JP2547537B2 - 自動販売機の商品送出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本発明は自動販売機の商品送出装置に関する。

（ロ）従来の技術 円柱状の商品を横倒し姿勢で積上げ収納した収納コラ
ムの下部に、モータにて回転制御される半円筒体状の送
出部材を設け、この送出部材の半円筒体内に最下位の商
品を収納係止し、モータによる送出部材の回転にてこの
最下位商品を順次１個ずつ送出する構成の商品送出装置
が従来から知られており、例えば実公昭47−2515号公報
及び実公昭47−26709号公報などにて開示されている。
すなわち、一列に積上げ収納された商品のうち最下位の
商品を送出部材の半円筒体内に受け、収納係止して待機
状態と成し、送出指令にて基づくモータの回転にて送出
部材を１回転させて最下位商品を送出するとともに、次
段の商品を半円筒体内に収納係止して再び待機状態にす
る構成であり、送出部材の１回転時に送出部材を最下位
商品と次段商品との間に割込ませ、次段商品を送出部材
の半円筒体外周面上に受けているときに半円筒体内に収
納係止していた最下位商品を下方へ落下送出する構成で
ある。

（ハ）発明が解決しようとする問題点 かかる従来技術は、送出部材の回転によってこの送出
部材の半円筒体内に収納係止した最下位の商品と、この
最下位の商品上に積上げられた次段の商品との間に送出
部材を割込ませるために、次段の商品を送出部材によっ
て上方へ押上げる動作が必要となる。すなわち、半円筒
体内に収納係止される商品径よりも半円筒体の外周円径
の方が大きいため、最下位商品と次段商品との間に割込
み進入するときに次段商品を上方へ押上げることにな
る。したがって商品径が半円筒体の内周円形と同じであ
れば、その押上げは半円筒体の厚み寸法分であるが、商
品径が半円筒体の内周円径よりも小径であった場合は、
この商品径と半円筒体の内周円形との差の寸法と、半円
筒体の厚み寸法とを合わせた寸法分だけ次段商品を押上
げることとなる。このため送出部材に多大の負荷がかか
り、回転故障を発生する原因となるとともに、次段商品
を強制的に押上げるために送出部材の先導端部によって
該次段商品に傷をつけてしまうなどの欠点を有してい
た。

本発明は、かかる欠点を解消することのできる自動販
売機の商品送出装置を提供するものである。

（ニ）問題点を解決するための手段 本発明は、円柱状商品を積上げ収納した収納コラムの
下部にモータにて回転制御される半円筒体状の送出部材
を設け、この送出部材の半円筒体内に最下位商品を収納
し、モータによる送出部材の回転にて商品を送出するよ
うにした自動販売機において、前記送出部材は半円筒体
の外周円の中心を軸支されると共に、前記商品を半円筒
体内に収納したときに商品の外周面が半円筒体の仮想外
周円よりも外方へ張出し位置するように半円筒体の内面
を形成している。

（ホ）作用 本発明は、商品を収納係止する半円筒体状の送出部材
の内面を、商品を収納係止したときに該商品の外周面が
半円筒体の仮想外周円よりも外方へ張出し位置するよう
に形成し、送出部材が最下位商品と次段商品との間に割
込み進入するときに、次段商品の押上げ動作が生じない
ようにしている。

（ヘ）実施例 図面はそれぞれ本発明よらる商品送出装置の一実施例
を示すものであり、（１）は自動販売機本体内に垂設さ
れる商品収納コラムである。この収納コラム（１）は、
左右一対の側板（２）（３）間に円柱状の商品（Ａ）を
横倒し姿勢で一列に積上げ収納可能に設けるとともに、
長い寸法の商品の収納は前後方向一列に収納し、短い寸
法の商品の収納は前後方向に２列に収納できるようにな
っている。この収納コラム（１）内の下部には半円筒状
の送出部材（４）が設けられている。送出部材（４）は
半円筒体（4A）の外周円の中心に位置するよう前後端部
にそれぞれ設けた軸（５）（５）によって収納コラム
（１）に回動自在に軸支される。また送出部材（４）は
略120度に相応する半円筒状の半円筒体（4A）に形成
し、かつ収納係止する商品（Ａ）の外周面に沿った円弧
を形成する内面（4B）を設けて、この内面（4B）に商品
（Ａ）を収納係止したとき、商品（Ａ）の外周面が半円
筒体（4A）の外周面（4C）の延長線上に形成される仮想
外周円（６）よりも外方へ張出し位置するようにしてい
る。そして送出部材（４）は、軸（５）に連結した駆動
モータ（７）と、軸（５）に装着されたカム（８）と、
このカム（８）によって動作されモータ（７）の回転を
制御するスイッチ（９）とにより所定の角度だけ往復回
転するようになっている。一方、送出部材（４）は、長
い商品（Ａ）の場合は１個を半円筒体（4A）の内面（4
B）に収納係止し、短い商品（Ａ）の場合は前後方向に
１個ずつ２個を収納係止できるように形成されている。

（10）は前記商品（Ａ）の直径よりも小径の商品
（Ｂ）を収納係止するときに着脱可能に装着する規制部
材であり、商品（Ｂ）の外周面に沿った円弧を形成する
内面（10B）と、半円筒体（4A）の内面（4B）に対応す
る円弧を形成した外面（10C）とを形成しているととも
に、半円筒体（4A）の内面（4B）に装着したとき、第７
図乃至第９図に示すように半円筒体（4A）の先導端（4
D）にて内面（10B）と外面（10C）との厚さを無くし、
後続端（4E）における内面（10B）と外面（10C）との厚
さを大きくなるように形成して、内面（10B）に収納係
止される商品（Ｂ）の外周面が先導端（4D）近傍から前
記仮想外周円（６）よりも外方へ張出し位置するように
している。

（11）は送出部材（４）の下部側方に対応する収納コ
ラム（１）内の側板（２）に着脱自在に装着する送出制
御部材で、短い商品（Ａ）あるいは短い商品（Ｂ）を前
後２列に収納した場合に装着し、送出部材（４）の段階
的回転にて前後の商品を交互に送出制御するものであ
る。すなわち、送出制御部材（11）は送出部材（４）が
短い商品（Ａ）あるいは短い商品（Ｂ）を前後２列に収
納したときに後部の商品に対応する側板（２）に装着
し、前部の商品と後部の商品が半円筒体（4A）から係止
解除されて下方へ落下送出されるタイミングをずらすも
のである。したがって送出制御部材（11）を装着する
と、前部の商品が半円筒体（4A）から係止解除されて送
出されるときに、後部の商品は送出制御部材（11）によ
って半円筒体（4A）との間に係止された状態を継続し、
更に半円筒体（4A）が所定回転すると後部の商品が送出
制御部材（11）と半円筒体（4A）とによる係止を解除さ
れて落下送出されるようになっている。この送出部材
（４）の段階的回転制御は、送出部材（４）の回転と共
に回動する前記カム（８）と、このカム（８）の動作に
て動作される前記スイッチ（９）の設定を変更すること
により達成することができる。

次にかかる構成による動作を説明する。まず商品
（Ａ）を前後一列に収納した場合の商品送出動作を説明
する。この場合、規制部材（10）及び送出制御部材（1
1）は装着されない。第１図は待機状態であり、送出部
材（４）は最下位の商品（A1）を半円筒体（4A）内に収
納係止しており、最下位商品（A1）上には商品（Ａ）が
多数積上げ収納されている。ここで商品送出指令がモー
タ（７）に送達されて回転すると、送出部材（４）は軸
（５）を中心に時計方向に回転する。送出部材（４）の
半円筒体（4A）内に収納係止された最下位商品（A1）
は、外周面を半円筒体（4A）の仮想外周円（６）よりも
外方へ張出し位置し、その張出した部分上に次段商品
（A2）を積上げており、そしてこの最下位商品（A1）の
張出し寸法は、半円筒体（4A）の先導端（4D）に近付く
にしたがって小さくなり、なくなるため、送出部材
（４）の前記回転に伴って次段商品（A2）は下降しなが
ら半円筒体（4A）の先導端（4D）上に乗り移る。すなわ
ち、半円筒体（4A）は第２図に示すように、次段商品
（A2）を押上げることなく次段商品（A2）と最下位商品
（A1）との間に先導端（4D）を容易に割込み進入させる
ことができ、半円筒体（4A）の外周面（4C）上に次段商
品（A2）を係止する。そして更に送出部材（４）が回転
され、後続端（4E）と側板（２）とき間隔が商品（A1）
の直径よりも大きくなると、商品（A1）は半円筒体（4
A）の係止を解除されて下方へ落下送出されるととも
に、カム（８）がスイッチ（９）を動作する。このスイ
ッチ（９）の動作に基づきモータ（７）は一時停止し、
逆回転を開始する。この逆回転によって送出部材（４）
は軸（５）を中心に半時計方向に回転し、先導端（4D）
と側板（２）との間隔が次段商品（A2）の直径以上にな
った所で外周面（4C）での次段商品（A2）の係止を解除
し、該次段商品（A2）を半円筒体（4A）の内面（4B）に
受入れ収納係止して待機状態に復帰する。なおモータ
（７）はカム（８）によるスイッチ（９）の動作に基づ
き停止される。

次に商品（Ａ）を前後２列に収納した場合の商品送出
動作を説明する。この場合、送出制御部材（11）を装着
する。この商品送出動作は、前部の商品（A1−１）が落
下送出されるまで、前記した前後１列の送出動作と同一
であるため、その部分の説明を省略する。

最下部における前部の商品（A1−１）が落下送出され
るとカム（８）によってスイッチ（９）が動作され、こ
の動作に基づきモータ（７）が停止し送出部材（４）は
回転を停止する。このとき後部の商品（A1−２）は半円
筒体（4A）の後続端（4E）と送出制御部材（11）との間
に係止された状態である。そしてここで商品送出指令が
送達されるとモータ（７）が回転を開始し、送出部材
（４）は再び軸（５）を中心に時計方向へ回転する。そ
して第４図に示すように後続端（4E）と送出制御部材
（11）との間隔が商品（A1−２）の直径よりも大きくな
ると、商品（A1−２）は半円筒体（4A）の係止を解除さ
れて下方へ落下送出されるとともに、カム（８）がスイ
ッチ（９）を動作する。このスイッチ（９）の動作に基
づきモータ（７）は一時停止し、逆回転を開始する。こ
の逆回転によって送出部材（４）は軸（５）を中心に反
時計方向に回転し、先導端（4D）と側板（２）との間隔
が次段商品（A2−１）（A2−２）の直径以上になった所
で外周面（4C）での次段商品（A2−１）（A2−２）の係
止を解除し、該次段商品（A2−１）（A2−２）を半円筒
体（4A）の内面（4B）に受け入れ収納係止して待機状態
に復帰する。なお、モータ（７）はカム（８）によるス
イッチ（９）の動作に基づき停止される。

送出部材（４）の反円筒体（4A）の内面（4B）に規制
部材（10）を装着して行う小径の商品（Ｂ）の送出動作
は、前記した各送出動作と同様であるため省略する。

なお、本実施例による送出部材（４）の往復回転は、
モータ（７）の逆転回動により行う構成であるが、公知
のカムリンク機構により往復回転を制御して、モータを
一方向回転とすることもできる。

（ト）発明の効果 本発明は、商品を収納係止する半円筒体状の送出部材
の内面を、商品を収納係止したときに該商品の外周面が
反円筒体の仮想外周円よりも外方へ張出し位置するよう
に形成し、送出部材が最下位商品と次段商品との間に割
込み進入するときに、次段商品の押上げ動作が生じない
ようにしたものであるから、送出部材に過度の負荷がか
かることがなくなる。したがって送出部材の回転が容易
となり、これらの回転機構及びモータへの負担が軽くな
って故障発生を防止できるとともに、送出部材の先導端
部による次段商品への傷付きを防止することができるも
のである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明による商品送出装置の実施例を示すもの
で、第１図は待機状態の正面断面図、第２図は商品送出
動作途中の正面断面図、第３図は商品落下送出時の正面
断面図、第４図は商品を収納コラム内前後２列に収納し
た場合における後部の商品落下送出時の正面断面図、第
５図は側面断面図、第６図は平面断面図、第７図乃至第
９図は規制部材を装着した待機状態及び送出途中状態及
び商品落下送出状態時の各正面断面図である。 （４）……送出部材、（4A）……半円筒体、（4B）（10
B）……内面、（５）……軸、（６）……仮想外周円。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】円柱状商品を積上げ収納した収納コラムの
   下部にモータにて回転制御される半円筒体状の送出部材
   を設け、この送出部材の半円筒体内に最下位商品を収納
   し、モータによる送出部材の回転にて商品を送出するよ
   うにした自動販売機において、前記送出部材は半円筒体
   の外周円の中心を軸支されると共に、前記商品を半円筒
   体内に収納したときに商品の外周面が半円筒体の仮想外
   周円よりも外方へ張出し位置するように半円筒体の内面
   を形成したことを特徴とする自動販売機の商品送出装
   置。