JPH0636353U - 磁気ディスク駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡易な構成によってラビリンス効果を向上さ
せ、ダストを有効に遮断して信頼性を高める。 【構成】 フレーム２０の軸受ホルダー部２１の外周に
は雄ネジ状等の連続溝２２を形成し、この連続溝２２に
ハブ４の内周面を近接対向させ、さらに、モータを構成
する電機子コア９に形成した内孔９ａを嵌合固着してい
る。 【効果】 連続溝によってラビリンス効果を向上するの
で、例えボールベアリングからダストが発生しても効果
的に遮断され、信頼性も向上する。また、この連続溝に
電機子コアに形成した内孔を嵌合固着しているため、フ
レームと電機子コアを接着固定する場合に、接着剤が容
易に溝内に浸透し、接着強度が増大して剛性を高くする
ことができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、磁気ディスクを装着して回転駆動するための磁気ディスク駆動装置 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

磁気ディスク駆動装置としては図２のような構成が提案されている。図２にお いて、円筒状に形成されたフレーム１の内周には、２個のボールベアリング２， ３の外輪が各々嵌合配置されている。ボールベアリング２，３の内輪にはハブ４ を一端に固着した回転軸５が嵌挿され、回転自在に支持されている。ハブ４は略 ベル状に形成されていて、底部中央部の中心孔を上記回転軸５の一端に圧入もし くは接着によって固着されている。さらに、ハブ４の内周と上記フレーム１の上 側には、僅かな間隔で両者を対向させたラビリンスシール部６が比較的短い寸法 Ｌで形成されている。このラビリンスシール部６によって、上記ボールベアリン グ２，３から発生するオイルミスト等のダストが外部に飛散することを阻止して いる。このようなハブ４の外周には、図示しない磁気ディスクが装着されるよう になっている。また、磁気ディスクには図示しないアクチュエータによってシー クされる浮動磁気ヘッドが臨んでいる。

【０００３】 上記ハブ４の外周下端に形成した環状鍔部４ａには、略円筒状のロータヨーク ７の上端が固着され、ロータヨーク７の内周にはロータマグネット８が固着され ている。一方、上記フレーム１の外周には電機子コア９が固定され、電機子コア ９は複数の突極を有し、各突極にはコイル１０が巻回されている。電機子コア９ の外周面はロータマグネット７の内周面に間隙をおいて対向している。電機子コ ア９、ロータマグネット８等によってモータを構成し、ロータマグネット７を回 転付勢することによりハブ４が一体に回転するようになっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】 上記従来の磁気ディスク駆動装置においては、ハブ４の内周と上記フレーム１ とを、僅かな間隔で対向させて比較的短い全長Ｌのラビリンスシール部６を形成 している。しかしながら、このラビリンスシール部６は、全長Ｌの間で一定の間 隔をもって形成されているので、ラビリンス効果が乏しく、ボールベアリング２ ，３から発生するダストを完全に遮断することは不可能であった。このため、上 記ダストが磁気ディスクを内装しているディスクエンクロージャー内に侵入する 危険性が大きく、エラー等の発生を招来して信頼性を低下させる問題点がある。

【０００５】 本考案は、このような問題点を解消するためになされたもので、簡易な構成に よってラビリンス効果を向上させ、ダストを有効に遮断して信頼性を高めること のできる磁気ディスク駆動装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、フレームに形成された軸受ホルダー部の外周を回転するように配設 されたハブと、このハブに設けられたロータと、このロータに外周面を対向させ ると共に内周を上記軸受ホルダー部の外周に固着した電機子コアとを備え、前記 フレームの軸受ホルダー部の外周には雄ネジ状等の連続溝を形成し、この連続溝 に前記ハブの内周面を近接対向させると共に、前記電機子コアに形成した内孔を 嵌合固着している。

【０００７】

【作用】

フレームの軸受ホルダー部の外周には雄ネジ状等の連続溝を形成し、この連続 溝にハブの内周面を近接対向させると、連続溝によってラビリンス効果が向上し 、ボールベアリングから発生するダストが遮断され信頼性が高められる。また、 この連続溝に電機子コアの内孔を嵌合固着すると、フレームと電機子コアを接着 固定する場合に接着剤が溝内に浸透し、接着強度が増大して剛性が高くなる。

【０００８】

【実施例】 以下、本考案にかかる磁気ディスク駆動装置の実施例について図面を参照しな がら説明する。尚、図２と同符号は同部品を示し、その詳細な説明は省略する。 図１において、前述した図２と相違する点は、フレーム２０の軸受ホルダー部２ １の外周には雄ネジ状等の連続溝２２を形成し、この連続溝２２にハブ４の内周 面を近接対向させ、さらに、モータを構成する電機子コア９に形成した内孔９ａ を嵌合固着した点にある。

【０００９】 即ち、軸受ホルダー部２１の外周に形成した連続溝２２には、連続した突起及 び溝が雄ネジ状に形成されている。そして、ハブ４の内周面が上記突起の先端に 近接するように微小な隙間をもって対向し、ラビリンスシール部２３を構成して いる。このラビリンスシール部２３は断面略鋸状に変化している。このため、従 来の連続した一定間隔の隙間と比較して、ラビリンス効果が飛躍的に向上し、ボ ールベアリング２，３から発生するダストが効果的に遮断され、磁気ディスク駆 動装置としての信頼性が高められる。

【００１０】 さらに、上記連続溝２２は軸受ホルダー部２１の下方まで連続して形成され、 この下方個所にモータを構成する電機子コア９に形成した内孔９ａが嵌合固着さ れている。そして、連続溝１２に接着剤を滴下すると、接着剤は連続溝２２の溝 内と電機子コア９の内孔９ａ間の連続したトンネル状の空間に順次浸透し、両者 の接着強度が大幅に増大する。上記連続溝２２は、ラビリンスシール部２３の個 所と、電機子コア９の嵌合個所のみに形成してもよいが、雄ネジ状に形成する場 合には連続して形成した方が加工が容易である。

【００１１】 尚、上述の実施例は本考案の一例を示すもので、連続溝の突起形状は図１の如 く三角形でなくても、略台形状や略放物線状等、他の形状であってもよく、本考 案を逸脱しない範囲で種々変更可能である。

【００１２】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、本考案の磁気ディスク駆動装置は、フレーム の軸受ホルダー部の外周に雄ネジ状等の連続溝を形成し、この連続溝にハブの内 周面を近接対向させてラビリンスシールを構成しているので、連続溝によってラ ビリンス効果を向上させることができるので、例えボールベアリングからダスト が発生しても効果的に遮断することができ、信頼性も向上する。また、この連続 溝に電機子コアに形成した内孔を嵌合固着しているため、フレームと電機子コア を接着固定する場合に、接着剤が容易に溝内に浸透するので、接着強度が増大し て剛性を高くすることができる利点がある。

【００１３】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかる磁気ディスク駆動装置の実施例
を示す断面図である。

【図２】従来の磁気ディスク駆動装置を示す断面図であ
る。

【符号の説明】

４ ハブ ９ 電機子コア ９ａ 内孔 ２０ フレーム ２１ 軸受ホルダー部 ２２ 連続溝

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 フレームに形成された軸受ホルダー部の
   外周を回転するように配設されたハブと、このハブに設
   けられたロータと、このロータに外周面を対向させると
   共に内周を上記軸受ホルダー部の外周に固着した電機子
   コアとを備え、前記フレームの軸受ホルダー部の外周に
   は雄ネジ状等の連続溝を形成し、この連続溝に前記ハブ
   の内周面を近接対向させると共に、前記電機子コアに形
   成した内孔を嵌合固着してなる磁気ディスク駆動装置。