JPH0638618B2 - 加入者線路における呼出状態期間中のループ閉成状態指示用回路装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は加入者線路における呼出状態期間中のループ閉
成状態を指示するための回路装置であって、前記加入者
線路は加入者接続回路を介してデジタル時分割多重電話
装置の交換機に接続されており、前記加入者接続回路は
少なくとも呼出信号の送出及びシグナリングないし監視
の機能ならびに前記加入者線路における線路電流を表わ
す信号を送出する機能を有する加入者インターフェース
ユニット部と、 該インターフェースユニット部から供給される信号に対
して少なくともフィルタリング及びＡ−Ｄ変換、Ｄ−Ａ
変換の処理を施す機能を備えた信号処理ユニット部とか
ら構成されている、加入者線路における呼出状態期間中
にループ閉成状態指示用回路装置に関する。

従来技術 呼出フェーズ中のループ閉成状態インジケーションに対
しては感度及び応動時間に鑑みて特別な要求が課せられ
る、それというのは加入者線路ループの閉成の際、給電
電流に重畳された呼出信号電流が加入者のマイクロホン
を介して流れ、呼出遮断までの持続時間が過度に大であ
る場合破損を惹起するおそれがあるからである。

呼出インジケーションの目的のため従来、加入者接続線
路上の線路電流から比例する電圧が導出され、この電圧
からローパスフィルタを用いて、呼出信号により定まる
交流電圧成分がろ波された。呼出インジケーションに対
する別個のコンパレータにより、固定的に調整設定され
た限界値との比較が行われた。その際その限界値を越え
ると相応の信号が送出され、この信号はグループプロセ
ッサにて評価される、すなわち複数加入者接続回路に配
属されたプロセッサにて評価される。

発明の目的 本発明の目的ないし課題とするところはそのような状態
期間中のループ閉成状態指示用回路（呼出インジケーシ
ョン回路）のハードウエアコストを低減し、その際同時
に応動限界値及び応動時間の選択に鑑みてできるだけ融
通性のある当該のループ閉成状態指示（インジケーショ
ン）用回路装置を提供することにある。

発明の構成 この課題の解決のため本発明によれば、冒頭に述べた形
式の装置において、前記インターフェースユニット部
に、線路電流を検出する線路電流センサと、前記線路電
流センサの出力を電圧変換する電流電圧変換器と、前記
呼出状態期間中、前記信号処理ユニット部に前記電流電
圧変換された電圧信号を供給するための切換装置とが設
けられており、前記信号処理ユニット部により、前記の
電圧信号は当該のフィルタリング処理及びＡ／Ｄ変換処
理され、前記Ａ／Ｄ変換処理により生成されたデジタル
信号が呼出信号の少なくとも１つの周期期間に亘って加
算され、当該の加算において、直流成分だけが評価され
交流成分がループ閉成状態指示期間中除去されるように
構成され、上記の加算により形成された和信号が基準値
と比較され、この比較により、当該和信号が基準値を越
えた場合にはループ閉成状態を指示する信号が生成され
るように構成され、さらに当該呼出状態期間の開始直後
直ちに当該比較の基礎とされる基準値としては立上り振
動時間の経過後のものより高い基準値が用いられるので
ある。

本発明は次のような技術思想に基づいている。すなわち
信号プロセッサユニットの能力を呼出インジケーション
のために利用できるということである。そのための前提
条件の大部分が、プロセッサのソフトウエアの相応の適
合にあり、その代わり、前述の呼出インジケーション用
のハードウエア構成部分が省かれるので、本発明の回路
装置のハードウエアコストは全体的に一層わずかなもの
となる。

本発明の実施例は呼出フェーズにてループ電流から導出
されたデジタル信号の加算及び限界値評価の場合の変化
形の構成に係るものであり、この構成によれば本発明の
コンセプト（設計技術思想、手段）を最適に実際の条
件、状況に適合させ得る、すなわち本発明の回路装置の
属する交換システムの基礎となるサンプリングレート
を、呼出信号の接続、供給の際のスイッチング特性に適
合させることが可能となる。

さらに本発明の別の実施例は次のような特別の場合に係
るものである、すなわち呼出信号が加入者接続回路にデ
ジタル信号として供給されるか又は加入者接続回路の信
号プロセッサユニットにてデジタル信号として生成さ
れ、Ｄ−Ａ変換の後加入者接続回路の受信増幅器に供給
され、該増幅器の入力段にて呼出信号固有の増幅度が有
効になるように、またそれの出力段にてそれに相応する
固有のバイアス電圧が有効になるように接続構成されて
いる回路装置の特別の場合に係る。

この場合、比較の際生じるループ閉成信号はデジタル呼
出信号の供給の遮断ないし発生のためのほかに、さらに
別の切換手段のために用いられる。

次に実施例を用いて本発明を説明する。

実施例 図の左側には就中呼出給電及びシグナリングのために用
いられる加入者接続インターフェースユニットＳＩＬＩ
Ｃが示されている。このインターフェースユニットの別
の機能は端末機器への給電、２線−４線変換（ハイブリ
ッド機能）、呼出フェーズ外のループ状態の監視、信号
経路の試験である。

本発明の回路装置に関連して、重要であるのは上記イン
ターフェースユニットのうち実質的にたんに切換スイッ
チＵのみであり、この切換スイッチを介して、加入者接
続線路（これは当該インターフェースに続いている）上
で生じる通話信号、又は線路電流センサＳＳを用いて線
路電流から導出された電圧信号（これは電流−電圧変換
機Ｉ／Ｕ（Ｕ／Ｉ）によって形成される）が、出力側に
供給される。図の右側部分には信号プロセッサユニット
ＡＬＡＰが示されており、このプロセッサユニットはイ
ンターフェースユニットＳＩＬＩＣから当該ユニットに
到来する信号のＡの変換のためないし、図示してないス
イッチフレームを介して、当該ユニットに供給されたデ
ジタル信号のＤＡ変換のため、また送信、受信方向での
フィルタリングのために用いられる。

図中、受信分岐に属する装置ないし機能のみが示してあ
る。そこに示されているものにはＡＤ変換器Ａ／Ｄ、入
力側ローパスフィルタがあり、このローパスフィルタに
よってＡＤ変換の制御用走査周波数の1/2を上回る周波
数の信号電圧はＡＤ変換器には達し得ないようになる。
さらに通話フィルタＳＦと高域フィルタが取付けられて
おり、この高域フィルタにより、電源周波数成分の抑圧
が行なわれる。

実際にはローパスフィルタＴＦと、ＡＤ変換用装置Ａ／
Ｄ、のみがハードウエア装置であり、これに対して、通
話フィルタリング及び高域フィルタリングの機能が、信
号プロセッサユニットの相応の動作プログラムに基づき
実現される。

要するに、本発明の基本的技術思想の要点とするところ
は上述のようなボルシト（ＢＯＲＳＣＨＴ）機能の実
施、構成ないしそのために用いられる相応の素子ないし
構成部分を呼出フェーズの期間中ループ閉成状態インジ
ケーションのために利用し得るようにするものであっ
て、そのために、通話状態において評価される電気的信
号値ではなく当該ループ閉成状態を指示する特異的判定
尺度が当該評価に用いられるのである。

ここにおいて使用されるのは次のような電圧信号であ
る。即ち、加入者接続線路上で線路電流センサを用いて
線路電流から導出され、電流−電圧センサを用いて生ぜ
しめられた電圧信号であり、当該の切換スイッチによっ
ては上述のような通話状態にて評価される線路信号量に
代えて（そのような線路信号量でなく）上記の特異的電
圧信号が、加入者接続回路中の評価のために用いられる
構成部分である上記の信号処理（プロセッサ）ユニット
に供給されるのである。

猶ここで通話信号に対するフィルタリング処理について
付言すれば、通話信号は信号プロセッサユニット中で一
方ではＬＰＦ（低域ろ波）処理操作を施され、それによ
り、Ａ−Ｄ変換の際行われる当該アナログ電圧の信号サ
ンプリングに関連して生じる信号（周波）成分がろ波さ
れる。更に、通話信号は低周波ノイズ（これは電波周波
の変動ないしゆらぎに起因する）を抑圧するために高域
ろ波（ＨＰＦ）処理を施される。

但し、上記のＨＰＦ（高域ろ波）処理は次のような場合
非作用状態におかれる、即ち当該呼出フェーズ中通話信
号の代わりに（通話信号でなく）加入者接続線路上の線
路電流に比例する電圧信号が供給される場合には非作用
状態におかれる。

さらに図示されているように、通話フィルタも高域フィ
ルタも回避（迂回）され得るのであり、このことは少な
くとも高域フィルタの場合本発明により行なわれる呼出
インディケーションの装置構成にて活用され、実際上相
応して変化された信号処理プロセデュアによって行なわ
れ得る。

信号プロセッサユニットＡＬＡＰの他の構成部分は加算
器Ｓであり、この加算器の出力信号が比較器Ｋに供給さ
れる。この比較器は基準電圧発生器Ｒから可調整の基準
値の供給を受ける。加算器Ｓ、比較器、基準値発生器の
各機能も、信号プロセッサの相応の動作によって実現さ
れる。

次に本発明の回路装置の動作について詳述する。

ここで考察しようとする呼出フェーズ中は図示のスイッ
チ位置ないし相応の動作形式が等嵌まる、換言すれば、
信号プロセッサユニットの入力側は切換スイッチＵを介
して、加入者接続線路上に現われる通路信号の代わり
に、電圧信号が供給印加され、この信号は線路センサＳ
Ｓと電流−電圧変換器Ｉ／Ｕを用いて、加入者接続線路
を介して流れる電流から取出される、すなわち少なくと
も高域フィルタＨＰの機能は実現されていない。さら
に、ＡＤ変換器により送出されたデジタル信号がＰＣＭ
接続ユニットＰＡを介して交換機のスイッチフレーム
（図示の回路装置は交換機の構成部分である）に伝送さ
れるのではなく、加算処理（操作）を受ける。この加算
は単一の周期期間に亘って、又は、有利に、呼出信号周
波の周期期間の複数倍に亘って行なわれる。これによっ
て、呼出信号電圧の交番成分が除去され、その結果信号
プロセッサユニットに供給される電圧の直流成分のみが
評価される。加算の際生じる信号が基準電圧の値を越え
ると、そのことはループ閉成の行なわれたことを示す。
この場合生じる信号は評価され、それにより図示されて
いない形式で呼出信号電圧の遮断が惹起される。誤評価
を避けるため（この誤評価は呼出信号電圧の投入接続の
際オーバーシュートないし過振動電圧によって生じ得
る）、本発明によれば呼出フェーズの始めには比較には
比較的高い基準値が基礎とされるが、この基準値は動作
開始後は（動作が進めばないし立り上り振動経過後は）
比較的に低い基準値により置換される。

前述のように信号プロセッサによる呼出信号のデジタル
発生の場合、ループ閉成状態を示す信号が、直接的に、
呼出信号発生の遮断のため、また、加入者接続インター
フェースユニットＳＩＬＩＣにて、当該ユニットの図示
していない受信増幅器回路の入力段ないし出力段におけ
る増幅度ないしバイアス電圧の切換のために用いられ
る。

発明の効果 本発明によれば、冒頭に述べた形式の呼出インディケー
ション用回路装置のハードウエアコストを低減し、その
際同時に応動限界値及び応動時間の選択に鑑みて、でき
るだけ融通性のあるループ閉成状態インディケーション
回路装置を実現できるという効果が奏される。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の回路装置の実施例のブロック接続図であ
る。 ＳＩＬＩＣ……加入者接続インターフェース、Ｕ……切
換スイッチ、ＡＬＡＰ……信号プロセッサユニット、Ｓ
Ｆ……通信フィルタ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】加入者線路における呼出状態期間中のルー
   プ閉成状態を指示するための回路装置であって、前記加
   入者線路は加入者接続回路を介してデジタル時分割多重
   電話装置の交換機に接続されており、前記加入者接続回
   路は (1)少なくとも呼出信号の送出及びシグナリングないし
   監視の機能ならびに前記加入者線路における線路電流を
   表わす信号を送出する機能を有する加入者インターフェ
   ースユニット部（ＳＩＬＩＣ）と、 (2)該インターフェースユニット部から供給される信号
   に対して少なくともフィルタリング及びＡ−Ｄ変換、Ｄ
   −Ａ変換の処理を施す機能を備えた信号処理ユニット部
   （ＡＬＡＰ）とから構成されている、加入者線路におけ
   る呼出状態期間中のループ閉成状態指示用回路装置にお
   いて、 前記インターフェースユニット部（ＳＩＬＩＣ）に、線
   路電流を検出する線路電流センサ（ＳＳ）と、前記線路
   電流センサの出力を電圧変換する電流電圧変換器（Ｕ／
   Ｉ）と、 前記呼出状態期間中、前記信号処理ユニット部（ＡＬＡ
   Ｐ）に前記電流電圧変換された電圧信号を供給するため
   の切換装置（Ｕ）とが設けられており、 前記信号処理ユニット部（ＡＬＡＰ）により、前記の電
   圧信号は当該のフィルタリング処理（ＴＰ）及びＡ／Ｄ
   変換処理（Ａ／Ｄ）され、 前記Ａ／Ｄ変換処理により生成されたデジタル信号が呼
   出信号の少なくとも１つの周期期間に亘って加算され
   （Ｓ）、当該の加算において、直流成分だけが評価され
   交流成分がループ閉成状態指示期間中除去されるように
   構成され、上記の加算により形成された和信号（Ｓ）が
   基準値（Ｒ）と比較され、 この比較により、当該和信号が基準値を越えた場合には
   ループ閉成状態を指示する信号が生成されるように構成
   され、 さらに当該呼出状態期間の開始直後直ちに当該比較の基
   礎とされる基準値としては立上り振動時間の経過後のも
   のより高い基準値が用いられることを特徴とする呼出状
   態期間中のループ閉成状態の指示用回路装置。