レバー25を単独で正面
から示す断面図である。
【0041】操作レバー25は、管状部34を備え、管
状部34には、操作レバー25の回動支点から放射方向
に延びる長穴35が設けられる。管状部34内には、ス
ライド可能にスライドブロック36が配置され、スライ
ドブロック36には、長穴35を通って管状部34の外
部に突出するストッパピン37が設けられる。ストッパ
ピン37は、長穴35の延びる方向に移動可能である。
管状部34の自由端部には、エンドピース38が装着さ
れ、このエンドピース38とスライドブロック36との
間には、圧縮ばねで与えられたストッパばね39が配置
される。このストッパばね39は、ストッパピン37が
操作レバー25の回動支点に向かって移動するように常
時付勢している。
【0042】また、スライドブロック36には、ノブ4
0が設けられ、管状部34には、ノブ40を移動可能に
受入れる長穴41が設けられる。ノブ40は、ストッパ
ピン37をストッパばね39の弾性に抗して移動操作す
るためのものである。
【0043】操作レバー25とケース3との間に挟まれ
るように、ストッパ部材42がケース3に取付けられ
る。ストッパ部材42の形状は、図6によく示されてい
る。ストッパ部材42は、上述したストッパばね39の
付勢により移動されたストッパピン37の動きを規制す
ることによって、操作レバー25の位置を選択的に固定
するためのものである。すなわち、ストッパ部材42
は、図6に示すように、操作レバー25を解放位置43
と把握位置44とに選択的に固定するため、ストッパピ
ン37が当接する第1および第2の当接面45および4
6を備える。
【0044】ストッパピン37が第1の当接面45に当
接することによって、操作レバー25が解放位置43に
固定されたとき、解放レバー22は、把握リンク12に
当接してこれを矢印21方向に回動させている。この状
態は、対をなすクランプ爪7および8が相互に離隔可能
な状態に相当する。他方、ストッパピン37が第2の当
接面46に当接することによって、操作レバー25が把
握位置44に固定されたとき、解放レバー22は、把握
リンク12から離れこれを矢印20方向へ回動可能な状
態とする。この状態は、対をなすクランプ爪7および8
が相互に近接した状態に相当する。これらの状態は、い
ずれも、ストッパピン37を第1または第2の当接面4
5または46から離さない限り維持される。
【0045】ストッパ部材42の第1および第2の当接
面45および46の間には、案内面47が形成される。
ストッパピン37は、この案内面47上をスライドしな
がら、第1の当接面45から第2の当接面46へ、およ
びその逆に移動する。前述したノブ40は、ストッパピ
ン37を第1または第2の当接面45または46から離
すときに操作される。これによって、操作レバー25
は、解放位置43と把握位置44との間で回動可能な状
態となるが、このような回動の途中では、ノブ40を操
作し続ける必要がない。ストッパピン37は案内面47
上をスライドしながら移動し、操作レバー25が解放位
置43または把握位置44に達したときには、ストッパ
ピン37はストッパばね39の作用により、自動的に第
1または第2の当接面45または46に当接する状態に
強制される。
【0046】次に、ワイヤロープ把握装置1aの使用方
法について説明する。
【0047】まず、このワイヤロープ把握装置1aは、
ワイヤロープ2を固定すべき対象物にシャックル4を介
して取付けられる。
【0048】次に、図7に示すように、操作レバー25
が解放位置43(図6)をとるように回動される。この
とき、操作レバー25は、たとえば左手で握られ、その
初期の段階では、この左手の親指でノブ40を引寄せる
ように操作される。操作レバー25の解放位置43は、
ストッパピン37がストッパ部材42の第1の当接面4
5に当接することによって維持される。
【0049】また、挿入するワイヤロープ2の端部が、
図7に示すように、一方のブッシュ6に対向する位置に
もたらされる。このワイヤロープ2は、たとえば右手に
よって握られる。
【0050】次に、図8に示すように、ワイヤロープ2
が、一方のブッシュ6からケース3内に挿入され、他方
のブッシュ5から引出される。このとき、解放位置43
に維持された操作レバー25は、解放レバー22を介し
て把握リンク11および12を矢印21(図1)方向に
回動させており、対をなすクランプ爪7および8が相互
に離隔可能な状態とされているので、ワイヤロープ2
は、これらクランプ爪7および8の間に容易に挿入する
ことができる。図8に示すように、ワイヤロープ2が挿
入された状態で、ワイヤロープ把握装置1aとワイヤロ
ープ2との位置関係が調節されることによって、ワイヤ
ロープ2の有効長さが所望のごとく調節される。
【0051】次に、操作レバー25がたとえば左手によ
り握られ、その初期の段階において、ノブ40が親指に
よって操作される。これによって、ストッパピン37は
第1の当接面45から離れ、操作レバー25を矢印32
(図1)方向に回動させたとき、図9に示すように、ス
トッパピン37は案内面47上に位置する状態となる。
【0052】操作レバー25がさらに矢印32方向へ回
動されたとき、図10に示すように、ストッパピン37
は第2の当接面46に当接するようにストッパばね39
(図4および図5)により強制され、操作レバー25
は、把握位置44(図6)に固定される。なお、この実
施例では、ねじりばね30(図1)がピン23のまわり
に配置され、解放レバー22および操作レバー25をそ
れぞれ矢印31および32方向へ回動するように付勢し
ているので、図9に示した状態が得られれば、自動的
に、図10に示す状態とされることができる。
【0053】図10に示した状態では、解放レバー22
が把握リンク12から離れ、把握リンク11および12
が矢印20方向へ回動可能である。したがって、把握ば
ね17の付勢により、把握リンク11および12が矢印
20方向に回動された結果、対をなすクランプ爪7およ
び8が相互に近接し、互いの間にワイヤロープ2が挟ま
れる。この状態において、ワイヤロープ2に負荷がかか
ったとき、ワイヤロープ2は矢印33(図1)方向に移
動しようとするが、クランプ爪7および8は、ワイヤロ
ープ2との接触による摩擦力により、同じく矢印33方
向へ移動しようとする。その結果、把握リンク11およ
び12は、矢印20方向に回動し、クランプ爪7および
8の間隔がさらに狭まり、ワイヤロープ2はクランプ爪
7および8によりさらに強固に把握される。
【0054】他方、図10に示したワイヤロープ2の把
握状態からワイヤロープ2を引出すには、前述した操作
とは逆の操作に従って、図9に示した状態を経て、図8
に示すように、操作レバー25が解放位置43(図6)
にもたらされる。これによって、解放レバー22は、矢
印24方向へ回動し、把握リンク12を矢印21方向へ
回動させる。その結果、対をなすクランプ爪7および8
が相互に離隔可能な状態となり、ワイヤロープ2をワイ
ヤロープ把握装置1aから容易に引抜くことができる。
【0055】以上、この考案を、図示した実施例に関連
して説明したが、この考案の範囲内において、種々の変
形または変更が可能である。
【0056】たとえば、図示の実施例では、操作レバー
25と解放レバー22とが一体に回動するようにするた
め、各々に関連して係合ピン27および28が設けら
れ、さらにねじりばね30がピン23のまわりに配置さ
れたが、操作レバー25と解放レバー22とが互いに機
械的に固定されてもよい。また、ねじりばね30が省略
されてもよい。
【0057】また、図示の実施例では、ストッパピン3
7がピン23に近づく方向に移動したとき、ストッパ部
材42の第1および第2の当接面45および46に当接
するように構成されたが、たとえばストッパ部材の当接
面の向きを変えるなどして、ストッパピン37がピン2
3から離れる方向に移動したとき、当接面に当接するよ
うにしてもよい。
【0058】また、ケース3は、ベース部材として機能
するものであったが、ベース部材は、ケースの形態をな
さないものに置換えられてもよい。
【0059】また、把握リンクとクランプ爪との結合関
係は、図示の実施例のようなものには限らず、他のもの
に置換えることもできる。また、把握リンクの数は任意
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の一実施例によるワイヤロープ把握装
置1aを示す、内部機構を透視した正面図である。
【図2】図1に示したワイヤロープ把握装置1aを示
す、内部機構を透視した平面図である。
【図3】図1に示したワイヤロープ把握装置1aを示
す、内部機構を透視した右側面図である。
【図4】ワイヤロープ把握装置1aに備える操作レバー
25を単独で示す底面図である。
【図5】ワイヤロープ把握装置1aに備える操作レバー
25の断面を示す正面図である。
【図6】ワイヤロープ把握装置1aに備えるストッパ部
材42を示す正面図である。
【図7】ワイヤロープ2が挿入直前状態にあるワイヤロ
ープ把握装置1aを示す正面図である。
【図8】ワイヤロープ2が挿入直後状態にあるワイヤロ
ープ把握装置1aを示す正面図である。
【図9】ワイヤロープ2の解放状態と把握状態との中間
の状態にあるワイヤロープ把握装置1aを示す正面図で
ある。
【図10】ワイヤロープ2が把握状態にあるワイヤロー
プ把握装置1aを示す正面図である。
【図11】従来のワイヤロープ把握装置1を示す正面図
である。
【図12】図11に示したワイヤロープ把握装置1を示
す、内部機構を透視した正面図である。
【符号の説明】 1a ワイヤロープ把握装置 2 ワイヤロープ 3 ケース(ベース部材) 4 シャックル 7,8 クランプ爪 9,10 半円軸突起 11,12 把握リンク 13,14 偏心半円穴 15,16,23 ピン 17 把握ばね 18,19 突起 22 解放レバー 25 操作レバー 27,28 係合ピン 35 長穴 36 スライドブロック 37 ストッパピン 39 ストッパばね 40 ノブ 41 長穴 42 ストッパ部材 43 解放位置 44 把握位置 45,46 当接面

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤロープを固定すべき対象物に取付
    けられるベース部材と、 前記ワイヤロープを両側から挟むように位置しかつ相互
    に近接・離隔可能に設けられる対をなす第1および第2
    のクランプ爪と、 前記ベース部材に対して回動可能に取付けられかつその
    一方向への回動により前記第1および第2のクランプ爪
    を相互に近接させるとともにその他方向への回動により
    前記第1および第2のクランプ爪を相互に離隔可能な状
    態とする把握リンクと、 前記把握リンクを前記一方向へ回動させるように常時付
    勢する把握ばねと、 前記ベース部材に対して回動可能に取付けられかつその
    一方向への回動により前記把握リンクに当接してこれを
    前記他方向へ回動させる解放レバーと、 前記ベース部材に対して回動可能に取付けられるもので
    あって前記解放レバーに回動を与えるための操作レバー
    とを備える、ワイヤロープ把握装置において、 前記操作レバーには、当該操作レバーの回動支点から放
    射方向に延びる経路に沿って移動可能なストッパピン
    と、前記ストッパピンを一方向へ移動させるように常時
    付勢するストッパばねと、前記ストッパピンを前記スト
    ッパばねの弾性に抗して移動操作するためのノブとが設
    けられ、 前記ベース部材には、前記ストッパばねの付勢により移
    動された前記ストッパピンの動きを規制することによっ
    て、前記解放レバーが、前記把握リンクに当接してこれ
    を前記他方向に回動させる解放位置と前記把握リンクか
    ら離れこれを前記一方向へ回動可能な状態とする把握位
    置とに選択的に保持されるように、前記操作レバーの位
    置を選択的に固定するためのストッパ部材が設けられた
    ことを特徴とする、ワイヤロープ把握装置。
JP4540092U 1992-06-30 1992-06-30 ワイヤロープ把握装置 Expired - Lifetime JPH0640222Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4540092U JPH0640222Y2 (ja) 1992-06-30 1992-06-30 ワイヤロープ把握装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4540092U JPH0640222Y2 (ja) 1992-06-30 1992-06-30 ワイヤロープ把握装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH066383U JPH066383U (ja) 1994-01-25
JPH0640222Y2 true JPH0640222Y2 (ja) 1994-10-19

Family

ID=12718210

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4540092U Expired - Lifetime JPH0640222Y2 (ja) 1992-06-30 1992-06-30 ワイヤロープ把握装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0640222Y2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109879135A (zh) * 2019-02-28 2019-06-14 云南升华电梯有限公司 可变速限速器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109879135A (zh) * 2019-02-28 2019-06-14 云南升华电梯有限公司 可变速限速器

Also Published As

Publication number Publication date
JPH066383U (ja) 1994-01-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0424307B1 (en) A rope gripping device
JP4795678B2 (ja) ラチェット式結束工具
US20060226588A1 (en) Quick release bar clamp
US4433569A (en) Crimping tongs
TWI600484B (zh) 具有用以致動快拆鏈條緊固件之裝置的多功能工具
JPH1066619A (ja) コードロック
US4625379A (en) Retaining ring tool
GB2204264A (en) A sliding jaw clamp
JPS62701B2 (ja)
JP7231167B2 (ja) 安全器
JPH0640222Y2 (ja) ワイヤロープ把握装置
EP1324448A3 (en) Cable-stripping pliers
CN114470613B (zh) 臂力器
WO2018083807A1 (ja) 切断工具
EP4327996A1 (en) Optical fiber cutting device
EP2900425A1 (en) Replaceable jaw members for pliers
JP2001311454A (ja) ロープグリッパー
US20150183094A1 (en) Replaceable jaw members for pliers
JP2913252B2 (ja) スパナ
JP2003225480A (ja) 線材用カッター
KR102647746B1 (ko) 그립 공구
JPS6218389Y2 (ja)
JP3670100B2 (ja) 車両のキーシリンダロック装置
SU1006203A1 (ru) Устройство дл разборки деталей
SU1495121A1 (ru) Сборочно-захватное устройство

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19950404

EXPY Cancellation because of completion of term