JPH0638415A - 永久磁石式ロータ - Google Patents

永久磁石式ロータ

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JPH0638415A
JPH0638415A JP4194997A JP19499792A JPH0638415A JP H0638415 A JPH0638415 A JP H0638415A JP 4194997 A JP4194997 A JP 4194997A JP 19499792 A JP19499792 A JP 19499792A JP H0638415 A JPH0638415 A JP H0638415A
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rotor
permanent magnet
magnets
magnetic
magnet
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Yasuto Nozawa
康人 野沢
Motoharu Shimizu
元治 清水
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Proterial Ltd
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Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発生磁束量が大きく、高周速回転に適したロ
ータ構造を実現する。 【構成】 内筒部12、軟磁性金属から構成される外筒
部13、ならびに該内筒部12および該外筒部13との
間に配置された磁気的に一体である永久磁石11とを有
し、磁極数が4極以上である永久磁石式ロータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は永久磁石を用いたモータ
用ロータ及び発電機用ロータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】Sm−CoやNd−Fe−B等の高エネ
ルギー積の希土類永久磁石材料の発達と、半導体を用い
た制御方法の一般化に伴って、ブラシレスDCサーボモ
ータ、ACサーボモータが、広範な領域で使用されるよ
うになっている。近年、環境問題が再びクローズアップ
されるのに伴って、電気自動車や電動バイクの開発が活
発化している。これらの推進用途に用いられるモータに
は、誘導モータよりも小型化が可能な永久磁石を用いた
同期モータが適していると考えられる。同期モータのロ
ータには、(1)小型化を実現するために、ロータ表面
で高い磁束密度を有すること、(2)永久磁石が熱サイ
クルや高速回転により、減磁や破壊を起こさないこと、
といった要求がある。また、これらの推進用モータで
は、減速時に回生制動と呼ばれる発電を行うことが一般
的である。この時、永久磁石には逆磁界がかかるため、
永久磁石が減磁しないことが重要である。
【0003】これらの永久磁石を使用したモータに用い
られるロータ構造としては、大きく分けて以下の2種類
が知られている。1つは、永久磁石を軟磁性金属のロー
タ外周部に接着剤で張り付けるタイプ(以下、外周磁石
ロータと呼ぶ)であり、もう1つは永久磁石をロータ内
部から放射状に並べて、同極反発を利用してロータ外周
部に磁束を取り出すタイプ(以下、同極反発ロータと呼
ぶ)である。図5に外周磁石ロータの1例を示す。図5
において1は永久磁石、2は軟磁性金属からなるロータ
基体であり、永久磁石1は通常ロータ基体2の外周面に
接着剤で固定される。外周磁石ロータは、例えば「Proc
eeding of 10th internationalEV simposium,p214」に
開示されている。図6に同極反発ロータの1例を示す。
図6において1は永久磁石、2は軟磁性金属からなるロ
ータ基体である。同極反発ロータは、例えば特開昭58
−46859号公報、特公昭63−41307号公報に
開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の外周磁石ロータ
では、以下の問題点があった。1つは、永久磁石とロー
タ基体の熱膨張係数の差により生ずる熱応力と高速回転
により生ずる遠心力のために、永久磁石がロータから剥
離して回転中のロータが破壊することである。従来のサ
ーボモータが数kW以下の小型モータ用に作られていた
のに対し、電気自動車用モータが典型的には20〜40
kWの出力が必要なため、ロータ径、最大回転数共に増
加する。このため、ロータ外周部での遠心力(ロータ径
と回転数の積に比例する)が増加する。また、ステータ
の交流磁束によりロータ表面で発生する渦電流は回転数
が大きくなるほど増加するため、ロータの発熱量が増加
する。この遠心力の増加と発熱量の増加によって従来の
サーボモータの場合に比べロータ破壊の可能性が高くな
る。
【0005】ロータは、電気自動車等の場合には一般に
最低−40℃から最高100℃以上の温度にさらされ
る。希土類磁石で最も多く用いられているNd−Fe−
B系磁石と鉄の熱膨張係数は大きく異なっており、その
差は14ppmにも達する。温度差±70℃での歪は約
±0.1%となり、ヤング率2×104kgf/mm2
乗ずると、界面での応力は±2000kgf/cm2
なる。外周磁石ロータの接着層が薄い場合には、歪を吸
収できずに磁石が剥離してしまう。
【0006】外周磁石ロータにおける回転による遠心力
をある例で計算する。磁石ロータ外径を150mm,磁
石材質をNd−Fe−B、磁石厚さを5mm,最高回転
数を10000rpm(167Hz)とする。永久磁石
の固定を接着により行った場合、遠心力の大きさは、2
9kgf/cm2となる。永久磁石の引っ張り強度は約
800kgf/cm2であるから永久磁石が破壊するこ
とはないが、常温での接着剤の接着温度はせいぜい20
0kgf/cm2であり、温度が上昇して接着強度が低
下した状態では、長期の接着を保証することは難しい。
希土類磁石は金属間化合物であるため、通常の鉄系構造
材料に比べて、引張り応力による破壊が生じやすい。こ
のため、希土類磁石を楔形押さえ部材で機械的に固定す
る例も提案されている(特開昭58−99252公
報)。しかし、永久磁石の残留応力や長期の熱応力に起
因する永久磁石の破壊の危険性を完全に排除することは
難しい。
【0007】もう1つの問題は、外周磁石ロータのロー
タ径とロータ長さが決まるとトルク係数(出力はトルク
係数と電流と回転数の積に比例する)がほぼ決まってし
まい、高性能化しにくいという問題があった。トルク係
数はロータ1極あたりの有効磁束量と磁極数の積に比例
するが、極数を増やしたとしてもその分1極あたりの面
積が減少し1極あたりの有効磁束密度が減少するため
に、トルク係数の増加をあまり望むことはできない。
【0008】これに対して、同極反発ロータはロータ
径、ロータ長さ,永久磁石形状を一定にして磁極数を増
加させると、1極あたりの有効磁束量があまり減少しな
いためにトルク係数が増加する。この点で同極反発ロー
タは多極化により高性能化が可能であるという特徴を有
する。
【0009】しかしながら、従来の同極反発ロータは以
下の問題点を有していた。1つは、永久磁石が放射状に
配置されているため、ロータ内周部での磁束の短絡が発
生し、永久磁石の発生する磁束がロータ外周部に集中せ
ず、永久磁石体積の割に磁束発生効率が悪いことであ
る。このため、同極反発ロータの使用例はあまり多くな
い。
【0010】もう1つは、磁束発生効率が悪いために内
径を小さくする必要があり、ロータの慣性モーメントが
外周磁石ロータよりも大きく、制御性が悪いという問題
があった。また、実開平2−44850号には、磁石を
ロータ内部に組み込む方式が提案されている。しかしこ
の方式では、磁石の内外周に配置されるサブコアが同一
の磁性体であるため、(1)磁束の一部が磁性体外部に出
ずに短絡する、(2)磁束の短絡のために各磁石間に形成
された溝部を大きくすると機械的強度が弱くなり遠心力
に耐えられない、という問題がある。
【0011】本発明の主たる目的は、永久磁石を用いた
モータ用ロータ及び発電機用ロータにおいて、発生磁束
量が大きく、高周速回転に適したロータ構造を実現する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明において、以下の手段を用いた。技術ポイン
トとしては、遠心力に抗するために永久磁石をロータ内
部に埋め込み、軟磁性金属により永久磁石を機械的に保
持したこと、永久磁石の発生する磁束の大部分を軟磁性
金属を通ってロータ外周に供給することにより、発生磁
束量を従来の同極反発ロータよりも向上したことにあ
る。
【0013】すなわち、ロータ基体を内筒部および軟磁
性金属から構成される外筒部とから構成し、この内筒部
と外筒部との間に磁気的に一体である永久磁石とを配置
した磁極数が4極以上である永久磁石式ロータを用いる
ことにより、前記問題を解決した。
【0014】
【作用】以下本発明を詳述する。まず軟磁性金属から構
成される外筒部について説明する。本発明では、この外
筒部が永久磁石を機械的に保持する働きと、永久磁石の
発生する磁束をロータ外部に効率よく通す働きの2通り
の役目をはたしている。
【0015】外筒部が永久磁石を機械的に保持する利点
は先に述べた遠心力対策と熱膨張対策である。本発明の
方式では永久磁石をロータ内に埋め込んだ構造となって
おり、ロータ回転時に発生する遠心力を外筒部で機械的
に受けとめるためきわめて信頼性が高い。この理由は、
軟磁性金属、通常は鉄系材料が大きなヤング率と大きな
破断伸びと大きな破壊靭性を有することに起因する。永
久磁石を配置する部分、すなわち内筒部と外筒部とによ
り形成される空間を適切に設定すれば、熱膨張を原因と
する永久磁石の破壊を阻止することができる。
【0016】永久磁石を機械的に保持するためには、ロ
ータ中心から永久磁石の重心を通る直線を引いたとき
に、この直線状に外筒部が位置するようにすればよい。
また、永久磁石の曲率半径を場所により変更することに
より回転軸に垂直な平面上で永久磁石が移動しないよう
にすることもできる。さらに、永久磁石が脱落しないよ
うに永久磁石厚さよりも外周の軟磁性金属の磁極間の最
短距離を小さくすることもできる。なお、外筒部の磁極
間は磁気効率を高めるために、磁気的に分離しているこ
とが望ましい。これら3つの方法の2つ以上を組み合わ
せてもよい。
【0017】永久磁石が回転時にロータに固定される様
に、接着剤、シール剤、樹脂成形、金属ダイキャスト等
の方法を用いて、ロータと磁石を固定することが望まし
い。これらの処理を永久磁石の常用温度よりも高い温度
で行えば、処理後に永久磁石の残留する応力が圧縮応力
となり、永久磁石が破壊しにくくなる。
【0018】ロータ基体を内筒および外筒から構成され
る形状に形成する方式としては、大きく分けて3通りが
ある。1つは、プレスで打ち抜いた薄い軟磁性金属(典
型的には珪素鋼板)を積層し、ロータ軸に固定する方法
である。2つめは、軟磁性金属を鋳造し、必要に応じて
加工する方法である。3つめは、軟磁性金属粉末をプレ
スまたは射出成形等の公知の方法により、所定の形状に
成形した後に焼結し、必要に応じてサイジングプレスを
行う方法である。これらの方法は、形状、要求される軟
磁性金属の磁気特性、コスト等の要因によって適宜選択
される。
【0019】3番目の方法は、加工なしにある程度の精
度を実現することが可能であり、また内筒部内周にギア
を一体成形可能という特徴を有している。このギアを利
用して減速機をロータ内に組み込み、モータの質量当た
りの出力を高めることが可能であり、工業的有用性が大
きい。この軟磁性金属は従来よく知られているねじ止
め、リベット、溶接等の手法で回転軸に取り付けられ
る。
【0020】本発明では、磁気的に一体である永久磁石
の発生する磁束が軟磁性金属を通ってロータ外周側に供
給されるロータ形状とすることにより、従来の同極反発
ロータよりも磁束発生効率を向上させた。このために
は、従来の同極反発ロータが有していたロータ内径側へ
の磁束の漏れを少なくするように永久磁石を配置すれば
良い。ここで、磁気的に一体であるとは、回転軸に垂直
な断面において、ロータ外周に現れる磁極に対応する永
久磁石が分割されていない、または、着磁された複数の
永久磁石が同一極が並ぶようにして接触または小さな隙
間をもって配置しており、磁気回路上は一体の永久磁石
と見なせる状態をいう。
【0021】これらの例を図1、図2に示す。図1、2
において11,21は永久磁石、12、13はそれぞれ
軟磁性金属から構成される外筒部、内筒部である。内筒
部3は永久磁石間の磁気抵抗を少なくする働きをになっ
ている。図1は、永久磁石が分割されていない場合の例
である。図2は永久磁石が分割されているが、磁気的に
一体の場合の例である。永久磁石が発生する磁束の約8
0%以上がロータ外周部に供給されれば、磁気的に一体
であると考えてよい。図1において、外筒部12は回転
軸に垂直な断面上でロータ中心から磁石の重心を通る直
線上に位置し永久磁石11を機械的に拘束する。また図
1の永久磁石11は内外周の曲率半径が一様であるが、
例えば曲率半径大と小の組み合わせからなるようにすれ
ば磁石の周方向への動きを拘束することができる。さら
に、図1および図2に示す磁石11、12の厚さが磁極
間の最短距離14、24が大であれば、磁石がロータ外
へ脱落することを防止することができる。図7に本発明
によるロータの組立例斜視図を示す。図7において、ロ
ータ10は図1に示す形態を有し隣接する磁極は磁気的
に分離されているが、ボルト孔16を有するシャフト部
材15を図示しないボルトによって締結することにより
機械的に結合される。
【0022】外周磁石ロータでは、ロータ磁極1極あた
りの平均表面磁束密度が永久磁石内部の平均磁束密度よ
りも小さい。これに対して、同極反発ロータや本発明の
ロータでは、ロータ磁極1極あたりの平均表面磁束密度
を永久磁石内部の平均磁束密度よりも大きくすることが
可能である。たとえば、回転軸に垂直な断面上での永久
磁石の磁極面の平均長さをロータ外周の磁極1極の長さ
よりも長くすることにより、実現される。また、特開昭
58−46859号公報に開示されるように外筒部の表
面形状を変えて、角度変化による磁束密度変化を調節す
ることも可能である。
【0023】次に、本発明に用いられる永久磁石および
軟磁性金属について説明する。本発明において、希土類
永久磁石とは、SmCo5、Sm2Co17、Sm2Co17
NやNd2Fe14B等の希土類元素と強磁性遷移元素の
金属間化合物を主たる構成相とする永久磁石を意味す
る。これらの永久磁石は粉末冶金法、塑性加工法(据え
込み、圧延、押し出し等)、ボンド磁石等の方法により
製造可能である。本発明はエネルギー積が高く、軟磁性
金属と熱膨張係数が大きく異なるNd2Fe14Bを主相
とする永久磁石を使用する場合に特に有効性が大きい。
本発明における軟磁性金属は、フェライトの様な酸化物
セラミックスを含まず、鉄、ニッケル、コバルト及びそ
れらを主元素とする強磁性合金を意味する。典型的な軟
磁性金属としては、純鉄、低炭素鋼、珪素鋼板、パーメ
ンジュール等を挙げることができる。
【0024】本発明において磁極数を4極以上とするの
は、2極では磁束量が外周磁石ロータよりも劣るためで
ある。4極以上であれば、同極反発ロータの方が外周磁
石ロータよりも同等もしくは同等以上の磁束を発生可能
である。この理由を簡単に述べる。永久磁石の材質と磁
石内部の平均磁束密度Bdが同じであり、磁気飽和が起
こらなければ、ロータ1極あたりの有効磁束量φは以下
の通りとなる(ロータ磁極数をn(nは2以上の偶
数)、ロータ外径をR,ロータ内径をr、ロータ長さを
Lとする)。外周磁石ロータでは、ほぼ φ1=Bd・2πRL/n (磁石厚さを無視) 同極反発ロータでは、ほぼ φ2=Bd・2RL・(R-r)/(R+r) (磁石を放射状に配置した場合。磁束の内周への漏れを
考慮した)であらわされる。回転軸の太さを考慮してか
りにr=0.15Rとおいて、φ2>φ1を解くと、n>
4.25となる。4極(n=4)では同極反発ロータは
外周ロータとほぼ同一の磁束を発生可能である。6極以
上であれば、同極反発ロータの方がより大きな磁束を発
生可能であり望ましい。
【0025】
【実施例】実施例1 以下、本発明を実施例により説明する。永久磁石とし
て、Br:11kG,iHc:26kOeのアーク状の
Nd−Fe−B系磁石を粉末冶金法により作製した。磁
化容易軸が半径方向に一致するように結晶粒を配向させ
てある。アークの外周半径、内周半径、アーク幅、アー
ク長さはそれぞれ25mm,20mm,38mm,50
mmであり、バレル研磨によりシャープエッジを除去し
た後、Niメッキを行った。外径150mm、内径10
0mm,長さ100mm(回転軸を含まず)のロータ基
体を構成する軟磁性金属(JIS S10C)に切削加
工とワイヤー放電加工を施して、前記磁石が入る穴12
個と、回転軸に固定するためのM8のネジ穴24個を外
周付近に開けた。このロータ基体は図1に示したのと同
様の形状を有する。これらの穴にシリコン系シール剤を
塗布した永久磁石を計24個挿入した。
【0026】前記ロータ基体をステンレス製ロータ回転
軸にM8でネジ止めし、磁極数12のロータを製作し
た。カウンターウェイトを取り付けて、本ロータのダイ
ナミックバランスをとった後、専用着磁ヨークを用い
て、常温で組み込みパルス着磁(20kOe,5ms)
をおこなった。比較のために、磁石厚さ、ロータ内外径
を同一とした外周磁石ロータ(比較例1、エポキシ系接
着剤により接着)、同極反発ロータ(比較例2)を製作
し、ギャップ1.0mmを隔ててステータを配置した。
ロータ表面磁束密度、磁石中心の磁束密度を測定した。
結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】本発明例ではロータ表面での磁束密度が他
の比較例よりも高く、優れている。比較例1は磁石内部
とロータ表面での磁束密度がほぼ同一である。比較例2
の同極反発ロータは内径側で磁束が短絡するために、得
られる磁束密度が低い。実施例1および比較例1が良好
な結果を示した。
【0029】次に80℃でスピンテストを行った。○は
異常なし、×は磁石のロータからの剥離、−は試験を行
わなかったことを意味するものとする。
【0030】
【表2】
【0031】比較例1の外周磁石ロータでは高速回転に
より、磁石が剥離してしまった。本発明は、磁束密度が
大きく、高速回転での信頼性も高いロータ構造であるこ
とがわかる。同極反発ロータも本発明と同様に高速回転
に対する信頼性が高い。
【0032】実施例2〜4(磁石種類) 磁石材質を変更する以外は、実施例1と同形状のロータ
を作製した。SmCo5,Sm2Co17は粉末冶金法によ
り作製した。Nd据込磁石は溶湯急冷法により作製した
粉末を700℃で据え込み加工を行うことにより作製し
た。25℃で、150Hzでスピンテストを行った。比
較例3は比較例1と同形状の外周磁石ロータにて行っ
た。
【0033】
【表3】
【0034】常温ではどのロータもスピンテストに耐え
ることがわかる。次に−40℃と180℃の間で100
サイクルの熱衝撃テストを行った。その後に再び常温で
スピンテストを行った。結果を表4に示す。
【0035】比較例3は、回転数が小さい領域で磁石が
剥離してしまった。熱衝撃テストにより接着強度が低下
したためと考えられる。実施例2〜4では磁石は破壊し
なかった。本発明の方式は、軟磁性金属と熱膨張係数の
差が大きいNd系の磁石を使用したときに磁石の剥離、
破壊が起こらず望ましい。
【0036】
【表4】
【0037】実施例5〜10(磁極数による差) ロータ外径を150mm,ロータ内径を90mm,ロー
タ長さを50mmとし、着磁した磁石を軟磁性金属部品
に挿入、接着して、図3に示すn回(2≦n≦9)回転
対称を有する形状のロータを製作した。nは磁極数の半
分になる。なお、図3において31a、31bは永久磁
石、32、33はそれぞれ軟磁性金属から構成される外
筒部および内筒部である。実施例1と同様のステータに
挿入し、ロータ表面磁束密度を測定した。結果を表5に
示す。
【0038】磁極数を増加させるほど、ロータ表面の磁
束密度が増加する。磁極数が18極では、ステータが磁
気的に飽和したので、16極とあまり変わらなかった。
実施例5〜10までのロータの200Hzまでのスピン
テストでは磁石の飛散は起こらなかった。
【0039】
【表5】
【0040】実施例11(磁石保持方法による差) 磁石の断面形状を変えて、図4に示す8極ロータを製作
した。図4において41は断面L字状の永久磁石、4
2、43は軟磁性金属から構成される外筒部および内筒
部である。ロータの200Hzまでのスピンテストでは
磁石の飛散は起こらなかった。
【0041】
【発明の効果】本発明により、表面磁束密度が高く、高
回転に耐える信頼性の高いロータ構造を実現可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁石が分割されていない場合の発明例を示す図
である。
【図2】磁石が分割されているが、磁気的に一体の場合
の発明例を示す図である。
【図3】n回(2≦n≦9)回転対称を有するロータの
発明例(図はロータのn分の1を表示)を示す図であ
る。
【図4】磁石の極率半径が場所により異なる発明例を示
す図である。
【図5】従来の外周磁石ロータを示す図である。
【図6】従来の同極反発ロータを示す図である。
【図7】本発明ロータの組立例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,11,21,31a,31b,41 永久磁石 2 ロータ基体 12,22,32,42 外筒部 13,23,33,43 内筒部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内筒部、軟磁性金属から構成される外筒
    部、ならびに該内筒部および該外筒部との間に配置され
    た磁気的に一体である永久磁石とを有し、磁極数が4極
    以上であることを特徴とする永久磁石式ロータ。
  2. 【請求項2】 外筒部に形成される磁極は隣接する磁極
    と磁気的に分離されているが、軸端で機械的に結合して
    いる請求項1記載の永久磁石式ロータ。
  3. 【請求項3】 永久磁石がNd2Fe14Bを主たる構成
    相とする請求項1または2に記載の永久磁石式ロータ。
  4. 【請求項4】 回転軸に垂直な断面上でロータ中心から
    磁石の重心を通る直線を引いたときに、外筒部が該直線
    上に存在する請求項1〜3のいずれかに記載の永久磁石
    式ロータ。
  5. 【請求項5】 回転軸に垂直な断面において、前記永久
    磁石の曲率半径が場所により異なる請求項1〜3のいず
    れかに記載の永久磁石式ロータ。
  6. 【請求項6】 永久磁石厚さよりも前記外筒部の磁極間
    の最短距離が小さい請求項1〜5のいずれかに記載の永
    久磁石式ロータ。
  7. 【請求項7】 ロータ磁極1極あたりの表面磁束密度が
    永久磁石内部の磁束密度よりも大きい請求項1〜6のい
    ずれかに記載の永久磁石式ロータ。
  8. 【請求項8】 回転軸に垂直な断面上での磁石の磁極面
    の平均長さをロータ外周における磁極1極の長さより長
    い請求項1〜6のいずれかに記載の永久磁石式ロータ。
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