JPH0638837Y2 - 記録紙送り用スプロケットドラム - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は記録紙を送るための記録紙送り用スプロケット
ドラムに関する。

（従来の技術） 従来、紙送り用スプロケットドラムは第５図に示すよう
に、スプロケットドラム（１）のスプロケットドラム
（２）…に記録紙（３）の両側端部に穿設された送り孔
（４）…が係合し、上記スプロケットドラム（１）の回
転によって記録紙（３）が送られるようになっている。
そして、記録紙（３）を所定位置で自重によりスプロケ
ットドラム（１）から剥離させるようにしていた。

しかしながら、上記記録紙（３）は通常薄厚のものが使
用され、また、記録紙（３）の走行中に発生する静電気
や摩擦によるバックテンションによって記録紙（３）は
スプロケットドラム（１）からの離れが悪くなり、スプ
ロケットドラム（１）に巻付いてしまったり、所定の位
置で剥離しなくなったりするため、記録紙（３）に対し
てその後正常な紙送りができなくなるという問題を有し
ていた。

（考案が解決しようとする課題） 従来は上述したようにスプロケットドラム（１）のスプ
ロケット（２）に係合して走行する記録紙（３）が走行
中に発生する静電気や摩擦によるバックテンションによ
ってスプロケットドラム（１）に巻付いたり、あるいは
所定位置で剥離されないため、その後正常な紙送りを行
うことができなくなるという問題を有していた。

本考案は上記課題を解決するためになされたもので、そ
の目的とするところは記録紙とスプロケットドラムとの
係合状態を所定の位置で解除し、記録紙をそれ以上送り
込むことなく剥離し得るようにした記録紙送り用スプロ
ケットドラムを提供することにより、正常にして、かつ
安定した記録紙送りを実現させるものである。

〔考案の構成〕

（課題を解決するための手段） 本考案は上記課題を解決するために、記録紙をスプロケ
ットのピンに係合して紙送りさせる記録紙送り用スプロ
ケットドラムにおいて、上記スプロケットドラムは円柱
形ドラムと、このドラムと同一の外形寸法にして、かつ
外周に等間隔のピンを突設してなるスプロケットと、上
記ドラムの両端に固着される上記スプロケットとの間に
溝を形成するための軸心部と、この軸心部に遊嵌され、
上記ドラムの外周を突出する部分と突出しない部分を有
した状態で自重にて位置保持されるリング状カラーとか
ら構成されるものである。

（作用） すなわち、本考案は上記構成とすることにより、スプロ
ケットドラムのスプロケットに記録紙の送り孔が係合
し、スプロケットドラムの回転によって送られてきた記
録紙は、スプロケットドラムの下側でスプロケットドラ
ムの外周からはみ出たリング状カラーによって、常に所
定の位置でスプロケットとの係合状態が強制的に解除さ
れ、記録紙をそれ以上送り込むことなく剥離させること
ができる。

（実施例） 以下、本考案を第１図乃至第３図に示す一実施例にもと
づいて説明する。第１図は記録紙送り用スプロケットド
ラムに記録紙をセットした状態を示す斜視図、第２図は
記録紙送り用スプロケットドラムの構成を示す斜視図、
第３図はその分解斜視図である。図中、スプロケットド
ラム（10）は円柱形ドラム（11）と、外周に等間隔でピ
ン（13）…を突設してなる上記ドラム（11）と同一外形
寸法の円柱形スプロケット（12），（12）と、上記ドラ
ム（11）の両端とスプロケット（12）との間に介在して
設けられる小判形のリング状カラー（14），（14）とか
ら構成される。上記ドラム（11）の両端には径小の軸心
部（15）が一体形成されていて、これらの軸心部（1
5），（15）にはそれぞれ１個のカラー（14）が回転自
在に遊嵌され、さらに上記軸心部（15），（15）の端部
にスプロケット（12），（12）が固着されるようになっ
ている。上記ドラム（11）の軸心部（15）に遊嵌された
カラー（14）は、スプロケットドラム（10）が水平状態
に設置されるとき、第２図に示すようにドラム（11）の
外周に突出する部分（14a）と突出しない部分（14b）を
有した状態で自重によって位置保持される。図中、
（３）は上記スプロケット（12）のピン（13）に係合す
る送り孔（４）…が両端部に穿設された記録紙である。

つぎに、上記構成にもとづく本考案の動作を説明する。
第１図において、スプロケットドラム（10）のスプロケ
ット（12），（12）に突設されている。ピン（13）…に
記録紙（３）の送り孔（４）…を係合させてセットす
る。つぎに、スプロケットドラム（10）を図示しない駆
動源により回転させると、スプロケットドラム（10）の
回転により矢印ａ方向に送られてくる記録紙（３）は、
カラー（14）のドラム（11）の外周に突出する部分（14
a）により巻込み現象が抑えられて所定位置でスプロケ
ット（12），（12）との係合状態が強制的に解除され、
記録紙（３）を巻込み方向に搬送させることなく離れて
矢印ａ方向へ垂下する。なお、上記カラー（14）はスプ
ロケットドラム（10）が回転を続けても回転自在に介在
しているため、自重によって常に所定位置、すなわちス
プロケットドラム（10）の下側に一部分（14a）が突出
して記録紙（３）のスプロケットドラム（10）への巻込
み現象を防止することができる。

したがって、記録紙（３）は静電気やバックテンション
の影響によって生ずるスプロケットドラム（10）との係
合状態を常に所定位置で解除することが可能である。

なお、上記実施例ではカラー（14）を小判形のリング状
に形成したが、この形状に限定されるものではなく、ス
プロケットドラム（10）の外形寸法よりも大きい真円形
リング状に形成し、上記軸心部（15）に遊嵌したとき、
自重により、このカラーの上部がスプロケットドラム
（10）の最上部から突出しないように設定すれば所期の
目的を果し得るものであり、また数も２個に制限される
ものではない。

また、第４図に示す（16）はＣ形のリング状カラーで、
このカラー（16）は小判形リング状カラー（14）の外周
を一部切断し、この切断部（17）の間隔（Ｇ）をドラム
（11）の両端に突設した軸心部（15）の外径寸法と同等
又は僅か長く形成されるもので、ドラム（11）の両端に
スプロケット（12）を固着した後、軸心部（15）に上記
カラー（16）の切断部（17）を挿入すればよく、さらに
組立てが容易に行なえるという利点がある。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、記録紙とスプロケ
ットドラムとの係合状態は静電気やバックテンションの
影響をうけることなく所定位置で解除し、記録紙を所定
位置以上送り込むことなく剥離して垂下するので、正
常、かつ安定して紙送りを行なうことができ、また構成
部品の点数が少なく構造を簡単であるという効果を奏す
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の一実施例を示すもので、第
１図は記録紙送り用スプロケットドラムに記録紙を係合
状態にセットした斜視図、第２図は記録紙送り用スプロ
ケットの構成を示す斜視図、第３図はその分解斜視図、
第４図は他の実施例を示すリング状カラーの斜視図、第
５図は従来の記録紙送り用スプロケットドラムに記録紙
を係合状態にセットした斜視図である。 ３……記録紙、４……送り孔10 ……スプロケットドラム 11……ドラム、12……スプロケット 13……ピン 14……小判形のリング状カラー（リング状カラー） 14a……ドラムの外周を突出する部分 14b……ドラムの外周を突出しない部分 15……軸心部 16……Ｃ形のリング状カラー（リング状カラー）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】記録紙をスプロケットのピンに係合して、
   紙送りさせる記録紙送り用スプロケットドラムにおい
   て、上記スプロケットドラムは円柱形ドラムと、このド
   ラムと同一の外形寸法にして、かつ外周に等間隔のピン
   を突設してなるスプロケットと、上記ドラムの両端に固
   着される上記スプロケットとの間に溝を形成するための
   軸心部と、この軸心部に遊嵌され、上記ドラムの外周を
   突出する部分と突出しない部分を有した状態で自重にて
   位置保持されるリング状カラーとから構成したことを特
   徴とする記録紙送り用スプロケットドラム。