JPH0639037Y2

JPH0639037Y2 - 巻戸用緩衝装置

Info

Publication number: JPH0639037Y2
Application number: JP1987136744U
Authority: JP
Inventors: 栄一野口; 好友長田
Original assignee: 株式会社野口ハードウェアー
Priority date: 1987-09-09
Filing date: 1987-09-09
Publication date: 1994-10-12
Anticipated expiration: 2002-09-09
Also published as: JPS6443188U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］本考案は、薬品器具戸棚等の筺体に装着されている巻戸
の緩衝装置に関する。

［従来の技術］従来、薬品器具戸棚等筺体の開口部に装着されている巻
戸の背部にロープを結合し、該ロープを案内滑車を介し
て案内し、該案内端部に緩衝装置としてのコイルバネを
結合したものがある。（実開昭54-175422号、実開昭59-
60292号）。

［考案が解決しようとする問題点］ところが、上記従来の緩衝装置では、筺体の天板又は側
板に案内滑車及びコイルバネの端部を軸支又は固定して
おり、その位置を正確に設定させることが困難でその取
り付けが面倒であり、正確な位置に設けないと有効な緩
衝作用が得られないという課題がある。

そこで本考案は、前記従来の課題を解決するために、巻
戸用緩衝装置の各部材を正確な位置に容易に取り付け得
るようにした巻戸用の緩衝装置を提供することを目的と
する。

［問題点を解決するための手段］上記の目的を達成するための本考案の構成を、実施例に
対応する第１図乃至第４図を用いて説明する。

すなはち、本考案は、筺体の前面開口を上下に昇降して
開閉する巻戸を有し、該巻戸は、前記前面開口両側部の
ガイドレール、筺体天井部のガイド部及び筺体背部のガ
イド部を通って案内される巻戸用の緩衝装置において、縦方向に長い板体よりなる枠部（３）と該枠部（３）の
下部の定位置に枢着された案内滑車（４）と該枠部
（３）の上部に上端が固定された上下方向に長い引張バ
ネとしてのコイルバネ（５）とよりなる緩衝体を具備
し、前記緩衝体の枠部（３）が前記筺体の背部に上下方向に
固定され、前記巻戸（２）の背部に接続されたロープ
（６）が前記案内滑車（４）を回って前記コイルバネ
（５）の下端に結合され、開閉作動により変化する巻戸
の支持重量とバランスしてコイルバネ（５）が上下に伸
縮することを特徴としている。

（作用）筺体（１）の背部の指定位置に緩衝体の枠部（３）を固
定することにより、案内滑車（４）及びコイルバネ
（５）の位置が正確に定まる。巻戸（２）が開口を閉鎖
した状態にあっては、コイルバネ（５）は伸張してお
り、巻戸（２）の下端を持ってこれを持ち上げて開口さ
せる時に、コイルバネ（５）は縮小して巻戸を持ち上げ
る方向に働くところから、巻戸の開放操作が容易とな
る。また、巻戸（２）を、その開放状態から引き下す時
には、コイルバネ（５）が伸張し、巻戸下降時の自重に
よる衝撃を緩衝する。

（実施例）第１図乃至第４図を参照して、本考案の実施例を説明す
る。

実施例に係る巻戸用緩衝装置は、筺体１に装備され、該
筺体１には、上下に昇降して、筺体１の前面開口1aを開
閉する巻戸２が設けられている。

この巻戸２は、筺体１の前面開口1aの両側のガイドレー
ル1b、同天井部に沿ったガイド部1c及び同背部に沿った
ガイド部1dを通って案内され、第１図及び第２図に示す
閉鎖位置において、巻戸２の後端部が、背部ガイド部1d
の上端部近くに位置するようになっている。

筺体１の背部の両側には、縦方向に長い緩衝体の枠部３
が設けられ、該枠部３の下部の定位置にはＶ滑車よりな
る案内滑車４が枢着されている。

また、枠部３の上部には、上下方向に長い引張りバネと
してのコイルバネ５の上端が固定され、該コイルバネ５
の下端にはロープ６が固定されて、同ロープ６の他端
は、上記案内滑車４を通って巻戸２の後端部に固定され
ている。上記コイルバネ５は、第１図及び第２図に示す
巻戸２の閉鎖位置において、最も伸張した状態にある。

上記の実施例において、巻戸２が閉鎖位置にある時に
は、コイルバネ５は最も伸張して、ロープ６を介して巻
戸２の巻上方向の力を与えており、巻戸２の重量とバラ
ンスしている。従って、巻戸２を引き上げる時には、巻
戸２はその重量に拘わらずわずかな力で上昇し、巻戸２
の上昇につれてコイルバネ５が縮み、巻戸２が半開きの
状態の時にコイルバネ５の長さは最少となり、巻戸２に
対する力も最少となり、この時、巻戸２の前半と後半
が、筺体１の前後に垂下し、巻戸２の重量が前後にバラ
ンスしている。

さらに、巻戸２を上昇させると、巻戸２後半の背部ガイ
ド部1d内にある部分の重量が前半の重量に勝り、巻戸２
はその後半の自重により急速に巻き上ろうとするが、再
びコイルバネ５が伸長を始めて巻戸２の後半の重量を支
えるところから、巻戸２は緩衝され、徐々に前端が引き
上げられて筺体１の前部開口1aが開放する。

上記の開放位置から巻戸２を閉鎖させるために、巻戸２
の前縁に引き下げると、巻戸２の後半の重量が伸張状態
にあるコイルバネ５によって引かれて、軽く引き下げら
れ、巻戸２が半開き位置から閉鎖位置に引き下げられる
と、巻戸２の前半閉鎖部の重量による衝撃はコイルバネ
５の伸張に併い緩衝される。

以上のように、巻戸２の重量とコイルバネ５の力とが常
にバランスしており、巻戸２の開閉が軽く、しかも急な
上昇又は下降が共に緩衝されている。

［考案の効果］本考案によれば、巻戸の開放時の上昇に要する力をコイ
ルバネの付勢力で補充することにより軽減することがで
き、また、その巻戸の下降時における巻戸自重の加算さ
れた衝撃作用が同じコイルバネを有するトルクと均衡す
ることにより緩和され、ユニット化された比較的簡単な
構成によりこの種巻戸の昇降作動が軽快かつ円滑に行わ
れる。

また、本考案によれば、縦方向に長い板体よりなる枠部
（３）の下部の定位置に案内滑車（４）を枢着し、該枠
部（３）の上部に上下方向に長いコイルバネ（５）の上
端を固定して緩衝体を構成したので、緩衝体がユニット
化されており、枠部（３）を筺体背部の指定位置に固定
することにより、案内滑車（４）及びコイルバネ（５）
の位置が定まり、その取り付け作業が容易であり、且つ
設計又は製造の段階で案内滑車（４）とコイルバネ
（５）の位置を枠体（３）上の正確な位置に設定させる
ことが可能となり、従来の筺体本体側に設定する構造に
比しその位置の設定が容易で、有効な緩衝作用が得られ
るという実用上優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施例に係る緩衝装置が設けられた
筺体の側断面図、第２図は、同筺体の一部の背面図、第
３図は、同要部の側面図、第４図は、同要部の背面図で
ある。１……筺体、1a……前面開口、２……巻戸、３……枠
体、４……案内滑車、５……コイルバネ、６……ロー
プ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】筺体の前面開口を上下に昇降して開閉する
巻戸を有し、該巻戸は、前記前面開口両側部のガイドレ
ール、筺体天井部のガイド部及び筺体背部のガイド部を
通って案内される巻戸用の緩衝装置において、縦方向に長い板体よりなる枠部（３）と該枠部（３）の
下部の定位置に枢着された案内滑車（４）と該枠部
（３）の上部に上端が固定された上下方向に長い引張バ
ネとしてのコイルバネ（５）とよりなる緩衝体を具備
し、前記緩衝体の枠部（３）が前記筺体の背部に上下方向に
固定され、前記巻戸（２）の背部に接続されたロープ
（６）が前記案内滑車（４）を回って前記コイルバネ
（５）の下端に結合され、開閉作動により変化する巻戸
の支持重量とバランスして前記コイルバネ（５）が上下
に伸縮することを特徴とする巻戸用緩衝装置。