JPH0636102Y2 - 配管ユニットと壁との目地構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は配管ユニットと壁との目地構造に関する。

（従来の技術） 内部に配管系を収納する枠体と、この枠体に取り付けら
れ、衛生器材の取付面を形成する前面板とを備えた設備
ユニットにおいて、この設備ユニットと壁との間の目地
構造として、実公昭62-6188号が先に提案されている。
この目地構造は、断面Ｌ字状の金属製長尺体からなる目
地部材のＬ字をなす一辺を他辺が設備ユニットの前面板
前方側に向くように前面板の裏面に取り付けるととも
に、他辺を壁に当接させることにより、前面板の側端面
と目地部材とで形成される空隙部にコーキング材を充填
し、これによりコーキング材を必要以上に注入すること
なく目地処理を可能としたものである。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上述した従来の目地構造によれば、設備
ユニットの前面板の側端面と壁との間の隙間を金属製か
らなる断面Ｌ字形目地材の一辺の全外側面を壁に密着さ
せる必要があるため、前面板の裏面と壁とを正確に直角
配置する必要があり、直角配置されていないと壁にキズ
をつける虞れがあり、また隙間間隔に応じて目地部材の
前面板に対する取付位置を調整する必要があり、また前
面板を交換する場合には前面板、目地部材及びコーキン
グ材を一体に交換する必要があり、更に板状の前面板の
裏面に目地部材を取り付けるための補強用のスペーサー
等を必要とするという不具合がある。また更にコーキン
グ材の充填作業が面倒である等の不具合がある。

そこで本考案の目的は、前面板が壁に対して精度良く直
角配置されていなくても壁にキズを付けることなく目地
処理することが出来、また衛生器材を取り付ける前面板
と壁との隙間間隔の変化に対して目地部材の取り付け位
置の調整を要することがなく、更に前面板のみを交換す
ることが出来、更にまた部材点数の削減を可能とし、そ
のうえコーキング材の充填作業を省略出来る配管ユニッ
トと壁との目地構造を提供するにある。

（課題を解決するための手段） 上記課題を解決するために本考案は、内部に室内配管系
を収納するフレーム部材を入隅部を成す壁面に沿って設
置し、このフレーム部材の前面を前面板で覆い衛生器材
取付面とした配管ユニットにおいて、前面板の側面と該
側面に対向する壁面との間に、発泡材、ゴム等の弾性材
から成り、上下に長尺であって且つ断面が後方に巾狭の
楔形状で前面に着色ゴム等の装飾部材が設けられている
目地部材を圧挿したことを特徴とする。

（作用） 配管ユニットの前面板の側面と壁面との間に、弾性材か
らなる楔形状の目地部材を圧挿したため、配管ユニット
の前面板が壁に対して精度良く直角配置されていなくて
も壁にキズを付けることなく目地処理することが出来、
また衛生器材を取り付ける前面板と壁との隙間間隔が変
わった場合に対して目地部材の取り付け位置の調整を要
することがなく、更に前面板のみを交換することが出
来、更にまた部品点数を削減することが出来、そのうえ
コーキング材を使用しないため、コーキング材の充填作
業を省略出来る。

（実施例） 以下に本考案の好適実施例を添付図面に基いて説明す
る。

第１図は配管ユニットの設置状態を示す斜視図である。
図中WLはトイレルームの左壁面、WRは同右壁面、Ｆはタ
イル床を示す。前記左右の壁面WL,WR及びタイル床Ｆで
形成されるコーナー部には、左壁面WLに沿って配管ユニ
ット１が設置され、配管ユニット１の右壁面WRに対向す
る側面部２は右壁面WRに近接して配置され、側面部２と
右壁面WRとの間に生ずる隙間（Ｓ）には目地部材12が圧
挿される。

前記配管ユニット１は、内部に給水管４、通気管５及び
排水管６等の室内配管系３を収納するフレーム部材７
と、このフレーム部材７の前面を覆う前面板９と、上面
を覆うカウンター８とを備えて構成される。前記前面板
９の前面には衛生器材である小便器10が取り付けられ、
この小便器10と給水管４との間にフラッシュバルブ（不
図示）等を介して連結管11で連結される。また小便器10
内の汚水は排水管６から排水される。

第２図は目地構造要部を示す分解斜視図、第３図は同平
断面図である。図中７はフレーム部材であり、このフレ
ーム部材７は上横フレーム72、前部縦フレーム74、クロ
スフレーム71等により直方体形状に枠組される。そして
73はフレーム部材７の前面部、75は壁側側面部である。
前面部73には所定間隔前方に離間して前記前面板９が取
り付けられ、この前面板９は下地材92とこの下地材92に
貼着されるタイル等の壁装材93とを備えている。

前記目地部材12は、上下方向に長尺であって断面が後
方、即ちフレーム部材側に向かって巾狭の楔形状に形成
される。そしてこの目地部材12には発泡材（例えば所謂
発泡スチロール等）、ゴム材等の弾性材からなる。この
ような目地部材12を前面板９の側面94と壁WRとの間の隙
間Ｓに圧挿することにより、目地部材12は弾性変形して
圧着状態で固定される。従ってコーキング材を用いるこ
となく、単に目地部材12を圧挿するのみで目地処理する
ことが出来る。

また弾性材からなる楔形状の目地部材12としたため、前
面板９と壁WRとが直角配置から多少ずれていても、目地
部材12を圧挿出来るとともに、目地部材12により壁WRに
キズをつけることがなく、また隙間Ｓ間隔の変化を目地
部材12の弾性変形で吸収出来るため、目地部材12の前面
板９に対する取付位置の調整を行なう必要がなく、また
前面板９のみ又は目地部材12のみの交換を容易に行なう
ことが出来、更に目地部材12を取り付けるための、スペ
ーサー、ねじ部材等を必要とすることがない。

第４図は第２実施例の平断面図であり、目地部材120以
外は第１実施例と同様であり、同一部分に相当する部分
は同一符号を付しその構成を明確にしている。

第４図に示す目地部材120は、第１実施例の目地部材12
と同様な楔形の弾性材からなる目地部121を備える。こ
の目地部121には前面から後方に向かって凹部122が形成
されている。この凹部122には着色ゴム等からなる装飾
部材123の突部124が挿入圧着される。装飾部材123は上
下に長尺で断面矩形状の装飾部125と、この装飾部125裏
面から後方に突出する突部124とからなる。このように
目地部材120を目地部121と目地部121前面に設けた装飾
部材123とから構成したため、単なる目地処理だけでな
く前面板９の外観デザインの一部とすることが出来、ま
た目地部121に発泡材を用いた場合にも、この発泡材の
断面が露出することがない。

（考案の効果） 以上の説明から明らかな如く本考案によれば、配管ユニ
ットの前面板が壁に対して精度良く直角配置されていな
くても壁にキズを付けることなく目地処理することが出
来、また衛生器材を取り付ける前面板と壁との隙間間隔
の変化に対して目地部材の取り付け位置の調整を要する
ことがなく、更に前面板のみを交換することが出来、更
にまた部材点数の削減を可能とし、そのうえコーキング
材の充填作業を省略出来る。そして目地部材の前面に装
飾部材が設けられているので、目地部材を前面板の外観
デザインの一部とすることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は配管ユニットの設置状態を示す斜視図、第２図
は目地構造要部を示す分解斜視図、第３図は同平断面
図、第４図は第２実施例を示す平断面図である。 尚図中、１は配管ユニット、３は室内配管系、７はフレ
ーム部材、９は前面板、10は衛生器材、12、120は目地
部材、94は側面、123は装飾部材である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内部に室内配管系を収納するフレーム部材
   を入隅部を成す壁面に沿って設置し、このフレーム部材
   の前面を前面板で覆い衛生器材取付面とした配管ユニッ
   トにおいて、 前記前面板の側面と該側面に対向する壁面との間に、発
   泡材、ゴム等の弾性材から成り、上下に長尺であって且
   つ断面が後方に巾狭の楔形状で前面に着色ゴム等の装飾
   部材が設けられている目地部材を圧挿したことを特徴と
   する配管ユニットと壁との目地構造。