JPH0635524B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH0635524B2
JPH0635524B2 JP18642785A JP18642785A JPH0635524B2 JP H0635524 B2 JPH0635524 B2 JP H0635524B2 JP 18642785 A JP18642785 A JP 18642785A JP 18642785 A JP18642785 A JP 18642785A JP H0635524 B2 JPH0635524 B2 JP H0635524B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、射出成形や押出成形等により、成形品、シー
トあるいは、フィルム等として利用できる新規な熱可塑
性樹脂組成物に関する。
更に詳しくは、ポリスチレンとABS樹脂にポリアクリ
ル系樹脂を配合してなる物性、及び外観の優れた新規な
熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
〔従来の技術〕
ポリスチレンは、成形加工性、剛性、寸法安定性、耐水
性等に優れた性質を有しており、しかも低比重でかつ安
価であるゆえに家庭用電気機器、建築材料、雑貨等に従
来から広く利用されている。
しかしポイスチレンは、引張物性、曲げ物性、衝撃強度
等の機械的性質、耐薬品性等において難点を有してお
り、又、衝撃強度を改良すると光沢が低下する。これら
のバランス上、いつもABSに比べ劣り、新規の実用途
開拓上の障害となっている。
ABS樹脂は、耐衝撃性、剛性及び耐熱性のバランスが
良く、さらにメッキ性、塗装性等の二次加工性に優れて
いるため、自動車等の車両関係、テレビ等の弱電部品関
係に広汎に使用されているが、成形加工性に劣り、価格
も高いという本質的な難点がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
かかる観点より、ポリスチレンとABS樹脂とを配合
し、ポリスチレン及びABS樹脂双方の特長を有し、し
かも外観の優れた熱可塑性樹脂が得られたならば、広汎
な新規用途の開発が期待されるところである。
従来ポリスチレンとABS樹脂、ポリスチレンとポリア
クリル系樹脂あるいは、ABS樹脂とポリアクリル系樹
脂とは相溶性の乏しい組合せとされており、事実単純に
混合しただけでは十分には相溶化せず望ましい機械的物
性及び外観を有する組成物は得られない。
例えば、特公昭46−34907号公報、特公昭47−
30909号公報あるいは、特公昭56−37259号
公報などに記載されているごとく、各成分樹脂の配合割
合や分子量を特定しない場合は、相溶性不十分に起因す
る真珠状表面光沢を有し、機械的物性も不十分である。
真珠状光沢は、化粧品容器などのある限られた用途には
有用であるが、それ以外の自動車部品、電気、電子部品
等の広汎な用途には、障害となる。
本発明は、上記従来の問題点を解消するものであり、引
張物性、曲げ物性、衝撃特性等の機械的物性、耐油性、
光沢等の物性バランスが極めて良好でかつ成形加工性の
良好な、安価な新規な熱可塑性樹脂組成物を提供するこ
とを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、ポリスチレン(A)20〜90重量%とABS
樹脂(B)80〜10重量%とからなる樹脂組成物100
重量部に対して成形温度におけるメルトフローインデッ
クス(以下MFIとする)が該ポリスチレン及びABS
樹脂よりも高いポリアクリル系樹脂(C)5〜40重量部
を配合することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物であっ
て、該ポリアクリル系樹脂(C)が、メチルメタクリレー
トとメチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチル
アクリレート、スチレン、α−メチルスチレンもしくは
アクリロニトリルとの共重合体、またはメチルメタクリ
レートの単独重合体である熱可塑性樹脂組成物に関す
る。ものである。
本発明において用いられるポリスチレン(A)とは、スチ
レンモノマーを重合したスチレンの単独重合体のみなら
ず、該スチレンモノマーと他のコモノマーとの共重合反
応によって得られる共重合体、あるいはこれらのモノマ
ー類をゴムへグラフト重合した耐衝撃性スチレン重合体
などを指称するものである。
ここでスチレンモノマーと共重合するコモノマーとして
は、α−メチルスチレン、クロロスチレン、核メチルス
チレン等のスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル
等のビニルエステル化合物が好適であり、これらのモノ
マーを単独又は2種類以上混合してもさしつかえない。
又、ここでスチレンモノマーとグラフト重合されるゴム
としては、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン
共重合ゴム、アクリルゴムなどが好適である。ポリスチ
レンの重合方法としては、公知の種々の方法が採り得
る。具体的には塊状重合、懸濁重合、塊状−懸濁重合、
溶液重合または、乳化重合などの方法が挙げられる。
塊状−懸濁重合法について一例をあげて説明すると、ゴ
ム状重合体、場合によっては、さらに分子量調節剤、重
合開始剤等をスチレン系単量体に溶解し、単量体の10
−40%が重合体に転化されるまで撹拌下で重合を行な
い、ゴム状重合体を分散した粒子に転化する。その後、
水と分散剤及び開始剤を添加して水相に上記の重合液を
懸濁し、重合を継続する。必要に応じて、重合の終了
後、脱揮発操作や、加熱処理を行い、樹脂の残留揮発分
量を調節したり、ゴム状重合体の架橋度を調節する。そ
の後、脱水乾燥、造粒工程をへて粒状のポリスチレン樹
脂が製造される。
本発明において用いられるABS樹脂(B)とは、共役ジ
エン系ゴムの存在下、スチレン系モノマー及びアクリロ
ニトリルを重合してなるグラフト重合体(B−1)であ
る。なお、かかるグラフト重合体(B−1)は、グラフ
ト重合時生成される共重合体又は別途製造されたスチレ
ン系モノマーとアクリロニトリルからなる共重合体(B
−2)を含むことができる。
好ましくは、グラフト共重合体(B−1)10〜100
重量%と共重合体(B−2)90〜0重量%からなる樹
脂である。
グラフト重合体(B−1)における共役ジエン系ゴム
は、5〜70重量%である事が望ましい。又、グラフト
重合するモノマーにおける組成比は、スチレン系モノマ
ー50〜80重量%及びアクリロニトリル50〜20%
である事が好ましい。
共重合体(B−2)における上述のモノマーの組成比
は、スチレン系モノマー50〜80重量%及びアクリロ
ニトリル50〜20重量%である事が好ましい。
グラフト共重合体(B−1)を構成する共役ジエン系ゴ
ムとしては、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエ
ン共重合ゴム、アクリルゴム等を挙げる事ができる。
また、スチレン系モノマーとしては、スチレン、α−メ
チルスチレン、クロロスチレン、核メチルスチレン等を
挙げる事ができる。
ABS樹脂の製造法としては乳化重合法、懸濁重合法、
溶液重合法、乳化−懸濁重合法、塊状−懸濁重合法など
が挙げられる。
本発明において用いられるポリアクリル系樹脂(C)と
は、メタクリル酸メチルモノマーを重合して得られるメ
タクリル酸メチルの単独重合体のみならず該メタクリル
酸メチルモノマーと他のコモノマーとの共重合反応によ
って得られる共重合体あるいは、これらのモノマーをエ
ラストマーへグラフト重合した耐衝撃性メタクリル酸メ
チル重合体などを指称するものである。
ここでメタクリル酸メチルモノマーと共重合するコモノ
マーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチル、スチレン、α−メチルスチレン、ア
クリロニトリルなどのビニルモノマーが好適であり、こ
れらの化合物を単独又は、2種以上混合してもさしつか
えない。
ポリアクリル系樹脂の重合方法としては、公知の種々の
方法が採り得る。
具体的には塊状重合、懸濁重合、塊状−懸濁重合又は乳
化重合などの方法が挙げられる。
本発明による樹脂組成物において第一成分としてのポリ
スチレン(A)は、20〜90重量%、好ましくは30〜
80重量%、さらに好ましくは50〜70重量%含まれ
る。ポリスチレンが20重量%未満では、成形加工性の
改良効果が不十分であり、又、価格の低減効果も十分で
ない。
第二成分としてのABS樹脂(B)は80〜10重量%好
ましくは、70〜20重量%、さらに好ましくは50〜
30重量%含まれる。10重量%未満では、引張物性、
曲げ物性、衝撃特性等の機械的物性、光沢及び耐薬品性
等の改良効果が十分でない。
本発明による熱可塑性樹脂組成物において、ポリアクリ
ル系樹脂(C)はポリスチレンとABS樹脂の和100重
量部に対して、5〜40重量部、好ましくは、7.5〜3
0重量部、さらに好ましくは7.5〜20重量部配合され
る。5重量部未満では、組成物の分散性に問題があり、
耐衝撃性、光沢、表面硬度が十分でない。40重量部を
超えると耐衝撃性が低下し、外観上も真珠状光沢を呈し
やすく、又、価格的にも高くなり好ましくない。
さらに驚べき事に、成形条件の温度におけるポリアクリ
ル系樹脂(C)の流動性が、上記ポリスチレン(A)、ABS
樹脂(B)より低いと光沢の低下をきたすことが見いださ
れた。
すなわち、ポリアクリル系樹脂は成形条件の温度下、ポ
リスチレン(A)及びABS樹脂(B)より流動性の高いもの
でなければならない。好ましくは、230℃2.16Kg荷重
のMFIで5以上である。
本発明の組成物は、上記配合物以外に、さらにガラス繊
維、カーボン繊維、アラミド繊維、金属ウィスカーなど
の繊維による強化複合材、シリカ、アルミナ、炭酸カル
シウム、タルク、マイカ、カーボンブラック、T1O2、Zn
O、Sb2O3のような無機充填剤又は、難燃剤、その他滑
剤、核剤、可塑剤、染料、顔料、帯電防止剤、酸化防止
剤、耐候性付与剤等を添加した複合材として使う事が好
ましい態様の一つである。
本発明の樹脂組成物を製造する方法には、特に制限はな
く、通常の公知の方法を用いる事ができる。
溶液状態で混合し、溶剤を蒸発させるか、非溶剤中に沈
澱させる方法も効果的であるが、工業的見地からみて実
際には、溶融状態で混練する方法がとられる。
このような溶融混練には、一般に使用されているバンバ
リーミキサー、押出機、ロール、各種のニーダー等の混
練装置を用いる事ができる。
混練に際しては、各樹脂成分は、いずれも粉末ないし
は、ペレットの状態であらかじめタンブラー、もしく
は、ヘンシェルミキサーのような装置で均一に混合する
事が好ましいが、必要な場合には混合を省き、混練装置
にそれぞれ別個に定量供給する方法も用いる事ができ
る。
本発明において混練順序に特に制限はなく、(A),(B)及
び(C)を一括混練してもよく、あらかじめ、(A)と(B)を
混練し、次いで(C)を混練してもよい。又、その他の混
練順序も採り得る。
混練された樹脂組成物は、射出成形、押出成形その他の
各種の成形法によって成形されるが、本発明は又、あら
かじめ混練の過程を経ず、射出成形や押出成形時にドラ
イブレンドして、溶融加工操作中に直接混練して成形加
工品を得る方法をも包含する。
〔実施例〕
以下実施例により本発明を説明するが、これらは単なる
例示であり、本発明を説明するが、これに限定されるこ
とはない。なお、実施例中の各試験は以下の方法により
おこなった。
(1)引張試験 ASTM D638 (2)曲げ試験 ASTM D790 (3)アイゾット衝撃試験 JIS K7110 (4)メルトフローインデックス JIS K6758 (M.F.I) 230℃ 2.16kg荷重 (5)比重 JIS K6758 (6)熱変形温度 ASTM D648 (7)ロックウェル硬度 ASTM D785(Rスケー
ル) (8)光沢度 ASTM D532 (9)外観 肉眼観察(良)←○〜×→(不良) 実施例及び比較例ではポリスチレン、ABS樹脂、及び
ポリメチルメタクリレートは、次に示す市販品を用い
た。
ポリスチレン 中衝撃高光沢ポリスチレン: エスブライト 500HG(住友化学工業(株)製グラ
フト系ポリスチレン) エスブライト 500HM(住友化学工業(株)製グラ
フト系ポリスチレン) ABS樹脂 中衝撃高光沢ABS樹脂: クララスチック MHB(住友ノーガタック(株)製) ポリメチルメタクリレート スミペックス BLO(住友化学工業(株)製) スミペックス BMHG(住友化学工業(株)製) スミペックス BLO6(住友化学工業(株)製) スミペックス BME−O(住友化学工業(株)製) 実施例1 中衝撃スチレン重合体「エスブライト 500HG」
(M.F.I=4.0)60重量%にABS樹脂「クララ
スチック MHB」(M.F.I=1.7)40重量%か
らなる樹脂組成物100重量部に対してポリメチルメタ
クルレート「スミペックス BLO」(M.F.I=5.
8)17.6重量部をタンブラーで20分間予備混合した
後、スクリュー径65mmφベント付一軸押出機(池貝鉄
工(株)製)を用いて230℃の温度で溶融混練し、ペ
レット化して、熱可塑性樹脂組成物を得た。
この組成物を、120℃で2時間乾燥後、射出成形機、
(東芝,IS150E−V型)を用いて、成形温度23
0℃、金型温度50℃で物性測定用試験片を作成した。
物性測定結果を、ABS樹脂単独系、ポリスチレン単独
系及び比較例1とともに第1表に示した。
比較例1 中衝撃スチレン重合体「エスブライト 500HG」6
0重量%とABS樹脂「クララスチック MHB」40
重量%を実施例1と同様の方法で混合、混練し、射出成
形して物性測定用試験片を作成した。
物性測定結果を第1表に示した。
実施例1と比較例1の試験片の外観をみてみると、実施
例1は、外観上特に異常な所はなく、均一で光沢良好な
成形品であったが、比較例1では成形品のゲート近傍に
放射状の線が走りその部分を少し削り取ると、層状には
がれる現象(ピーリング現象)が発生した。このピーリ
ング現象は真に相溶しにくい系を混練、成形したときに
おこりやすい現象である。
さらに実施例1と、比較例1の試験片断面を超薄切片状
にミクロトームで切り出し、酸化オスミゥムでゴム成分
を染色し、透過型電子顕微鏡で各々のモルフォロジーを
観察した。その写真を第1図,および第2図に示す。
第1図は、実施例1で得られた試験片のモルフォロジー
であるが、驚くべき事にABSのゴム(0.1〜0.5μの粒
径の黒い球状)および中衝撃ポリスチレンのゴム(1〜
3μの粒径のサラミ構造状のもの)がこまかく分散され
ていて、よく相溶しているのがわかる。
一方、第2図は比較例1で得られた試験片のモルフォロ
ジーであるが、ABSのゴムと中衝撃ポリスチレンのゴ
ムが層状に存在しており、ABSとポリスチレンが十分
に相溶していないのが明確に識別される。これがピーリ
ング現象の原因であると考えられる。
さらに、第1表に示す通り、実施例1は、比較例1に比
べ伸び、曲げ強度、衝撃強度、硬度、光沢が非常に優れ
ている。特に光沢と衝撃強度のバランスが良好である事
は、実用上、非常に優れた点である。
又実施例1は、ポリスチレンやABS樹脂単独系に比
べ、流動性、伸びが両者より高い値を示した事、及び硬
度がポリスチレン成分が入っているにもかかわらず、A
BS樹脂と同等である事は、本発明が単なる加成性から
は説明できない特徴のある組成物となっている事を示
す。
さらに、一般に耐衝撃性ポリスチレンは、その成形品の
物性において、樹脂の流れ方向(MD)とそれに垂直な
方向(TD)との強度に異方性があり、TD方向に切り
出したテストピースはMD方向のそれに比べ、強度が非
常に弱い。
しかるに、本発明によれば予想し得なかったことである
が、耐衝撃性ポリスチレンに比べ異方性が著しく改良さ
れることがわかった。
第2表にその結果を、実施例1と中衝撃ポリスチレンと
を比較して示す。
具体的には、有機溶剤としてはキシレン、トルエン、メ
タノール、エタノール、界面活性剤として、オレイン酸
ソーダ、ステアリン酸ソーダ、可塑剤として、2−エチ
ルヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチ
ルフタレート、油類として鉱油、タービン油、テレピン
油等について測定を行ない、総合的に判定した。
さらに、第3表に示すように、本発明の組成物は耐光
性、耐薬品性においても中衝撃ポリスチレンに比べ優れ
ている。
ABS樹脂に比べてみると、上述した物性上の位置づけ
の他に、流動性がABSに比べ、向上しており、中衝撃
ポリスチレンよりも高いM.F.Iの値を示している。
これは、実用上ABSの成形加工性を改良している事と
なり、重要な特徴となっている。
又、当然価格上の優位性もあり工業上非常に広範囲な用
途展開が期待できるものである。
実施例2 中衝撃ポリスチレン「エスブライト 500HG」
60重量% ABS樹脂「クララスチック MHB」 40重量% からなる樹脂組成物100重量部に対し、ポリメチルメ
タクリレート「スミペックス BLO」10重量部に変
更した以外は実施例1と同様の方法にて実施した。
この成形品の外観は、良好でピーリング現象もなかっ
た。この結果を比較例2とともに第4表に示す。
比較例2 中衝撃ポリスチレン「エスブライト 500HG 60
重量% ABS樹脂「クララスチック MHB」 40重量% からなる樹脂組成物100重量部に対しポリメチルメタ
クリレート「スミペックス BLO」を3.1重量部に変
更した以外は、実施例1と同様の方法にて実施した。
この成形品の外観は、若干ゲート附近に放射状に線状の
スジが走り、又、光沢も低下した。
物性測定結果を第4表に示す。
本例の結果の如く、ポリメチルメタクリレートが5重量
部未満では本発明の効果は発揮されない。
比較例3 中衝撃ポリスチレン「エスブライト 500HG」60
重量%とABS樹脂「クララスチック MHB」40重
量%からなる樹脂組成物100重量部に対し、ポリメチ
ルメタクリレート「スミペックス BLO」を50重量
部に変更した以外は実施例1と同様の方法にて実施し
た。
この成形品の外観は、表面真珠状光沢を示し、物性は第
4表に示す通り、特に衝撃強度が低下し、好ましくな
い。
比較例4 中衝撃ポリスチレン「エスブライト 500HG」10
重量%にABS樹脂「クララスチック MHB」90重
量%からなる組成物100重量部に対し、ポリメチルメ
タクリレート「スミペックス BLO」17.6重量部に変
更した以外は実施例1と同様の方法にて実施した。
結果を第4表に示す。
MFIが低く射出成形性の上では不利である。
又、価格低減効果も、ここまでABS樹脂を多くすると
期待できず好ましくない。
比較例5 中衝撃ポリスチレン「エスブライト 500HG」95
重量%にABS樹脂「クララスチック MHB」5重量
%からなる組成物100重量部に対し、ポリメチルメタ
クリレート「スミペックス BLO」17.6重量部に変更
した以外は実施例1と同様の方法にて実施した。
結果を第4表に示す。
引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率の改良効果は「エスブ
ライト 500HG」に対し、ほとんどなく、衝撃強度
の低下も大きく好ましくない。
実施例3 ポリメチルメタクリレートを「スミペックス BLO−
6」(M.F.I=10.7)に変更した以外は、実施例1
と同様の方法にて実施した。
結果を第5表に示す。
比較例6 ポリメチルメタクリレートを「スミペックス B MH
G」(M.F.I=1.0)に変更した以外は、実施例1
と同様の方法にて実施した。
結果を第5表に示す。
実施例1と実施例3及び比較例6の結果より、ポリメチ
ルメタクリレートのM.F.Iが小さいと、伸び、衝撃
強度、光沢が低下する事がわかる。
特に光沢は、大きく影響され、本発明の特徴を発揮する
ためには、ポリメチルメタクリレートのM.F.Iが5
以上であることが必要である。
実施例4 ポリスチレンを高衝撃ポリスチレン「エスブライト
00HM」(M.F.I=3.8)に変更した以外は、実
施例1と同様の方法にて実施した。
結果を第5表に示す。
比較例7 ポリスチレンを高衝撃ポリスチレン「エスブライト
00HM」に、又ポリメチルメタクリレートを「スミペ
ックス BMEO」(M.F.I=3.6)に変更した以
外は実施例1と同様の方法にて実施した。結果を第5表
に示す。同時に「エスブライト 500HM」の単独の
物性も第5表に示す。
実施例4と比較例7の結果より、ABS樹脂「クララス
チック MHB」(M.F.I=1.7)、およびポリス
チレン「エスブライト 500HM」(M.F.I=3.
8)に対し、ポリメチルメタクリレートは、高いM.
F.Iを示すものが、物性、光沢が良好であることがわ
かる。
又、実施例1、実施例3、比較例6の結果からも、AB
S樹脂、ポリスチレンに対し、ポリメチルメタクリレー
トは同様に高いM.F.Iを示すものが良好である。
さらに、この230℃、2.16kg荷重のM.F.Iは、本
発明の成形条件に対応した流動性の因子である。
それ故、本発明の特徴は、成形温度におけるポリメチル
メタクリレート等の流動性が、ABS樹脂、ポリスチレ
ンに比べ優れていることが、物性、特に光沢、衝撃強度
等の向上に必須であるということである。
〔発明の効果〕 以上述べたように、本発明による熱可塑性樹脂組成物
は、ポリスチレンとABS樹脂とがよく相溶して、物性
上、単に加成性が成立するのではなく、光沢、表面硬
度、伸び、耐候性その他の物性においてはポリアクリル
系樹脂の配合効果により相乗的に優れた性質を発揮す
る。
又、外観上も真珠状表面光沢を有しない優れたものであ
る。
そして、本発明により提供される新規な組成物は通常熱
可塑性樹脂に用いられている成形加工法、例えば射出成
形、押出成形等の成形加工法により容易に成形品、シー
ト、フィルムなどに加工され、引張物性、曲げ物性、耐
衝撃性等の機械的物性、耐候性、耐薬品性、光沢等の物
性バランスが極めて良好でかつ成形加工性の良い製品を
与える。
【図面の簡単な説明】
(1)第1図は本発明による実施例1(ポリスチレン/A
BS樹脂/ポリアクリル系樹脂=60/40/17.6)で得られ
た試験片断面の、透過型電子顕微鏡写真である。図中の
黒い球状およびサラミ構造状のものはいずれもゴム成分
の粒子構造を表わす。倍率は4800倍。 (2)第2図は比較例1(ポリスチレン/ABS樹脂=60/
40)で得られた試験片断面の、透過型電子顕微鏡写真で
ある。図中の黒い球状およびサラミ構造状のものはいず
れもゴム成分の粒子構造を表わす。倍率は4,800倍。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08L 25/00 55:02 33:12) (C08L 51/04 55:02 33:12) (72)発明者 宗我部 覚 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学工 業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−89245(JP,A) 特開 昭62−18232(JP,A) 特開 昭55−7882(JP,A) 特公 昭46−34907(JP,B1)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリスチレン(A)20〜90重量%とAB
    S樹脂(B)80〜10重量%とからなる樹脂組成物10
    0重量部に対して、成形温度におけるメルトフローイン
    デックスがポリスチレン(A)及びABS樹脂(B)よりも高
    いポリアクリル系樹脂(C)5〜40重量部を配合するこ
    とを特徴とする熱可塑性樹脂組成物であって、ポリアク
    リル系樹脂(C)が、メチルメタクリレートとメチルアク
    リレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、
    スチレン、α−メチルスチレンもしくはアクリロニトリ
    ルとの共重合体、またはメチルメタクリレートの単独重
    合体である熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】成分(C)ポリアクリル系樹脂のメルトフロ
    ーインデックスが5以上である特許請求の範囲第1項記
    載の熱可塑性樹脂組成物。
JP18642785A 1985-08-23 1985-08-23 熱可塑性樹脂組成物 Expired - Fee Related JPH0635524B2 (ja)

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