JPH063506Y2 - 自動販売機の商品送出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本考案は自動販売機の商品送出装置に関する。

(ロ)従来の技術 従来から、対向垂設した一対の側板間に、円柱状商品を
横倒し姿勢で前後２列に積上げ収納する商品収納室を形
成し、この商品収納室の下部に回動により前記商品を受
入れて前後の商品を順次に送出制御する半円筒体状の商
品送出部材を設けた構成の自動販売機が知られている。
そしてこの種の自動販売機の商品送出装置は、例えば実
開昭５８−１９５３７８号公報に開示されているよう
に、商品収納室の下部中央に商品の軸方向と平行に軸支
された半円筒状の送出部材と、該送出部材を回動すべく
連結した駆動モータと、該駆動モータによる送出部材の
所定回動にて動作し駆動モータを停止するリセットスイ
ッチと、送出部材の後部に対応する側板に送出部材方向
へ突出して設けた制御部材とを備え、送出部材に受入れ
た前後２個の商品を、商品送出指令が送達されるごとに
前後交互に送出するように構成している。すなわち送出
部材と側板との間に形成される商品の送出通路は、送出
部材に受入れられた商品のうち後部の商品に対応する部
分を制御部材によって狭く形成し、前部の商品が送出部
材と側板との間から下方へ送出された後、更に送出部材
が所定回動することによって送出部材と制御部材の間か
ら後部の商品を落下送出するようになっている。したが
って送出部材に前後２個の商品が受入れられた状態にて
最初の商品送出指令が送達されると、送出部材は前部の
商品を落下送出可能なだけ回動して前部の商品を送出
し、次の商品送出指令の送達により後部の商品を送出す
るように構成されている。

(ハ)考案が解決しようとする問題点 かかる構成の商品送出装置は、送出部材に後部の商品だ
けが収納係止されている状態であると、該後部の商品は
前部の商品位置へきわめて容易に移動し易く、何らかの
振動等によって前部の商品位置へ移動することがあり、
商品を不正送出してしまう欠点があった。すなわち送出
部材に受入れた前後２個の商品のうち、前部の商品を送
出した状態での送出部材は、その前部の商品位置で側板
との間の送出通路間隔を商品径よりも大きく形成してい
るため、後部の商品が前部の商品位置へ移動すると送出
部材から落下してしまう。

本考案はかかる欠点を解消する自動販売機の商品送出装
置を提供するものである。

(ニ)問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本願考案は、対向垂設した
一対の側板間に、円柱状商品を横倒し姿勢で前後２列に
積上げ収納する商品収納室を形成し、この商品収納室の
下部に前記２列の商品を前後に受入れる連通した収納部
を設けた半円筒体状の商品送出部材を回動自在に設ける
とともに、前記収納部に受入れた商品の一方の商品に対
応して商品送出部材との間隔を狭くする制御部材を前記
側板側に設け、前記収納部の商品を受入れる開口部を商
品収納室の商品に対向位置することにより前記２列の商
品を前後に受け入れ、商品送出指令に基づき商品送出部
材を一方向に回動し一方の商品を制御部材と商品送出部
材の回動前方の端部により支持したままで他方の商品を
側板と商品送出部材の回動前方の端部との支持を解除し
商品を送出して停止し、次の商品送出指令に基づき商品
送出部材を一方向に回動し商品を制御部材と商品送出部
材の回動前方の端部による支持を解除することにより送
出することを繰り返す自動販売機において、前記商品送
出部材の連通した前記収納部に収納した前後の商品の内
先に送出される商品に対応する位置の収納部の回動前方
の端部に収納部の内方に突出する規制部を備え、該先の
商品が送出された後、後に送出される商品が当接係止さ
れ、先商品送出後の先商品の収納部へ後商品が移動でき
ないように該後商品を係止する構成である。

(ホ)作用 かかる構成による本考案は、半円筒体状の商品送出部材
の収納部に、前後２列の商品を１個ずつ前後に並べて収
納する。そして商品送出指令に基づいて商品送出部材が
所定回動すると、一方の商品は商品送出部材の回動前方
の端部と側板との支持が解除され下方へ落下送出され、
他方の商品は商品送出部材の回動前方の端部と制御部材
との間で保持されている。この状態時に、残された他方
の商品が振動等によって、先に商品を送出した側の収納
部に移動しようとした場合、先に送出された商品側の商
品送出部材の回動前方の端部から前記収納部の内方へ突
出して設けた規制部によって、該先送出商品側の収納部
への移動を阻止される。そして次の商品送出指令に基づ
く商品送出部材の所定回動にて、商品送出部材と制御部
材との間で保持された商品が送出される。

(ヘ)実施例 図面は本考案による商品送出装置の実施例を示すもので
あり、(1)は自動販売機本体内に設けられ、前面に商品
装填用の装填口部(2)を設けた商品収納棚で、対向垂設
した左右一対の側板(3)(4)間に円柱状の商品(A)を、前
後方向への横倒し姿勢で前後２列に積上げ収納する商品
収納室(5)を形成している。

(6)は商品収納室(5)内の最下位の前後の商品(A1)(A2)を
収納係止する半円筒体(7)を形成した商品送出部材であ
り、前後端部にそれぞれ設けた軸(6A)(6B)を商品収納室
(5)内下部に対応する商品収納棚(1)の前後壁に貫通して
回動自在に軸支されている。また送出部材(6)は半円筒
体(7)の直径部分である平面に開口部を設け、前記開口
部から前記前後の商品(A1)(A2)を受入れ収納する前後に
連通した収納部(8)を設けている。すなわち収納部(8)は
前後の商品位置間に仕切りを設けることなく前後に連通
させ、上方に積上げられた前後の商品を容易かつ確実に
収納部(8)内に受入れられるようにしている。したがっ
て前後の商品(A1)(A2)は収納部(8)内で前後に連続した
状態に収納することができる。一方、送出部材(6)は軸
(6A)に商品送出指令の送達にて駆動する駆動モータ(9)
を連結するとともに、カム(10)を装着している。このカ
ム(10)は送出部材(6)が駆動モータ(9)によって所定の位
置まで回動すると、駆動モータ(9)を停止させるスイッ
チ(11)を動作するようになっている。(12)は送出部材
(6)の後部に対応する側板(4)に設けた制御部材で、送出
部材(6)方向へ突出させて送出部材(6)との間隔を狭く形
成している。すなわち、送出部材(6)の収納部(8)内に収
納係止された前後の商品(A1)(A2)のうち、前部の商品(A
1)位置に対応する送出部材(6)と側板(4)との間隔より
も、後部の商品(A2)位置に対応する送出部材(6)と制御
部材(12)との間隔を狭く形成し、送出部材(6)の回動に
て前部の商品(A1)が最初に落下送出され、更に送出部材
(6)が回動することによって後部の商品(A2)が落下送出
されるようになっている。すなわち、送出部材(6)は商
品送出指令が駆動モータ(9)に送達されるごとに第２図
に示す矢印方向へ回動し、前後の商品(A1)(A2)を交互に
送出するようにしている。(13)は送出部材（６）の半円
筒体（７）内に突出するように形成した規制部であり、
図２及び３に示されるように側板（４）もしくは制御部
材（１２）とともに当接して前後の商品を支持する側の
端部に設けられ、収納部（８）内に収納される前部の商
品（Ａ１）位置に対応位置するとともに、後端を該前部
の商品（Ａ１）の後端よりも後方へ出ない程度に半円筒
体（７）の端部に沿って収納部（８）の内方に延在形成
し、前部の商品(A1)位置と後部の商品(A2)位置との間に
段差を有するようにして、前部の商品(A1)の送出後にお
ける後部商品（Ａ２）の前方への移動を阻止するように
している。すなわち規制部(13)は、前後商品のうち先に
送出される前部の商品(A1)位置に対応して設けられ、第
５図に示すように、後から送出される後部の商品(A2)位
置の収納部(8)よりも、前部の商品(A1)位置の収納部(8)
が高くなって、前後の商品位置間に段差(13A)が形成さ
れるように構成しており、前部の商品(A1)が送出された
後に、後部の商品(A2)が振動等によって後部商品(A2)位
置から、前部商品(A1)位置方向である前方へ移動される
ような力を生じたとしても、該後部の商品(A2)前端面に
規制部(13)の段差(13A)部が当接して前方への移動を阻
止するように構成している。なお、本実施例における規
制部(13)は半円筒体(7)の端部にて突出し段差を形成し
ているが、前部商品(A1)位置に対応する半円筒体(7)内
面全体を突出させて後部商品(A2)位置との間に段差(13
A)を形成するようにしてもよい。

次にかかる構成による動作を説明する。第２図は収納部
(8)内に前後の商品(A1)(A2)をそれぞれ収納係止した商
品送出待機状態を示すもので、次段の商品(A)は半円筒
体(7)の外周面上に係止されている。

ここで駆動モータ(9)に商品送出指令が送達されると、
送出部材(6)は軸(6A)(6B)を中心に矢印方向へ回動す
る。そして送出部材(6)が第３図に示す位置まで回動す
ると、収納部(8)内の前部の商品(A1)は送出部材(6)と側
板(4)とによる係止が解かれて下方へ落下送出するとと
もに、後部の商品(A2)は送出部材(6)と制御部材(12)と
の間に保持された状態になっているため、収納部(8)か
らの落下を阻止されている。したがってこの時点で前部
の商品(A1)が送出されるとともに、カム(10)がスイッチ
(11)を動作するため駆動モータ(9)は停止し、後部商品
(A2)の送出待機状態となる。一方、この待機状態時に収
納部(8)内の前部の商品(A1)位置は空状態となるが、規
制部(13)が後部の商品(A2)の前方に段差(13A)を位置す
る状態となるため、送出部材(6)と制御部材(12)との間
で保持された後部商品(A2)は、振動等によって前方へ少
し移動すると、前端部が段差(13A)に係止され、前部の
商品位置への移動を阻止される。従って該後部の商品(A
2)は送出部材(6)からの落下を防止される。

そして次の商品送出指令が駆動モータ(9)に送達される
と、送出部材(6)は矢印方向へ回動する。この回動によ
って送出部材(6)が所定回動すると、制御部材(12)によ
って収納部(8)からの落下を阻止されていた後部の商品
(A2)は、送出部材(6)と制御部材(12)とによる係止が解
かれて下方へ落下送出される。そして更に送出部材(6)
は回動し、半円筒体(7)の外周面上に係止していた次段
の前後商品を収納部(8)内に受入れ収納するとともに、
その次の段の前後商品を半円筒体(7)の外周面上に係止
する。そして第２図に示す位置に到達すると、カム(10)
がスイッチ(11)を動作して駆動モータ(9)を停止し、商
品送出待機状態となる。

(ト)考案の効果 本考案は、前後２列に商品を収納係止する送出部材の半
円筒体内に段差を形成するように規制部を設け、先商品
送出後の後商品の先商品収納部方向への移動を阻止し、
商品の不正送出を防止するように構成したものであるか
ら、先に送出される商品が送出された空状態にて振動等
が生じたとしても、後から送出される側の商品は規制部
によって移動を阻止されるため、商品の不正落下送出を
確実に防止できるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案による商品送出装置の実施例を示すもの
で、第１図は商品送出部材の斜視図、第２図は収納部内
に前後商品を収納した状態での商品送出待機状態を示す
正面断面図、第３図は前部商品送出後の商品送出待機状
態を示す正面断面図、第４図は第３図のＢ−Ｂ線断面
図、第５図は第２図のＣ−Ｃ線断面図である。 (6)…商品送出部材、(7)…半円筒体、(8)…収納部、(1
3)…規制片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】対向垂設した一対の側板間に、円柱状商品
   を横倒し姿勢で前後２列に積上げ収納する商品収納室を
   形成し、この商品収納室の下部に前記２列の商品を前後
   に受入れる連通した収納部を設けた半円筒体状の商品送
   出部材を回動自在に設けるとともに、前記収納部に受入
   れた商品の一方の商品に対応して商品送出部材との間隔
   を狭くする制御部材を前記側板側に設け、前記収納部の
   商品を受入れる開口部を商品収納室の商品に対向位置す
   ることにより前記２列の商品を前後に受け入れ、商品送
   出指令に基づき商品送出部材を一方向に回動し一方の商
   品を制御部材と商品送出部材の回動前方の端部により支
   持したままで他方の商品を側板と商品送出部材の回動前
   方の端部との支持を解除し商品を送出して停止し、次の
   商品送出指令に基づき商品送出部材を一方向に回動し商
   品を制御部材と商品送出部材の回動前方の端部による支
   持を解除することにより送出することを繰り返す自動販
   売機において、前記商品送出部材の連通した前記収納部
   に収納した前後の商品の内先に送出される商品に対応す
   る位置の収納部の回動前方の端部に収納部の内方に突出
   する規制部を備え、該先の商品が送出された後、後に送
   出される商品が当接係止され、先商品送出後の先商品の
   収納部へ後商品が移動できないように該後商品を係止す
   ることを特徴とする自動販売機の商品送出装置。