JPH0639907U - 産前用ガードル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 妊婦の膨出した腹部の重量をガ−ドル本体の
背面腰部に当接される広幅バンド部片により支え、腹部
重量のアンバランスから生じ易い腰痛を未然に阻止する
産前用ガードルを提供する。 【構成】 ガ−ドル背面の両脇側に亘る腰部に当接され
る広幅バンド部片を三分割し、中央部充当片は縦方向
に、その両側の後脇部充当片は夫々横方向に伸縮するハ
−ドなパワ−ネット使いとし、相反する二通りの伸縮特
性に形成せしめる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は妊娠によって経時的に前方へと膨出する妊婦の腹部を確実にサポ−ト すると同時に、腰部に集中して掛かる力を緩和させて必然的に発生し易い妊婦の 腰痛を未然に防止する産前用ガ−ドルに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より産前用ガ−ドルと称して、古来より用いられていた岩田帯と同様の膨 出した腹部を上方へ持ち上げる機能や調整機能、更には腹部保温機能を保有する と共に、通常時より膨出が著しい腹部や臀部型態を美麗に補正する下半身用のフ ァンデ−ションは周知され、殊に煩雑性が要求される該岩田帯と異なり、迅速な 着脱性と腹部支持機能を具備した産前用ガ−ドルは、妊婦の必需品として位置付 けられている。

【０００３】 従来のこの種産前用ガ−ドルとしては、例えば実公昭６２−６０８９号に、ガ −ドルの前身頃を下腹部から両脇部を越えて延びる縦横伸縮性のパイル状の覆布 で形成し、その前中心部にＵ字状等に切欠いた切欠窓を設け、他方この切欠窓に 跨設される伸縮性腹部固定帯を覆布に係脱自在としたマタニティガ−ドルが開示 されている。このガ−ドルはその装着、離脱を頗る円滑化し、腹部の膨出状況に 相応して適切なコントロ−ルを適宜なし得るものであるが、経時的に変化の著し い腹部形態に対応可能であるとしても、腹部矯正或いは支持機能を有するに滞り 、臨月に向かうに従って腰部に掛かる腹部総重量を受け止められず、腰痛が生起 し易いものであった。更にはまた実開昭５７−１９６１０６号に、ガ−ドル本体 の上端外側と腹部帯の下端内側が重合するように、互いの背当て部で縫着すると 共に、該非伸縮性背当て部の長手両端に順次、腹の両側部に当接される伸縮部と 、先端に係止部片を備えた腹部で重なり合う非伸縮性腹当て片とを縫合したガ− ドルが周知されているが、このような構成のガ−ドルでは、確かにガ−ドルの上 縁に形設された腹部帯を腹部に巻きつけて供するものであるため、体形が大きく 崩れ腹部が弛緩した、また脂肪沈着した婦人の腹部矯正には利便であるとしても 、ガ−ドルの上端外側と腹部帯の下端内側とがガ−ドル装着時に常に重なり合う ため、腹部を矯正し得たとしても、腹部廻りの段差が出現して、その段差がアウ タ−にひびいたり、重合部と他の部との緊締度合いが相違するので、局部的圧迫 等による装着不快感が生ずるばかりか腰痛防止機能は具備しないものであった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案が解決しようとする問題点は、前述従来の産前用ガ−ドルを更に発展さ せ、この種ガ−ドルに要求される経時的に膨出度が増す腹部を、有効に支持する 機能や、腹部を保温する機能、腹部や臀部廻りを補整する機能は当然のこととし て、更に膨出した腹部形態が臨月に向かうに従って下腹部へと移行する際にも、 その腹部の総重量を腰部で支えるための構造を産前用ガ−ドルに展開させ、増加 する腹部の総重量のアンバランスより生じ易い腰痛の発生を未然に防止する産前 用ガ−ドルを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記したる目的を有効に達成するがために、この考案になる産前用ガ−ドルに あっては、伸縮性を有する腹部片１と臀部片２、更に該臀部片２の上縁に接合さ れ、両脇側で腹部片１の側縁と接合される相反する２通りの伸縮特性を持つ広幅 バンド部片３とを夫々縫合して形成される産前用ガ−ドルを特徴とし、また広幅 バンド部片３は、長手方向に三分割され、後中心およびその両側の腰部を覆う中 央部充当片４と、その中央部充当片４の両側に後脇側の腰部を夫々覆う後脇部充 当片５、６によって形成されている産前用ガ−ドルを特徴とし、また広幅バンド 部片３の中央部充当片４は縦方向に、またその両側の後脇部充当片５、６は横方 向に夫々伸縮特性を有するように配し、各充当片４、５、６はハ−ドなパワ−ネ ット使いに形成してある産前用ガ−ドルを特徴とし、また広幅バンド部片３の後 脇部充当片５、６の脇側両端縁には、一定の幅員を持つ非伸縮部片７に形成して ある産前用ガ−ドルを特徴としているものである。

【０００６】

【実施例】

次いでこの考案による産前用ガ−ドルに関する実施の一例を図面によって説明 する。

【０００７】 図１は本考案の産前用ガ−ドルの正面斜視図であって、人体の前身頃全面を覆 う伸縮性を有する腹部片１と、臀部の両山部分を覆う伸縮性を有する臀部片２と 、臀部片２の上縁に腹部片１を除いた腰部分を覆う広幅バンド部片３を夫々縫合 一体化することで産前用ガ−ドル本体Ａが形成される。股部には適宜クロッチ片 ９を用いる場合や、腹部片１と臀部片２をそのまま接合して股部を形成すること も任意選択出来る。

【０００８】 腹部片１には、柔軟な素材で縦伸び及び横伸びに優れた、綿混ツ−ウェイトリ コットまたはこれと同効資料よりなる素材が用いられ、膨出変化の著しい人体の 腹部形態に合致するように広汎な面積を覆う形態を備えており、好ましくは４０ デニ−ルの綿混ツ−ウェイトリコットが用いられる。そしてこの腹部片１の裏面 には、下腹部に充当されるＵ字型弧状若しくはこれに類した形状を持ち、伸縮性 を有する２１０デニ−ルのパワ−ネットによる裏打片８が、ガ−ドル本体Ａの両 脇側まで上昇するように配設され、両者が縫合されている。この裏打片８は、腹 部の膨出が下腹部へと移行する際に、その腹部を支承する役割を備える。また該 裏打片８の最下点は、クロッチ片９へ臨んでいるが、この形態に捉われることは なく、下腹部を支えるに適した幅員を持つパタ−ンであれば良い。

【０００９】 図２は本考案の背面斜視図であって、主として臀部片２と広幅バンド部片３が 表れているが、その詳細は図３として提出する、要部の一部背面図に明らかであ る。臀部片２は後中心線１０で左右に切截される二枚のスパンデックス等の伸縮 性素材を縫合して用いられ、いずれかと謂うと人体の円周方向である横伸びに優 れた素材が採択され、腹部片１に比べると稍々デニ−ル数を多くした素材使いで ある。この後中心線１０の裏側には、その接ぎに沿ってストレッチテ−プ片を沿 設し、腰部近傍で停止させることで、臀部の二ツ山を自然な丸身へと変化させる ことが出来る。

【００１０】 斯かる臀部片２の上縁には、広幅バンド部片３を沿設するのであるが、この際 当該広幅バンド部片３は、先ず臀部片２の上縁と接合されると共に、その両脇側 で腹部片１の側縁と接合され、而して産前用ガ−ドルとして縫合されており、該 広幅バンド部片３は二通りの相反する伸縮特性を持ち、５６０デニ−ルのパワ− ネットによる素材使いとされている。この広幅バンド部片３は、腹部片１の両脇 側までの背面の腰部相当部分を、例えば最短幅で９cm、最長幅で１２cmの広幅帯 状に覆う外観を備えており、詳しくは後中心およびその両側付近の腰部に当接さ れる中央部充当片４と、該中央部充当片４の両側から腹部片１の側縁までの後脇 側の腰部に当接される後脇部充当片５、６とに長手方向に３分割されて縫合一体 化されている。

【００１１】 斯かる広幅バンド部片３に於ける中央部充当片４は、鉛直方向である縦方向に のみ伸縮する特性を有し、且つ中央部充当片４の左右に縫着された後脇部充当片 ５と６とは、円周方向である横方向にのみ伸縮する特性を有した、ハ−ドなパワ −ネット使いによって構成されている。図面上では中央部充当片４の下縁中心部 は、山型に突出して後中心線１０で交わるように配されており、この形状がヒッ プアップ効果と左右のヒップの山を明瞭に区分するに適した形状となる。

【００１２】 広幅バンド部片３が両脇側で腹部片１の側縁と縫合される際、広幅バンド部片 ３の後脇部充当片５と６の脇側両端縁には、一定の幅員、例えば後脇部充当片５ と６の末端全長に亘る幅員を持つ非伸縮性素材を重合して非伸縮部片７に形成さ れている。

【００１３】

【考案の効果】

本考案の産前用ガ−ドルにあっては、ハ−ドなパワ−ネット使いとする広幅バ ンド部片３を、ガ−ドル本体Ａの背面両脇側に亘って人体の腰部付近を一定幅で 当接する構造とし、且つ該バンド部片３の中央部充当片４は縦方向に、両側の後 脇部充当片５、６は横方向に、夫々伸縮性を有するように配設したので、腹部片 １の裏打片８によって持ち上げられた膨出した腹部は、後脇部充当片５、６のパ ワ−の強い横伸びにより一段と強力に下方から斜め上方へと吊り上げられ、その 吊り上げられる力を後脇側の腰部に当接される後脇部充当片５、６で確実に面状 で支承することが出来、妊婦に生起し易い重量の不均衡による腰痛を可及的に緩 和する効果が発揮出来、更に中央部充当片４は腹部の膨出重量を支える支点的役 割を演じ、腰部を安定させて腰痛を生じ難くなすと同時に、体表面の伸びが著し い背面に対して、縦方向に伸縮を保持させるので、ずり下がり易いこの種ガ−ド ルを整状位置に安定化させ、且つ下垂したヒップをアップして補整する効果が発 揮出来る。

【００１４】 また後脇部充当片５と６の脇側両端縁には、一定幅員の非伸縮部片７を形設し たので、該充当片５、６の横伸びが直接腹部片１に波及せず、斜め上方へ腹部を 持ち上げる力を、この非伸縮部片７で一旦受け止めた後、更に引っ張り上げるも のとなり、脇部から腰部までの安定に便ならしめるものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】産前用ガードルの一部切欠正面斜視図である。

【図２】産前用ガードルの背面斜視図である。

【図３】産前用ガードルの要部の一部背面図である。

【符号の説明】

１ 腹部片 ２ 臀部片 ３ 広幅バンド部片 ４ 中央部充当片 ５ 後脇部充当片 ６ 後脇部充当片 ７ 非伸縮部片 ８ 裏打片 ９ クロッチ片 10 後中心線 Ａ 産前用ガードル本体

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 伸縮性を有する腹部片と臀部片、更に該
   臀部片の上縁に接合され、両脇側で腹部片の側縁と接合
   される相反する二通りの伸縮特性を持つ広幅バンド部片
   とを夫々縫合して形成される産前用ガ−ドル。
2. 【請求項２】 広幅バンド部片は、長手方向に三分割さ
   れ、後中心およびその両側の腹部を覆う中央部充当片
   と、その中央部充当片の両側に後脇側の腰部を夫々覆う
   後脇部充当片によって形成されている請求項１記載の産
   前用ガ−ドル。
3. 【請求項３】 広幅バンド部片の中央部充当片は縦方向
   に、またその両側の後脇部充当片は横方向に夫々伸縮特
   性を有するように配し、各充当片はハ−ドなパワ−ネッ
   ト使いに形成してある請求項１、２記載の産前用ガ−ド
   ル。
4. 【請求項４】 広幅バンド部片の後脇部充当片の脇側両
   端縁には、一定の幅員を持つ非伸縮部片に形成してある
   請求項１、２記載の産前用ガ−ドル。