JPH0636718A - 回折用x線管球 - Google Patents

回折用x線管球

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JPH0636718A
JPH0636718A JP21225492A JP21225492A JPH0636718A JP H0636718 A JPH0636718 A JP H0636718A JP 21225492 A JP21225492 A JP 21225492A JP 21225492 A JP21225492 A JP 21225492A JP H0636718 A JPH0636718 A JP H0636718A
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JP
Japan
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diamond
window
ray
rays
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Pending
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JP21225492A
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English (en)
Inventor
Keiichiro Tanabe
敬一朗 田辺
Naoharu Fujimori
直治 藤森
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2235/00X-ray tubes
    • H01J2235/18Windows, e.g. for X-ray transmission

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  • X-Ray Techniques (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 X線回折計は、X線を発生する管球を持つ。
これはX線を外部に取り出すための窓を有する。従来は
ベリリウム、アルミニウム、雲母などの薄板が用いられ
ている。しかしこれらはX線の吸収が大きくてしかも強
度がなお十分でない。X線の吸収がより少なく強度に富
む窓を提供することが目的である。 【構成】 窓材としてダイヤモンドを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はX線回折装置のX線管
球に関する。X線回折計は、粉末試料や単結晶試料の結
晶構造の解析のために用いられる。これはX線を発生す
るX線管球と試料を保持する機構、回折X線を計数する
計数管とよりなり、試料と計数管を回転して回折角を変
化させることができるようになっている。X線管球は電
子線を加速し対陰極(陽極)に衝突させてX線を発生す
るものである。X線は窓から外部に取り出され試料に照
射される。
【0002】
【従来の技術】図1に回折用X線管球の概略図を示す。
これは熱電子を発生するためのフィラメント1をガラス
壁2、金属壁3等によって形成される空間の中に設け、
真空封入したものである。フィラメント1は陰極でこれ
に通電し加熱することができる。これに対向してタ−ゲ
ット(陽極であり対陰極)4が設けられる。フランジ5
と金属壁3の間は冷却水路となっていて冷却水6がジェ
ット7としてタ−ゲットの裏面に噴射される。ウエ−ネ
ルト電極8は電子線を収束させる作用がある。フィラメ
ント電極1はWで作られる。対陰極は冷却を盛んに行う
ために無酸素銅が使われる。電子線が対陰極に衝突する
のでX線9が発生する。X線は側方の窓10から外部に
取り出される。窓10は内外の圧力差に耐えて内部の真
空を保持できることが必要である。またX線を高い効率
で透過できることも必要である。このため薄くて丈夫な
窓が望まれる。X線の透過は材料の分子量が低いほど優
れているので低分子量の材料が用いられる。従来のX線
窓はベリリウム、アルミニウム、または雲母等で作られ
ていた。これらの材料は薄くても強度が高いからであ
る。特にベリリウムが最も良く利用される。
【0003】図2はX線回折計の全体の概略の構成図で
ある。X線発生装置11は、X線管球12、ゴニオメ−
タ(測角器)13、コントロ−ルパネル14、防X線カ
バ−15等を含む。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ベリリ
ウム、アルミニウム、雲母などのX線窓は次のような難
点がある。 X線の透過がなお不十分である。 強度が不足している。 窓が汚れ易い。 ベリリウム窓はX線の透過率が優れているとされている
が、それでもかなりのX線の吸収がある。X線管球の出
力を上げようとするとX線の窓による吸収のために窓が
破壊される惧れがある。ベリリウム窓を使っていたので
はより強力なX線管球を作ることができない。また窓の
寿命も十分でない。より強靱でX線の透過率のよい窓を
提供することが本発明の目的である。このような窓を用
いればより高出力のX線管球を作ることができる。
【0005】回折用X線管球のX線窓とは全く違うが、
半導体のリソグラフィに置いてX線マスクが必要とされ
ることがある。これについて少し述べる。半導体のリソ
グラフィはレジストに光を選択的に照射しこれを硬化さ
せ任意のパタ−ンを作り出すものである。現在は水銀ラ
ンプのg線またはi線が用いられている。これで0.5
μm程度の線を露光できる。将来的にはX線露光が利用
される可能性があるのでマスク材料についての検討が進
められている。X線は波長が短いので結晶構造のパラメ
−タに近くどのような材料でも吸収が大きくてマスクを
作り難い。X線の透過率が高くてしかも反りなどがあっ
てはならない。しかもハンドリングに耐えるために強度
が必要である。
【0006】このマスクは金属板に穴を開けたものや、
Si基板に金等の金属を選択的に蒸着したものが用いら
れる。此のほかにSiN膜、SiC膜などの基板の上に
金を設けたものもある。このX線露光用のマスクにダイ
ヤモンドを用いるものを提案した(特開平4−1078
10)ものもある。。ダイヤモンドを薄くしてX線の透
過率を上げているが強度を増すために格子状に補強桟を
表面に付けている。またダイヤモンドの強度を補うため
に有機高分子膜をダイヤモンド膜に張り合わせたものも
ある(特開昭61−32425)。
【0007】X線露光用のマスクは微細なパタ−ンを転
写するためのもので、本発明が対象とする回折用X線管
球の窓とは異なる。露光用のマスクは反り変形などがあ
ってはならない。しかし圧力がかかるということはな
い。またパタ−ンを形成するために一部に金などが蒸着
してある。これとは違って、回折用X線管球の窓は微細
なパタ−ンを持つということはない。四辺を固定するの
で変形や反りの問題はない。しかし内外の強い圧力差に
耐えなければならない。特に機械的強度が必要である。
しかも透過するX線の量が違う。回折用X線管球の窓の
方がずっと多い。ために熱伝導度の高いことが特に要求
される。このようにX線露光用のマスクと、回折用X線
管球の窓では要求される性質が全く異なる。材料も窓は
ベリリウム、アルミニウム、雲母などであり、露光用マ
スクは金属板やSiが多い。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は回折用X線管球
の窓としてダイヤモンド窓を用いる。特に気相成長によ
って製作した多結晶ダイヤモンド板を窓とする。膜厚は
強度の点から0.05μm以上でなけらばならない。窓
の直径が大きい場合は内外の圧力差が大きく作用するの
で10μm以上の厚みのあることが望まれる。反対にX
線の透過率を高く保持するためには200μm以下の膜
厚であることが望ましい。
【0009】
【作用】ダイヤモンドはX線透過性に優れている。また
強度も大きくて回折用X線管球の窓材として優れてい
る。本発明はダイヤモンドを初めて回折用X線管球の窓
として用いることを提案する。ダイヤモンドのX線の透
過率の良いことは知られているが、回折用X線管球の窓
にするためにはかなりの圧力に耐えなければならずその
ような厚みのあるものを従来作ることができなかった。
図1に示したような回折用X線管球では内部は10-7
10-8Torrの高真空である。それで窓にダイヤモン
ドを使うということが想到されなかった。しかし近年気
相合成法によって適当な基体の上に厚いダイヤモンドを
合成することができるようになってきた。このため本発
明が可能となったのである。気相合成法というのは、加
熱した基体の上へ、メタンや水素ガスなどの原料ガス、
キャリヤガスを流し、適当な手段でこれらのガスを励起
し、活性化して気相反応を起こさせ反応生成物が基体の
上へ堆積するようにして膜をつくる方法である。原料ガ
スを励起する手段の相違によっていくつもの気相合成法
が知られている。
【0010】熱CVD法(特開昭58−91100) プラズマCVD法(特開昭58−135117、特開
昭58−110494) 熱プラズマCVD法 燃焼炎法 などの方法がある。本発明はこれらの内どれによっても
行うことができる。特にダイヤモンド膜の成長の均一性
に優れた熱CVD、プラズマCVD法などが望ましい。
【0011】図3によって本発明の回折用X線管球窓材
の製造方法を説明する。 (a)Si、Mo、W、Ge、GaAsなどの平坦な基
材を用意する。少なくとも片面をRmax が0.2μm以
下になるように鏡面ラップする。特に粒径が2μm程度
のダイヤモンドペ−ストでラップするのが好ましい。 (b)この基材の上に気相合成法によりダイヤモンド薄
膜を成長させる。 (c)ダイヤモンドの合成終了後、基材を弗硝酸や王水
等で除去する。ダイヤモンド板が得られる。 (d)レ−ザで適当な大きさに切断する。 (e)端周部をメタライズする。 (f)金属壁の窓開口部にダイヤモンド板を固定する。 (g)金属壁、ガラス管などを一体に組み立てて回折用
X線管球を得る。
【0012】本発明においてダイヤモンドというのはX
線回折法、またはラマン分光法によって結晶質(多結
晶、単結晶)のダイヤモンドの存在が確認されるもので
ある。ダイヤモンド以外の炭素成分として、少量の黒
鉛、無定形炭素(アモルファスカ−バン)、ダイヤモン
ド状炭素を含んでいても良い。またダイヤモンドには不
純物として、少量のB、N、O、Al、Si、P、T
i、W、Ta、Fe、Ni等の元素が含まれていても良
い。とくにBが含まれるとダイヤモンドが半導体化しX
線照射時に帯電するのを防ぐことができる。
【0013】このようにダイヤモンドによって窓を製作
している。X線に対してダイヤモンドの透過率が大きい
のでX線を良く通す。ダイヤモンドは強度が大きいので
薄くても内外の圧力差に耐えることができる。またX線
の吸収のために窓が発熱するがダイヤモンドは熱伝導度
が極めて高いので過剰の熱を金属壁へ排除することがで
きる。このように窓としてダイヤモンドを使うと、高い
X線の透過率、高い熱伝導度が有利に作用して寿命の長
い、高出力用回折用X線管球の窓となることができる。
【0014】
【実施例】ダイヤモンド成長用の基材として、25mm
×25mm×5mmのSiを用いた。これをRmax 0.
2μm以下になるように鏡面ラップした。これを図4に
示す熱フィラメントCVD装置に装着し、厚さ20μm
のダイヤモンド膜を合成した。図4において、真空チャ
ンバ21は内部に原料ガスを導入しこれを励起して気相
反応を起こさせる空間を与える。内部に基材支持台22
が設けられる。これの上に基材23が戴置される。真空
排気口24は真空装置(図示せず)に接続されここから
ガスが排出される。真空チャンバ21の内部には電極2
5があり、これはガイシ26によって絶縁されつつ外部
の電源へつながっている。フィラメント27はWの細線
で作られ加熱されることにより熱電子を発生する。が原
料ガス入口28から原料ガスが内部に導入される。圧力
計29が圧力をモニタしている。基材支持台22は冷却
水30によって冷却される。ダイヤモンドの合成条件
は、 水素ガス流量 1000 cc/min メタンガス流量 20 cc/min 酸素ガス流量 5 cc/min 圧力 80 Torr ダイヤモンド膜厚 20 μm であった。基材の加熱は行わない。フィラメントからの
熱で加熱されるだけでも高熱になり過ぎるので冷却す
る。
【0015】このダイヤモンド膜をラマン分光した結果
を図5に示す。1333cm-1のダイヤモンドに対応す
る鋭いピ−クが現れている。これ以外の非ダイヤモンド
成分に対応するピ−クが見られない。グラファイトやア
モルファスカ−ボンなどの非結晶ダイヤモンド炭素成分
や非炭素成分がないということである。図6はX線回折
パタ−ン(2Θ−Θ法)を示す。ダイヤモンドの(11
1)、(220)、(311)のピ−クが強く現れる。
このようにダイヤモンドの結晶構造に対応する回折ピ−
クのみがある。つまりこれは結晶性のよいダイヤモンド
であるということである。
【0016】こうして作成したダイヤモンド膜を図3の
工程に従って回折用X線管球の窓として取り付けた。そ
して回折用X線管球のWフィラメントに50mAの電流
を流した。管電圧つまり陰極陽極間電圧が50kVにし
てX線を発生させX線出力の時間変化を調べた。X線出
力の測定には半導体検出器を用いた。これを図7に示
す。横軸は時間で縦軸はX線の出力であるが任意メモリ
で相対値を表している。5000時間の使用でもX線の
出力が殆ど変化しない10000時間経過後も、少しX
線出力が減少するが尚十分使用に耐えるということがわ
かる。優れた窓である。
【0017】比較のために従来のベリリウム窓の回折用
X線管球も作製して同様な条件でX線を発生させた。同
じ図7に同一の出力単位で表している。これは初期出力
そのものがダイヤモンド窓の場合よりも低い。これはX
線の吸収がベリリウムの方がダイヤモンドより大きいか
らである。5000時間でかなりの劣化を示している。
7500時間程度で初期の出力の約半分に低下してい
る。10000時間後では初期出力の1/10程度に落
ちるのでもはや使用に耐えない。ダイヤモンド窓がベリ
リウム窓より透過率が高いので吸収による発熱も小さく
劣化が少ないのである。また熱伝導度が高いから冷却水
による冷却の効果が挙がるという利点もある。
【0018】
【発明の効果】本発明の回折用X線管球はダイヤモンド
を窓材に用いている。従来のベリリウムを窓に用いたも
のに比較して、機械的強度が大きく、X線の透過率が高
く、しかも熱伝導度が高いので窓としてより長寿命であ
る。また回折用X線管球の高出力化に好適である。さら
に透過率が高いので同じ電極構造であっても外部に取り
出すことのできるX線の強度が大きくなり効率的であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】回折用X線管球の概略断面図。
【図2】X線回折計の概略構成図
【図3】本発明のダイヤモンド窓の作製工程図。
【図4】熱フィラメントCVD装置の概略断面図。
【図5】本発明の実施例にかかるダイヤモンド窓材のラ
マン分光スペクトル図。
【図6】本発明の実施例にかかるダイヤモンド窓材のX
線回折強度の角度分布を示す図。
【図7】本発明の窓と従来のベリリウム窓を使った回折
用X線管球のX線出力の経時変化の測定結果を示す図。
【符号の説明】
1 フィラメント 2 ガラス壁 3 金属壁 4 タ−ゲット 5 フランジ 6 冷却水 7 ジェット 8 ウエ−ネルト 9 X線 10 窓

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィラメント陰極と、これに対向する陽
    極である金属のタ−ゲットと、フィラメント陰極および
    タ−ゲットを内部に封入するガラス管と金属壁と、タ−
    ゲットを冷却する冷却機構と、金属壁に設けられた窓と
    を含み、フィラメントを加熱し熱電子を発生させ加速し
    てタ−ゲットに当ててX線を発生させ、窓からX線を取
    り出すようにした回折X線管球に於いて、窓が気相成長
    法によって作られた0.05μm以上の厚みのダイヤモ
    ンド膜によって形成されていることを特徴とする回折X
    線管球。
  2. 【請求項2】 フィラメント陰極と、これに対向する陽
    極である金属のタ−ゲットと、フィラメント陰極および
    タ−ゲットを内部に封入するガラス管と金属壁と、タ−
    ゲットを冷却する冷却機構と、金属壁に設けられた窓と
    を含み、フィラメントを加熱し熱電子を発生させ加速し
    てタ−ゲットに当ててX線を発生させ、窓からX線を取
    り出すようにした回折X線管球に於いて、窓が気相成長
    法によって作られた10μm以上200μm以下の厚み
    のダイヤモンド膜によって形成されていることを特徴と
    する回折X線管球。
JP21225492A 1992-07-15 1992-07-15 回折用x線管球 Pending JPH0636718A (ja)

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JP (1) JPH0636718A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5657365A (en) * 1994-08-20 1997-08-12 Sumitomo Electric Industries, Ltd. X-ray generation apparatus
US5878110A (en) * 1994-08-20 1999-03-02 Sumitomo Electric Industries, Ltd. X-ray generation apparatus
JP2020091969A (ja) * 2018-12-04 2020-06-11 キヤノン電子管デバイス株式会社 X線管

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020091969A (ja) * 2018-12-04 2020-06-11 キヤノン電子管デバイス株式会社 X線管

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