JPH0635658B2 - 硬質炭素膜被覆方法 - Google Patents

硬質炭素膜被覆方法

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JPH0635658B2
JPH0635658B2 JP29898185A JP29898185A JPH0635658B2 JP H0635658 B2 JPH0635658 B2 JP H0635658B2 JP 29898185 A JP29898185 A JP 29898185A JP 29898185 A JP29898185 A JP 29898185A JP H0635658 B2 JPH0635658 B2 JP H0635658B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は硬質炭素膜被覆方法に関する。
(従来技術) 超高圧、高温を用いずに、炭化水素と水素の減圧下の混
合気流を各種の方法で励起することによって加熱した母
材表面にダイヤモンドによく似た硬質炭素膜を被覆する
方法が種々提案されている。この中で最も好結果をえて
いるのは、2000℃以上に加熱した発熱体を母材近傍に設
置して、炭化水素と水素の混合気流を予熱することによ
って励起する方法(特願昭56−189423号(特開昭58
−91100号))および300MHz以上のマイクロ波を外部よ
り印加させることによつて水素と炭化水素との減圧下の
混合気流をプラズマ状態にすることによって励起する方
法(特願昭56−204321号(特開昭58−110494号))
の二つの方法で、この方法によって現在各所において種
々の実験が行なわれている。
特にこのマイクロ波によって励起する方法(以下μ波プ
ラズマ法と称す)によってSiウエハーなどにきわめて良
質なダイヤモンド状の結晶質の被膜を被覆しうることが
知られている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながらこのμ波プラズマ法は、プラズマを利用し
ているため複雑な形状をもつ母材を用いると、プラズマ
の分布が形状によって著しく不均一になり、特に母材の
凸なる部分にプラズマが集中するため母材の温度が他の
部分より上昇するという欠点をもつている。母材の温度
が、炭化水素と水素の減圧下の混合気流から硬質炭素膜
を被覆する際にもつとも重要な因子であつて400℃以下
では結晶質を被覆するのは不可能であり、1200℃以上に
なると黒鉛のみが被覆されることがしられている。した
がつてμ波プラズマ法で複雑形状の母材を被覆する際に
は母材凸部の温度を1200℃以下に保ちながら、かつ他の
部分の温度を400℃以上に保つ必要があり実際に工業的
規模における生産を考えるとほとんど下可能であつた。
又一般に用いる2.45GHzのμ波を考えるとその波長は1
0cm強にすぎず、μ波プラブマがこの2.45GHzの定在波
を応用していることを考えるとこの1/2の5cmよりも大
きな母材に均一にプラズマを発生することは原理的に不
可能である。即ちμ波プラズマ法ではたかだか5cmより
も小さなものにしか均一に硬質炭素膜を被覆し得ないこ
とがわかる。
一方2000℃以上に加熱した発熱体によって励起する
方法(以下W−フイラメント法と称す。)はプラズマー
を一切利用していないため今まで述べてきたμ波プラズ
マ法の欠点はすべて解消している。
しかしながら発熱体の温度が高々2000℃とμ波プラ
ズマ中の電子温度、イオン温度と比べると著しく低温で
あるため水素分子の原子状水素への解離が不十分なた
め、被覆中に硬質炭素と共析出する黒鉛を選択エツチン
グする原子状水素がμ波プラズマ法に比べ不足すること
からW−フイラメント法で被覆した硬質炭素膜中にはμ
波プラズマ法に比較し黒鉛の量が多いという大きな欠点
を有していた。
上記に鑑み本発明はW−フイラメント法の欠点である被
膜中の黒鉛の存在量を低減させる方法を提供するもので
ある。
(問題点を解決するための手段) 本願の一つの発明は、炭化水素と水素の減圧下の混合気
流を2000℃以上に加熱した発熱体で予熱することに
よって400℃〜1200℃に加熱した母材表面に硬質
炭素膜を被覆する硬質炭素膜被覆方法に於いて、炭化水
素を反応炉内に間欠的に導入することを特徴とする硬質
炭素膜被覆方法である。
又、本願の他の一つの発明は、炭化水素と水素の減圧下
の混合気流を2000℃以上に加熱した発熱体で予熱す
ることによって400℃〜1200℃に加熱した母材表
面に硬質炭素膜を被覆する硬質炭素膜被覆方法に於い
て、炭化水素を反応炉内に間欠的に導入し且つ、炭化水
素を反応炉に導入していない際に、水素をプラズマ化さ
せることを特徴とする硬質炭素被膜方法である。
更に又、本願の他の一つの発明は、炭化水素と水素の減
圧下の混合気流を2000℃以上に加熱した発熱体で予
熱することによって400℃〜1200℃に加熱した母
材表面に硬質炭素膜を被覆する硬質炭素膜被覆方法に於
いて、炭化水素を反応炉内に間欠的に導入し且つ、炭化
水素を反応炉に導入していない際に、水素をプラズマ化
させ又、母材に−100〜−10000Vの負の電圧を
印加することを特徴とする硬質炭素膜被覆方法である。
以下詳細に本発明を経緯と共に説明する。
前記W−フイラメント法の欠点である被膜中の黒鉛量を
減少させるには共析出した硬質炭素と黒鉛から黒鉛のみ
を選択エツチングすれば良いこと、そのエツチング剤と
しては原子状水素が最適であることが知られている。水
素ガスの原子状の水素への解離割合は温度が高温な程、
又圧力が低い程大きいことが知られている。
しかし乍らW−フイラメント法において、発熱体の温度
を上昇させると母材表面の温度が上がつてしまい硬質炭
素が析出しなくなる。従つて発熱体の温度を上げ且つ母
材表面温度を1200℃以下に保つさめには発熱体と母材と
の距離を離すか、母材を反応炉外部より加熱しているが
その加熱量を下げざるをえない。これ等はいずれも硬質
炭素膜の被膜状況に大きな影響を与える因子であつてい
ずれも独立して調整すべき因子であって、発熱体の温度
を上昇させることによって従属的に調整することは好ま
しくない。又圧力を下げることは硬質炭素膜の成長速度
を著しく低下させるためこれも好ましくない。
以上のような見地に立つて、ガス温度は低いまま水素の
解離反応を支配する。ガスの電子温度のみきわめて高温
に励起する方法としてのμ波プラズマ法がW−フイラメ
ント法の改善案として提案されたと考えられる。
そこで発明者は、被覆反応中に共析出した黒鉛のみを選
択エツチングするという考えをかえて被覆と選択エツチ
ングとを交互にくりかえしたならば十分に黒鉛の存在量
の低い硬質炭素膜を被覆しうるのではないかと考えた。
(作用) 具体的には反応炉に導入する炭化水素を間欠的に導入
し、炭化水素導入時に硬質炭素と黒鉛の被覆を炭化水素
を導入していない時に黒鉛の選択エツチングを行えば良
い。
なおこの選択エツチングを行う時には原子状水素への解
離量を考えると水素をプラズマ化することも好ましい。
即ちエツチングを行うのであるからプラズマが母材内に
不均一に分布しても母材凸部の方がより黒鉛が除去され
ると考えられるからである。
但し、プラズマを利用した場合、母材凸部の表面温度が
1200℃という硬質炭素の析出限界を越えてしまうと析出
している硬質炭素から黒鉛への相変態を無視しえなくな
る。従つてこの場合は発熱体の温度を下げる(通常のW
−フイラメント法を考えればW−フイラメントへの通電
を停止すればよい)ことも好ましい。
さらにこの原子状水素による選択エツチングの効果を顕
著にするために選択エツチング時に母材に−100〜−
10,000Vの負の電位をかけ、スパツタリング効果を加え
ることも好ましい。なお−100V以下では効果が認め
られず、−10,000V以上では硬質炭素そのものもスパツ
タリングされてしまい好ましくない。
(実施例) 以下実施例で詳しく説明する。
〔実施例1〕 直径50mmのステンレス製反応炉内にISOK−10の超
硬合金(型番TNGR222)を1個保持、その直上10mm
のところにW−フイラメントを配置した。反応炉内にH
を10cc/min、CH4を0.1cc/min導入し、かつ反応炉内
を真空ポンプで30Torrにたもつた。この状態でフイラ
メントに通電しフイラメント温度を2050℃に保つた。ち
なみにこの時の母材の表面温度は930℃であつた。
この状態で30分間被覆したのち反応炉内にHのみを
100cc/min、5Torrで導入した。この状態で30分
間黒鉛を選択エツチングした。
この被覆とエツチングを1サイクルとし同じことを10
サイクルくりかえした。完了後母材を走査型電子顕微鏡
で観察すると約8μの膜厚で平均粒径が4〜5μの結晶
質の物質が被覆されておりX−線回析によつてダイヤモ
ンド構造をしていることがたしかめられた。さらにラマ
ンスペクトル、リールス(LEELS)によつてそれぞれダ
イヤモンドと黒鉛とが共存していることが判明、黒鉛の
存在量の定量化をこころみ約0.30重量%の黒鉛が存在し
ていることがわかった。次に全く同様の実験(但しエツ
チング工程をふくまずかつ被覆時間は8時間であつた)
を繰返したところやはり走査型電子顕微鏡の観察では約
8μの膜厚で平均粒径5〜6μの結晶質を被覆した。黒
鉛の存在量を定量化したところ約1.5重量%の黒鉛が存
在していることがたしかめられた。
この両者(但し本発明品をA、従来品をBとする)で以
下の条件で切削テストを行なつた。
被削機AC4C,切削速度1200m/min, 送り0.1mm/rev,切り込み1mm Aは30分間切削してフランク摩耗が0.02mmであつたの
に対し、Bは14分間切削後被覆膜が剥離し17分間切
削時フランク摩耗が0.38mmに達した。ちなみに未被覆の
超硬合金では3分間切削してフランク摩耗が0.36mmであ
つた。
〔実施例2〕 直径50mmの石英製の反応炉内にISOK−10の超硬合金
但し型番はSPU322を1個保持、その直上10mmにW−フ
イラメントを配置した。
さらにこのW−フイラメントの上方50mmのところの反
応炉外に、13.56MHzの高周波発振器に接続した電極を
設置した。
反応炉内にHを10cc/min、CH4を0.05cc/min,3
0Torrで導入したのちフイラメントに通電し、フイラメ
ント温度を2050℃に保つた。さらに反応炉外に配置した
加熱炉を用いて母材の表面温度を940℃に保つた。この
状態で30分間被覆したのち反応炉内にHのみを100c
c/min,0.8Torrで導入、かつ13.56MHzの高周波を200
W,電極に印加しプラズマを発生させることによつて3
0分間黒鉛を選択エツチングした。この被覆とエツチン
グを1サイクルとし同じことを10サイクル繰返した。
なおこのエツチングのさいW−フイラメントに通電した
ものをC、通電しなかつたものをDとした。
C、D中の黒鉛の存在量を調べたところCは0.12重量
%、Dは0.18重量%であつた。このC、Dで以下の条件
で切削テストを行なつた。
被削機 Al−19重量%Si、 切削速度 500m/min、送り0.10mm/rev、 切り込み 0.5mm 30分間切削しCはフランク摩耗が0.02mm、Dは0.01mm
であつた。ちなみに未被覆母材では2分14秒切削後ノ
ーズ先端がなくなつてしまい切削不能となつた。
〔実施例3〕 実施例2のDと同じ条件で、但しエツチング時に母材に
それぞれ負電位をかけて被覆を行なつた。結果を第1表
に記す (発明の効果) 以上の様な本発明によれば黒鉛の存在量の低い硬質炭素
膜が得られる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化水素と水素の減圧下の混合気流を20
    00℃以上に加熱した発熱体で予熱することによって4
    00℃〜1200℃に加熱した母材表面に硬質炭素膜を
    被覆する硬質炭素膜被覆方法に於いて、炭化水素を反応
    炉内に間欠的に導入することを特徴とする硬質炭素膜被
    覆方法。
  2. 【請求項2】炭化水素と水素の減圧下の混合気流を20
    00℃以上に加熱した発熱体で予熱することによって4
    00℃〜1200℃に加熱した母材表面に硬質炭素膜を
    被覆する硬質炭素膜被覆方法に於いて、炭化水素を反応
    炉内に間欠的に導入し且つ、炭化水素を反応炉に導入し
    ていない際に、水素をプラズマ化させることを特徴とす
    る硬質炭素膜被覆方法。
  3. 【請求項3】水素をプラズマ化させている間は発熱体を
    800℃以下に冷却する特許請求の範囲第(2)項記載の
    硬質炭素膜被覆方法。
  4. 【請求項4】炭化水素と水素の減圧下の混合気流を20
    00℃以上に加熱した発熱体で予熱することによって4
    00℃〜1200℃に加熱した母材表面に硬質炭素膜を
    被覆する硬質炭素膜被覆方法に於いて、炭化水素を反応
    炉内に間欠的に導入し且つ、炭化水素を反応炉に導入し
    ていない際に、水素をプラズマ化させ又、母材に−10
    0〜−10000Vの負の電圧を印加することを特徴と
    する硬質炭素膜被覆方法。
  5. 【請求項5】水素をプラズマ化させている間は発熱体を
    800℃以下に冷却する特許請求の範囲第(4)項記載の
    硬質炭素膜被覆方法。
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