JPH0639479B2 - 抗生物質tan−749,その製造法およびそれを含有する細菌感染症治療剤 - Google Patents

抗生物質tan−749,その製造法およびそれを含有する細菌感染症治療剤

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JPH0639479B2
JPH0639479B2 JP61143711A JP14371186A JPH0639479B2 JP H0639479 B2 JPH0639479 B2 JP H0639479B2 JP 61143711 A JP61143711 A JP 61143711A JP 14371186 A JP14371186 A JP 14371186A JP H0639479 B2 JPH0639479 B2 JP H0639479B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は細菌感染症の治療剤として有用な新規抗生物質
TAN−749(以下、「TAN−749」と略称することも
ある。),その製造法およびその製剤に関する。
従来の技術 TAN−749A,CおよびB,Dは、分子式C1527
およびC1629でそれぞれ表わされるが、分子
式が近似の抗生物質として、ストレプトミセス(Strepto
myces)属菌の産生するロイシルネガマイシン(Leucylneg
amycin)(分子式C1531)が挙げられる[ザ
・ジャーナル・オブ・アンティビオティクス(The Journ
al of Antibiotics),24,732(1971)参照。]。
発明が解決しようとする問題点 細菌によって惹起される疾病は抗生物質投与による治療
法の発達によってかなり克服されている。しかし、従来
の抗生物質を長期または大量に投与することによる起因
菌の変化(菌交代現象)あるいは耐性菌の出現(耐性化
現象)などによる疾患の増大および自己免疫能力の低下
した人々への治療法の必要性などは現在の感染症医療分
野で大きな問題となっている。この問題を克服するため
に、当分野では、常に新規骨格を有し、新しい生物活性
を示す抗生物質、あるいはそれらを合成するための中間
原料が求められている。
問題点を解決するための手段 本発明者らは、新規な抗生物質の探索を目的として多数
のバクテリアを土壌より分離し、その産生する抗生物質
を分離探索したところ、ある種の微生物が新規な抗生物
質を産生すること、該微生物がシュードモナス属に属す
ること、該微生物を適宜の培地に培養することによって
耐性菌を含むグラム陽性および陰性菌に対して抗菌力を
示す抗生物質を培地中に蓄積しうることなどを知り、こ
の抗生物質を単離し、その物理化学的および生物学的諸
性質から、当該抗生物質が新規抗生物質であることを確
め、これを抗生物質TAN−749と称することとした。
TAN−749は4成分から成り、これらをそれぞれT
AN−749A,B,CおよびDと命名した。
本明細書においては抗生物質TAN−749A,B,CおよびD
またはそれぞれを総称して抗生物質TAN−749あるい
は単にTAN−749と称することもある。
本発明者らは、これらの知見に基づいてさらに研究した
結果、本発明を完成した。
本発明は、(1)抗生物質TAN−749A,B,CまたはDまた
はこれらの塩, (2)シュードモナス属に属し、抗生物質TAN−749
A,B,CおよびDのうち少なくとも1種を生産する能力を
有する微生物を培地に培養し、培養物中に抗生物質TA
N−749A,B,CおよびDのうち少なくとも1種を生成
蓄積せしめ、これを採取することを特徴とする抗生物質
TAN−749A,B,C,Dまたはこれらの塩の製造法および (3)抗生物質TAN−749A,B,CおよびDのうち少なくと
も1種を含有する細菌感染症治療剤に関する。
本発明方法で使用される抗生物質TAN−749を生産す
る菌としては、シュードモナス(Pseudomonas)属に属
し、抗生物質TAN−749を産生する能力を有する微生
物であればいずれのものでもよい。その例としては、例
えばシュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas f
luorescens)が挙げられる。その具体例としては、長野
県白馬山で採集した植物から分離したシュードモナス・
フルオレッセンスYK−437株(以下、「YK−437株」
と略称することもある。)が挙げられる。
YK−437株の菌学的性状を以下に挙げる。
(a)形態 肉汁寒天斜面上で24℃,5日間培養後の観察では、細胞
は0.5〜1.0μm×1.5〜4μmの桿状で、鞭毛による運
動性が認められる。胞子を形成しない。
またグラム染色は陰性で、抗酸性を示さない。
(b)各種培地上での生育状態 24℃で培養し、1ないし14日間にわたって観察した。
肉汁寒天平板培養:コロニーは無色,透明で、円形、
表面は頭状ないし凸円状、周縁は波状である。拡散性色
素は生成しない。
肉汁寒天斜面培養:良好な光沢のある拡布状の生育を
示し、不透明、無色を呈す。
肉汁液体培養:混濁状に生育し、弱い菌膜を形成す
る。沈澱は認められない。
肉汁ゼラチン穿刺培養:主として上部でよく生育す
る。液化し、液化活性は強い。
リトマス・ミルク:リトマスの還元能は認められな
い。ペプトン化活性は認められるが凝固は認められな
い。
(c)生理的性質 硝酸塩の還元:− 脱窒反応:− MR(メチルレッド)テスト:− VP(フォーゲス・プロスカウエル)テスト:− インドールの生成:− 硫化水素の生成(酢酸鉛紙):− デンプンの加水分解:− クエン酸の利用(コーゼル,クリステンセンおよびシ
モンズの各培地):+ 無機窒素源の利用 I)硝酸カリウム:+ II)硫酸アンモニウム:+ 色素の生成(キングA,Bおよびマンニット酵母エキ
ス寒天の各培地):キングB培地でレモン色の菌体内色
素の生成が認められ、また、レモン色の可溶性色素の生
成が認められる。
キングA培地:グリセリン10g,ペプトン20g,塩化マ
グネシウム1.4g,硫酸アンモニウム10g,寒天15g,
蒸留水1000ml,pH7.2 キングB培地:グリセリン10g,ペプトン20g,リン酸
一水素カリウム1.5g,硫酸マグネシウム1.5g,寒天15
g,pH7.2 ウレアーゼ:+ オキシダーゼ:+ カタラーゼ:+ 生育の範囲 I)pH:pH4.1〜8.5で生育するが、最適pHは6.3〜8.2。
II)温度:8〜36℃で生育するが最適温度は11〜24℃ 酸素に対する態度:好気的。
O−F(オキシダテイブーファーメンタティブ)テス
ト[ヒュー・レイフソン(Hugh Leifson)法]:酸化型。
糖からの酸およびガスの生成: DNAのG+C(グアニン−シトシン)含量:66.4±
1.5モル% 食塩耐性:0〜5% カルボキシメチルセルロース,コロイダルキチンの分
解能:− 寒天,アルギネートの分解能:− トウィーン(Tween)80の分解能:+ 以上の菌学的諸性状を有するYK−437株を、バージー
ズ・マニュアル・オブ・デターミネイティブ・バクテリ
オロジー(Bergey's Manual of Determinative Bacterio
logy)第8版およびインターナショナル・ジャーナル・
オブ・システマティック・バクテリオロジー(Internati
onal Journal of Systematic Bacteriology)第30巻 22
5〜420頁(1980年)および同誌バリデーション・リスト
(Validation list)に記載の種と照合すると、YK−437
株は、鞭毛による運動性を示すグラム陰性桿菌で、好気
性で、カタラーゼ陽性,オキシダーゼ陽性であり、DN
AのG+C含量が、66.4±1.0モル%であることから、
シュードモナス属に属すると考えられた。
上記バージーズ・マニュアル・オブ・デターミネイティ
ブ・バクテリオロジーによれば、シュードモナス属は、
栄養要求性,ポリ・ベータ・ヒドロキシブチレートの菌
体内蓄積、DL−アルギニンの利用性および40℃にお
ける生育からセクションI,II,IIIおよびIVに分けら
れている。
YK−437株の性質についてさらに実験し得られた結
果を第1表に示した。
YK−437株は、栄養要求性がなく、菌体内にポリ・
ベータ・ヒドロキシブチレートを蓄積しないことから、
セクションIには、10種の菌種が含まれている。YK
−437株は、蛍光性の色素を生成し、アルギニン・ジ
ヒドロラーゼを有することから、シュードモナス・エル
ギノーザ,シュードモナス・プチダ,シュードモナス・
フルオレッセンス,シュードモナス・クロロフィス,シ
ュードモナス・オーレオファッシエンスのいずれかの菌
種に属するものと考えられた。
YK−437株は、脱窒反応,トレハロース,ゲラニオ
ールの利用性で、シュードモナス・エルギノーザと相違
し、ゼラチンの加水分解,トレハロースの利用性で、シ
ュードモナス・プチダと相違した。また、脱窒反応,リ
パーセ活性,炭素源の利用性で、シュードモナス・クロ
ロラフィスと相違し、ソルビット,アドニットの利用性
で、シュードモナス・オーレオファッシエンスと相違し
た。
YK−437株の性質は、シュードモナス・フルオレッ
センスのそれと良く一致を示したので、YK−437株
を、シュードモナス・フルオレッセンスと同定し、シュ
ードモナス・フルオレッセンスYK−437(Pseudomo
nas fluorescens YK−437)と呼称することにし
た。
上記シュードモナス・フルオレッセンスYK−437株
は、昭和60年(1985年)6月7日に財団法人発酵研究所
(IFO)に受託番号IFO 14446として寄託さ
れ、また本微生物は、昭和60年(1985年)6月15日に
通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所(FRI)
に受託番号FERMP−8312として寄託され、該寄
託がブダペスト条約に基づく寄託に切換えられて、受託
番号FERM BP−1005として同研究所に保管さ
れている。
本発明方法に用いられるシュードモナス属細菌は一般に
その性状が変化しやすく、たとえば紫外線,X線,化学
薬品(例、ニトロソグアニジン,エチルメタンスルホン
酸)などを用いる人工変異手段で容易に変異しうるもの
であるが、どの様な変異株であっても、本発明の対象と
するTAN−749の生産能を有するものはすべて本発明
方法に使用することができる。
TAN−749を生産する菌の培養に際しては、炭素源と
しては、たとえばグルコース,麦芽糖,乳糖,廃糖蜜,
油脂類(例、大豆油,オリーブ油など),有機酸類
(例、クエン酸,コハク酸,グルコン酸など)など菌が
資化しうるものが適宜用いられる。窒素源としては、た
とえば大豆粉,棉実粉,コーン・スティープ・リカー,
乾燥酵母,酵母エキス,肉エキス,ペプトン,尿素,硫
酸アンモニウム,硝酸アンモニウム,塩化アンモニウ
ム,リン酸アンモニウムなどの有機窒素化合物や無機窒
素化合物が利用できる。また、無機塩としては、たとえ
ば塩化ナトリウム,塩化カリウム,炭酸カルシウム,硫
酸マグネシウム,リン酸一カリウム,リン酸二ナトリウ
ムなどの通常細菌の培養に必要な無機塩類が単独もしく
は適宜、組合せて使用される。また、TAN−749を生
産する菌の資化しうる硫黄化合物、たととえば硫酸塩
(例、硫酸アンモニウムなど),チオ硫酸塩(例、チオ
硫酸アンモニウムなど),亜硫酸塩(例、亜硫酸アンモ
ニウムなど)などの無機硫黄化合物,含硫アミノ酸
(例、シスチン,システィン,L−チアゾリン−4−カ
ルボン酸),ヒポタウリン,含硫ペプチド(例、グルタ
チオン)などの有機硫黄化合物または、これらの混合物
を培地に添加すると目的物の生成量が増大する場合があ
る。
また、硫酸第1鉄,硫酸銅などの重金属類,ビタミン
B1,ビチオンなどのビタミン類なども必要に応じて添加
される。さらにシリコーンオイルやポリアルキレングリ
コールエーテルなどの消泡剤や界面活性剤を培地に添加
してもよい。その他菌の発育を助け、TAN−749の生
産を促進するような有機物や無機物を適宜に添加しても
よい。
培養方法としては、一般の抗生物質の生産方法と同様に
行なえばよく、固体培養でも液体培養でもよい。液体培
養の場合は静置培養,攪拌培養,振蘯培養,通気培養な
どいずれを実施してもよいが、とくに通気攪拌培養が好
ましい。又培養温度は約10℃ないし30℃の範囲が好まし
くさらに好ましくは約17℃ないし24℃であり、培地のpH
は約4ないし8の範囲さらに好ましくは約6ないし7の
範囲であり、約8時間ないし168時間、好ましくは約24
時間ないし144時間培養する。
培養物から目的とするTAN−749を採取するには微生
物の生産する代謝物をその微生物の培養物から採取する
のに通常使用される分離手段が適宜利用される。たとえ
ばTAN−749は水溶性塩基性物質の性質を示し、主と
して培養ろ液中に含まれるので、まず培養液にろ過補助
剤を加えてろ過あるいは遠心分離によって、菌体を除去
する。得られた培養ろ過を適宜の担体に接触させてろ液
中の有効成分を吸着させ、次いで適宜の溶媒で有効物質
を脱着させ、分別採取する手段が有利に利用される。ク
ロマトグラフィーの担体としては活性炭,粉末セルロー
ス,吸着性樹脂など化合物の吸着性の差を利用、または
陽イオン交換樹脂,陽イオン交換セルロース,陽イオン
交換セファデックスなど化合物の官能基の差を利用,あ
るいはセファデックス類など化合物の分子量の差を利用
するものが有利に用いられる。これら担体から目的とす
る化合物を溶出するためには担体の種類,性質によって
組み合せが異なるが、たとえば水溶性有機溶媒の含水溶
液すなわち、含水アセトン,含水アルコール類など、あ
るいは酸,アルカリ,緩衝液もしくは無機あるいは有機
塩を含む水溶液などが適宜組み合わせて用いられる。
またこれらのクロマトグラフィーによって得られた抗生
物質を含む粗物質を分取用高速液体クロマトグラフィー
に付し、精製品を得る事も行われる。
さらに詳しく述べるならば、担体として陽イオン交換樹
脂たとえばアンバーライトIRC−50あるいはCG−50
(ローム・アンド・ハース社製,米国)などを用いると
ろ液中の抗菌性物質は吸着され、塩類あるいは酸含有の
水溶液あるいは緩衝液などで溶出される。あるいは陽イ
オン交換分子ふるい性樹脂たとえばCM−セファデック
ス(ファルマシア・ファィン・ケミカルズ社製,スウェ
ーデン)などの担体に抗生物質を吸着せしめ、塩類ある
いは酸含有の水溶液あるいは緩衝液などによって溶出さ
せることが出来る。これら溶出液中の塩類,着色物質な
どを取り除くためにはクロマトグラフィー用活性炭(武
田薬品工業株式会社製)あるいは吸着性樹脂たとえばダ
イヤイオンHP−20あるいはSP−207(三菱化成工業
株式会社製),アンバーライトXAD−II(ローム・ア
ンド・ハース社製,米国)などが有利に用いられる。分
画された溶出区分は濃縮,凍結乾燥などの工程を経て、
粉末化される。かくして得られた粉末の純度が悪い場
合、さらに精製するためには高速液体クロマトグラフィ
ー法(HPLC)が有利に利用される。用いられる担体
としてはたとえばTSKゲル(東洋曹達株式会社製),
YMCゲル(山村化学研究所製)などが挙げられ、移動
層としてはメタノールあるいはアセトニトリルなどと無
機塩含有水溶液あるいは緩衝液などとの混合液が用いら
れる。なおTAN−749は鉱酸たとえば塩酸,硫酸,リ
ン酸などあるいは有機酸たとえば蟻酸,酢酸,修酸など
の塩として単離される。
このようにして、塩の形で単離されたTAN−749塩
を、常套手段により遊離形のTAN−749とすることも
でき、また該遊離形の化合物を常套手段により上記と同
様の塩の形にすることもできる。
後述の実施例1で得られたTAN−749A,B,CおよびD二
塩酸塩の物理化学的性状はつぎの通りである。
[1]TAN−749A・二塩酸塩 (1)外観:無色固体 (2)比旋光度:▲[α]25 D▼-11°±5°(C=1.06,H2
O) (3)pKa′値:8.0 (4)分子量測定値:326(M+H)+,348(M+Na)+(SI-MS法によ
る)(Mは遊離体の分子量を表わす。) (5)分子式:C1527・2HCl (6)元素分析値:試料は五酸化リン上,40℃で6時間減圧
乾燥(1モルの水分を含むとして計算)(%) (7)紫外部(UV)吸収スペクトル:水中,第1図参照 (8)赤外部(IR)吸収スペクトル:KBr法,第2図
参照 主な吸収を示す(波数) 3400,3100,1700,1670,1550,1440,1380, 1340,1280,1220,1150,1100,1000,960, 870,680(cm-1) (9)13C核磁気共鳴(NMR)スペクトル:100MHz,δppm,重
水中、下記のシグナルが認められる。
第3図参照 174.7(s),172.3(s),171.7(s),139.3(d), 139.3(d),129.6(d),125.3(d),69.2(d), 49.2(d),47.8(t),39.8(t),39.1(t), 38.1(t),35.2(t),16.0(q) (ただし、s:singlet,d:doublet,t:triplet,q:quart
etを表わす) (10)高速液体クロマトグラフィー(HPLC): カラム:YMCパックA312(山村化学研究所製), 移動相:12%メタノール/0.01Mリン酸溶液(pH3),流速:
2ml/分 Rt=4.4(分) (11)呈色反応: 陽性,エールリッヒ反応,ジメチルベンツアルデヒド,
過マンガン酸カリウム 陰性,ニンヒドリン,グレイグ・リーバック,坂口,ド
ラーゲンドルフ反応 (12)溶解性: 可溶,水,ジメチルスルフォキサイド,メタノール 難溶,アセトン,酢酸エチル,ジエチルエーテル (13)酸性,中性,塩基性の区別:中性(遊離体は塩基
性) [2]TAN−749B・二塩酸塩 (1)外観:無色固体 (2)比旋光度:▲[α]25 D▼+56°±20°(C=1.0,H
2O) (3)pKa′値:8.05 (4)分子量測定値:340(M+H)+,362(M+Na)+(SI−MS
法) (5)分子式:C1629・2HCl (6)元素分析値:Aと同じ条件(1.5モルの水分を含むと
して計算)(%) (7)UV吸収スペクトル:水中,第4図参照 (8)IR吸収スペクトル:KBr法,第5図参照 3300,3100,1700,1660,1610,1550,1450, 1420,1380,1350,1280,1220,1150,1070, 1000,960,930,870,690(cm-1) (9)13CNMRスペクトル:100MHz,δppm,重水中,第6
図参照 174.7(s),171.6(s),139.3(d),139.2(d), 129.6(d),125.5(d),72.6(d),52.3(d), 49.3(d),39.9(t),39.1(t),37.5(t), 35.2(t),18.8(q),16.0(q) (10)HPLC:Aと同じ条件 Rt=7.2(分) (11)呈色反応:Aと同じ (12)溶解性:Aと同じ (13)酸性,中性,塩基性の区別:中性(遊離体は塩基
性) [3]TAN−749C・二塩酸塩 (1)外観:無色固体 (2)比旋光度:▲[α]23 D▼−11°±5°(c=0.68,H
2O) (3)分子量測定値:326(M+H)+,348(M+Na)+ (SI−MS法) (4)分子式:C1527・2HCl (5)元素分析値:(0.5モルの水分を含むとして計算)
(%) (6)UV吸収スペクトル:水中,第7図参照 (7)IR吸収スペクトル:KBr法,第8図参照 3250,3070,1660,1630,1540,1430,1340, 1260,1200,1150,1085,995,860,650(cm-1) (8)13CNMRスペクトル:100MHz,δppm,重水中 174.7(s),172.3(s),171.6(s),145.1(d), 143.0(d),132.0(d),123.1(d),69.2(d), 49.2(d),47.7(t),39.7(t),39.1(t), 38.0(t),35.2(t),20.6(q) (9)呈色反応:Aと同じ (10)HPLC:カラム;YMCパックA312(山村化
学研究所製),移動相;30%アセトニトリル/0.01M
オクタンスルフォン酸−0.02Mリン酸溶液(pH3),流
速;2ml/分 Rt=5.7(分)[A:Rt=5.3(分)] (11)溶解性:Aと同じ (12)酸性,中性,塩基性の区別:中性(遊離体は塩基
性) [4]TAN−749D・二塩酸塩 (1)外観:無色固体 (2)比旋光度:▲[α]24 D▼+30°±10°(c=0.5,H2
O) (3)分子量測定値:340(M+H)+,362(M+Na)+ (SI−MS法) (4)分子式:C1629・2HCl (5)元素分析値:(0.5モルの水分を含むとして計算)
(%) (6)UV吸収スペクトル:水中,第9図参照 (7)IR吸収スペクトル:KBr法,第10図参照 3250,3050,1660,1635,1530,1435,1345, 1260,1200,1150,995,860,650(cm-1) (8)13CNMRスペクトル:100MHz,δppm,重水中 174.7(s),171.7(s),171.6(s),145.3(d), 143.0(d),132.0(d),123.2(d),72.5(d), 52.2(d),49.3(t),39.9(t),39.2(t), 37.5(t),35.3(t),20.7(q),18.8(q) (9)呈色反応:Aと同じ (10)HPLC:Cと同じ条件 Rt=6.2(分)[B:Rt=5.8(分)] (11)溶解性:Aと同じ (12)酸性,中性,塩基性の区別:中性(遊離体は塩基
性) 以上記載した物理化学的性状から明らかなようにTAN
−749AとCおよびBとDはそれぞれ立体異性体の関
係にある。
次に、TAN−749の生物学的性状について述べる。
まず、TAN−749A,B,CおよびD(二塩酸塩)の各種微
生物に対する抗菌スペクトルを第2および3表に示す。
次に、TAN−749A・二塩酸塩の臨床分離スタフィロ
コッカス・アウレウス菌に対する抗菌力を第4表に示
す。
また、TAN−749A,B,CおよびD(二塩酸塩)のマウス
感染症における治療効果は、第5表に示すとおりであ
る。
さらに、TAN−749A,B(二塩酸塩)のマウスを用
いた急性毒性は第6表に示すとおりである。
これらのデータから明らかなように、TAN−749およ
びその塩はグラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して抗
菌性を示し、哺乳動物などに対する毒性が低い。また、
TAN−749およびその塩は種々の耐性菌に対して有効
であり、交叉耐性を示さない。したがってTAN−749
およびその塩は哺乳動物(例、マウス,ラット,ウサ
ギ,犬,ヒト)の細菌感染症の治療に用いることが出来
る。
TAN−749またはその塩をたとえば細菌感染症の治療
剤として用いる際、該治療剤はTAN−749またはその
塩を薬理学的に許容され得る担体と混合することにより
得られる。例えば、経口治療剤を製造する際には、適当
量の結合剤(例、ハイドロキシプロピルセルロース,ハ
イドロキシプロピルメチルセルロース,マクロゴース
等),崩壊剤(例、スターチ,カルボキシメチルセルロ
ースカルシウム等),賦形剤(例、乳糖,スターチ等)
および滑沢剤(例、ステアリン酸マグネシウム,タルク
等)等が用いられる。
非経口治療剤、例えば注射剤を製造する際には、等張化
剤(例、グルコース,D−ソルビトール,D−マンニト
ール,塩化ナトリウム等),保存剤(例、ベンジルアル
コール,クロロブタノール,パラヒドロキシ安息香酸メ
チル,パラヒドロキシ安息香酸プロピル等)および緩衝
剤(例、リン酸緩衝液,酢酸ナトリウム緩衝液等)等が
用いられる。
次にTAN−749またはその塩の投与法について述べ
る。
たとえばTAN−749またはその塩を注射剤として非経
口的に上記哺乳動物の皮下または筋肉内に約1ないし50
mg/kg/日,好ましくは約5ないし20mg/kg/日投与する。
また経口的にはTAN−749またはその塩をカプセル剤
とし、TAN−749として約1ないし100mg/kg/日、好ま
しくは約5ないし50mg/kg/日投与する。また、TAN−
749またはその塩は、殺菌剤として用いることができ
る。たとえばTAN−749またはその塩をTAN−749と
して約0.01ないし0.1w/v%の濃度で蒸留水に溶解した液
剤、または1gあたりTAN−749として約0.2ないし20m
g,好ましくは約1ないし10mg含有する軟膏剤として、
上記哺乳動物の手,足,眼,耳などに塗布することによ
り、これらの部位の殺菌,消毒に用いることができる。
実施例 次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
なお、培地におけるパーセントは、特にことわりのない
かぎり重量/容量%を示す。
実施例1 栄養寒天斜面上に生育したシュードモナス・フルオレッ
センスYK−437(IFO 14446,FERM B
P−1005)をグルコース2%,ソルブル・スターチ
3%,生大豆粉1%,コーンスティープリカー0.3%,
ポリペプトン(大五栄養化学株式会社製)0.5%,食塩
0.3%を含有する水溶液(pH0.7)に沈降性炭酸カルシウム
0.5%を添加した培地500mlを含む2容坂口フラスコに
接種して、24℃で48時間往復振蘯培養した。この培養液
全量を上記培地で消泡剤アクトコール(武田薬品工業株
式会社製)0.05%を添加した培地30を含む容量50の
タンクに接種し、24℃で通気量30/分、200回転/分
の条件下で48時間培養した。この培養液6をグリセロ
ール3%,グルコース0.1%,ポリペプトン(大五栄養
化学株式会社製)0.5%,内エキス(和光純薬工業株式
会社製)0.5%,食塩0.5%,チオ硫酸ナトリウム0.05
%,塩化コバルト2ppm,アクトコール0.05%を添加し
た培地120を含む容量200のタンクに接種し、24℃で
通気量120/分,170回転/分の条件下で66時間培養し
た。
上記で得られた培養液(105)を2N塩酸でpH6.5に調
整後、ハイフロスーパーセル(ジョンズ・マンビル・プ
ロダクト社製,米国)を加え、ろ過,水洗しろ液(102
)を得た。ろ液をpH6.5に調整後、IRC−50(Na
+型,2)を充填したカラムを通過させた。水でカラ
ムを洗浄後、2M食塩水(500)で溶出した。溶出液
を活性炭(2)のカラムを通過させ、水で洗浄後、8
%イソブタノール水(15)で溶出した。溶出液をpH6.
2に調整後2まで濃縮し、濃縮液をCMセファデック
スC−25(Na+型,0.5)を充填したカラムを通過させ
た。0.1M食塩水(20)で活性区分を溶出した。
溶出液の前半にTAN−749B成分が、後半にTAN−7
49A成分が溶出された。
各溶出区分を各々活性炭のクロマトグラフィー(1.0
および4.0)に対し、脱塩後、濃縮,凍結乾燥して、
TAN−749Bの粗物質(4.0g)およびTAN−749Aの粗
物質(8.9g)を得た。
粗物質B(4.0g)を分取用逆相高速液体クロマトグラフィ
ー[担体:YMCパックS-30(山村化学研究所製),移動
相:8%メタノール/0.02Mリン酸溶液(pH 3)]に付
し、活性画分を得た。この画分をCMセファデックスC
−25(Na+型,0.25)のカラムクロマトグラフィー,
つづいて活性炭のクロマトグラフィー(0.3)に付
し、精製された溶出画分を得た。この画分を濃縮,凍結
乾燥し、TAN−749B・二塩酸塩(0.66g)を
白色粉末として得た。同様の方法で粗物質A(8.9g)を処
理し、TAN−749A・二塩酸塩の白色粉末(4.7g)を
得た。
実施例2 栄養寒天斜面上に生育したシュードモナス・フルオレッ
センスYK−437(IFO 14446,FERM B
P−1005)をグルコース2%,ソルブル・スターチ
3%,生大豆粉1%,コーンスティープリカー0.3%,
ポリペプトン(大五栄養化学株式会社製)0.5%,食塩
0.3%を含有する水溶液(pH7.0)に沈降性炭酸カルシウム
0.5%を添加した培地500mlを含む2容坂口フラスコに
接種して、24℃で48時間往復振盪培養した。この培養液
全量を上記培地に消泡剤アクトコール(武田薬品工業株
式会社製)0.05%を添加した培地120を含む容量2
00のタンクに接種し、24℃で通気量120/分、
180回転/分の条件下で48時間培養した。この培養液
50をグリセロール3%,グルコース 0.1%,ポリ
ペプトン(大五栄養化学株式会社製)0.5%,内エキス
(和光純薬工業株式会社製)0.5%,食塩0.5%,チオ硫
酸ナトリウム0.05%,塩化コバルト2ppm,アクトコー
ル0.05%を添加した培地1200を含む容量2000
のタンクに接種し、24℃で通気量1200/分,1
50回転/分の条件下で66時間培養した。
上記で得られた培養液(1150)をpH6.5に調整
後、ハイフロスーパーセル(ジョンズ・マンビル・プロ
ダクト社製,米国)を加え、ろ過,水洗しろ液(122
0)を得た。ろ液をpH6.2に調整後、IRC−50(Na+
型,20)を充填したカラムを通過させた。水でカラ
ムを洗浄後、0.5N塩酸水(200)で溶出した。
溶出液をpH5.6に調整後、ダイアイオンSP−207
(20)のカラムを通過させ、水(120)で溶出
した。溶出液を2まで濃縮し、濃縮液をCG−50
(▲NH ▼型3)を充填したカラムを通過させ
た。0.4−0.6M食塩水(40)で活性区分を溶出分画
した。
溶出液の前半にTAN−749A,B,C,およびD成分が、
後半にTAN−749A成分が溶出された。
各溶出区分を各々活性炭のクロマトグラフィー(1.2
および2.0)に対し、8%イソブタノール水(4
および10)で溶出した。TAN−749Aのみを
含む区分は濃縮,凍結乾燥され、TAN−749A(4
7.5g)が得られた。
TAN−749A,B,C,Dを含む区分は同様に処理された
3ロット分(出発培養液にして3450分)をまとめ
て濃縮,濃縮液(2)はCG−50(▲NH
型,3)のカラムクロマトグラフィーに付された。カ
ラムを0.2M食塩水で洗浄後、0.5−0.8M食塩
水(40)で溶出した。溶出液の前半にはTAN−7
49BおよびDが、後半にはTAN−749AおよびC
が含まれていた。TAN−749AおよびCを含む画分
を活性炭のクロマトグラフィーに付し、脱塩後、濃縮,
凍結乾燥し、TAN−749Cが少量含まれるTAN−
749Aの粉末(20g)が得られた。
TAN−749BおよびDを含む画分は活性炭のクロマ
トグラフィーに付され、脱塩後、溶出液はCM−セファ
デックスC−25(Na型,1)のカラムクロマト
グラフィーに付され、0.2M食塩水で溶出された。溶
出液を濃縮し、濃縮液を分取用逆層系HPLC[担体:
ODS,YMC−Pak S−30,移動相:5%メタノ
ール/0.02Mリン酸緩衝液(pH3.0)]に付した。T
AN−749Bのみを含む画分をCM−セファデックス
および活性炭のクロマトグラフィーに付し、TAN−7
49B(3.05g)を得た。TAN−749Bおよび
Dを含む画分を濃縮し、再度HPLCに付した。TAN
−749Dのみを含む画分を濃縮し、濃縮液をIRA−
402(Cl型,10ml)のカラム中を通過させ、通
過,水洗液を活性炭のクロマトグラフィーに付し、脱塩
した。その結果、TAN−749D(15.5mg)が得られ
た。
TAN−749Cが少量含まれるTAN−749Aの粉
末(3g)をCM−セファデックス,CG−50,活性
炭のクロマトグラフィーに付し、上述した方法によって
TAN−749Cの混合比率を高めた。比率の高まった
粉末を上記HPLCの条件で、2度くり返し精製して、
TAN−749C(20.2mg)が得られた。
実施例3 上記の成分(1),(2),(3)および(4)を混和した後、常法に
従って顆粒化する。これに成分(5)を加え、常法に従っ
て1号ゼラチンカプセル(第10改正日本薬局法)に封
入し、カプセル剤とする。
実施例4 注射剤 TAN−749B20gを蒸留水1に溶かし、これに
マンニトール100gを加えて溶かし、滅菌濾過して、
アンプルに2mlずつ分注する。これを凍結乾燥機に入れ
て乾燥後封をすると使用時溶解用のアンプルが得られ
る。使用に際しては、該アンプルを開封し、2mlの生理
食塩水に溶解し、皮下または筋肉内投与用注射剤とす
る。
発明の効果 本発明のTAN−749A,B,CおよびDはバクテリアに
よって生産される新規抗生物質であり、耐性菌を含むグ
ラム陽性およびグラム陰性菌に有効であるので臨床用医
薬品たとえば細菌感染症の治療剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図,第2図および第3図は抗生物質TAN−749
A・二塩酸塩のUV,IRおよび13CNMRスペクトル
を、第4図,第5図および第6図は抗生物質TAN−7
49B・二塩酸塩のUV,IRおよび13CNMRスペク
トルを、第7図および第8図は抗生物質TAN−749
C・二塩酸塩のUVおよびIRスペクトルを、第9図お
よび第10図は抗生物質TAN−749D・二塩酸塩の
UVおよびIRスペクトルをそれぞれ示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:39) (C12N 1/20 C12R 1:39)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二塩酸塩として次の物理化学的性状を有す
    る抗生物質TAN−749A,B,CまたはD TAN−749A; (1)外観:無色固体 (2)分子式:C1527・2HCl (3)紫外部(UV)吸収スペクトル:水中 (4)赤外部(IR)吸収スペクトル:KBr法 主な吸収を示す(波数) 3400,3100,1700,1670,1550,1440, 1380,1340,1280,1220,1150,1100, 1000,960,870,680(cm-1) (5)13C核磁気共鳴(NMR)スペクトル:100MHz,δppm,重
    水中、下記のシグナルが認められる。 174.7(s),172.3(s),171.7(s),139.3(d), 139.3(d),129.6(d),125.3(d),69.2(d), 49.2(d),47.8(t),39.8(t),39.1(t), 38.1(t),35.2(t),16.0(q) (6)呈色反応: 陽性,エールリッヒ反応,ジメチルベンツアルデヒド,
    過マンガン酸カリウム 陰性,ニンヒドリン,グレイグ・リーバック,坂口,ド
    ラーゲンドルフ反応, TAN−749B; (1)外観:無色固体 (2)分子式:C1629・2HCl (3)UV吸収スペクトル:水中 (4)IR吸収スペクトル:KBr法 3300,3100,1700,1660,1610,1550,1450, 1420,1380,1350,1280,1220,1150,1070, 1000,960,930,870,690(cm-1) (5)13CNMRスペクトル:100MHz,δppm,重水中、下記
    のシグナルが認められる。 174.7(s),171.6(s),139.3(d),139.2(d), 129.6(d),125.5(d),72.6(d),52.3(d), 49.3(d),39.9(t),39.1(t),37.5(t), 35.2(t),18.8(q),16.0(q) (6)呈色反応: 陽性,エールリッヒ反応,ジメチルベンツアルデヒド,
    過マンガン酸カリウム 陰性,ニンヒドリン,グレイグ・リーバック,坂口,ド
    ラーゲンドルフ反応, TAN−749C; (1)外観:無色固体 (2)分子式:C1527・2HCl (3)UV吸収スペクトル:水中 (4)IR吸収スペクトル:KBr法 3250,3070,1660,1630,1540,1430,1340, 1260,1200,1150,1085,995,860,650(cm-1) (5)13CNMRスペクトル:100MHz,δppm,重水中、下記
    のシグナルが認められる。 174.7(s),172.3(s),171.6(s),145.1(d), 143.0(d),132.0(d),123.1(d),69.2(d), 49.2(d),47.7(t),39.7(t),39.1(t), 38.0(t),35.2(t),20.6(q) (6)呈色反応: 陽性,エールリッヒ反応,ジメチルベンツアルデヒド,
    過マンガン酸カリウム 陰性,ニンヒドリン,グレイグ・リーバック,坂口,ド
    ラーゲンドルフ反応, TAN−749D; (1)外観:無色固体 (2)分子式:C1629・2HCl (3)UV吸収スペクトル:水中 (4)IR吸収スペクトル:KBr法 3250,3050,1660,1635,1530,1435,1345, 1260,1200,1150,995,860,650(cm-1) (5)13CNMRスペクトル:100MHz,δppm,重水中、下記
    のシグナルが認められる。 174.7(s),171.7(s),171.6(s),145.3(d), 143.0(d),132.0(d),123.2(d),72.5(d), 52.2(d),49.3(d),39.9(t),39.2(t), 37.5(t),35.3(t),20.7(q),18.8(q) (6)呈色反応: 陽性,エールリッヒ反応,ジメチルベンツアルデヒド,
    過マンガン酸カリウム 陰性,ニンヒドリン,グレイグ・リーバック,坂口,ド
    ラーゲンドルフ反応, またはこれらの塩。
  2. 【請求項2】シュードモナス属に属し、抗生物質TAN
    −749A,B,CおよびDのうち少なくとも1種を生産する能
    力を有する微生物を培地に培養し、培養物中に抗生物質
    TAN−749A,B,CおよびDのうち少なくとも1種を生成
    蓄積せしめ、これを採取することを特徴とする抗生物質
    TAN−749A,B,CまたはDまたはこれらの塩の製造法。
  3. 【請求項3】抗生物質TAN−749A,B,CおよびDのうち
    少なくとも1種を含有する細菌感染症治療剤。
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