JPH063669Y2 - 硬貨揚送装置に於ける噛み込み防止機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、遊技店の島に並設した台間玉貸機に投入され
た硬貨を島端に集合（回収）し、これを両替用硬貨とし
て再利用する両替機に関し、さらに詳しくは機内に設け
た硬貨揚送装置に導く硬貨貯留室から無端ベルトに乗り
移る際に生じる噛み込みトラブルを未然に防止する機構
に関するものである。

（従来の技術及びその課題） 周知の様に、遊技店においてはパチンコ機間に台間玉貸
機が並設されており、また島内には遊技者が投入した硬
貨を島端の所要箇所まで移送して集合させる硬貨回収装
置が具えられている。硬貨回収装置で回収した硬貨は両
替機の両替用硬貨として店員が手作業により補給してい
た。

さらに、上記店員による手作業の補給を無くした両替機
が提供されるようになってきた。該両替機の内部には硬
貨揚送装置が具備され、前記硬貨回収装置と連結してい
るる。この内部機構は移送してきた硬貨が硬貨送入口よ
り硬貨貯留室内に落下し整列した硬貨が一枚づつ硬貨揚
送装置の無端ベルトの桟上に乗載し下方より上方に揚送
していく機構となっている。つまり、回収した硬貨を硬
貨揚送装置によって再利用しているのである。

第１図はこのような硬貨揚送装置の設置状況の一例とし
て示した概略平面図である。１は複数台のパチンコ機２
が背中合せに列設されて形成した島で、隣接するパチン
コ機２，２間に台間玉貸機３（以下、玉貸機という）が
設置されており、各玉貸機３に投入された硬貨は島内の
硬貨回収装置４により島端に移送され、機内の硬貨揚送
装置５により持ち上げて両替機６に両替用硬貨として供
給していた。

上記の一例は先の実公昭５５−４９１１２号公報のパチ
ンコ機列装置によって既に開示されていてその構成は、
パチンコ機列の内部に搬送装置を設け、島内の両端のロ
ーラに無端ベルトを巻回し、各玉貸機より排出した硬貨
を乗載して島端に搬送して供給部内に導き、受口より落
下する硬貨を傾斜路で受けとめて順次一枚づつ揚送帯の
受片に載置して揚送し、上方において開設した排出口よ
り排出するようにしたものである。また、供給部の傾斜
路に充満している硬貨は隣接した落下路より下方の金庫
内に落下するようになっている。

しかしながら、搬送してきた硬貨を供給部内に導き傾斜
路で受けとめて、順次一枚づつ揚送帯の受片に載置し揚
送していくが、揚送帯の受片の間隔は硬貨が乗りやすく
するため、余裕をもった間隔に形成されているが傾斜路
より受片に乗りやすくなった反面、逆に受片に二枚重な
って乗ってしまったり、受片に乗りそこなって揚送帯か
ら出っ張る硬貨が生じる時がある。

つまり、受片にうまく乗らないまま揚送してしまうと供
給部で行き詰まり揚送帯間で噛み込みトラブルが生じた
り、供給部内に硬貨が滞留してしまったりしていた。そ
の結果、噛み込みトラブルが生じると揚送帯が切れたり
駆動モータが焼損したりして修復作業しなくてはなら
ず、あわせて供給部内の滞留硬貨を摘出するため、その
間は両替機が中止となってしまい遊技者に迷惑をかけて
しまい、そのため遊技店においても売上げ減となる課題
が指摘されていた。

本考案は上記の課題を解消し、硬貨の噛込みトラブルを
起すことのない硬貨揚送装置を提供することを目的とし
てなされてものである。

上記目的を達成するために創案したもので本考案の硬貨
揚送装置に於ける噛み込み防止機構は、パチンコ機列に
設置された台間玉貸機から排出される硬貨を移送する硬
貨回収装置より落下して集合する硬貨を硬貨送入側から
硬貨排出側方向に傾斜し、硬貨外径よりも余裕をもって
表面に等間隔に、前記硬貨を乗載する多数の桟を突設し
た無端ベルトを上下に配設した一対のプーリー間に巻回
張設し、該一方のプーリーをギヤードモータで駆動する
硬貨揚送装置において、前記硬貨回収装置から落下する
硬貨を硬貨送入口から硬貨貯留室内に供給し、該硬貨貯
留室内で整列され無端ベルトの桟に一枚づつ乗載させる
と共に硬貨貯留室と無端ベルトの連設した上方箇所に上
面を開放した開口部を設けて成り該開口部より溢れ出た
硬貨を回収する貯留タンクを下方位置に設けたものであ
る。

（実施例） 以下、図面に示した実施例に基き、本考案の構成を説明
する。

本考案の硬貨揚送装置の全体構成は、ほぼ従来例と同様
である。

第２図は硬貨揚送装置を示す全体斜視図である。図中７
は硬貨Ｃを揚送する無端ベルトで、その表面に硬貨Ｃを
乗載せしめるため硬貨外径よりも余裕をもって表面に等
間隔に多数の桟８がベルトと一体的に突設されている。

無端ベルト７は水平軸の周りに回転し得る如く機体に装
備された上下１対の上方プーリー９、下方プーリー１０
に巻回、張設されており上方プーリー９はギヤードモー
ター１１により駆動されて矢印方向に回転し、無端ベル
ト７を昇降移動させる（ただし、図ではプーリーは無端
ベルトに隠れて見られず、符号９，１０で示したのは機
体外に突出したその軸端である。）。

硬貨回収装置４より送られてきた硬貨Ｃは、硬貨送入口
１２より硬貨１枚分の厚みを有する間座１３ｂの硬貨貯
留室１３内に送り込まれ、一枚づつ前記無端ベルト７表
面の桟８上に乗り移り、無端ベルト７の上昇に従って揚
送されていく。桟８は無端ベルト７の上昇側（図示手前
側）において硬貨送入側（図示右側）が高くなった傾斜
を有しており、且つその幅は硬貨Ｃの直径よりも余裕を
もってあけられているので硬貨Ｃは硬貨貯留室１３から
一枚づつ転動して桟８上に乗載され揚送していく。

無端ベルト７および硬貨貯留室１３の前面は透明プラス
チック製等で形成されたカバー１４（鎖線で図示）で被
覆されている。従って桟８に乗載された硬貨Ｃはこぼれ
ることがない。

また、無端ベルト７はその硬貨送入側縁部をガイド１５
で、またその反対側縁部を前記カバー１４を無端ベルト
７の厚み（桟８を含む）に応じて基板１７から間隔をあ
けて取り付けるスペーサー１６でガイドされているの
で、硬貨Ｃは無端ベルト７側方へも落ちることなく揚送
されるものである。第３図はこの無端ベルト７のガイド
状況を図示した第２図Ａ−Ａ部断面図である。

基板１７にスペーサー１６およびカバー１４がビス１８
で、またガイド１５がビス１９でそれぞれ取り付けら
れ、無端ベルト７および桟８がスペーサー１６およびガ
イド１５によりガイドされている状況が示されている。
かくして無端ベルト７の桟８の乗って揚送していく硬貨
Ｃは無端ベルト７上昇部の上端部近傍のスペーサー１６
の切れた箇所から桟８の傾斜に沿って転落して硬貨排出
口２０より両替機６（本図には図示せず）に供給され
る。

ところが、上記の如く構成された従来の硬貨揚送装置に
おいては、前記第３図から明らかな如く、無端ベルト７
および桟８の硬貨送入側の側縁部に当接するようにガイ
ド１５が設けられている。このため、硬貨Ｃが桟８上へ
乗りそこなったり、重なってつられていってしまうと、
桟８と前記ガイド１５の下端部２１との間に硬貨Ｃが挾
まれて噛み込みを起し、無端ベルト７のベルト切れやモ
ータ焼損等のトラブルが生じていた。また、乗りそこな
った硬貨Ｃが硬貨貯留室１３内で滞留してしまうとその
硬貨Ｃを摘出しなくてはならなかった。

本考案においては無端ベルト７の表面の桟８の硬貨送入
側（ベルト上昇側において桟の高くなった側）の側縁に
は該桟に当接するガイド部材が設けられておらず、桟８
と桟８との間が開口されている。即ち、第５図の断面図
に見られるとおり、桟８の硬貨送入側は開口され、前記
従来例のガイド１５の如き部材がない。ベルトガイド２
３がビス２４で基板１７に取り付けられているが、これ
は無端ベルト７本体と略同一の厚みで桟８の位置には達
していない。従って桟８とガイドとの間に硬貨Ｃが噛み
込むことは有り得ない。無端ベルト７の誘導はベルトガ
イド２３によって充分に果され、無端ベルト７のずれ、
蛇行等を起すこともない。無端ベルト７の反対側の縁部
はスペーサー１６によりガイドされることは、従来例の
場合と同様である。

次に本考案の噛み込み防止機構について以下、詳細に説
明する。

１３は方形状から成る硬貨貯留室であり、該硬貨貯留室
１３は右側上部に搬送してきた硬貨Ｃを導く硬貨送入口
１２を形成している。

硬貨貯留室１３は第９図のように、ベース板１３ａ、間
座１３ｂ、カバー１４より構成されたものである。

ベース板１３ａとカバー１４の間には開口部２６を開口
している。該開口部２６は硬貨Ｃが余裕をもって排出す
る巾と長さに形成している。

開口部２６は無端ベルト７の桟８に乗りそこなった硬貨
Ｃを排出させることが出来るように設けたものである。
そのため、硬貨貯留室１３と無端ベルト７との間で生じ
ていた噛み込みトラブルが防止でき、さらに硬貨貯留室
１３には硬貨Ｃが滞留することがない。

さらに、開口部２６より排出された硬貨Ｂは下方位置に
設けられた貯留タンク２７内に落下するので硬貨の散
乱、紛失を防止している。また、貯留タンク２７は硬貨
送入口１２より送られる硬貨Ｃが硬貨貯留室１３にて溢
れた場合に溢れた硬貨Ｄを貯留する役目も果し、無端ベ
ルト７と硬貨の噛みを防止している。

１３ｂは間座で、硬貨Ｃが無端ベルトに載置するように
転動する通路状に形成したものである。

本考案においては無端ベルト７の上端部の硬貨排出側に
設けられたプーリー側板２２の前側下縁が傾斜縁となっ
ている。この傾斜ガイド２５は第７図に見られる如く下
方が後退して無端ベルト７面に対して所要の角度を有し
ており、図のように硬貨Ｃが無端ベルト７面に付着して
上ってきた場合硬貨Ｃの傾斜縁をこれに当てて硬貨排出
口２０に落すガイドの作用をなすものである。

従って、硬貨Ｃが桟８とプーリ側板２２との間に噛込む
ようなことがない。なおこの図示例ではプーリー側板２
２の縁部の一部を傾斜ガイド２５としたものが示されて
いるが、この傾斜ガイド２５はプーリ側板２２と別個に
設けることも可能である。

（考案の効果） 以上の説明で明らかな通り、本考案の硬貨揚送装置に於
ける噛み込み防止機構は、パチンコ機列に設置された台
間玉貸機から排出される硬貨を移送する硬貨回収装置よ
り落下して集合する硬貨を硬貨送入側から硬貨排出側方
向に傾斜し、硬貨外径よりも余裕をもって表面に等間隔
に、前記硬貨を乗載する多数の桟を突設した無端ベルト
を上下に配設した一対のプーリー間に巻回張設し、該一
方のプーリーをギヤードモータで駆動する硬貨揚送装置
において、前記硬貨回収装置から落下する硬貨を硬貨送
入口から硬貨貯留室内に供給し、該硬貨貯留室内で整列
され無端ベルトの桟に一枚づつ乗載させると共に硬貨貯
留室と無端ベルトの連設した上方箇所に上面を開放した
開口部を設けて成り、該開口部より溢れ出た硬貨を回収
する貯留タンクを下方位置に設けたことによって、硬貨
貯留室より無端ベルトの桟に乗りそこなった硬貨によっ
て生じていた噛み込みトラブルによる修復作業がなくな
り、また硬貨貯留室内に滞留した硬貨を摘出する作業が
なくなる。そのため両替機を中止にすることがないため
遊技者に迷惑をかけず、また遊技店においても売上げ増
となる効果は業界に多大に貢献している。

また、開口部より排出された硬貨は下方位置に設けられ
た貯留タンク内に落下するので硬貨の散乱、紛失を防止
することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図はパチンコ遊技場の島の配置を示した概略平面
図、第２図は硬貨揚送装置を示す全体斜視図、第３図は
第２図のＡ−Ａ部断面図、第４図は本考案の硬貨揚送装
置の１実施例を示す全体斜視図、第５図は第４図のＢ−
Ｂ部断面図、第６図はＤ−Ｄ視正面図、第７図はＥ−Ｅ
視側面図、第８図は硬貨貯留室の上方より硬貨が貯留タ
ンクに落下する状態図、第９図は硬貨貯留室の断面図で
ある。 ５……硬貨揚送装置、７……無端ベルト、８……桟、１
２……硬貨送入口、１３……硬貨貯留室、２０……硬貨
排出口、２５……傾斜ガイド、２６……開口部、２７…
…貯留タンク

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｇ０７Ｄ 9/00 ４１８ Ｚ 8513−3Ｅ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】パチンコ機列に設置された台間玉貸機から
   排出される硬貨を移送する硬貨回収装置より落下して集
   合する硬貨を硬貨送入側から硬貨排出側方向に傾斜し、
   硬貨外径よりも余裕をもって表面に等間隔に、前記硬貨
   を乗載する多数の桟を突設した無端ベルトを上下に配設
   した一対のプーリー間に巻回張設し、該一方のプーリー
   をギヤードモータで駆動する硬貨揚送装置において、 前記硬貨回収装置から落下する硬貨を硬貨送入口から硬
   貨貯留室内に供給し、該硬貨貯留室内で整列され無端ベ
   ルトの桟に一枚づつ乗載させると共に硬貨貯留室と無端
   ベルトの連設した上方箇所に上面を開放した開口部を設
   けて成り、該開口部より溢れ出た硬貨を回収する貯留タ
   ンクを下方位置に設けたことを特徴とする硬貨揚送装置
   に於ける噛み込み防止機構。