JPH0639950A - ダンボールシートの供給方法およびその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 製函機において、フィードロールの挟着力に
よりダンボールシートに強度劣化を生じさせることなく
且つスリップを生じさせることなく給紙を可能にする。 【構成】 ホッパ部１においてコンベアベルト２上に多
数枚のダンボールシートＳを斜め積み状態で積載し、こ
の積載ダンボールシートを最前側から一枚宛、搬送コン
ベアベルト５上に送り出して該コンベアベルト５上でダ
ンボールシートＳを一列状態にして搬送し、その搬送終
端側に配設したキッカーベルト８上にダンボールシート
Ｓを一枚宛、順次移載させ、これを給紙口10に送り出し
てフィードロール11、11により挟着させながら印刷部12
側に供給するように構成している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は製函機等の印刷装置側に
ダンボールシートを一枚宛、送り込むためのダンボール
シートの供給方法と、その方法を実施するための装置に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、製函機におけるダンボールシ
ートの供給装置は、図７に示すように多数枚のダンボー
ルシートＳを積載したホッパー部Ｈの下面にキッカーＫ
を配設し、このキッカーＫを前後運動させることによ
り、積層ダンボールシートＳの最下層のダンボールシー
トを一枚宛、順次、ホッパー部Ｈの前壁下端に設けてい
る給紙口Ａから前方に突き出し、上下一対のフィードロ
ールＦ、Ｆに挟持させて該フィードロールＦ、Ｆの回転
速度と同調して回転する例えば、多色印刷機の第１印刷
部Ｐに供給するように構成している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のようなダンボー
ルシート供給装置において、フィードロールＦ、Ｆによ
る給紙の際に、ダンボールシートとの間でスリップが生
じると、フィードロールＦ、Ｆの給紙速度を印刷部Ｐの
印刷ドラムの回転速度に同調させていても、印刷時にズ
レが生じて精度のよい印刷ができなくなり、そのため、
フィードロールの挟持力を強力にしておく必要がある。
その上、近年、製函機が高速化になってホッパー部Ｈに
積載されるダンボールシートの量が多くなり、そのた
め、最下部のダンボールシートＳにかかる荷重が増大し
て該最下部のダンボールシートＳをフィードロールＦ、
Ｆにより引き出すにはこれらのロール間の隙間を一層狭
くしてスリップを生じさせないようにしなければならな
い。しかしながら、フィードロールＦ、Ｆ間の隙間を狭
くすると、ダンボールシートＳはその強力な挟圧力によ
って波形の中芯が圧潰され、その厚みが減少するばかり
でなく、強度が著しく低下するという問題点が生じる。

【０００４】さらに、製函機に供給するダンボールシー
トＳには、図８に示すように折り曲げのための罫線Ｂが
前加工されているため、厚みが薄い該罫線Ｂの部分がフ
ィードロールＦ、Ｆ間を通過する際に、スリップが生じ
易くなって精度のよい印刷ができなくなり、このため、
フィートロールＦ、Ｆ間の隙間をその罫線Ｂを確実に挟
圧可能な寸法まで小さくする必要が生じるが、それでは
上記のような中芯の圧潰によるダンボールシートＳの強
度劣化が生じることになる。

【０００５】また、フィードロールＦ、Ｆにサクション
ベルトやサクションローラ等を付属装置を備えさせて、
スリップの発生を補助的に防止することも行われている
が、このような機構では確実なスリップの防止が望めな
いという問題点がある。本発明はこのような問題点を全
面的に解消し得る新規なダンボールシートの供給方法
と、その方法を実施するための装置の提供を目的とする
ものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のダンボールシートの供給方法は、斜め積み状
態のダンボールシートをその下層側から一枚宛、順次コ
ンベアベルト上に送り込み、該コンベアベルトによって
前方の給紙口側に順次連続的に搬送し、該給紙口に達し
たダンボールシートをキッカー等の送り込み手段によっ
て給紙口から前方に供給することを特徴とするものであ
る。

【０００７】又、この方法を実施するための装置は、斜
め積み状態のダンボールシートをその下側のダンボール
シートから一枚宛、先行するダンボールシートの後部上
面に後続するダンボールシートの前部を重ね合わせるよ
うにして前方に送り出す送出手段を有するシートホッパ
ー部と、このシートホッパ部の前部に配設されて上記送
り出されるダンボールシートを移載して前方に搬送する
コンベアベルトからなる搬送部と、この搬送部の前端側
に配設されてコンベアベルトの前端から搬出されるダン
ボールシートの後端面に係止して一定の時間間隔毎に給
紙口にダンボールシートを順次送り出すキッカ等の送り
込み手段を有する給紙部とから構成しているものであ
る。

【０００８】

【作用】シートホッパ部において斜め積み状態のダンボ
ールシートをキッカー、或いは無端状に巡回するサクシ
ョンベルト等の送出手段によってその下側から一枚宛、
搬送部のコンベアベルト上に順次送り出す。この際、先
に送り出すダンボールシートが次のダンボールシートの
下面から完全に離脱しない間に次のダンボールシートを
送り出すことによって、先行するダンボールシートの後
部上面に後続するダンボールシートの前部が重ね合った
状態となるように次々と送り出し、処理能力を向上させ
る。

【０００９】コンベアベルト上に順次ずらした重合状態
で載置されたダンボールシートは前方に搬送されて給紙
部に達すると、コンベアベルト上に対する上記ダンボー
ルシートの送出速度と同調的に作動する該給紙部に設け
ているキッカ等の送り込み手段によって、給紙口まで達
したダンボールシートの後端面が押し進められ、給紙口
から前方に供給されるものである。

【００１０】

【実施例】次に本発明の実施例を図面について説明する
と、図１において、１はダンボールシートＳのホッパ部
で、前後方向に積み重ね状態にした多数枚のダンボール
シートＳを前方に向かって搬出するコンベアベルト２
と、このコンベアベルト２の搬出端に近接して設けられ
た前後往復運動を行うキッカー爪３からなる送出手段と
を有しているものであり、キッカー爪３とコンベアベル
ト２の搬出端間に前方に向かって斜め下方に傾斜したガ
イド板４を配設してある。

【００１１】５はキッカー爪３の前方側に配設したコン
ベアベルトからなる搬送部で、該コンベアベルト５を掛
け渡している後部プーリ5bは前記ホッパ部１のコンベア
ベルト２の前部プーリ2aの前方に近接させて配置され、
これらのプーリ2a、5b間に上記キッカー爪３が配設され
ている。さらに、このコンベアベルト５の搬送部の下面
側には後部が前方に向かって斜め上方に緩傾斜した傾斜
部6bに形成され、中間部からその傾斜度を徐々に緩やか
にして前部を水平部6aに形成しているガイド枠６が設け
られてあり、このガイド枠６上をコンベアベルト５が摺
接しながら巡回するものである。

【００１２】従って、ホッパ部１のコンベアベルト２に
よって搬出されるダンボールシートＳ群は、その下端面
を上記ガイド板４上に受止され、上半部を搬送部側の上
記コンベアベルト５の後部傾斜面5d上に受止させて横倒
しに傾斜した斜め積み状態となると共に傾斜最前部のダ
ンボールシートＳが順次キッカー爪３によってコンベア
ベルト５側に移載させられるように構成している。な
お、ガイド枠６に代えてコンベアベルト４の搬送部内面
側に数個の中間プーリを配設して、これらの中間プーリ
によりコンベアベルト５の後部を前方に向かって斜め上
方に緩傾斜する傾斜面5dに、前部を水平面5cとなるよう
に張設してもよい。

【００１３】７はコンベアベルト５よりなる搬送部の前
方側に配設した給紙部で、係止爪8aを有するキッカベル
ト８を前後プーリ9a、9b間に中間プーリ9cを介して無端
状に掛け渡して所定の速度で走行可能に配設してあり、
後部プーリ9bと中間プーリ9c間のベルト上面を上記コン
ベアベルト５の水平部搬送終端と略同一水平面上に設け
ていると共に、中間プーリ9cの前方近傍部に一枚のダン
ボールシートＳが通過可能な給紙口10を設けてある。

【００１４】この給紙口10は中間プーリ9c近傍部から前
方に向かって配設した水平台枠10aと、該水平台枠10a
の上方に配設された傾斜枠10b との前端間によって形成
されてあり、給紙口10の前方近傍部に上下一対のフィー
ドロール11、11が配設されている。そして、このフィー
ドロール11、11からダンボールシートＳは印刷部12、罫
線加工部、スロット加工部、折り畳み加工部等に順次供
給されるように構成している。

【００１５】以上のように構成した実施例におけるダン
ボールシート供給装置の作用を述べると、多数枚のダン
ボールシートＳをホッパー部１のコンベアベルト２上に
横積み重ね状態で載置し、該コンベアベルト２の搬送力
により前方に移動させれば、該ダンボールシート列の前
列部が傾斜ガイド板４上に送り出されて斜め前方に傾斜
し、その最前側のダンボールシートＳが搬送部のコンベ
アベルト５の後部傾斜面5d上に受止された状態となる。

【００１６】この状態において、キッカー爪３を製函機
側のフィードロール11、11と同調させて前後動させる
と、最前側のダンボールシートＳは該キッカー爪３の前
進時にコンベアベルト５の後部傾斜面5d上に送り出され
る。キッカー爪３の前後ストローク長はダンボールシー
トＳの縦幅よりも小さく、従って、該キッカー爪３によ
って送り出されたダンボールシートＳの後部上面は次の
ダンボールシートＳの前部下面に摺接した状態となり、
この状態でダンボールシートＳは、キッカー爪３の往復
動毎に順次コンベアベルト５上に送り出されることにな
る。なお、キッカー爪３に代えて、サクションベルト等
の適宜な送出手段を採用してもよい。

【００１７】コンベアベルト５上に送り出されたダンボ
ールシートＳは、該コンベアベルト５によってフィード
ロール11、11の回転速度と同調した速度でもって前方に
搬送され、コンベアベルト５の搬送前端から給紙部７の
キッカベルト８上に順次、移載される。キッカベルト８
による一枚のダンボールシートＳの給紙サイクルは、フ
ィードロール11、11及び印刷部12のドラム12a の一回転
速度と同じであり、このキッカベルト８上に移載された
ダンボールシートＳは、その後端面をキッカベルト８の
係止爪8aにより押し進められて給紙口10からフィードロ
ール11、11側に供給される。

【００１８】キッカーベルト８による給紙口10からの押
し出しによってダンボールシートＳの先端がフィードロ
ール11、11に達すると、ダンボールシートＳがフィード
ロール11、11によって挟着されて印刷部12側に供給され
る。この際、ダンボールシートＳには従来のようなダン
ボールシート積載荷重が掛かっていないから、フィード
ロール11、11の僅かなニップ力によって給紙口10から引
き出され、スリップが生じることなく正確に印刷部12側
に供給されるものである。

【００１９】従って、フィードロール11、11としては、
図２に示すような全面ロール形状のものを使用すること
なく、図３に示すように、上側のロールとして一定間隔
を存して回転軸11a に固着したコロ形状のロール11b 、
11b を採用することができ、ダンボールシートＳに対す
る挟圧力及び挟持部を少なくしてダンボールシートＳの
強度劣化の発生をなくすることができる。

【００２０】また、給紙口10に送り込むキッカ手段とし
ては、キッカベルト８以外に図４に示すように前後運動
するキッカ爪18を採用してもよく、さらに、上記のよう
に給紙口10からのダンボールシートＳの押し出しが、小
さな力でもって行えるので、フィードロール11、11を使
用することなく図５に示すように、給紙口10の前方に直
接、印刷部12の印刷ドラム12a を配設することができ
る。

【００２１】また、図６に示すように、キッカ手段に代
えて、給紙口10から印刷部12に達するサクションベルト
13を配設しておき、該サクションベルト13を印刷部12の
印刷速度に同調させて巡回走行させながら搬送部のコン
ベアベルト５上から移載されるダンボールシートＳを順
次、印刷部12に供給するように構成してもよい。

【００２２】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、ホッパ部
側において斜め積み状態のダンボールシートをその下層
側から一枚宛、順次コンベアベルト上に送り込み、該コ
ンベアベルトによって前方の給紙口側に順次連続的に搬
送し、給紙口に達したダンボールシートをキッカー等の
送り込み手段によって給紙口から前方に供給するもので
あるから、ホッパ側ではダンボールシートが斜め積み状
態となっているので、その下層側からダンボールシート
を僅かな押し出し力でもって一枚宛、簡単且つ正確に順
次コンベアベルト上に送り出すことができる。

【００２３】さらに、コンベアベルト上では一定の長さ
間隔毎に一枚宛、敷き並べた状態で搬送され、その搬送
終端に達したダンボールシートを給紙口にキッカー等の
送り込み手段によって供給するものであるから、ダンボ
ールシートには従来のようなシート積載荷重が掛かって
いないから、フィードロールによって挟着させる場合に
は、上下のフィードロール間の間隔を、ダンボールシー
トを軽く挟持し得る寸法に調整しておくだけで、スリッ
プすることなく正確に印刷部側に供給することができる
と共に、ダンボールシートが圧潰されることもなくて所
定の強度を維持でき、商品価値の高い製函が得られるも
のである。

【００２４】又、上記のように給紙口側に供給されるダ
ンボールシートには、シート積載荷重が掛かっていない
ので、キッカー手段やフィードロールを使用することな
くサクションベルトによってダンボールシートを吸着さ
せながら給紙口を通じて直接印刷部側に正確に供給する
ことができ、精度のよい印刷が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】装置全体の簡略側面図、

【図２】フィードロールの斜視図、

【図３】別な構造を有するフィードロールの斜視図、

【図４】キッカ爪による給紙状態図、

【図５】印刷部に直接給紙可能な構造を示す簡略側面
図、

【図６】その別な実施例を示す簡略側面図図、

【図７】従来装置の簡略側面図、

【図８】そのフィードロール部分の拡大側面図。

【符号の説明】

１ ホッパ部 ２ コンベアベルト ３ キッカ爪 ５ コンベアベルト ７ 給紙部 ８ キッカベルト 10 給紙口 11 フィードロール

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 斜め積み状態のダンボールシートをその
   下層側から一枚宛、順次コンベアベルト上に送り込み、
   該コンベアベルトによって前方の給紙口側に順次連続的
   に搬送し、該給紙口に達したダンボールシートをキッカ
   ー等の送り込み手段によって給紙口から前方に供給する
   ことを特徴とするダンボールシートの供給方法。
2. 【請求項２】 斜め積み状態のダンボールシートをその
   下側のダンボールシートから一枚宛、先行するダンボー
   ルシートの後部上面に後続するダンボールシートの前部
   を重ね合わせるようにして前方に送り出す送出手段を有
   するシートホッパー部と、このシートホッパ部の前部に
   配設されて上記送り出されるダンボールシートを移載し
   て前方に搬送するコンベアベルトからなる搬送部と、こ
   の搬送部の前端側に配設されてコンベアベルトの前端か
   ら搬出されるダンボールシートの後端面に係止して給紙
   口にダンボールシートを順次供給するキッカー等の送り
   込み手段を有する給紙部とから構成していることを特徴
   とするダンボールシートの供給装置。