JPS6319878Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は遊技場等に設置される硬貨揚送装置に
関する。詳しくは、遊技場等において例えばパチ
ンコ用薄型自動玉貸機等に投入された硬貨を移送
して所要箇所に集合させて、これを紙幣玉貸機の
釣銭あるいは両替機等の両替用硬貨としてこれら
の機械に供給するために揚送する硬貨揚送装置に
関するものである。

（従来の技術） 従来の硬貨揚送装置は両側に有した支柱の上部
と下部に回動自在な駆動プーリーと従動プーリー
を、該支柱に軸架し、両プーリー間に硬貨一枚の
厚みよりやや広い幅で、且つ硬貨排出側に傾斜し
た桟を等間隔に多数突設した無端ベルトを巻回張
設し、ギヤードモータの駆動で駆動プーリーに回
転を与え、無端ベルトを下方から上方に回動せし
め、外部より移送されて来た硬貨は無端ベルトの
上昇側の下部一側縁から桟上に乗載され、揚送さ
れて、同じく無端ベルトの上昇側の上部一側の上
部一側縁から排出されていた。この硬貨揚送装置
に於いては、桟は無端ベルトの上昇側に於いて硬
貨送入側が高くなつた傾斜を有する如く形成され
ているため、無端ベルトの上部一側縁における硬
貨の排出は桟の傾斜に従がい、硬貨が自重によつ
て転動することによつて行なわれていた。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、この従来の硬貨揚送装置には、以下の
ような問題点があつた。即ち、周知のように硬貨
は多くの流通経路を通り、且つ多くの人手を経る
ため、塵埃・油・手垢等によりその汚染は著し
く、その硬貨を揚送する無端ベルトは摩擦係数の
高いゴム系のベルトであるため、前記硬貨は無端
ベルトそれ自体に密着し、揚送される場合があ
り、その際、所定位置での円滑な硬貨自らの転動
排出が望めないものであつた。

また、本願の硬貨揚送装置は紙幣玉貸機又は両
替機に硬貨の補給を行なうために揚送するもので
あつて、その上端部（硬貨排出口）は天井裏に配
した全店硬貨循環補給装置であるコンベアー（図
示せず）と接続されているが、この場合硬貨の円
滑な排出が最も重要で、この排出する硬貨は上記
理由以外に、湿気に大きく影響され、硬貨表面並
びに無端ベルト表面が湿潤した時は粘着力が生じ
て硬貨転動を阻害し、且つ天井裏での大きな異
物・ゴミ・塵がベルト・桟に附着して、該硬貨の
排出を一層悪くする原因となり、この現象は雨天
とか湿度の高い季節に特に影響され、前述した如
く円滑な排出が望めないものであつた。

更に、本願の無端ベルトは幅広のベルトを所定
の幅に切断して成している故に硬貨排出側の硬貨
乗載表面側に返りが出て、該返りにて硬貨が引掛
り、円滑な排出を邪魔するものであると同時に桟
の傾斜角度を大きく取ると、該硬貨が乗載する
際、勢い余つて強く側壁に衝突し、大きな騒音が
生じる故に、該硬貨が自重にて転動排出出来る最
小限の傾斜角を望むものである。

従つて、硬貨が排出させれず、桟上に留まつて
揚送され続け、ついには無端ベルトの下降側で桟
上から落下して外部に流失し、その結果、硬貨の
補給が不十分となり、且つ硬貨が散乱する。と同
時に硬貨を適正に管理することが出来ないもので
あつた。

そこで、本考案は以上の様な実状に鑑みてなさ
れたもので、その目的は簡単な構造で硬貨を確
実、且つ積極的に排出するようにした硬貨揚送装
置を提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するため本考案は、硬貨送入側
から硬貨排出側方向に傾斜し、硬貨外径よりも余
裕をもつて表面に等間隔に硬貨を乗載する多数の
桟を突設したゴム質の無端ベルトを上下に配設し
た一対のプーリー間に巻回張設し、該一方のプー
リーをギヤードモータで駆動する硬貨揚送装置に
於いて、前記無端ベルトの上昇側の上部一側縁に
複数の羽根部を有する硬貨排出回転体を軸支し、
前記桟の移動に応じて、該硬貨排出回転体が、回
転しその羽根部が、該桟と桟の間に順次繰り出す
如く形成し、桟に乗載せる硬貨を、該硬貨排出回
転体の羽根部で押し出し、硬貨を桟上から排出す
るようにしたものである。

（作用） 以下、本考案の作用を図面とともに説明する。

先ず、第１図に示すようにギヤードモータ１２
により無端ベルト３を回動させると、これに伴な
つて無端ベルト３表面と一体的に突設した硬貨複
数枚乗載可能な桟４によつて形成された硬貨乗載
空間は、無端ベルト３の下部一側縁に設けられた
硬貨処理室２に対して上方に順次移動する。

前記のような硬貨揚送装置により揚送される硬
貨１は、硬貨搬送装置（図示せず）により搬送さ
れ、その一端より落下して、硬貨処理２内に投入
され、桟４に対して垂直に起立状態で順次挿入
（供給）される。

この場合、硬貨１は図示しない硬貨搬送装置に
搬送され、その硬貨落下側一端に位置した硬貨送
入口１０により落下する硬貨１を起立状態のまま
で流下させて硬貨処理室２内に導き、その下方に
位置し、硬貨送入口１０から落下する硬貨１を受
け止めて下方向に転動させる際、転動速度が弱め
られるように成した緩い曲線状の案内板５の傾斜
下端を無端ベルト３に臨ませて桟４に送込む。

そして乗載された硬貨１は桟４の傾斜によつて
常に硬貨排出側に片寄せられて上昇し、硬貨排出
口１３に達すると、即桟４上から転動排出する
が、この排出口１３に於いて常に硬貨１は、硬貨
排出回転体６の羽根部８により強制的に排出さ
れ、この揚送作用が連続的に行なわれる。

従つて、本考案によれば無端ベルト３の上昇側
の上部一側縁に、複数の羽根部８を有する硬貨排
出回転体６を軸支し、前記桟４の移動に応じて、
該硬貨排出回転体６が回転しその羽根部８が、該
桟４と桟４の間に順次繰り出す如く形成し桟４に
乗載せる硬貨１を、該硬貨排出回転体６の羽根部
８で押し出し、硬貨１を桟４上から排出するもの
であるから、該羽根部８により確実に押し出さ
れ、硬貨排出口１３に落下する。

以上のようにして、所定位置まで揚送され、排
出された各硬貨１は、当該硬貨揚送装置の上部に
あつて、天井裏に配置した硬貨補給用搬送装置
（図示せず）に自動的に落下し、紙幣玉貸機・両
替機等の種々の機器に供給される。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。第１図は本考案の一例である硬貨揚
送装置の全体斜視図である。先ず、１はパチンコ
機列に設置された台間玉貸機から排出された硬貨
であつて、図示しない硬貨搬送装置によつて搬送
される。２は、前記硬貨１を後述する無端ベルト
３表面に突設した桟４上に導くための硬貨処理室
であつて無端ベルトに３の上昇側の下部一側縁に
設けられている。

前記、硬貨処理室２の隙間は、硬貨１の複数枚
の厚さに形成され、その隙間を硬貨１が直径軸を
垂直に近い形で通過するように成していて、その
内部には、図示しない硬貨搬送装置より落下して
来る硬貨１を受け止め、下方向に転動速度が弱め
られるように成した転動面が緩い曲線状の案内板
５が設けてあつて、その傾斜下端は無端ベルト３
に接続している。

３は、硬貨を揚送する無端ベルトで、その表面
に硬貨１を乗載せしめるために多数の桟４が、一
定間隔に無端ベルト３と一体的に突設されてい
て、無端ベルト３は水平軸の周りに回転し得る如
く機体に装備された上下一対のプーリーに巻回張
設されており上方プーリー１１はギヤードモータ
１２により駆動されて無端ベルト３を矢印Ａ方向
に回転移動させる。

４は、無端ベルト３の表面に一定間隔に突設さ
れた多数の桟で無端ベルト３の上昇側において硬
貨送入側が高くなつた傾斜を有しており、且つそ
の間隔は、硬貨１の直径よりも若干の余裕をもつ
てあけられている。また、桟４の硬貨１が乗載す
る部分の厚みは硬貨１が複数枚重なり合つても乗
載可能に形成されている。

６は硬貨排出回転体で、無端ベルト３の上昇側
の上部で、硬貨送入側にベアリング７を介して回
動自在に軸支され、複数の羽根部８を有してい
る。

羽根部８は、桟４と桟４の間に咬合していて桟
４の上昇移動に応じて、羽根部８が桟４の端部に
押し上げられ、全体として硬貨排出回転体６が回
動し、桟４と桟４との間に順次羽根部８が繰り出
されるように形成されていて、桟４上に乗載され
ている硬貨１は、順次繰り出される硬貨排出回転
体６の羽根部８に押し出されて、硬貨排出口１３
へ落下する。

さらに加えて本考案に係る硬貨排出回転体６は
正逆両方向に回動自在であるので、たとえ無端ベ
ルト３が何らかの原因で故障停止し、修理や修理
後の復旧のため該無端ベルト３を逆転させる必要
が生じても何ら支障なく逆転操作が出来るもので
ある。

尚、９は硬貨処理室２並びに硬貨揚送面側を被
覆する透明のプラスチツク製等のカバーであつ
て、これにより外部に硬貨１がこぼれ落ちること
はない。

また、１０は上記硬貨搬送装置（図示せず）よ
り落下して来る硬貨１を起立状態のままで流下さ
せて硬貨処理室２に導く硬貨送入口である。

（考案の効果） 以上の説明で明らかなように、本考案の硬貨排
出回転体を具備した硬貨揚送装置にあつては、従
来のように多くの流通経路と、多くの人手を経た
硬貨であつても、また本装置の上端部が天井裏に
臨むことによつて生じる無端ベルト表面の湿気、
異物・ゴミ等、更には無端ベルトの硬貨乗載表面
側に生じた返りなどの円滑な排出を邪魔する原因
が日常茶飯事に生じても揚送した硬貨を確実に排
出することが出来る。しかも簡単な構造で解決で
きるものである。と同時に故障がなく耐久性があ
る。

従つて、揚送硬貨が所定位置で排出されず、無
端ベルトの下降側で該硬貨が落下することを防止
する故に硬貨の散乱がなくなり、確実に紙幣玉貸
機又は両替機等に該硬貨を補給する硬貨補給装置
に供給することが出来るので、該機器が硬貨不足
を生じることは無い。

しかも本考案の硬貨排出回転体により、硬貨を
乗載する桟を必要以上に傾斜することがないの
で、硬貨乗載時に生じる騒音を低減せしめる。

以上のように本考案を具備した硬貨揚送装置が
パチンコ店に与える効果は顕著である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の全体斜視図、第２図及び３図
は、本考案の硬貨排出レバーの動きを示す状態斜
視図である。 １……硬貨、３……無端ベルト、６……硬貨排
出回転体、８……羽根部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 硬貨送入側から硬貨排出側方向に傾斜し、硬貨
   外径よりも余裕をもつて表面に等間隔に硬貨を乗
   載する多数の桟を突設したゴム質の無端ベルトを
   上下に配設した一対のプーリー間に巻回張設し、
   該一方のプーリーをギヤードモータで駆動する硬
   貨揚送装置に於いて、前記無端ベルトの上昇側の
   上部一側縁に複数の羽根部を有する硬貨排出回転
   体を軸支し、前記桟の移動に応じて、該硬貨排出
   回転体が、回転しその羽根部が、該桟と桟の間に
   順次繰り出す如く形成し、桟に乗載せる硬貨を、
   該硬貨排出回転体の羽根部で押し出し、硬貨を桟
   上から排出することを特徴とする硬貨揚送装置に
   於ける硬貨排出機構。