JPH0638300Y2 - 大型氷削機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、短時間で大量の削り氷を切削する大型氷削機
に関するものである。

（従来の技術） 従来、魚介類等食品の氷詰めは、氷塊を砕氷機で砕いた
氷片を使用しているのが一般的である。ところがこのよ
うな場合、細かく砕いてもその中には大きな砕氷片が混
合し大きさは不揃いになり勝ちである。

このような状態では氷詰容器内の被冷凍物に万辺なく氷
片を接触させてこれを素早く冷却することが望ましいと
きには不適当であり、この場合には砕氷片より接触率の
高い雪片状の削り氷が適している。

また、耐寒試験用として吹雪や積雪の自然に近い環境を
人工的に作るために大型の氷削機が要望されている。

（考案が解決しようとする問題点・考案の目的） 前記に鑑み、本考案は大量の削り氷を短時間で雪片状に
削る能力を備えた氷削機の製作を課題とし、考案の目的
とするものである。

（問題点を解決するための手段） 前記の目的に沿った氷削機としては、原料氷塊が容易に
比較的大量入手できることと、これを必要な時、短時間
内に大量に切削できるという条件が必要となる。

以上のことから本考案は、角氷を用い、回転羽根を収納
する切削ケースに切削刃を臨ませた多数のスリツトを放
射状に設け、これを該角氷の投入口を形成するフレーム
に懸吊支持した氷削部と、その上部に駆動部として減速
機付きモータを固定したものを機台上に載置したもので
ある。これによつて製氷機で簡単に製氷される角氷（キ
ユービツクアイス）を使用して短時間内に大量の削り氷
が切削ケース下方に広い範囲に亘つて排出される。

本考案の好適な実施例を次に説明する。

（実施例） 添付図面は本考案の一実施例を示し、第１図は一部切欠
正面図、第２図は大型フレーム１の平面図、第３図は第
２図A-A線切断面図、第４図は切削ケース11を底から見
た底面図、第５図は第４図B-B線切断面図、第６図は第
４図C-C線拡大切断面図、第７図は回転羽根の底面図、
第８図は第７図のD-D線切断面図、第９図は機台41の一
部切欠側面図である。

図中１はほぼ正四角形の大型フレームで、上面の中央部
に駆動部用取付座を上部に、回転軸用の上部軸受部の取
付座を底部に形成する軸連結用の筒２を設け、四隅から
対角線状のリブ３及び外周の一辺を除いて三辺の中央部
からの三本リブ3aを筒２に接続して設け、さらに各リブ
３、3aに接続して筒２と同心にした円形リブ４を設け、
リブ3aを欠く部分に蓋付きの角氷投入口５を設け、リブ
３、3aと円形リブ４により囲んだ適宜の部分に内部を観
察する透明窓６を設け、同下面に切削ケース11の上縁の
孔11aを大型ケース１の孔1aにボルトナツトで取付けて
懸吊状に支持する。

切削ケース11は截頭逆円錐形に成形し、斜面12に切削刃
物15の刃先35を臨ませかつ削り氷を排出する多数のスリ
ツト13を放射方向に設け、該スリツトの各々に各外面部
に切削刃物15を取付けて刃先35を内面に僅かに突出させ
る刃物取付座14（第６図参照）を設け、底部の中心に、
ケース11内に収納した回転羽根31のボス33に回転不能に
取付けた回転軸36の下端を通して支持する筒形の軸受部
16aを設ける。19は水抜き孔である。

回転羽根31は第１、７図に示すように切削ケース11の内
面にほぼ接し、かつ回転方向に円弧形に湾曲する翼32
と、その中心にボス33を設け、周縁上面を補強リング34
により連結したものである。前記した軸受部16aには上
下にボールベアリング17、18を取付ける。

フレーム１の前記の筒２の上には減速機８を付設するモ
ータ７を取付け、筒２の内部において減速機８から下方
に突出する出力軸９にカツプリング10を介して前記の回
転軸36を連結し、該軸の下端部に前記した回転羽根31の
ボス33を固嵌すると共に、上部はフレーム１の上部軸受
部16と下部軸受部16aのベアリング17,18に通して支持
し、その下端外周に螺合したロツクナツト37をベアリン
グ18の内輪の下方から接触させる。

大型フレーム１の周縁部下面をアングル材で枠組された
機台41上に載せて据え付ける。

（作用） 本考案はモータ７の起動により回転軸36及び回転羽根31
を回転すると共に、大型フレーム１の角氷投入口５から
キュービック氷を切削ケース11内に供給し、回転羽根31
の回転により氷塊を斜面12の全周に多数設けたスリツト
13から該ケース内部に突出する切削刃物15の刃先35によ
り削つてケース下方に排出し、機台41からシユート又は
掻き出し装置などで取出すとか機台41と共に懸吊した状
態で氷削作業をしながら移動する。

（効果） 本考案は、ほぼ正方形の大型フレーム１の下面に、内部
に回転羽根31を収納し、斜面12に切削刃物15を臨ませ、
かつ削り氷を排出する多数のスリツト13を放射状に設
け、同中心底部に前記回転羽根31の回転軸36を支持する
軸受部16aを設けた逆円錐形の切削ケース11を懸吊支持
し、大型フレーム１の上面に据付けたモータ７と減速機
８により回転軸36及び回転羽根31を回転させ、大型フレ
ーム１の角氷投入口５から大量の角氷を切削ケース11に
供給して多数の切削刃物15により極く大量の雪片状の削
り氷を削り、これをスリツト13から放出するもので、モ
ータ７及び減速機８を大型のフレーム１上に据付けて回
転羽根31の回転駆動系を簡潔な構成にしたので、その構
造は比較的単純であるにもかかわらず従来得られなかつ
たような大量の削り氷を短時間に供給することができか
つこれが排出も広範囲に亘つてなされるため、被冷凍物
の詰箱を並べたベルトコンベアの上方に本案氷削機を設
置して連続氷詰作業を行えばよく、又区画した室内でこ
の氷削機を吊り下げ又はレール上を走行移動させながら
人工的な積雪環境を作り耐寒テスト等の使用に供するこ
とができる等その利用度は広いという効果がある。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案の一実施例を示し、第１図は一部切欠
正面図、第２図はフレーム１の平面図、第３図は第２図
A-A線切断面図、第４図は切削ケース11の底面図、第５
図は第４図B-B線切断面図、第６図は第４図C-C線切断面
図、第７図は回転羽根の底面図、第８図は第７図D-D線
切断面図、第９図は機台41の一部切欠正面図である。 １…大型フレーム、２…筒、５…角氷投入口 ７…モータ、８…減速機、11…切削ケース 12…斜面、13…スリツト 14…刃物取付座、15…切削刃物 16…軸受部、31…回転羽根、33…ボス 35…刃先、36…回転軸、41…機台

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】截頭逆円錐形の切削ケース内に回転羽根を
   収納し、該ケース斜面には外側から切削刃を臨ませかつ
   削り氷を排出するものにおいて、前記切削刃が臨むスリ
   ツトをその円周斜面に放射状に多数備え、その中心部に
   前記回転羽根の回転軸を支持する軸受部を装着した切削
   ケースを、角氷の投入口を備えたほぼ正方形の大型フレ
   ームの下面に懸吊固定した氷削部と、該フレームの上部
   に固定するモータと減速機からなる駆動部と、前記フレ
   ームを下方から支持して固定する機台とからなる大型氷
   削機。