JPH0639615B2 - 質量分析計を用いた真空脱炭推定方法 - Google Patents
質量分析計を用いた真空脱炭推定方法Info
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- JPH0639615B2 JPH0639615B2 JP1120015A JP12001589A JPH0639615B2 JP H0639615 B2 JPH0639615 B2 JP H0639615B2 JP 1120015 A JP1120015 A JP 1120015A JP 12001589 A JP12001589 A JP 12001589A JP H0639615 B2 JPH0639615 B2 JP H0639615B2
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- decarburization
- exhaust gas
- mass spectrometer
- gas
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- Investigating And Analyzing Materials By Characteristic Methods (AREA)
- Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、主として極低炭素鋼を得るための減圧下での
脱炭時の脱炭状態の推定方法に関する。
脱炭時の脱炭状態の推定方法に関する。
近年電磁鋼、連続焼鈍材では、焼鈍時間等の制約がある
ため、時効硬化、延性等の材料特性を従来のバッチ焼鈍
並みとするためには、溶鋼の極低炭化が必須の要件にな
ってきている。このため、脱炭処理工程で確実に20pp
m以下さらに10ppm以下のCレベルが要求されつつあ
る。今後、極低炭素鋼のニーズはますます強まってくる
と予想される。また脱炭処理で要求Cレベルを満たすに
は、脱炭状態を推定して要求C値になったら脱炭反応を
停止させるなどの制御が望ましく、このようにすれば一
定時間脱炭処理などに比べて大きなコスト低減効果が期
待できる。
ため、時効硬化、延性等の材料特性を従来のバッチ焼鈍
並みとするためには、溶鋼の極低炭化が必須の要件にな
ってきている。このため、脱炭処理工程で確実に20pp
m以下さらに10ppm以下のCレベルが要求されつつあ
る。今後、極低炭素鋼のニーズはますます強まってくる
と予想される。また脱炭処理で要求Cレベルを満たすに
は、脱炭状態を推定して要求C値になったら脱炭反応を
停止させるなどの制御が望ましく、このようにすれば一
定時間脱炭処理などに比べて大きなコスト低減効果が期
待できる。
減圧下の脱炭反応(精錬)を伴なう製鋼炉(取鍋)の終
点Cの予測方法には、スタティックな解析に基づく経験
による方法、精錬過程での真空度の変化より間接的に脱
炭速度ないし溶鋼中のC値を予知する方法、排ガス中の
酸素分圧をセル(濃淡電池)を用いて計測し、酸素分圧
変化の変曲点より溶鋼中のC値を予知する方法などがあ
るが、これらは予精度が悪く、種々の鋼種を異なるC含
有量レベルで終点制御することは困難である。
点Cの予測方法には、スタティックな解析に基づく経験
による方法、精錬過程での真空度の変化より間接的に脱
炭速度ないし溶鋼中のC値を予知する方法、排ガス中の
酸素分圧をセル(濃淡電池)を用いて計測し、酸素分圧
変化の変曲点より溶鋼中のC値を予知する方法などがあ
るが、これらは予精度が悪く、種々の鋼種を異なるC含
有量レベルで終点制御することは困難である。
普通鋼の転炉で行なわれている、脱炭精錬時に発生する
排ガス中のCO,CO2ガスの計測による脱炭速度また
は溶鋼中C値の予測を、質量分析計の使用で減圧脱炭反
応系でも実行可能にしたもの(質量分析計を用いた製鋼
プロセス制御方法;特公昭62−32248号公報)が提案さ
れている。
排ガス中のCO,CO2ガスの計測による脱炭速度また
は溶鋼中C値の予測を、質量分析計の使用で減圧脱炭反
応系でも実行可能にしたもの(質量分析計を用いた製鋼
プロセス制御方法;特公昭62−32248号公報)が提案さ
れている。
この公報に記載されているように、質量分析計は、全て
のガス組成が同一計測機器で計測することができる、該
分析計の分析精度が極めて高い、該分析計への分析用排
ガス量は極めて微量で良く排ガス系が低圧であることの
不利はなく該分析計までの分析用排ガス送達時間が短く
かつ分析ガス除塵系の構造を簡易にすることが可能であ
る、該分析計の各成分の分析時間はミリsecのオーダー
であり、事実上全ガス組成を同時分析することができ
る、という特徴を有し、減圧脱炭での終点C制御に適し
ている。
のガス組成が同一計測機器で計測することができる、該
分析計の分析精度が極めて高い、該分析計への分析用排
ガス量は極めて微量で良く排ガス系が低圧であることの
不利はなく該分析計までの分析用排ガス送達時間が短く
かつ分析ガス除塵系の構造を簡易にすることが可能であ
る、該分析計の各成分の分析時間はミリsecのオーダー
であり、事実上全ガス組成を同時分析することができ
る、という特徴を有し、減圧脱炭での終点C制御に適し
ている。
しかしながらこの公報でも指摘しているように、質量分
析計には、異種ガスであっても質量数m/eが一致する
ガス例えばCO(m/e≒28)とN2(m/e≒2
8)は親ピークの測定では分離できない、という問題が
ある。
析計には、異種ガスであっても質量数m/eが一致する
ガス例えばCO(m/e≒28)とN2(m/e≒2
8)は親ピークの測定では分離できない、という問題が
ある。
第3図はCO,CO2,N2混合ガスを質量分析した例
を示すが、この図に示されるように質量数m/eが44
であるCO2は、m/eが28と12の所にもピーク
(イオン化電流)が出ている。同様にm/eが28のC
O,N2もm/eが14の所にピーク(dピーク)が出
ており、COは更にm/e=12の所にもピーク(rピ
ーク)がある。従ってCOの測定にm/e=28のピー
ク(親ピーク)を用いると、これにはCOの他にN2,
CO2のピークも含まれるから大きな測定誤差を生じて
しまう。
を示すが、この図に示されるように質量数m/eが44
であるCO2は、m/eが28と12の所にもピーク
(イオン化電流)が出ている。同様にm/eが28のC
O,N2もm/eが14の所にピーク(dピーク)が出
ており、COは更にm/e=12の所にもピーク(rピ
ーク)がある。従ってCOの測定にm/e=28のピー
ク(親ピーク)を用いると、これにはCOの他にN2,
CO2のピークも含まれるから大きな測定誤差を生じて
しまう。
この点については前記公報の発明では親ピーク、d,r
各ピーク間の比(パターン係数)は一定であることを利
用し、連立方程式を解くことで、求めるガスの分圧、濃
度を得るようにしている。即ち、質量数m/eが12,
14,28,44のイオン化電流値をX12,X14,
X28,X44とし、CO,N2,CO2の感度をS
co(t),SN2(t),Sco2(t)とし、CO,N2のm/e=
14へのパターン係数をπco14,πN214,m/e=12
へのそれをπco12,πco212,CO2のm/e=28へ
のそれをπco228とすると、 X12=Sco(t)・πco12・Pco+Sco2(t)・πco212・Pco2 X14=Sco(t)・πco14・Pco+SN2(t)・πN214・PN2 X28=SN2(t)・PN2+Sco(t)・Pco+Sco2(t)・πco228・P
co2 X44=Sco2(t)・Pco2 が成立するから、これを解いてCO,CO2,N2の分
圧Pco,Pco2,PN2を得、これより濃度をCO%=P
co/P×100、CO2%=Pco2/P×100、N2%=P
N2/P×100として得る(Pは全圧)。
各ピーク間の比(パターン係数)は一定であることを利
用し、連立方程式を解くことで、求めるガスの分圧、濃
度を得るようにしている。即ち、質量数m/eが12,
14,28,44のイオン化電流値をX12,X14,
X28,X44とし、CO,N2,CO2の感度をS
co(t),SN2(t),Sco2(t)とし、CO,N2のm/e=
14へのパターン係数をπco14,πN214,m/e=12
へのそれをπco12,πco212,CO2のm/e=28へ
のそれをπco228とすると、 X12=Sco(t)・πco12・Pco+Sco2(t)・πco212・Pco2 X14=Sco(t)・πco14・Pco+SN2(t)・πN214・PN2 X28=SN2(t)・PN2+Sco(t)・Pco+Sco2(t)・πco228・P
co2 X44=Sco2(t)・Pco2 が成立するから、これを解いてCO,CO2,N2の分
圧Pco,Pco2,PN2を得、これより濃度をCO%=P
co/P×100、CO2%=Pco2/P×100、N2%=P
N2/P×100として得る(Pは全圧)。
ガス濃度が求まればガス量は、排ガス流量をQとして、
CO,CO2の量qco,qco2はPco/P×Q,Pco2/
P×Qとして求まるが、Qの測定は実用的でないので、
流量既知なるガスAを流して、それより得るようにして
いる。即ち、ガスAの流量をqA、これを排ガス系に流
したときのAガスのイオン化電流をXA、Aガスの感度
をSA(t)として、Aガスの分圧PAはPA=XA/S
A(t)であり、Q/P=qA/PAが成立するから、Q=
P・qA/PA、従って qco=Q・Pco/P=Pco・qA/PA =Pco・qA・SA(t)/XA 同様にして qco2=Pco2・qA・SA(t)/XA であり、これらよりqco,qco2を得る。また脱炭精錬
では溶鋼中のCはCOまたはCO2になって排出される
とするから、排ガス中のCO,CO2量をqco(t),q
co2(t)とすると、脱炭速度−dC/dtは −dC/dt=K(qco(t)+qco2(t)) であり、時間tまでの脱炭量ΔCはこれを積分したもの
である。qco,qco2の式には感度Sが入り、これは系
の圧力により変動するが、上式の和の形のものを整理す
るとSA(t)/Sco(t)などの比の形になり、これは系の
圧力で変動しないので、この感度の比の値を求めておい
てそれを使用する。
CO,CO2の量qco,qco2はPco/P×Q,Pco2/
P×Qとして求まるが、Qの測定は実用的でないので、
流量既知なるガスAを流して、それより得るようにして
いる。即ち、ガスAの流量をqA、これを排ガス系に流
したときのAガスのイオン化電流をXA、Aガスの感度
をSA(t)として、Aガスの分圧PAはPA=XA/S
A(t)であり、Q/P=qA/PAが成立するから、Q=
P・qA/PA、従って qco=Q・Pco/P=Pco・qA/PA =Pco・qA・SA(t)/XA 同様にして qco2=Pco2・qA・SA(t)/XA であり、これらよりqco,qco2を得る。また脱炭精錬
では溶鋼中のCはCOまたはCO2になって排出される
とするから、排ガス中のCO,CO2量をqco(t),q
co2(t)とすると、脱炭速度−dC/dtは −dC/dt=K(qco(t)+qco2(t)) であり、時間tまでの脱炭量ΔCはこれを積分したもの
である。qco,qco2の式には感度Sが入り、これは系
の圧力により変動するが、上式の和の形のものを整理す
るとSA(t)/Sco(t)などの比の形になり、これは系の
圧力で変動しないので、この感度の比の値を求めておい
てそれを使用する。
しかしこの前記公報記載の技術を20ppm程度の極低炭
素鋼に適用すると、誤差が大きく(CO,N2の分離精
度が不十分)十分な脱炭推定精度が得られない。
素鋼に適用すると、誤差が大きく(CO,N2の分離精
度が不十分)十分な脱炭推定精度が得られない。
本発明はこの点を改善し、極低炭素鋼の精錬においても
十分な精度で脱炭推定をすることができ、終点C値の適
確な制御等が可能になるようにすることを目的とするも
のである。
十分な精度で脱炭推定をすることができ、終点C値の適
確な制御等が可能になるようにすることを目的とするも
のである。
本発明では、減圧下での溶鋼の脱炭反応の進行状態を、
減圧脱炭反応系からの排ガスを質量分析計により分析す
ることにより推定する方法において、既知量の準ガスが
導入された排ガスのサンプルを質量分析計へ導くまで
に、外部よりO2を導入、排ガス採取位置の選択、触媒
使用、の1つ以上により、該排ガス中のCOを全てCO
2に変化させる。
減圧脱炭反応系からの排ガスを質量分析計により分析す
ることにより推定する方法において、既知量の準ガスが
導入された排ガスのサンプルを質量分析計へ導くまで
に、外部よりO2を導入、排ガス採取位置の選択、触媒
使用、の1つ以上により、該排ガス中のCOを全てCO
2に変化させる。
このCO2の量qco2は、下式より算出する。
こゝでpAは前記標準ガスの流量、XAは該標準ガスの
親ピークのイオン化電流値、aは定数、X44は質量数m
/eが44のピークのイオン化電流値、αは補正係数で
ある。
親ピークのイオン化電流値、aは定数、X44は質量数m
/eが44のピークのイオン化電流値、αは補正係数で
ある。
減圧脱炭反応系の脱炭速度または脱炭量は、該qco2よ
り求める。
り求める。
標準ガスとしては、減圧脱炭反応系の反応に影響を及ぼ
さないガスで、流量が既知なものである。真空脱炭装置
(RH)では溶鋼中にアルゴン(Ar)ガスを導入して溶鋼
を循環させ、脱炭させるが、このアルゴンを標準ガスと
することができる。
さないガスで、流量が既知なものである。真空脱炭装置
(RH)では溶鋼中にアルゴン(Ar)ガスを導入して溶鋼
を循環させ、脱炭させるが、このアルゴンを標準ガスと
することができる。
排ガス中のCOをCO2に変化させるには、外部よりO
2を導入するのが1つの方法であるが、これには積極的
に酸素または空気を減圧脱炭反応系へ供給する他、該反
応系のリークを利用することができる。即ち、真空脱炭
装置では合金調整を兼ねるのが普通で、このため合金添
加シュートを持っているが、該シュートの弁の隙間など
を通して外気が装置内へ進入し得る。O2供給にはこの
真空脱炭装置のリークを利用できる。
2を導入するのが1つの方法であるが、これには積極的
に酸素または空気を減圧脱炭反応系へ供給する他、該反
応系のリークを利用することができる。即ち、真空脱炭
装置では合金調整を兼ねるのが普通で、このため合金添
加シュートを持っているが、該シュートの弁の隙間など
を通して外気が装置内へ進入し得る。O2供給にはこの
真空脱炭装置のリークを利用できる。
また真空脱炭装置は例えば高さ7〜8mに及ぶ大型の装
置であるが、その上部から排ガスを採取すると、酸化反
応が進んでいてCOは全てCO2になっており、COは
検出されない。従って排ガス採取位置を選択して、CO
が全てCO2になっている部分を採取位置とするのが、
他の方法である。
置であるが、その上部から排ガスを採取すると、酸化反
応が進んでいてCOは全てCO2になっており、COは
検出されない。従って排ガス採取位置を選択して、CO
が全てCO2になっている部分を採取位置とするのが、
他の方法である。
また他の方法は、質量分析計への排ガス供給径路に触媒
(例えば白金)を置いて、CO+1/2O2→CO2の反応
をさせてしまうことである。
(例えば白金)を置いて、CO+1/2O2→CO2の反応
をさせてしまうことである。
排ガス中にO2が残っていれば、COは全てCO2にな
ったとしてよい。第4図はO2,CO,CO2の平衡関
係を示し、横軸はCO2(%)、縦軸はCO(%)であ
り、実線はO2が10%、点線はO2が5%、全圧5To
rr、時の特性である。排ガス温度は1100℃以下、O2は
5〜10%以上、CO2が10%以下とすると、COは
概略0.001(10ppm)以下であり、O2が検出されるならC
Oはないとしてよい。従ってO2センサを設けておい
て、O2センサが酸素を検出している状態で排ガスを質
量分析すれば、COを全てCO2にして分析、を確実に
実施できる。
ったとしてよい。第4図はO2,CO,CO2の平衡関
係を示し、横軸はCO2(%)、縦軸はCO(%)であ
り、実線はO2が10%、点線はO2が5%、全圧5To
rr、時の特性である。排ガス温度は1100℃以下、O2は
5〜10%以上、CO2が10%以下とすると、COは
概略0.001(10ppm)以下であり、O2が検出されるならC
Oはないとしてよい。従ってO2センサを設けておい
て、O2センサが酸素を検出している状態で排ガスを質
量分析すれば、COを全てCO2にして分析、を確実に
実施できる。
排ガス中のCOを全てCO2に変化させた状態で質量分
析計へ導けば、該分析計ではCOとCO2を分析し定量
する必要はなく、単にCO2だけを分析、定量すればよ
く、これで脱炭速度、脱炭量を求め、ひいては終点C値
の制御などを行なうことができる。第3図で言えばm/
e=44のピーク強度からCO2量を求めるだけでよ
く、m/e=28のピーク強度のCO,N2,CO2各
成分をパターン係数から求め、COを定量する、複雑
な、誤差の多い処理をする必要はない。
析計へ導けば、該分析計ではCOとCO2を分析し定量
する必要はなく、単にCO2だけを分析、定量すればよ
く、これで脱炭速度、脱炭量を求め、ひいては終点C値
の制御などを行なうことができる。第3図で言えばm/
e=44のピーク強度からCO2量を求めるだけでよ
く、m/e=28のピーク強度のCO,N2,CO2各
成分をパターン係数から求め、COを定量する、複雑
な、誤差の多い処理をする必要はない。
また排ガス中のCOは全てCO2に変化しているから、
CO2量の算出式はqco2=pA・a・X44/XA+α
と簡単化される。このqco2を用いて脱炭速度−dC/
dtは下式の如く表わされ、 −dC/dt=qco2/22.4×12/(w×106)×106 脱炭量は上式の積分値である。こゝでqco2の単位はN
l/min、22.4はCO2ガスの1モル当りの体積、12
はCの原子量、wは溶鋼量(トン)、106はそれをg
に直すためのもの、次の106はppm単位にするための
もの、である。
CO2量の算出式はqco2=pA・a・X44/XA+α
と簡単化される。このqco2を用いて脱炭速度−dC/
dtは下式の如く表わされ、 −dC/dt=qco2/22.4×12/(w×106)×106 脱炭量は上式の積分値である。こゝでqco2の単位はN
l/min、22.4はCO2ガスの1モル当りの体積、12
はCの原子量、wは溶鋼量(トン)、106はそれをg
に直すためのもの、次の106はppm単位にするための
もの、である。
第1図に本発明のRH連続排ガスシステムの概要を示
す。10は取鍋で、転炉で処理されてCが200ppm程度に
なった溶鋼が注入されており、RH装置の下部まで移動
してくる。所定位置までくるとRH装置は下降し、その
下部の脚部(溶鋼吸入/排出部)12dを溶鋼内に挿入
する。RH装置内は最初N2ガスで満たされている。次
いで排気ダクト12aを通して排気し、内部を減圧する
と取鍋内溶鋼はRH装置内へ入ってくる。12eはその
液面を示す。次いで供給管14によりArガスを脚部1
2dへ供給するとエゼクタポンプの原理で溶鋼は矢印で
示すように循環を始め、こうして減圧下での脱炭(溶鋼
中C,OのCO,CO2への酸化)が進行する。この処
理は20分程度続け、最初の200ppm程度のCを10ppm
程度に脱炭する。
す。10は取鍋で、転炉で処理されてCが200ppm程度に
なった溶鋼が注入されており、RH装置の下部まで移動
してくる。所定位置までくるとRH装置は下降し、その
下部の脚部(溶鋼吸入/排出部)12dを溶鋼内に挿入
する。RH装置内は最初N2ガスで満たされている。次
いで排気ダクト12aを通して排気し、内部を減圧する
と取鍋内溶鋼はRH装置内へ入ってくる。12eはその
液面を示す。次いで供給管14によりArガスを脚部1
2dへ供給するとエゼクタポンプの原理で溶鋼は矢印で
示すように循環を始め、こうして減圧下での脱炭(溶鋼
中C,OのCO,CO2への酸化)が進行する。この処
理は20分程度続け、最初の200ppm程度のCを10ppm
程度に脱炭する。
合金添加シュート12cを通しての合金化用材料の投入
は、脱炭が進行した状態で行なう。また最後に、このシ
ュートからAlを投入して、溶鋼中のOを殺す(Al2
O3化する)処理も行なう。
は、脱炭が進行した状態で行なう。また最後に、このシ
ュートからAlを投入して、溶鋼中のOを殺す(Al2
O3化する)処理も行なう。
脱炭中の排ガスは質量分析計20へ取込むが、この経路
は、弁21または22を通してのRH装置の排気ダクト
12aまたは天蓋12b、弁23、除塵用外部フィルタ
24、弁25,26、除塵用外部フィルタ27、同28
(24,27は1μ用、28は0.05μ用)、25μφの
オリフィス29の経路である。
は、弁21または22を通してのRH装置の排気ダクト
12aまたは天蓋12b、弁23、除塵用外部フィルタ
24、弁25,26、除塵用外部フィルタ27、同28
(24,27は1μ用、28は0.05μ用)、25μφの
オリフィス29の経路である。
弁26(これは電磁弁)はバラトロン(真空計)31に
より開閉され、入側圧力が所定値例えば10Torr以下に
なって開く。フィルタ27の出側はロータリポンプ3
2、ブースタポンプ33により排気され、またサーポバ
ルブ34を通してターボ分子ポンプ35、ロータリポン
プ36で排気され、フィルタ28の入側では0.2Torr
の一定圧にされる。質量分析計20の内部圧は10-7〜
10-8Torrであるから、これとフィルタ28との間には
オリフィス29を挿入して過剰な試料ガスが入らないよ
うにする。
より開閉され、入側圧力が所定値例えば10Torr以下に
なって開く。フィルタ27の出側はロータリポンプ3
2、ブースタポンプ33により排気され、またサーポバ
ルブ34を通してターボ分子ポンプ35、ロータリポン
プ36で排気され、フィルタ28の入側では0.2Torr
の一定圧にされる。質量分析計20の内部圧は10-7〜
10-8Torrであるから、これとフィルタ28との間には
オリフィス29を挿入して過剰な試料ガスが入らないよ
うにする。
質量分析計20の分析結果(イオン化電流値など)はパ
ソコン30に取込まれ、該パソコンは前記Arガスの流
量も取込んで、前記式によりCO2量qco2、脱炭速度
−dC/dt、脱炭量の算出を行ない、例えば溶鋼中C
が10ppmになったところでRH処理終了を指示する。
ソコン30に取込まれ、該パソコンは前記Arガスの流
量も取込んで、前記式によりCO2量qco2、脱炭速度
−dC/dt、脱炭量の算出を行ない、例えば溶鋼中C
が10ppmになったところでRH処理終了を指示する。
本例では電磁弁26は入側圧力が10Torrまたは35To
rrなどになったとき開き、これ以降、質量分析が開始さ
れる。溶鋼中Cの算出には、ある中間点でサンプリング
してその時点の溶鋼中Cを求め、それからそれ以後の脱
炭量(脱炭速度の積分値)を差引く、という方法をと
る。
rrなどになったとき開き、これ以降、質量分析が開始さ
れる。溶鋼中Cの算出には、ある中間点でサンプリング
してその時点の溶鋼中Cを求め、それからそれ以後の脱
炭量(脱炭速度の積分値)を差引く、という方法をと
る。
排気ガスを排気ダクトまたは天蓋などの酸化反応が十分
進行している部分から採取し、かつ質量分析は装置内圧
力が数10Torrに下ってから(こゝまで脱炭処理を進行
させてから)開始、とすると、脱炭反応系のリーク度、
サイズ、温度などにも関係するが、第1図のRH装置な
どでは、COは全てCO2になっているとしてよいが、
更に確実を期すには、質量分析計への排ガス経路中に白
金(Pt)触媒をおいてCO→CO2の反応をさせ、ま
たO2センサを置いて酸素ありを検知して、分析開始と
するとよい。
進行している部分から採取し、かつ質量分析は装置内圧
力が数10Torrに下ってから(こゝまで脱炭処理を進行
させてから)開始、とすると、脱炭反応系のリーク度、
サイズ、温度などにも関係するが、第1図のRH装置な
どでは、COは全てCO2になっているとしてよいが、
更に確実を期すには、質量分析計への排ガス経路中に白
金(Pt)触媒をおいてCO→CO2の反応をさせ、ま
たO2センサを置いて酸素ありを検知して、分析開始と
するとよい。
RH処理開始後10分から20分までの脱炭量につい
て、高感度IRの値(横軸)と本発明による推定値(縦
軸)との関係を第2図に示す。これはほゞ45゜線上に
のっており、幅3ppmの範囲で終点Cの予測が可能であ
る。
て、高感度IRの値(横軸)と本発明による推定値(縦
軸)との関係を第2図に示す。これはほゞ45゜線上に
のっており、幅3ppmの範囲で終点Cの予測が可能であ
る。
以上説明したように本発明では排ガス中のCOを全てC
O2に変化させたのち該排ガスを質量分析し、CO2量
から脱炭状態を推定するので、誤差が少なく、分析処理
も簡潔である利点を有する。
O2に変化させたのち該排ガスを質量分析し、CO2量
から脱炭状態を推定するので、誤差が少なく、分析処理
も簡潔である利点を有する。
第1図は本発明の脱炭推定方法の説明図、 第2図は推定結果の一例のグラフ、 第3図はm/eとピーク強度の一例を示すグラフ、 第4図はO2,CO,CO2の平衡関係を示すグラフで
ある。
ある。
Claims (1)
- 【請求項1】減圧下での溶鋼の脱炭反応の進行状態を、
減圧脱炭反応系からの排ガスを質量分析計により分析す
ることにより推定する方法において、 既知量の標準ガスが導入された排ガスのサンプルを質量
分析計へ導くまでに、外部よりO2を導入、排ガス採取
位置の選択、触媒使用、の1つ以上により該排ガス中の
COを全てCO2に変化させ、 該質量分析計により質量数44のピークのイオン化電流
値X44および前記標準ガスの親ピークのイオン化電流値
XAを計測し、標準ガス流量をqA、aを定数、αを補
正係数として下記式(1) より排ガス中のCO2量qco2を算出し、該qco2から計
測時点における減圧脱炭反応系の脱炭速度または脱炭量
を求めることを特徴とする、質量分析計を用いた真空脱
炭推定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1120015A JPH0639615B2 (ja) | 1989-05-12 | 1989-05-12 | 質量分析計を用いた真空脱炭推定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1120015A JPH0639615B2 (ja) | 1989-05-12 | 1989-05-12 | 質量分析計を用いた真空脱炭推定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02298861A JPH02298861A (ja) | 1990-12-11 |
JPH0639615B2 true JPH0639615B2 (ja) | 1994-05-25 |
Family
ID=14775793
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1120015A Expired - Lifetime JPH0639615B2 (ja) | 1989-05-12 | 1989-05-12 | 質量分析計を用いた真空脱炭推定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0639615B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19906732A1 (de) * | 1999-02-18 | 2000-08-24 | Forschungszentrum Juelich Gmbh | Verfahren und Vorrichtung zur Freisetzung von Sauerstoffisotopen aus sauerstoffhaltigen Feststoffen |
CN115287406B (zh) * | 2022-07-18 | 2023-07-11 | 首钢集团有限公司 | 一种去除钢中夹杂物的冶炼方法 |
CN117230281B (zh) * | 2023-11-14 | 2024-01-23 | 山西同航特钢有限公司 | 一种高磷if钢的生产工艺 |
-
1989
- 1989-05-12 JP JP1120015A patent/JPH0639615B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02298861A (ja) | 1990-12-11 |
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