JPH0638484U - 農業用マルチングフィルム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】十分な耐久性と強度を有し、かつ地温の調節と
防虫、雑草の繁茂防止効果を有する、春に播種又は植え
付けして夏に収穫する作物に適したマルチングフィルム
を提供することを目的とする。 【構成】土面に接する表面層が黒色に着色されており、
中間層が長手方向に対して帯状に両側が乳白色に、中央
部が１５０〜５００ｍｍ程度の幅で、透明もしくは黒色
か銀色に着色されており、更に表面層が透明であること
を特徴とする農業用マルチングフィルム。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は春に播種又は植え付けし、夏に収穫する作物、特にさつまいも等の栽 培に好適な農業用マルチングフィルムに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から地温上昇、雑草防除、水分蒸散防止、肥料の流出防止等の目的でマル チ栽培法が広く行われている。これらのマルチ栽培に使用するマルチングフィル ムの代表的なものに透明マルチングフィルム、黒色マルチングフィルムがあり、 地温を上昇させる目的の場合は透明マルチングフィルムを、雑草の繁茂を抑制す る目的の場合は黒色マルチングフィルムを使用していた。

【０００３】 しかしながら、これらの従来のマルチングフィルムでは播種時期、収穫時期、 生育条件等の異なる作物に適用する上で十分とはいえなかった。これらを改善す る目的で、例えば、光を反射する乳白色の反射フィルム層とこの反射フィルム層 を透過した光を吸収する黒色フィルム層を積層した、地温の上昇の抑制及び雑草 の繁茂を抑制する夏期の使用に適したマルチングフィルム（実公昭５５−３８３ ６９号公報）、酸化チタンを含有する反射フィルム層２とカーボン黒を含有する 黒色フィルム層３を積層したフィルム上に紫外線反射能の高い光反射剤を含有す る吸汁性昆虫飛来防止用フィルム層１を１、２、３の順に積層した地温上昇防止 、雑草発生防止、防虫機能を有する夏期の使用に適したマルチングフィルム（実 公昭６２−３０９２７号公報）、黄色に着色したフィルムと青色に着色したフィ ルムを積層してなる地温上昇、雑草生育抑制効果がありしかも耐候性に優れたマ ルチフィルム（実公昭５９−３８１３３号公報）等の積層タイプのマルチングフ ィルムや黒色−透明−黒色の配色構成を有し、作物の生育促進と雑草の繁茂抑制 機能を同時に発揮できるマルチングフィルム（特開昭５０−１２９３３９号公報 ）、長手方向の両側が遮光性フィルム、中央が透光性フィルムからなる保温配色 マルチフィルム（実開昭６０−１４９９５６号公報）、黒色フィルムの上面の畝 面を覆う部分に熱を反射するフィルムを積層した地温調節用マルチングフィルム （実開平２−３６９５１号公報）、地温上昇タイプのフィルムＡと地温抑制タイ プのフィルムＢを一定の比率でフィルム長手方向に組み合わせてなる農業用マル チフィルム（実開昭６１−２０１５４９号公報）等の配色マルチングフィルム等 さまざまな構成や機能を有するマルチングフィルムが提案されている。

【０００４】 しかしながら、単に機能の異なるフィルムを積層したマルチングフィルムでは 取り得る機能の幅に限界があり、また配色マルチングフィルムの配色を印刷、塗 装等の方法で製造した場合には、耐久性に問題が生じ、フィルム自体を着色した 場合は製法上の理由から配色の継ぎ目部の強度が不足する等の問題を有していた 。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は十分な耐久性と強度を有し、かつ地温の調節と防虫、雑草の繁茂防止 効果を有する、春に播種又は植え付けして夏に収穫する作物に適したマルチング フィルムを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案によれば、土面に接する表面層が黒色に着色されており、中間層が長手 方向に対して帯状に両側が乳白色に、中央部が透明もしくは黒色か銀色に着色さ れており、更に表面層が透明であることを特徴とする農業用マルチングフィルム が提供され、 更に、前記中間層の中央部の幅が１５０〜５００ｍｍであることを特徴とする 前記農業用マルチングフィルムが提供される。

【０００７】 以下に本考案を図面に基づいて詳細に説明する。本考案のマルチングフィルム １は図１に示すように、土面に接する表面層２は黒色に着色されている。また、 中間層３は長手方向に対して帯状に両側３１、３１’が乳白色に着色されており 、中央部３２は透明もしくは黒色か銀色に着色されている。さらに、中間層３の 上には透明な表面層４が積層されているので、全体としては３層構造で中間層が 配色されている構成となっている。ここで、中間層３の中央部３２は作物に最も 近い部分の土面を被覆し、作物の生育期に機能する必要があるので該中央部３の 幅があまり狭いと作物の生育初期にしか効果がなく、あまり広いと夏期に地温が 上昇して高品質な作物が得られないので好ましくない。したがって、中央部３の 幅は１５０〜５００ｍｍ程度が好ましい。

【０００８】 本考案の農業用マルチングフィルム１の表面層２、４と中間層３はいずれもポ リエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合 体等のオレフィン系合成樹脂に例えばカーボンブラック、酸化チタン、アルミニ ウム粉末その他の充填材、顔料、染料などを適宜混合して着色したものが主に用 いられる。この場合、前記樹脂に必要に応じてその他の添加剤を配合してもなん ら差し支えない。

【０００９】 このような農業用マルチングフィルム１は、例えば黒色に着色された表面層２ 、乳白色に着色された中間層の両側３１、３１’、中間層の中央部３２、透明な 表面層４をそれぞれ押し出す４台の押出機を組み合わせてインフレーション共押 出法で製造することができるがこれに限定されるものではない。また、該マルチ ングフィルムに穴あけ加工、その他の加工を施したものも本考案に含有される。

【００１０】

【作用及び効果】

本考案の農業用マルチングフィルム１は図２（Ａ）に示すように、播種又は植 え付け時から成長期にかけては作物の根の張り具合も少ないので毛根は該マルチ ングフィルムの中央部３２で被覆している土中に存在し、その付近の地温が上昇 しているので生育が促進される。作物がかなり生育した夏期においては図２（Ｂ ）に示すように作物の根はかなり広がっており、主に該マルチングフィルム１の 中間層３の乳白色に着色された両側部分３１、３１’で被覆している土中に存在 するので、地温の上昇が抑制されており高温に基因する障害が防止できる。

【００１１】 また、本考案の農業用フィルム１は土面と接する表面層２を黒色に着色してい るので雑草の繁茂が防止でき、中間層３の中央部３２を紫外線を反射しやすい銀 色に着色した場合は紫外線の作用による防虫効果も有している。さらに、従来の 配色マルチングフィルムの欠点であった耐久性、強度も透明な表面層４を積層す ることで改善される。したがって、春に播種又は植え付けして、夏期に収穫する 作物、例えばさつまいも等の栽培に適しており、過酷な気象条件においても破損 したりしない強度を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の農業用マルチングフィルムの一例を示
す断面図である。

【図２】本考案の農業用マルチングフィルムの使用状態
の断面図であり、（Ａ）は生育時、（Ｂ）は収穫時の状
態を表す。

【符号の説明】

１ 農業用マルチングフィルム ２ 土面に接する黒色の表面層 ３ 中間層 ３１、３１’ 中間層の両側の乳白色部分 ３２ 中間層の中央部 ４ 透明な表面層 ５ 作物 ５１ 作物の根

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】土面に接する表面層が黒色に着色されてお
   り、中間層が長手方向に対して帯状に両側が乳白色に、
   中央部が透明もしくは黒色か銀色に着色されており、更
   に表面層が透明であることを特徴とする農業用マルチン
   グフィルム。
2. 【請求項２】中間層の中央部の幅が１５０〜５００ｍｍ
   であることを特徴とする請求項１記載の農業用マルチン
   グフィルム。