JPH0640157B2 - 放射性廃棄物固化方法 - Google Patents
放射性廃棄物固化方法Info
- Publication number
- JPH0640157B2 JPH0640157B2 JP17174385A JP17174385A JPH0640157B2 JP H0640157 B2 JPH0640157 B2 JP H0640157B2 JP 17174385 A JP17174385 A JP 17174385A JP 17174385 A JP17174385 A JP 17174385A JP H0640157 B2 JPH0640157 B2 JP H0640157B2
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- Japan
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- radioactive waste
- solidified
- phosphate
- alkali
- waste
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、原子力発電所などから発生する粉体、固体状
放射性廃棄物の安定固定化(固化)方法に関するもので
ある。
放射性廃棄物の安定固定化(固化)方法に関するもので
ある。
(従来の技術) 従来、これら放射性廃棄物は、セメント,アスフアルト
等で固化した後、保管されている。このうち、セメント
固化体については多孔質であるため、浸水した場合に放
射性核種の浸出量が多い欠点がある。
等で固化した後、保管されている。このうち、セメント
固化体については多孔質であるため、浸水した場合に放
射性核種の浸出量が多い欠点がある。
さらに、減容比が高くとれないばかりでなく、結晶水を
含むため、強熱時、割れ等が発生する欠点がある。
含むため、強熱時、割れ等が発生する欠点がある。
アスフアルト固化体については膨潤することがあり、ま
た耐熱,耐火性に関しては期待できないという欠点があ
る。
た耐熱,耐火性に関しては期待できないという欠点があ
る。
近年、尿素樹脂等プラスチックポリマーによる固化法も
提案されているが、石炭/石油化学合成物質であるた
め、高価で、かつ数十〜数百年にわたる安定性という点
において信頼性が乏しいと言われている。さらに、これ
らは高分子物質であるため、放射線劣化が生じる等の欠
点を有している。
提案されているが、石炭/石油化学合成物質であるた
め、高価で、かつ数十〜数百年にわたる安定性という点
において信頼性が乏しいと言われている。さらに、これ
らは高分子物質であるため、放射線劣化が生じる等の欠
点を有している。
一方、特に高レベル放射性廃棄物を対象とし、ケイ酸及
びアルカリ金属塩等と加熱溶融のガラス状物質として固
化する方法もあるが、エネルギーコストが高く、操作が
複雑である等の欠点を有する。
びアルカリ金属塩等と加熱溶融のガラス状物質として固
化する方法もあるが、エネルギーコストが高く、操作が
複雑である等の欠点を有する。
最近、ケイ酸塩粉末をアルカリ水溶液とともに熱水条件
下で圧縮すれば、水熱反応により放射性廃棄物が容易に
人造岩石化できることが報告・提案されている(特願昭
57-231250号明細書、同59-10868号明細書、特開昭58-16
5100号公報、特開昭58-204395号公報)。
下で圧縮すれば、水熱反応により放射性廃棄物が容易に
人造岩石化できることが報告・提案されている(特願昭
57-231250号明細書、同59-10868号明細書、特開昭58-16
5100号公報、特開昭58-204395号公報)。
しかし、本方法では水が反応に関与するため強度、密度
等は充分であるが、多孔質に近いため、浸出率はやや大
きいという欠点がある。
等は充分であるが、多孔質に近いため、浸出率はやや大
きいという欠点がある。
特に、加圧水型原子力発電所から発生するほう酸主体の
廃棄物、沸騰水型原子力発電所から発生する硫酸ナトリ
ウムが主体の廃棄物については、本固化法においては特
に浸出率が大きいという欠点があつた。
廃棄物、沸騰水型原子力発電所から発生する硫酸ナトリ
ウムが主体の廃棄物については、本固化法においては特
に浸出率が大きいという欠点があつた。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、放射性廃棄物を最終処分に耐えられる安定し
た固化体に転換する方法を提供するもので、操作が簡単
で、コストの安い上記方法を創出するものである。
た固化体に転換する方法を提供するもので、操作が簡単
で、コストの安い上記方法を創出するものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、前述した問題点を解決するために、水熱
固化体を改質改善する目的で種々の添加剤を供試した結
果、リン酸の添加が耐水性(水に溶出せず、形がくずれ
ないこと)、溶出性(核種が、浸漬液中へ溶出しないこ
と)の改善に著効を奏することを見出し、本発明を提案
するに至つた。
固化体を改質改善する目的で種々の添加剤を供試した結
果、リン酸の添加が耐水性(水に溶出せず、形がくずれ
ないこと)、溶出性(核種が、浸漬液中へ溶出しないこ
と)の改善に著効を奏することを見出し、本発明を提案
するに至つた。
本発明は、放射性廃棄物を二酸化ケイ素を主成分とする
固化基質の存在下でアルカリ水熱反応を用いて固化する
方法において、アルカリとしてアルカリ土類金属水酸化
物を用い、さらにリン酸塩を添加することを特徴とする
放射性廃棄物固化方法に関する。
固化基質の存在下でアルカリ水熱反応を用いて固化する
方法において、アルカリとしてアルカリ土類金属水酸化
物を用い、さらにリン酸塩を添加することを特徴とする
放射性廃棄物固化方法に関する。
本発明における固化対象たる放射性廃棄物としては、例
えば次のものがあげられる。加圧水型原子力発電所の一
般的廃棄物はホウ酸(H3BO3)であり、これをpH調整後、
焼却またはか焼すればNa2B4O7(いわゆるホウ砂)とな
る。また沸騰水型原子力発電所の一般的廃棄物はほう硝
(Na2SO4)である。通常、これらが主成分であり、残り
数%がFe,Mn,SiO2,有機物などである。
えば次のものがあげられる。加圧水型原子力発電所の一
般的廃棄物はホウ酸(H3BO3)であり、これをpH調整後、
焼却またはか焼すればNa2B4O7(いわゆるホウ砂)とな
る。また沸騰水型原子力発電所の一般的廃棄物はほう硝
(Na2SO4)である。通常、これらが主成分であり、残り
数%がFe,Mn,SiO2,有機物などである。
本発明においては、上記放射性廃棄物とアルカリ水熱反
応を惹起せしめるためのアルカリとして、アルカリ土類
金属水酸化物、具体的には、Ca(OH)2,Sr(OH)2,Ba(OH)2
等を用い、更にこれに加えて、アルカル土類金属と難溶
性塩を形成するリン酸塩を添加することを特徴とする。
応を惹起せしめるためのアルカリとして、アルカリ土類
金属水酸化物、具体的には、Ca(OH)2,Sr(OH)2,Ba(OH)2
等を用い、更にこれに加えて、アルカル土類金属と難溶
性塩を形成するリン酸塩を添加することを特徴とする。
このリン酸塩としては、Na5PO4,Na2HPO4,CaHPO4,Ca5(PO
4)2,Ca5(PO4)3・OH等を使用することができる。
4)2,Ca5(PO4)3・OH等を使用することができる。
また、本発明においては、放射性廃棄物を封じこめる母
体を形成する固化基質に、二酸化ケイ素を主成分とする
粉体、具体的にはシラス,珪石,石英、クリノプチロラ
イト,モルデナイト,花コウ岩,ソーダガラス,ホウケ
イ酸ガラス,フライアツシユ,白土などを用いる。
体を形成する固化基質に、二酸化ケイ素を主成分とする
粉体、具体的にはシラス,珪石,石英、クリノプチロラ
イト,モルデナイト,花コウ岩,ソーダガラス,ホウケ
イ酸ガラス,フライアツシユ,白土などを用いる。
本発明では、上記の固化基質を全体の20〜50重量
%、上記したCa(OH)2,Sr(OH)2,Ba(OH)2などのアルカリ
土類金属水酸化物を0.2〜1モル/kgの割合となるよう
添加し、更にリン酸塩を全体の5〜10重量%添加し、
残量を被固化物である放射性廃棄物とするが、該廃棄物
の量は10〜50重量%とすることが望ましい。
%、上記したCa(OH)2,Sr(OH)2,Ba(OH)2などのアルカリ
土類金属水酸化物を0.2〜1モル/kgの割合となるよう
添加し、更にリン酸塩を全体の5〜10重量%添加し、
残量を被固化物である放射性廃棄物とするが、該廃棄物
の量は10〜50重量%とすることが望ましい。
上述した割合で混合した粉体を、第1図に示すように周
囲に加熱装置1を具備したシリンダ2内に装てんし、ピ
ストン押し棒3及びピストン4にて例えば油圧シリンダ
(図示省略)により、加圧した後、昇温する。圧力は10
0〜500kg/cm2、好ましくは250〜500kg/cm2、温度
は150〜400℃、好ましくは250〜350℃とす
る。
囲に加熱装置1を具備したシリンダ2内に装てんし、ピ
ストン押し棒3及びピストン4にて例えば油圧シリンダ
(図示省略)により、加圧した後、昇温する。圧力は10
0〜500kg/cm2、好ましくは250〜500kg/cm2、温度
は150〜400℃、好ましくは250〜350℃とす
る。
この条件で10〜30分間保持すると、次の作用が発現
する。
する。
(作用) まず、添加したアルカリ土類金属水酸化物は熱水条件下
で例えば次のように解離する。
で例えば次のように解離する。
Ba(OH)2Ba2++2OH- 解離した水酸基は、固化基質の主成分であるSiO2を攻撃
し、SiO8 2-を生成させ、これら廃棄物中の金属成分と結
合する。
し、SiO8 2-を生成させ、これら廃棄物中の金属成分と結
合する。
さらに、Ba2+は、同時に添加したリン酸塩とリン酸バリ
ウムの難溶性塩を形成する。なお、アルカリ土類金属水
酸化物としてCa(OH)2、リン酸塩としてリン酸カルシウ
ムを用いた場合においても結晶の再配列(すなわち、Si
O2とアルカリとの反応生成物であるSiO6 2-と廃棄物とが
反応し、またアルカリとリン酸とが反応し、新たな化合
物が生成することをいう)、粗大化(すなわち、廃棄
物、SiO2,リン酸,アルカリの各粒子が独立して存在
し、空隙があつたものが、上記の結晶の再配列により生
じた新たな化合物により空隙が削減することをいう)が
生起し、竪固で安定な固化体が得られる。
ウムの難溶性塩を形成する。なお、アルカリ土類金属水
酸化物としてCa(OH)2、リン酸塩としてリン酸カルシウ
ムを用いた場合においても結晶の再配列(すなわち、Si
O2とアルカリとの反応生成物であるSiO6 2-と廃棄物とが
反応し、またアルカリとリン酸とが反応し、新たな化合
物が生成することをいう)、粗大化(すなわち、廃棄
物、SiO2,リン酸,アルカリの各粒子が独立して存在
し、空隙があつたものが、上記の結晶の再配列により生
じた新たな化合物により空隙が削減することをいう)が
生起し、竪固で安定な固化体が得られる。
(実施例) 模擬廃棄物としてH3BO2及びNa2SO4を混合後、全重量比
15%の割合で添加し、アルカリ土類金属水酸化物とし
てCa(OH)2又はBa(OH)2を重量比17%添加し、リン酸塩
ここではNa5PO4・12H2OをNa5PO4としての重量比6%で
添加し、残部を固化基質としてのガラス粉末を添加して
混練した。
15%の割合で添加し、アルカリ土類金属水酸化物とし
てCa(OH)2又はBa(OH)2を重量比17%添加し、リン酸塩
ここではNa5PO4・12H2OをNa5PO4としての重量比6%で
添加し、残部を固化基質としてのガラス粉末を添加して
混練した。
比較のためにリン酸塩を添加しない上記混練物をも調製
し、両混練物を温度250℃、圧力440kg/cm210分
間第1図に示す態様で水熱反応させた。第1図中、1は
ヒータ、2はシリンダ、3はピストン押し棒、4はピス
トン、5は試料である。
し、両混練物を温度250℃、圧力440kg/cm210分
間第1図に示す態様で水熱反応させた。第1図中、1は
ヒータ、2はシリンダ、3はピストン押し棒、4はピス
トン、5は試料である。
得られた両固化物を100℃、10時間煮沸し、両固化
物の重量減少を調べた。
物の重量減少を調べた。
結果を第2図に示す。この図から明らかなように、リン
酸塩の添加の効果は著しく、無添加の場合に比べて重量
減少は約1/9である。
酸塩の添加の効果は著しく、無添加の場合に比べて重量
減少は約1/9である。
第1図は本発明の一実施態様例を示す図、第2図は本発
明の効果を示す図である。
明の効果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柏井 俊彦 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 宮本 均 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 船越 俊夫 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (56)参考文献 特開 昭59−75196(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】放射性廃棄物を二酸化ケイ素を主成分とす
る固化基質の存在下でアルカリ水熱反応を用いて固化す
る方法において、アルカリとしてアルカリ土類金属水酸
化物を用い、さらにリン酸塩を添加することを特徴とす
る放射性廃棄物固化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17174385A JPH0640157B2 (ja) | 1985-08-06 | 1985-08-06 | 放射性廃棄物固化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17174385A JPH0640157B2 (ja) | 1985-08-06 | 1985-08-06 | 放射性廃棄物固化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6232399A JPS6232399A (ja) | 1987-02-12 |
JPH0640157B2 true JPH0640157B2 (ja) | 1994-05-25 |
Family
ID=15928862
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17174385A Expired - Lifetime JPH0640157B2 (ja) | 1985-08-06 | 1985-08-06 | 放射性廃棄物固化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0640157B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2724164A1 (fr) * | 1994-09-02 | 1996-03-08 | Rhone Poulenc Chimie | Procede de traitement d'un milieu liquide pour l'insolubilisation d'impuretes metalliques qui y sont contenues et l'obtention d'un residu non lixiviable |
JP5661066B2 (ja) * | 2012-05-28 | 2015-01-28 | 株式会社 フュー・テクノロジー | 放射性物質を含有した焼却灰の処理方法及び処理固形物 |
-
1985
- 1985-08-06 JP JP17174385A patent/JPH0640157B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6232399A (ja) | 1987-02-12 |
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