JPH0636300U - 中性粒子ビーム発生装置 - Google Patents

中性粒子ビーム発生装置

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JPH0636300U
JPH0636300U JP7688192U JP7688192U JPH0636300U JP H0636300 U JPH0636300 U JP H0636300U JP 7688192 U JP7688192 U JP 7688192U JP 7688192 U JP7688192 U JP 7688192U JP H0636300 U JPH0636300 U JP H0636300U
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discharge tube
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實 中島
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株式会社テックサイエンス
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 放電管で発生させた中性粒子を減少させずま
た拡散させずに効率よく出力させること。 【構成】 試料ガスを高周波或はマイクロ波により励起
してプラズマ中に中性粒子を発生させる放電管1と、真
空容器2内に突出している同放電管1の開口窓3に取付
けられて前記中性粒子を真空度の低い放電管1から真空
度の高い真空容器2へその圧力差を保ったまま吹き出さ
せる蓋板4とからなる中性粒子ビーム発生装置におい
て、前記蓋板4に直径50μm以下の通孔5を1cm2
当たり2万個以上形成する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、各種試料や基板等の表面処理や薄膜形成等に用いられる中性粒子ビ ームを発生させる中性粒子ビーム発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば水素、酸素、窒素等の試料ガスをグロー放電、高周波放電、マイクロ波 放電等で励起するとプラズマ中にイオン、電子、ラジカル等の荷電粒子や中性粒 子を生成することができる。これらの粒子は固体表面との相互作用により、種々 の物理的、化学的反応を引き起こすため、従来から試料や基板等への各種表面処 理や薄膜形成等に用いられてきた。中でも中性粒子ビームは荷電粒子ビームを用 いる表面処理或は薄膜作成と比較すると、試料や基板等への荷電粒子によるダメ ージが殆ど無く、また試料や基板の温度も比較的低温に保つことができるため近 年各種分野での利用が期待されている。利用分野としては、例えば高温超電導酸 化膜の作成や、シリコン表面の自然酸化膜やカーボンの除去、或は光デバイスで のP型ZnSe薄膜の作成等がある。
【0003】 図3(a)にこのような中性粒子ビームの発生装置の概略を示す。この装置は 石英ガラスで作成した円筒形状の放電管Aの外周に、13.56MHzの高周波 を発生させる高周波コイルBが取付けられ、同放電管Aの一端に同放電管Aへ酸 素、水素、窒素等の試料ガスを規定量ずつ供給するガス導入系Cが取り付けられ 、他端の開口窓Dが試料や基板E等を設置する真空容器F内に突出されて開口し ている。図3のRF電源と高周波コイルBとの間に取付けられているRFマッチ ングボックスは両者のインピーダンス整合を取るためのものであり、また図3の 光学モニターは放電管Aで生成された中性粒子ビームの種類、強度等をモニタす るためのものである。
【0004】 図3の装置では、高周波コイルBを作動させて13.56MHzの高周波を発 生させ、それによる誘導結合により放電管A内に磁界を作り出し、ガス導入系C からその磁界中に試料ガスを一定量ずつ供給するとグロー放電が発生し、このと き放電電圧を適当に調整すると荷電粒子を殆ど含まないプラズマが発生し、最終 的に放電管Aの開口窓Dより中性粒子が吹き出すようになる。
【0005】 ところで、前記放電管Aは活性な中性粒子を効率よく発生させるため動作真空 度を1Pa以上にしておく必要がある。このため放電管Aから中性粒子ビームを 真空容器F内の基板Eに照射して表面処理或は薄膜形成を行う場合、真空容器F の真空度が放電管Aと同様に低い場合は問題ないが、真空容器Fの真空度が放電 管Aの真空度より高い場合は(1Pa以下)、同放電管Aの開口窓Dに放電管A と真空容器Fとの真空度の圧力差を付ける蓋板(アパチャー)Gを取付けなけれ ばならない。
【0006】 従来このようなアパチャーGとしては、図3(b)(c)に示すように板厚L が1mm前後の石英板に直径dが0.1〜2mm前後の細管Hを細いドリル等で 1個或は数十個開けたものを用いていた。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら図3(b)(c)のアパチャーGには下記のような問題があった 。 ドリル等で穴を開けるので細管Hの直径dは0.1mmが限界であり、この アパチャーGで放電管Aと真空容器Fとの圧力差を規定通りに保つようにすると 、放電管Aの開口窓Dの断面積(アパチャーGの断面積)Sに対するアパチャー Gの全細管Hの断面積の合計Tとの比(T/S:開孔比)は最大でも10%前後 しか取れない。従って、このような開孔比の小さいアパチャーGでは、放電管A で発生させた中性粒子が同アパチャーGによって大幅に減少させられてしまい、 中性粒子ビームの出力が低下してしまうという問題があった。 さらに、アパチャーGの板厚(細管長)Lと細管Hの直径dとの比(L/d :アスペック比)は1〜10前後しか取れず、アパチャーGより吹き出す中性粒 子はアスペック比に反比例した広がりを持って拡散するため、結局、試料基板E に照射される中性粒子ビームの濃度が低下してしまうという問題があった。
【0008】 本考案の目的は、放電管で発生させた中性粒子を減少させずまた拡散させずに 効率よく出力する中性粒子ビーム発生装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
放電管1と真空容器2とに圧力差を設けるべく放電管1の開口窓3に通孔5を 開けた蓋板4を設ける場合、その圧力差は蓋板4に形成する全通孔5のコンダク タンスの合計の大小によって変化する。そこで適当なコンダクタンスの通孔5を 適当な数だけ蓋板4に形成すれば放電管1と真空容器2との真空度を所望の圧力 差に保つことができる。
【0010】 このコンダクタンスは通孔5における流体の流れ易さを示す値であり、同コン ダクスタンスは一般的にガスが粘性流の場合は通孔5の直径の4乗に比例し、分 子流の場合は通孔5の直径の3乗に比例し、中間流の場合には粘性流と分子流の 合成された値になることが知られている。 例えば板厚Lの蓋板4に直径D1 の通孔5をN個形成する場合、分子流に対す る全通孔5のコンダクタンスの合計Cは C=12.1*D1 ^3*N/L・・・・・(1) また放電管1の開口窓3の内径D2 に対する全通孔5の断面積の合計の比であ る開孔比Kは K=(D1 /D2 )^2*N・・・・・・・(2) により夫々求められる。
【0011】 前記式(1)、(2)を以下のように変形すると C=12.1*D2 ^2*K*D1 /L・・・・・・・(3) 同式(3)のコンダクタンスCを一定に保ったまま開孔比Kを大きくするには L、D2 は一定であることから、D1 を小さくすれば良いことがわかる。さらに D1 を小さくして開孔比Kを大きくするには式(2)よりNを多くすれば良いこ ともわかる。 即ちコンダクタンスCを一定に保ったまま開孔比Kを大きくするには蓋板4に 形成する通孔5の直径D1 を小さくしてその数Nを増やせば良いということにな る。
【0012】 そこで本考案の中性粒子ビーム発生装置は、図1に示すように試料ガスを高周 波或はマイクロ波により励起してプラズマ中に中性粒子を発生させる放電管1と 、真空容器2内に突出している同放電管1の開口窓3に取付けられて前記中性粒 子を真空度の低い放電管1から真空度の高い真空容器2へその圧力差を保ったま ま吹き出させる蓋板4とからなる中性粒子ビーム発生装置において、前記蓋板4 に直径50μm以下の通孔5を1cm2 当たり2万個以上形成したことを特徴と するものである。
【0013】
【作用】
本考案の中性粒子ビーム発生装置では、蓋板4に直径が50μm以下の通孔5 を1cm2 当たり2万個以上設けることで、蓋体4のコンダクタンスを変えるこ となく蓋体4の開孔比を大きくすることができるようになり、結果、放電管1で 発生させた中性粒子ビームを蓋板4で減少させることなく出力させることができ るようになる。また蓋板4の板厚Lと通孔5の直径D1 との比(L/D1 :アス ペック比)は直径D1 が小さくなることから大きくなり、蓋板4の通孔5より吹 き出す中性粒子が拡散せずに出射するようになる。
【0014】
【実施例】
本考案の中性粒子ビーム発生装置の一実施例を図1に示す。 同図の1は石英ガラスで作成した円筒形状の放電管である。この放電管1の外 周には高周波コイル10が取付けられ、同高周波コイル10は13.56MHz のRF電源12によって放電管1内に磁界を発生させることができるようになっ ている。なお、RF電源12と高周波コイル10との間に取付けられているRF マッチングボックス11は両者のインピーダンス整合を取るためのものであり、 光学モニター15は放電管1で生成された中性粒子ビームの種類、強度等をモニ タするためのものである。
【0015】 前記放電管1の一端の開口部13には酸素、水素、窒素等の試料ガスを規定量 ずつ放電管1に供給するガス導入系14が取付けられており、前記放電管1に1 3.56MHzの高周波による誘導結合による磁界を作り出して、ガス導入系1 4から前記磁界に試料ガスを導入するとプラズマが発生し、同プラズマ内に中性 粒子が発生するようになっている。なお、このガス導入系14は試料ガスの供給 量を任意に調整することができるようになっている。
【0016】 前記放電管1の他端の開口窓3は後述する真空容器2内に突き出すように取付 けられて開口しており、同開口窓3には放電管1内を1Pa以上に保ったまま真 空容器2内を1Pa以下に保持するための蓋板4が取付けられている。
【0017】 前記蓋板4は図1(b)に示すように板材に直径50μm以下の通孔5が1c m2 当たり2万個以上形成されているもので、例えばこのような蓋板4としては 浜松ホトニクス株式会社が製造しているキャピラリープレートを使用することが できる。このキャピラリープレートは図2に示すように直径(D1 )が数μm〜 数十μmのガラスパイプ(通孔5)を規則正しく2次元に配列し、0.4mm〜 数十mmの厚さ(L)に一体化したガラスプレートである。
【0018】 図1における2は真空排気系17によって1Pa以下の高真空を作り出すこと ができる真空容器である。同真空容器2の中には表面処理や薄膜形成等の対象と なる各種試料や基板16等を取り付けることができるようになっており、また同 真空容器2の側面に取付けられている前記放電管1の開口窓3から中性粒子を基 板16に向けて放射できるようになっている。
【0019】
【実験1】 一例として、内径D2 が2.7cmの放電管1にガス導入系14から酸素ガス を流し、13.56MHzの高周波による誘導結合によるプラズマを発生させる と、同放電管1の動作真空度が10〜100Pa領域で活性な中性粒子の多い高 輝度のプラズマを得ることができる。このとき前記放電管1の開口窓3には下記 のような蓋板4を取り付けておく。 同蓋板4の板厚 : L=0.1cm 同蓋板4に形成する通孔5の直径 : D1 =0.001cm 〃 〃 の数 : N=4、600、00個 この場合、蓋板4に形成されている通孔5のコンダクタンスの合計Cは式(1 )より C=12.1*0.001^3*4、600、00/0.1[1/sec] C=0.5566[1/sec] となり、またこのときの蓋板4の開孔比Kは式(2)より K=(0.001/2.7)^2*4、600、00=0.6310 K=63.10% となる。 更に蓋板4の板厚(通孔長)Lと通孔5の直径D1 との比(L/D1 :アスペ ック比)は0.1/0.001=100となる。
【0020】
【比較例】
以下に比較例として前記実験1と同様の条件で蓋板4だけを下記の条件で作製 したものについてのコンダクタンスの合計Cと開孔比Kとを求める。 同蓋板4の板厚 : L=0.1cm 同蓋板4に形成する通孔5の直径 : D1 =0.1cm 〃 〃 の数 : N=5個 この場合、蓋板4に形成されている通孔5のコンダクタンスの合計Cは式(1 )より C=12.1*0.1^3*5/0.1[1/sec] C=0.605[1/sec] となり、またこのときの蓋板4の開孔比Kは式(2)より K=(0.1/2.7)^2*5=0.0068585 K=0.68585% となる。 更に蓋板4の板厚(通孔長)Lと通孔5の直径D1 との比(L/D1 :アスペ ック比)は0.1/0.1=1となる。
【0021】 以上本考案の装置による実験1と従来装置による比較例とを比較すると、本考 案の方がコンダクタンスで約8%少なく、開孔比では約92倍大きくなる。 放電管1の蓋板4より吹き出すガス中の中性粒子の割合は、ほぼ蓋板4の通孔 5の開孔比Kに比例することから本考案の装置の方が従来のものに較べて約92 倍となりより高濃度の中性粒子ビームを発生させることができる。
【0022】 また、アスペック比が従来のものに較べて本考案では約100倍になるので、 蓋板4より吹き出す中性粒子ビームは拡散せずに基板16に照射されるようにな る。
【0023】
【考案の効果】
以上説明したように本考案の中性粒子ビーム発生装置によれば、既存の装置を 大幅に改良することなく容易に拡散の少ない高濃度の中性粒子ビームを得ること が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本考案の中性粒子ビーム発生装置の一
実施例を示す概略図、(b)は(a)の中性粒子ビーム
発生装置に使用される蓋板の正面図。
【図2】(a)は図1の中性粒子ビーム発生装置におけ
る蓋板の斜視図、(b)は同蓋板に形成される通孔の断
面図。
【図3】(a)は従来の中性粒子ビーム発生装置の一例
を示す概略図、(b)は(a)の中性粒子ビーム発生装
置に使用される蓋板の正面図、(c)は前記蓋板の側面
図。
【符号の説明】
1 放電管 2 真空容器 3 開口窓 4 蓋板 5 通孔

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料ガスを高周波或はマイクロ波により
    励起してプラズマ中に中性粒子を発生させる放電管1
    と、真空容器2内に突出している同放電管1の開口窓3
    に取付けられて前記中性粒子を真空度の低い放電管1か
    ら真空度の高い真空容器2へその圧力差を保ったまま吹
    き出させる蓋板4とからなる中性粒子ビーム発生装置に
    おいて、前記蓋板4に直径50μm以下の通孔5を1c
    2 当たり2万個以上形成したことを特徴とする中性粒
    子ビーム発生装置。
JP7688192U 1992-10-09 1992-10-09 中性粒子ビーム発生装置 Pending JPH0636300U (ja)

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