JPH0638670A - 魚の仕分け装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構成を大形化することなしに仕分け処理の効
率を向上し、多数の魚を迅速に大きさ毎に仕分け処理す
る。 【構成】 各対を成す駆動側プーリと従動側プーリとに
わたって巻掛けられて張架され、少なくとも仕分けられ
るべき魚が供給される各張架部分で間隔をあけて隣接
し、かつ相互に近接するにつれて下方に傾斜する案内面
が形成される複数の無端状の搬送ベルトと、各駆動側プ
ーリを回転駆動する回転駆動手段と、前記搬送ベルトの
各張架部分を保持した状態で、各張架部分の通過経路を
相互に近接／離反する方向に案内するベルト案内手段と
を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、大きさおよび種類の異
なる多数の魚を高速で大きさあるいは種類毎に仕分ける
ための装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】たとえば底引網などによって捕獲された
多数の魚は、その大きさおよび種類も異なり、海草ある
いはごみなどが混在しており、魚の鮮度が低下しないう
ちにフイレなどに処理しなければならない。そのため、
前記海草およびごみなどを予め除去するとともに、魚の
大きさおよび種類に応じて予め仕分けておくことが後続
する魚の処理作業を迅速に行うためには重要である。ま
た船内の比較的狭い場所では、仕分け作業を行うために
大きな占有空間を確保することは困難であり、構成を大
形化することなしに高い仕分け能力を有する魚の仕分け
装置が所望されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、むやみに大きな構成とすることなしに多数の魚を
大きさあるいは種類に応じて迅速に仕分けることができ
る仕分け能力が向上された魚の仕分け装置を提供するこ
とである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、各対を成す駆
動側プーリと従動側プーリとにわたって巻掛けられて張
架され、少なくとも仕分けられるべき魚が供給される各
張架部分で間隔をあけて隣接し、かつ相互に近接するに
つれて下方に傾斜する案内面が形成される複数の無端状
の搬送ベルトと、各駆動側プーリを回転駆動する回転駆
動手段と、前記搬送ベルトの各張架部分を保持した状態
で、各張架部分を相互に近接／離反する方向に案内する
ベルト案内手段とを含むことを特徴とする魚の仕分け装
置である。

【０００５】

【作用】本発明に従えば、相互に間隔をあけて隣接する
複数の搬送ベルトは、駆動側プーリと従動側プーリとに
わたって巻掛けられて張架される。各搬送ベルトには、
仕分けられるべき魚が供給される各張架部分において相
互に近接するにつれて下方に傾斜する案内面が形成され
る。また各張架部分はベルト案内手段によって保持さ
れ、仕分けられるべき魚体の大きさあるいは種類などに
応じて各張架部分の相互の間隔が設定される。前記張架
部分における搬送方向上流側に供給された魚は、前記ベ
ルト案内手段によって設定された各張架部分間の間隔に
応じて小さいものから大きなものへ順次的に案内面によ
って案内されながら各張架部分間を通過して下方に落下
していく。このようにして搬送方向上流側から下流側に
なるにつれて小さい魚から大きい魚へ順次的に落下させ
て、前記ベルト案内手段によって設定された間隔に対応
する大きさ毎に多数の魚を仕分けることが可能となる。

【０００６】

【実施例】図１は本発明の一実施例の仕分け装置１を示
す正面図であり、図２は仕分け装置１の平面図である。
複数の溝形鋼などを相互に溶接によって連結して構成さ
れる基台３上には、一対の枠体４，５が溶接によって立
設される。各枠体４，５は、Ｌ形鋼である複数の縦枠部
材６ａ，６ｂ，６ｃ，６ｄと、各縦枠部材６ａ〜６ｄの
上端部を相互に連結するＬ形鋼から成る横枠部材７ａ，
７ｂ，７ｃと、各縦枠部材６ａ〜６ｄを相互に連結し、
水平に延びる単一本のＬ形鋼から成る支持部材８とを有
する。

【０００７】支持部材８の長手方向の一端部付近には、
従動側プーリ９，１０を共通に挿通する軸１１の両端部
を軸支する軸受１３，１４が固定的に設けられる。また
前記支持部材８の長手方向の他端部付近には、駆動側プ
ーリ１５，１６を共通に挿通する軸１７の両端部を軸支
する軸受１８，１９が前記軸受１３，１４に近接／離反
変位調整可能に設けられる。駆動側と従動側とによって
各対を成すプーリ９，１５；１０，１６間には、無端状
の一対の搬送ベルト２０，２１が巻掛けられて張架され
る。

【０００８】前記駆動側プーリ１５，１６の軸１７の軸
線方向一端部にはスプロケットホイール２３が固定さ
れ、減速機２４の回転軸２５に固定されるもう１つのス
プロケットホイール２６からの動力がチエン２７を介し
て伝達される。前記減速機２４の回転軸２５には、モー
タ２８の回転力が伝達される。したがってモータ２８が
電力付勢されると、その回転力が減速機２４を介して軸
１７に伝達され、これによって駆動側プーリ１５，１６
が回転駆動されて、各搬送ベルト２０，２１の仕分けら
れるべき魚が供給される各張架部分である上張架部分２
９，３０が矢符Ａ方向に１００ｍ／分程度の速度で走行
駆動される。

【０００９】各搬送ベルト２０，２１は、少なくとも前
記上張架部分２９，３０間で仕分けられるべき魚の大き
さに応じた間隔Ｄを有しており、この間隔Ｄは搬送方向
Ａ上流側から下流側になるにつれて拡開されている。ま
た各枠体４，５の横枠部材７ｂには、搬送方向Ａに間隔
をあけて複数（本実施例では各２）のベルト案内手段と
してのベルト案内部材３３ａ，３３ｂ；３４ａ，３４ｂ
が前記間隔Ｄに近接／離反する方向に変位自在に設けら
れる。これらのベルト案内部材３３ａ，３３ｂ；３４
ａ，３４ｂによって、各搬送ベルト２０，２１の上張架
部分２９，３０の走行経路を魚の大きさに応じて移動さ
せて前記間隔Ｄを調整することができる。通常、前記間
隔Ｄは従動側プーリ９，１０付近では１ｃｍ程度であ
り、駆動側プーリ１５，１６付近では５〜６ｃｍ程度に
設定されるけれども、仕分けられるべき魚の種類あるい
は大きさに応じて適宜選択することができる。

【００１０】図３は、図１の切断面線ＩＩＩ−ＩＩＩか
ら見た拡大断面図である。前記搬送ベルト２０，２１の
軸直角断面は円形であり、たとえば六角ベルトなどであ
る布製の芯材３６と、その外周面に一体的に形成される
ゴムなどである外層材３７とを有する。このような搬送
ベルト２０，２１間には、仕分けられるべき魚Ｆが不揃
いな姿勢で供給され、搬送方向Ａ下流側に搬送されるに
つれて小さい物から順に前記間隔Ｄに応じて順次的に落
下して、上張架部分２９，３０の下方にシュートなどを
設けておくことによって魚Ｆを大きさ別に、あるいは種
類別に仕分けて選別することができる。

【００１１】このようにして各搬送ベルト２０，２１間
に供給された魚Ｆを間隔Ｄを介して落下させるために、
各搬送ベルト２０，２１には、相互に近接するにつれて
下方に傾斜する案内面３８，３９が形成される。本実施
例では各案内面３８，３９は円弧状である。一対のベル
ト案内部材３３ａ，３４ａは、ボルト４１によって横枠
部材７ｃに取付けられる平板状の取付部４３と、取付部
４３の一端部に連なり前記搬送ベルト２０，２１を保持
する円弧状の保持部４４とを有する。取付部４３には、
相互に近接／離反する方向、すなわち図３の左右方向に
延びる長孔４５が形成される。各横枠部材７ｂには、ボ
ルト４１の軸部が挿通するボルト挿通孔４６が形成さ
れ、前記長孔４５およびボルト挿通孔４６を挿通したボ
ルト４１の軸部にはナット４７が螺着されて前記ベルト
案内部材３３ａ，３４ａが横枠部材７ｂにそれぞれ固定
される。各搬送ベルト２０，２１の走行経路を調整する
にあたっては、まずナット４７を緩めて、仕分けられべ
き魚Ｆに応じて間隔Ｄを調整し、その位置で再びナット
４７を締め付けて各ベルト案内部材３３ａ，３４ａを横
枠部材７ｂに固定する。

【００１２】また残余の他方対のベルト案内部材３３
ｂ，３４ｂもまた、前述したベルト案内部材３３ａ，３
４ａと同様な構成によって、横枠部材７ｂに取付けられ
ており、これらのベルト案内部材３３ａ，３４ａ；３３
ｂ，３４ｂを相互に近接／離反変位することによって、
たとえば図２の平面図において各ベルト案内部材３３
ａ，３４ａ；３３ｂ，３４ｂの上張架部分２９，３０間
の間隔Ｄをほぼ平行とすることも可能であり、魚の形状
に応じて適宜調整することができる。

【００１３】図４は、軸受１９付近の斜視図である。前
記軸受１９は、ラジアル軸受であって、軸１７を軸支す
る軸受本体４９と、軸受本体４９の両側に突出して形成
される取付フランジ５０ａ，５０ｂとを有する。各取付
フランジ５０ａ，５０ｂはボルト５１およびナット５３
によって、部材軸直角断面がＵ字状の移動部材５４に固
定され、移動部材５４の一方の立上り部５５にはねじ棒
５６が固着される。このねじ棒５６は支持部材８に溶接
などによって固定されるストッパ５７を挿通し、その両
側に螺着されたナット５８，５９によって締結されてい
る。もう一方の軸受１８もまた、前述した軸受１９と同
様な構成によって変位自在に設けられている。

【００１４】これらの軸受１８，１９によって軸支され
る前記軸１７の軸線と、前記軸受１８，１９によって軸
支される前記軸１１の軸線とはほぼ平行であるけれど
も、各搬送ベルト２０，２１の張力調整のために軸１７
をその軸線が軸１１の軸線に対して交差する方向に傾斜
させることも可能である。

【００１５】各搬送ベルト２０，２１の上方には、図示
しない支持部材によって支持された管路６１が搬送方向
Ａに沿って延びて配置される。この管路６１には、下方
に向けて水を噴射するための複数のノズル孔６３が長手
方向に間隔をあけて形成される。これらのノズル孔６３
から各搬送ベルト２０，２１に水を噴射することによっ
て、魚Ｆの滑りをよくして円滑に落下させることができ
る。

【００１６】以上のような構成を有する仕分け装置１に
よって、各搬送ベルト２０，２１を前述したように走行
方向Ａに向けて１００ｍ／分程度で走行駆動させたと
き、３０〜４０トン／時の魚を仕分け処理することがで
きる。

【００１７】本発明の他の実施例として、図５に示され
るように、中心軸線に関して両側に外側方になるにつれ
て下方に傾斜する一直線状の案内面６５，６６が形成さ
れる搬送ベルト６７，６８を用いるようにしてもよく、
さらに図６に示されるように各案内面６９，７０間の中
央で上方に突出した突部７１，７３を有する搬送ベルト
７４，７５を用いるようにしてもよい。

【００１８】上述の実施例では、一対の搬送ベルト２
０，２１；６７，６８；７４，７５を用いるようにした
けれども、本発明のさらに他の実施例として、３本以上
の搬送ベルトを用いるようにしてもよい。このように搬
送ベルトの数に応じて魚の搬送経路を増加しあるいは減
少することができるので、構成が大形化することなしに
仕分け処理能力を向上することができる。

【００１９】

【発明の効果】本発明によれば、間隔を有する複数の搬
送ベルト上に仕分けられるべき魚を供給して、搬送しな
がらその魚の大きさあるいは種類に応じて仕分けること
ができるので、構成を大形化することなしに多数の魚を
迅速に仕分け処理することができ、仕分け処理作業の効
率を格段に向上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の仕分け装置１を示す正面図
である。

【図２】仕分け装置１の平面図である。

【図３】図１の切断面線ＩＩＩ−ＩＩＩから見た拡大断
面図である。

【図４】軸受１９付近の斜視図である。

【図５】本発明の他の実施例の搬送ベルト６７，６８を
示す断面図である。

【図６】本発明のさらに他の実施例の搬送ベルト７４，
７５を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 仕分け装置 ４，５ 枠体 ９，１０ 従動側プーリ １３，１４；１８，１９ 軸受 ２０，２１；６７，６８；７４，７５ 搬送ベルト ２４ 減速機 ２８ モータ ２９，３０ 上張架部分 ３３ａ，３３ｂ；３４ａ，３４ｂ ベルト案内部材 ３８，３９；６５，６６；６９，７０ 案内面 Ｆ 魚

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 各対を成す駆動側プーリと従動側プーリ
   とにわたって巻掛けられて張架され、少なくとも仕分け
   られるべき魚が供給される各張架部分で間隔をあけて隣
   接し、かつ相互に近接するにつれて下方に傾斜する案内
   面が形成される複数の無端状の搬送ベルトと、 各駆動側プーリを回転駆動する回転駆動手段と、 前記搬送ベルトの各張架部分を保持した状態で、各張架
   部分を相互に近接／離反する方向に案内するベルト案内
   手段とを含むことを特徴とする魚の仕分け装置。