JP2566389Y2

JP2566389Y2 - 磁気ディスク駆動装置

Info

Publication number: JP2566389Y2
Application number: JP1993060211U
Authority: JP
Inventors: 伸治木下; 充井出
Original assignee: Nidec Sankyo Corp
Current assignee: Nidec Sankyo Corp
Priority date: 1993-10-12
Filing date: 1993-10-12
Publication date: 1998-03-25
Anticipated expiration: 2008-03-25
Also published as: JPH0726962U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、磁気ディスク駆動装置
に関するもので、特に磁気ディスク駆動装置内部のダス
トが外部へ放出されないようにする構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】ハードディスクあるいはフロッピーディ
スク等の磁気記録媒体を回転駆動する磁気ディスク駆動
装置として図５に示すようなものがある。図５におい
て、カップ状のフレーム３６は中央に固定軸３１が一体
に形成されている。固定軸３１の根本の大径部外周には
ステータコア４０が固定されている。ステータコア４０
はコア素体を複数枚積層して構成されており、外周には
複数の突極が形成されている。各突極にはコイル３９が
巻回されている。

【０００３】固定軸３１の大径部より上方の小径部には
上下２個のベアリング３３、３３の内輪が固定されてお
り、ベアリング３３、３３の外輪にはハブ３２の内径部
が嵌められている。ハブ３２はベアリング３３、３３に
よって固定軸３１に対し、回転自在に支持されている。
ベアリング３３、３３の外輪にはそれぞれ上部と下部に
ベアリングシール部材４１が取付けられており、このベ
アリングシール部材４１によってベアリング３３、３３
のボールが取付けられた外輪と内輪の間の間隙が覆われ
ている。

【０００４】上記ハブ３２の下端部には円筒部３２ａが
形成されており、円筒部３２ａの周壁内面にはバックヨ
ーク３７を介してリング状の駆動マグネット３８が取付
けられている。駆動マグネット３８の内面は、一定の間
隙をおいてステータコア４０と対向している。このた
め、ステータコア４０に巻回されたコイル３９を通電制
御することにより、駆動マグネット３８が付勢され、ハ
ブ３２が回転駆動される。

【０００５】固定軸３１の上側のベアリング３３よりさ
らに上方には、磁性リング４２が取付けられている。一
方、ハブ３２の上端部には円筒状の突出部３２ｂが形成
されており、突出部３２ｂの内周面には円環状の磁性シ
ール４３の外周面が固定されている。磁性シール４３の
中央の孔には固定軸３１に取付けられた磁性リング４２
が存在しており、磁性リング４２と磁性シール４３の間
の間隙には磁性流体４７が介在している。磁性流体４７
により磁気ディスク駆動装置のベアリング３３、３３が
取付けられた内側の空間と、外側の空間が遮断される
が、磁性流体４７は流動性を有するため、磁性リング４
２に対して磁性リング４３は回転可能であり、このため
ハブ３２が固定軸３１に対して回転自在となっている。
突出部３２ｂ内には、磁性シール４３の上方においてシ
ールカバー４６が取付けられている。

【０００６】上記ハブ３２の円筒部３２ａの上側の肩部
には磁気ディスクが重ねられ、図示されないクランプを
介してねじ止めされ、ハブ３２の回転に伴い磁気ディス
クが回転駆動される。なお、このような磁気ディスク駆
動装置と実質同一なものが特開平４−８１４１号公報に
記載されている。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】従来の磁気ディスク駆
動装置では、回転駆動時に装置内部、特にベアリング３
３、３３の部分から生ずるダストが装置の外部に飛散し
て、磁気ディスクに付着するのを防止するために、磁性
リング４２、磁性シール４３、磁性流体４７の３点の部
材で装置内部の空間を封止し、これによって、装置外部
へダストが飛散するのを防止している。

【０００８】しかし、装置内部空間を封止する部分は、
磁性リング４２、磁性シール４３、磁性流体４７の３点
のからなり、さらにはシールカバー４６を設ける必要が
あるため構成が複雑化してしまい、組立工程が増え、製
造コストが上昇してしまうという問題点を有している。

【０００９】本考案は以上のような問題点を解決するた
めになされたもので、封止構造を簡略化して製造コスト
を低減させることが可能な磁気ディスク駆動装置を提供
することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の考案は、
固定軸と、該固定軸に嵌め込まれたボールベアリング
と、磁気ディスクを載置すると共に上記ボールベアリン
グを介して上記固定軸に対して回転自在に支持されたハ
ブとを備えた磁気ディスク駆動装置において、上記ボー
ルベアリングよりも上記固定軸の先端側に環状部材が固
着され、この環状部材の上記ボールベアリング側の端面
が上記ボールベアリングの端面と０．１ｍｍ以下の微小
間隙をおいて対向し、かつ、環状部材の外周面がハブの
内周面と０．１ｍｍ以下の微小間隙をおいて対向してい
ることを特徴とする。請求項２記載の考案は、固定軸
と、該固定軸に嵌め込まれたボールベアリングと、磁気
ディスクを載置すると共に上記ボールベアリングを介し
て上記固定軸に対して回転自在に支持されたハブとを備
えた磁気ディスク駆動装置において、上記ボールベアリ
ングよりも上記固定軸の先端側に相当する位置の上記ハ
ブに環状部材が固着され、この環状部材の上記ボールベ
アリング側の端面が上記ボールベアリングの端面と０．
１ｍｍ以下の微小間隙をおいて対向し、かつ、環状部材
の内周面が上記固定軸の外周面と０．１ｍｍ以下の微小
間隙をおいて対向していることを特徴とする。請求項３
記載の考案は、請求項１または２記載の磁気ディスク駆
動装置において、上記環状部材の上記ボールベアリング
側とは反対側の位置にあって、少なくとも上記微小間隙
の軸方向外方部分を覆うキャップを設けてなることを特
徴とする。

【００１１】

【００１２】

【作用】固定軸の一方端側に環状部材を取付けると共
に、この環状部材のベアリング側の端面と、ベアリング
の端面との間に適宜の微小間隙を形成し、かつ、環状部
材の外周面とハブの内周面の間に微小間隙を形成する。
これら微少間隙は連通してラビリンス構造となるため、
磁気ディスク駆動装置内部で発生したダストが上記ラビ
リンス構造によって遮断され、外部へダストが飛散する
のを防止することができる。

【００１３】

【実施例】以下、本考案にかかる磁気ディスク駆動装置
の実施例について図面を参照しながら説明する。図１に
おいて、カップ状のフレーム６は中央が上方に突出した
固定軸１を有している。固定軸１は根本の大径部１ａ
と、先端部側の小径部１ｂとからなり、大径部１ａの外
周にはステータコア１０が固定されている。ステータコ
ア１０はコア素体を複数枚積層して構成されており、外
周には複数の突極が形成されている。ステータコア１０
の各突極にはコイル９が巻回されている。

【００１４】上記固定軸１の小径部１ｂには上下２個の
ベアリング３、３の内輪が固定されている。ベアリング
３、３の外輪にはハブ２の内周部が取付けられており、
このためハブ２はベアリング３、３により固定軸１に対
して回転自在に支持されている。ベアリング３、３の外
輪にはそれぞれ上部と下部に、ベアリングシール部材１
１が取付けられており、このベアリングシール部材１１
の内輪側に延びた部分で外輪と内輪の間のボールが存在
する隙間の部分が覆われている。

【００１５】ベアリング３、３の外輪に取付けられたハ
ブ２の下端部には下端が開放した円筒部２ａが形成され
ている。円筒部２ａの周壁内面にはバックヨーク７を介
してリング状の駆動マグネット８が取付けられている。
駆動マグネット８の内面は、一定の間隙をおいてステー
タコア１０と対向している。このため、コイル９を通電
制御することにより、駆動マグネット８が付勢され、ハ
ブ２が回転駆動される。

【００１６】固定軸１の先端部には、環状部材４が圧入
あるいは接着等の手法によって取付けられている。環状
部材４の下端面と上側のベアリング３の外輪の上端面と
の間には、図２に示すように０．１ｍｍ以下の微小間隙
１８が形成されている。また、環状部材４の外周面とハ
ブ２の内周面との間にも０．１ｍｍ以下の微小間隙５が
形成されている。これら微小間隙１８と微小間隙５は向
きを互いに９０゜異ならせて連通し、ラビリンス構造と
なっている。

【００１７】以上のような構成の磁気ディスク駆動装置
において、ダストが最も多く生ずるのはベアリング３、
３の内輪と外輪の間のボールの部分である。しかし、上
側のベアリング３については、内輪と外輪の間のボール
の部分が、ラビリンス構造となった微小間隙１８と微小
間隙５と連通しており、この微小間隙１８と微小間隙５
によってダストが遮断されるため、ボールの部分から磁
気ディスク駆動装置の外部にダストが放出されるのを防
止することができる。

【００１８】一方、図１において、円筒部２ａの外周面
にはフランジ２ｂが形成されており、フランジ２ｂの外
周面とカップ状のフレーム２の周壁内面には、０．１ｍ
ｍ以下の微小間隙１９が形成されている。微小間隙１９
は磁気ディスク駆動装置内部の空間、特にステータコア
１０が配設されている部分と連通し、しかもラビリンス
構造となっているため、磁気ディスク駆動装置内部から
外部へダストが飛散するのを防止できるようになってい
る。

【００１９】以上のような磁気ディスク回転駆動装置
は、環状部材４を一点追加した簡単な構成でダストを遮
断する構造を形成することができるため、製造工程を減
少させて、コストダウンに寄与することができる。ま
た、環状部材４、下側のベアリング３、及び、ハブ２の
円筒部２ａの３箇所にそれぞれ微小間隙を形成してラビ
リンス構造とし、ダストを遮断するようにしたため、従
来の磁気ディスク駆動装置に比べてダストの発生量が同
等か、あるいはそれよりも低く押さえることができる。

【００２０】なお、環状部材４は固定軸１に固定したが
これに限られるものではない。例えば図３に示すよう
に、ハブ２側に環状部材４の外周面を固定し、環状部材
４の内周面と固定軸１の外周面との間に０．１ｍｍ以下
の微小間隙１３を形成してラビリンスを構成してもよ
い。

【００２１】また、微小間隙５が外部に露出した状態で
は、磁気ディスク駆動装置の外部のダストが微小間隙５
に混入して詰まり、回転駆動に悪影響を与えることがあ
る。外部のダストが微小間隙５に混入するのを防止する
ためには、図４に示すように、リング状で中央孔の縁の
部分が上方に突出した環状部材２４を使用すると共に、
ハブ２の上端部の内周面に円環状のキャップ１６の外周
縁部を接着固定し、キャップ１６によって微小間隙５の
面を覆うようにすればよい。キャップ１６の内周側の部
分を環状部材４の突出部側に近付けるほど、ダストの混
入を防止する効果は大きくなる。また、キャップ１６の
内周側の部分を段状にすることにより、ラビリンス構造
となるため、さらにダストの混入を防止する効果を大き
くすることができる。

【００２２】

【考案の効果】請求項１記載の考案によれば、固定軸
と、該固定軸に嵌め込まれたボールベアリングと、磁気
ディスクを載置すると共に上記ボールベアリングを介し
て上記固定軸に対して回転自在に支持されたハブとを備
えた磁気ディスク駆動装置において、上記ボールベアリ
ングよりも上記固定軸の先端側に環状部材が固着され、
この環状部材の上記ボールベアリング側の端面が上記ボ
ールベアリングの端面と０．１ｍｍ以下の微小間隙をお
いて対向し、かつ、環状部材の外周面が上記ハブの内周
面と０．１ｍｍ以下の微小間隙をおいて対向するように
したため、ダストの流出抑止効果を果たすシール部材を
比較的簡素な構造で構成でき、しかも、モータ外部に流
出するダストの発生量を極めて低く抑えることができ
る。

【００２３】請求項２記載の考案によれば、固定軸と、
該固定軸に嵌め込まれたボールベアリングと、磁気ディ
スクを載置すると共に上記ボールベアリングを介して上
記固定軸に対して回転自在に支持されたハブとを備えた
磁気ディスク駆動装置において、上記ボールベアリング
よりも上記固定軸の先端側に相当する位置の上記ハブに
環状部材が固着され、この環状部材の上記ボールベアリ
ング側の端面が上記ボールベアリングの端面と０．１ｍ
ｍ以下の微小間隙をおいて対向し、かつ、環状部材の内
周面が上記固定軸の外周面と０．１ｍｍ以下の微小間隙
をおいて対向するようにしたため、ダストの流出抑止効
果を果たすシール部材を比較的簡素な構造で構成でき、
しかも、モータ外部に流出するダストの発生量を極めて
低く抑えることができる。

【００２４】請求項３記載の考案によれば、請求項１ま
たは２記載の磁気ディスク駆動装置において、上記環状
部材の上記ボールベアリング側とは反対側の位置にあっ
て、少なくとも上記微小間隙の軸方向外方部分を覆うキ
ャップを設けるようにしたため、磁気ディスク駆動装置
外部から微小間隙へのダストの混入を防止することがで
きるとともに、ディスク駆動装置内部から外部へのダス
トの流出を一層抑止できます。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかる磁気ディスク駆動装置の実施例
を示す断面図。

【図２】同上要部拡大断面図。

【図３】本考案にかかる磁気ディスク駆動装置の別の例
を示す要部拡大断面図。

【図４】本考案にかかる磁気ディスク駆動装置の別の例
を示す断面図。

【図５】従来の磁気ディスク駆動装置の例を示す断面
図。

【符号の説明】

１固定軸２ハブ３ベアリング４環状部材５微小間隙

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】固定軸と、該固定軸に嵌め込まれたボー
ルベアリングと、磁気ディスクを載置すると共に上記ボ
ールベアリングを介して上記固定軸に対して回転自在に
支持されたハブとを備えた磁気ディスク駆動装置におい
て、上記ボールベアリングよりも上記固定軸の先端側に環状
部材が固着され、この環状部材の上記ボールベアリング
側の端面が上記ボールベアリングの端面と０．１ｍｍ以
下の微小間隙をおいて対向し、かつ、環状部材の外周面
が上記ハブの内周面と０．１ｍｍ以下の微小間隙をおい
て対向していることを特徴とする磁気ディスク駆動装
置。
【請求項２】固定軸と、該固定軸に嵌め込まれたボー
ルベアリングと、磁気ディスクを載置すると共に上記ボ
ールベアリングを介して上記固定軸に対して回転自在に
支持されたハブとを備えた磁気ディスク駆動装置におい
て、上記ボールベアリングよりも上記固定軸の先端側に相当
する位置の上記ハブに環状部材が固着され、この環状部
材の上記ボールベアリング側の端面が上記ボールベアリ
ングの端面と０．１ｍｍ以下の微小間隙をおいて対向
し、かつ、環状部材の内周面が上記固定軸の外周面と
０．１ｍｍ以下の微小間隙をおいて対向していることを
特徴とする磁気ディスク駆動装置。
【請求項３】上記環状部材の上記ボールベアリング側
とは反対側の位置にあって、少なくとも上記微小間隙の
軸方向外方部分を覆うキャップを設けてなる請求項１ま
たは２記載の磁気ディスク駆動装置。