JPH06350218A - 配線基板およびその製造方法 - Google Patents

配線基板およびその製造方法

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JPH06350218A
JPH06350218A JP5164268A JP16426893A JPH06350218A JP H06350218 A JPH06350218 A JP H06350218A JP 5164268 A JP5164268 A JP 5164268A JP 16426893 A JP16426893 A JP 16426893A JP H06350218 A JPH06350218 A JP H06350218A
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JP
Japan
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glass
wiring board
ruthenium compound
resistor
bismuth oxide
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JP5164268A
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Ryoichi Kondo
良一 近藤
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Original Assignee
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明の配線基板は、酸化ビスマスを含むガ
ラスマトリックスを有し、平均粒径0.01μm〜0.
4μmのルテニウム化合物を含有する抵抗体層と、銀ま
たは銀化合物を含有する導体層と、基板とを同時一体焼
成してなるものである。 【効果】 本発明においては、抵抗体層中のガラスマト
リックス中に酸化ビスマスを存在させることにより、導
体ペースト中の銀およびこれに伴う抵抗体層中のルテニ
ウム化合物の上記ガラスマトリックス中への拡散が防止
され、抵抗体中に適切な導電ネットワークが得られ、従
って、目的の抵抗値を精度よく制御することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、配線基板およびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】低温で焼成可能な基板材料が開発されて
おり、これにより基板材料、導体ペースト、抵抗体ペー
スト等を例えば1000℃以下の低温で同時一体焼成し
て配線基板を得ることが可能である。
【0003】抵抗体ペーストは、通常、導電粒子、ガラ
スフリットおよびビヒクル等からなるものであり、上記
導電粒子として、ルテニウム化合物粒子を用いるものが
知られている。このように、ルテニウム化合物を上記導
電粒子として用いる配線基板は、例えば本願出願人が先
に出願した特開平3−18089号公報に開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような配線基板
においては、上記抵抗体のノイズや電圧係数等の特性を
更に向上させる要求がある。このような要求を満足させ
るには、上記導電粒子の粒子径を例えば0.4μm以下
に微小化することが考えられる。
【0005】ところが、上記のように抵抗体ペーストの
導電粒子として平均粒径0.4μm以下のルテニウム化
合物粒子を用いたものであって、導体ペースト中の導体
粒子として銀または銀化合物粒子を用いて、上記のよう
に配線基板を同時一体焼成により作製する場合、抵抗値
が高くなり、該抵抗値の制御が困難になるというおそれ
があった。実際、上記特開平3−18089号公報に開
示された実施例においても、使用しているルテニウム化
合物の平均粒径が最低で0.66μmである。
【0006】本発明者らが、この問題を解決すべく鋭意
研究したところ、図3の走査型電子顕微鏡写真、および
該写真に示されたミクロ構造の概念図(図4)から分か
るように、抵抗層と導電層の接続部において、ガラス粒
界での導電粒子であるルテニウム化合物粒子で形成され
る導電ネットワークが分断され、これにより該部分の抵
抗値が増大していることを判明した。これは、上記のよ
うに同時焼成を行なうと、活性な銀がルテニウム化合物
を伴ってガラス内に固溶拡散し、その部分においてルテ
ニウム化合物が存在しなくなり、上記ルテニウム化合物
粒子で形成される導電ネットワークが分断されることが
分かった。
【0007】すなわち、抵抗体のノイズ、電圧係数等の
特性値を向上させるには、ルテニウム化合物の粒径が小
さい程有利になるが、逆に粒径が小さいため、Agの拡
散ににより、ルテニウムの溶出が大きくなり、電極付近
の抵抗値が増大するというジレンマがある。
【0008】そこで、本発明は、上記のような同時焼成
におけるルテニウム化合物のガラスへの拡散を防止し、
適正な抵抗特性を得ることができる配線基板およびその
製造方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
の(1)〜(5)の本発明によって達成される。 (1)酸化ビスマスを含むガラスマトリックスを有し、
平均粒径0.01μm〜0.4μmのルテニウム化合物
を含有する抵抗体層と、銀または銀化合物を含有する導
体層と、基板とを同時一体焼成してなる配線基板。 (2)前記抵抗体層において、ルテニウム化合物を5wt
%〜55wt%、酸化ビスマスを3〜30wt%、および酸
化ビスマス以外のガラス成分を40wt%〜92wt%含有
する上記(1)の配線基板。 (3)ガラスフリットと、平均粒径0.01μm〜0.
4μm以下のルテニウム化合物粒子と、酸化ビスマス
と、ビヒクルとを含有する抵抗体ペースト、および銀系
の導体粒子とビヒクルとを含有する導体用ペーストを、
基板用グリーンシート上に所定のパターンで印刷し、こ
れを1000℃以下で同時一体焼成することを特徴とす
る配線基板の製造方法。 (4)抵抗体ペーストにおける酸化ビスマスが、結晶相
の形で添加されている上記(3)の配線基板の製造方
法。 (5)抵抗体ペーストにおける酸化ビスマスが、ガラス
フリットの内部に固溶された形で添加されている上記
(3)の配線基板の製造方法。
【0010】
【作用】本発明においては、抵抗体層中のガラスマトリ
ックス中に酸化ビスマスを存在させることにより、導体
ペースト中の銀およびこれに伴う抵抗体層中のルテニウ
ム化合物の上記ガラスマトリックス中への拡散が防止さ
れ、抵抗体中に適切な導電ネットワークが得られ、従っ
て、目的の抵抗値を精度よく制御することができる。
【0011】
【発明の具体的構成】以下、本発明の具体的構成を詳細
に説明する。
【0012】本発明の配線基板は、抵抗体層と導体層が
基板上に配置されたものであり、全体が同時一体成形さ
れたものである。
【0013】上記抵抗体層は、酸化ビスマスを含むガラ
スマトリックスを有し、ルテニウム化合物粒子により所
定の導電路が形成されたものである。
【0014】上記ガラスマトリックスはガラスフリット
を焼成することにより形成される。本発明ではガラスフ
リットとして、軟化点が1000℃以下のガラスを用い
る。上記温度をこえると1000℃以下で焼成すること
が困難である。
【0015】ただし、軟化点があまり低すぎると基板と
同時焼成する際に、反りや発泡等が生じてしまう。
【0016】このため、軟化点が700〜1000℃の
ガラスが好ましい。
【0017】本発明に用いるガラスとしては、例えばホ
ウケイ酸ガラス、鉛ホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸バリ
ウムガラス、ホウケイ酸カルシウムガラス、ホウケイ酸
ストロンチウムガラス、ホウケイ酸亜鉛ガラス等の一般
にガラスフリットとして用いられているものが挙げら
れ、特に鉛ホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ストロンチウ
ムガラス等が好適である。
【0018】そして、ガラス組成としては下記のものが
好ましい。 SiO2:50〜65重量%、特に50〜55重量% Al23:5〜15重量%、特に8〜12重量% B23:8重量%以下、特に3〜5重量% CaO、SrO、BaOおよびMgOの1〜4種:15
〜40重量%、特に25〜35重量% PbO:30重量%以下、特に10〜20重量%
【0019】また、ガラスフリットの平均粒径は、0.
5〜5μm程度であることが好ましい。
【0020】本発明の導電粒子には、ルテニウム酸鉛、
ルテニウム酸ビスマス、酸化ルテニウム等のうち一種以
上を用いる。
【0021】ルテニウム酸鉛としては、Pb2 Ru2
6.5 およびこれから多少偏倚した組成の金属酸化物が好
ましい。
【0022】酸化ルテニウムとしては、RuO2 および
これから多少偏倚した組成の金属酸化物が好ましい。
【0023】ルテニウム酸ビスマスとしては、Bi2
27 およびこれから多少偏倚した組成の金属酸化物
が好ましい。
【0024】さらには、必要に応じ、焼成によってこれ
らの金属酸化物となりうる化合物を添加して用いてもよ
い。
【0025】このような導電粒子の平均粒径は、0.0
1〜0.4μm程度であることが好ましい。この範囲よ
り大きいと、ノイズ、電圧係数が増大し、小さい場合に
は抵抗体ペーストが凝集しやすくなり、印刷に支障をき
たす。
【0026】また、導電粒子としては前記のルテニウム
酸鉛、酸化ルテニウムおよびルテニウム酸ビスマス以外
にもパイロクロール化合物と称されるCdBiRu2
7 、NdBiRu2 7 、BiInRu2 7 、Bi2
IrRuO7 、GdBiRu2 7 、BaRuO3 、B
2 RuO4 、SrRuO3 、CaRuO3 、Co2
uO4 、LaRuO3 、LiRuO3 等のルテニウム化
合物、SnO2 、LaB6 系等を導電粒子全体の20wt
%程度以下含有していてもよい。
【0027】本発明では、前記抵抗体層において、ルテ
ニウム化合物を5wt%〜55wt%、酸化ビスマスを3〜
30wt%、および酸化ビスマス以外のガラス成分を40
wt%〜92wt%、および含有する。上記ルテニウム化合
物の好ましい量は、7wt%〜50wt%である。
【0028】酸化ビスマスとしては、BiO、Bi2
3 、Bi2 4 、Bi2 5 、Bi4 7 等のいずれを
用いてもよい。
【0029】酸化ビスマスの添加は、同時焼成したとき
のガラスマトリックスへの銀およびそれに同伴してのル
テニウム化合物の拡散を防止するためであり、上記の含
有量の範囲未満では上記の拡散防止の機能が十分でな
く、上記範囲を越えるとガラスの軟化点が低下してしま
うからである。
【0030】上記酸化ビスマスは、結晶相として粒子の
形で単独に添加される場合と、ガラスフリット内に予め
固溶した形で添加される場合と、両者を混合する場合と
がある。
【0031】酸化ビスマスが粒子の形で添加される場合
には、その粒子径は1〜3μm程度のものを用いる。
【0032】抵抗体ペーストは、導電粒子であるルテニ
ウム化合物粒子と、ガラスフリットと、酸化ビスマス粒
子(ガラスフリット内に固溶している場合には、省略す
る)とを混合し、ビヒルクル等を加え、これらを混練し
てスラリー化することにより得られる。
【0033】導電粒子とガラス成分(酸化ビスマスはガ
ラスマトリックス内に入るので、該ガラス成分内に含ま
れる)との重量比は、必要とされる抵抗値X等に応じて
適宜決定されるが、重量比ガラス成分/導電粒子は、9
0/10〜60/40であることが好ましい。
【0034】なお、重量比が前記範囲未満では導電粒子
過多のため抵抗値の制御ができなくなる。
【0035】前記範囲をこえるとガラスが多すぎるた
め、導電粒子が導電ネットワークを形成できず、絶縁化
してしまう。
【0036】ビヒクルとしては、エチルセルロース、ポ
リビニルブチラール、メタクリル樹脂、ブチルメタアク
リレート等のアクリル系樹脂等のバインダー、テルピネ
オール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセ
テート、アセテート、トルエン、アルコール、キシレン
等の溶剤、その他各種分散剤、活性剤、可塑剤等が挙げ
られ、これらのうち任意のものが目的に応じて適宜添加
される。
【0037】この場合、ビヒクルの添加量は、導電粒子
とガラスフリットと酸化ビスマスの合計量100重量部
に対し、20〜60重量部程度であることが好ましい。
【0038】本発明の抵抗体ペーストは、基板用のグリ
ーンシート上に、導体ペーストとともに所定パターン
で、印刷法、転写法、グリーンシート法等により成膜さ
れ、その後全体が同時一体焼成される。
【0039】焼結温度は1000℃以下、特に800〜
1000℃、さらには850〜900℃とされる。
【0040】また、焼結時間は1〜3時間程度とし、最
高温度にて10〜15分間程度保持する。焼結雰囲気は
空気中で行うことができる。
【0041】次に、本発明の配線基板と、その製造方法
について、多層配線基板を例にとり説明する。
【0042】例えば、グリーンシート法を用いる場合
は、まず、基板材料となるグリーンシートを作製する。
【0043】即ち、下記基板の構成材料を混合し、これ
にバインダー、溶剤等のビヒクルを加え、これらを混練
してスラリーとし、このスラリーを例えばドクターブレ
ード法、押し出し法により、好ましくは0.1〜1.0
mm程度の厚さのグリーンシートを所定枚数作製する。
【0044】基板の構成材料としては、導体ペースト、
抵抗体ペースト等とともに同時焼成可能なものであり、
例えば、アルミナ−ホウケイ酸ガラス、アルミナ−鉛ホ
ウケイ酸ガラス、アルミナ−ホウケイ酸バリウムガラ
ス、アルミナ−ホウケイ酸カルシウムガラス、アルミナ
−ホウケイ酸ストロンチウムガラス等の酸化物骨材とガ
ラスとを含む低温焼結材料が好ましい。
【0045】この場合、ガラスの粒径は、0.1〜5μ
m程度、アルミナの粒径は、1〜8μm程度であること
が好ましい。
【0046】このような基板材料において、ガラスの含
有率は、通常55〜75wt%程度であることが好まし
い。
【0047】ビヒクルとしては、前記と同様に、任意の
ものが目的に応じて適宜添加される。
【0048】なお、基板材料の好適例としては、本願出
願人により開示された特願昭62−215242号公報
に記載のものが挙げられる。
【0049】次に、前記グリーンシートにパンチングマ
シーンや金型プレスを用いてスルーホールを形成する。
【0050】その後、導体ペーストを各グリーンシート
上に例えばスクリーン印刷法により10〜30μm程度
の厚さに印刷し、所定パターンの内部および外部導体層
を形成するとともにスルーホール内に充填する。
【0051】そして、前述した抵抗体ペーストを例えば
スクリーン印刷法等により10〜30μm程度の厚さに
印刷し、抵抗体ペースト層を形成する。
【0052】また、必要に応じ、導体ペースト層および
抵抗体ペースト層上に、導体ペースト層の外部導体との
接合部を残してこれらを被覆するオーバーコート層を設
けてもよい。
【0053】導体ペースト層および抵抗体ペースト層の
印刷、形成は、寸法が一定した未焼成のグリーンシート
に対して行なわれるため、それらの印刷版は1つのチッ
プサイズに対し1種類でよく、後焼成を行う場合のよう
に、焼成収縮のバラツキに対応して、多種類のもののう
ちから適切な寸法のものを選択して使用する必要がな
い。
【0054】なお、導体ペースト層と抵抗体ペースト層
の形成順序は、いずれが先でもよい。
【0055】このような導体ペーストは、導体層の基本
組成となる金属粒子と、ガラスフリットとを混合し、こ
れに前記と同様のバインダー、溶剤等のビヒクルを加
え、これらを混練してスラリー化することにより得られ
る。金属粒子としては、例えば、AgまたはAg系合金
を挙げることができ、これらのうち一種または二種以上
を添加することができる。
【0056】Ag系合金の例としては、Agと所望の金
属との2元系またはそれ以上の合金として、好ましくは
30重量%以下のPdを含むAg−Pd合金、好ましく
は20重量%以下のPdと10重量%以下のPtとを含
むAg−Pd−Pt合金、好ましくは15重量%以下の
Ptを含むAg−Pt合金等を挙げることができる。こ
れらの場合、本発明の実効が高いのは90〜100重量
%のものである。
【0057】Ag−Pd系合金を主体とする導体層は、
耐マイグレーション性、耐湿性に優れるという特性を有
するため、外部導体層として好ましい。
【0058】なお、上記金属粒の含有率は、80〜95
重量%程度が好ましい。
【0059】また、金属粒子の平均粒径は、0.01〜
5μm程度であることが好ましい。
【0060】導体ペーストに含有されるガラスフリット
には、前記のガラスフリットを用いることができ、抵抗
体ペーストに用いるガラスフリットと同様のものが好適
である。
【0061】なお、オーバーコート層としては、前記ガ
ラスおよびそれらの混合物等のガラスを挙げることがで
きる。
【0062】次に、各グリーンシートを重ね合わせ、約
40〜120℃、50〜1000kgf/cm2 程度で熱プレ
スを用い、グリーンシートの積層体とする。
【0063】この場合、必要に応じ脱バインダー処理、
切断用溝の形成等を行う。
【0064】その後、グリーンシートの積層体を下記の
条件で同時焼成する。
【0065】焼結温度は、1000℃以下、好ましくは
800〜1000℃程度、さらに好ましくは850〜9
00℃程度とする。
【0066】焼結時間は、1〜3時間程度、最高温度で
の保持時間は、10〜15分間程度が好適である。
【0067】焼結雰囲気としては、空気、O2 、N2
の不活性ガス等を挙げることができるが、特に、簡易
で、低コストであるという点で空気が好ましい。
【0068】このようにして、内、外部導体層や厚膜抵
抗体層が形成された多層配線基板を得る。
【0069】なお、配線基板の構造については、公知の
種々のものであってよい。
【0070】また、誘電体層等も同時焼結により、ある
いは、後から焼結して形成し、コンデンサ内蔵型の配線
基板としてもよい。
【0071】また、基板は、前記グリーンシート法の他
印刷法や転写法等を用いて作製してもよい。
【0072】そして、必要に応じて厚膜抵抗体層に対
し、抵抗値を調整するためのトリミングを行う。
【0073】このトリミングは、レーザー加工等、通常
の方法で行えばよい。
【0074】このトリミング後、所定の加工を施して配
線基板が完成する。
【0075】以上では、本発明の多層配線基板の1例に
ついて説明したが、本発明は、これに限定されず、単層
の配線基板であってもよい。
【0076】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0077】実施例1 まず、下記のようにして抵抗体ペーストを作製した。
【0078】平均粒径0.33μmのPb2 Ru2
6.5 の導電粒子、平均粒径1.8μmのガラスフリット
および平均粒径2.0μmのBi2 3 を用意した。
【0079】そして、Bi2 3 を全体量に対して表1
に示した重量比で添加し、導電粒子の量と、ガラスフリ
ット量との比、すなわち重量比導電粒子/ガラスフリッ
トがそれぞれ表1になるように混合した。
【0080】用いたガラスフリットの組成は下記のとお
りである。 SiO2 :48.5wt% Al2 3 :8.3wt% CaO :11.9wt% PbO :31.3wt%
【0081】これら100重量部に対しビヒクルを40
重量部添加して、3本ロールで混練し、抵抗体ペースト
を製造した。
【0082】なお、ビヒクルには、バインダーとしてア
クリル系樹脂、溶剤としてα−テルピネオールを用い
た。
【0083】また、下記のようにして導体ペーストを作
製した。 平均粒径1.0μmのAg :74.0wt% 平均粒径1.0μmのPd : 0.8wt% ガラスフリット(平均粒径1.8μm):5.2wt% バインダー :20.0wt% を3本ロールで混練して、導体ペーストを作製した。
【0084】また、下記の基板の構成材料を混合し、こ
れに前記ビヒクルを加えスラリーとした。 ガラス(平均粒径1.9μm )60wt% SiO2 :52.2wt% Al23 :11.4wt% B23 : 3.9wt% SrO :27.6wt% CaO : 3.1wt% MgO : 1.8wt% Al23 (平均粒径3.5μm ):40wt%
【0085】このスラリーをドクターブレード法にて厚
さ0.2mmのグリーンシートとした。
【0086】次に、グリーンシート上に抵抗体ペースト
層を厚さ20μmに、また導体ペースト層を厚さ20μ
mに形成した。
【0087】これらを900℃で、10分間保持し、同
時一体焼結した。
【0088】そして、焼成厚みが16μmの厚膜抵抗体
層を有する配線基板のサンプルNo.1〜7および9〜2
4を得た。
【0089】また、Bi2 3 をガラスフリット中に予
め固溶させておいたこと以外は他と同様にしてサンプル
No. 8を得た。
【0090】以上のサンプルについて、シート抵抗、界
面抵抗比、ノイズ、電圧係数を測定した。
【0091】シート抵抗および界面抵抗比は以下のよう
に求めた。
【0092】抵抗体幅Wを0.7〜5.0mmの範囲、
抵抗体長Lを0.7〜5.0mmの範囲で各種形状の抵
抗体を作成し、それぞれの抵抗値の測定値Rnより、シ
ート抵抗R0 および界面抵抗Riを次式の回帰分析によ
り求めた。
【0093】Rn=(Ri/W)+R0 (L/W)
【0094】なお、界面抵抗比はRi/R0 で定義され
る。
【0095】ノイズは、抵抗体形状が1mm×1mmの
ものを用い、カンテック社製315B抵抗ノイズメータ
によって測定した。
【0096】電圧係数は、抵抗への印加電圧の1V増す
毎の抵抗変化率で定義されるものであり、JIS−C5
205に基づいて測定した。
【0097】測定結果を表1に示す。
【0098】
【表1】
【0099】界面抵抗比は、0.3のオーダーであると
実用でき、0.2以下であると望ましいが、表1から分
かるように、酸化ビスマスの添加により改善されてい
る。なお、サンプルNo. 7は、界面抵抗比自体は、0.
32と0.3のオーダーであったが抵抗体層にクラック
が生じてしまったので、比較例とした。
【0100】ノイズに関しては、酸化ビスマスの添加が
30wt%以下であるなら、その劣化がほとんど認められ
ない。ノイズは、一般に導電機構が同一の系では、抵抗
値が10倍毎に10dB増大する傾向にある。すなわ
ち、1kΩ/□での雑音値をN0 とすれば、 N=N0 +10* logR(kΩ/□) で示されが、表1もそれに近い結果を示している。
【0101】電圧係数も同様に、酸化ビスマスの添加が
30wt%以下であるなら、その劣化がほとんど認められ
ない。
【0102】実施例2 ついで、Pb2 Ru26.5 の代わりにBi2 Ru2
7 を用いた他は、上記実施例1と同様にしてサンプルN
o. 31〜41を作製し、上記と同様にシート抵抗、界
面抵抗比、ノイズ、電圧係数を測定した。その結果を表
2に示した。
【0103】
【表2】
【0104】上記表2から分かるように、酸化ビスマス
の30wt%以下の添加により、界面抵抗比が改善されて
おり、ノイズ、電圧係数には劣化がほとんどなかった。
なお、ルテニウム酸鉛を用いた場合より、少量の酸化ビ
スマスの添加で効果が認められたのは、ルテニウム酸ビ
スマスのビスマスが一部ガラス中に溶出し、同様の効果
をもたらしたためと考えられる。なお、サンプルNo. 3
9においては、抵抗体層にクラックが生じてしまった。
【0105】また、Bi2 3 が添加されていないサン
プルNo. 31と、界面抵抗比が良好なサンプルNo. 35
につき、抵抗層の導電層に隣接する部分の走査型電子顕
微鏡写真を撮影したところ、サンプルNo. 1について
は、上記図3および図4に示されたのと同じくルテニウ
ム化合物による導電ネットワークが分断されていたが、
サンプルNo. 35については、写真である図1およびそ
の概念図である図2に示されているように、ルテニウム
化合物による良好な導電ネットワークが形成されている
ことが分かる。
【0106】次に、上記実施例1のサンプルNo. 4およ
び実施例2のサンプルNo. 35と同条件にして、ルテニ
ウム化合物の粒子の平均粒径を表3に示すようにして、
サンプルNo. 51〜57を作製し、これらのサンプルに
ついてノイズおよび電圧係数を測定した。なお、粒径が
変わると、抵抗値も変化するため、ノイズは1kΩ/□
に換算した。
【0107】
【表3】
【0108】この表から分かるように、粒径が小さい方
がノイズ、電圧係数ともに良好な結果が得られる。
【0109】
【効果】以上から明瞭なように、本発明によれば、基
板、抵抗および導体を同時一体焼成でき、しかも抵抗値
の制御が正確かつ容易な配線基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】結晶組織を表す図面代用写真であって、本発明
の配線基板における抵抗体層の研磨断面の顕微鏡写真で
ある。
【図2】図1に示された結晶組織を概念的に示した概念
図である。
【図3】結晶組織を表す図面代用写真であって、従来例
の配線基板における抵抗体層の研磨断面の顕微鏡写真で
ある。
【図4】図3に示された結晶組織を概念的に示した概念
図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化ビスマスを含むガラスマトリックス
    を有し、平均粒径0.01μm〜0.4μmのルテニウ
    ム化合物を含有する抵抗体層と、銀または銀化合物を含
    有する導体層と、基板とを同時一体焼成してなる配線基
    板。
  2. 【請求項2】 前記抵抗体層において、ルテニウム化合
    物を5wt%〜55wt%、酸化ビスマスを3〜30wt%、
    および酸化ビスマス以外のガラス成分を40wt%〜92
    wt%含有する請求項1の配線基板。
  3. 【請求項3】 ガラスフリットと、平均粒径0.01μ
    m〜0.4μm以下のルテニウム化合物粒子と、酸化ビ
    スマスと、ビヒクルとを含有する抵抗体ペースト、およ
    び銀系の導体粒子とビヒクルとを含有する導体用ペース
    トを、基板用グリーンシート上に所定のパターンで印刷
    し、これを1000℃以下で同時一体焼成することを特
    徴とする配線基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 抵抗体ペーストにおける酸化ビスマス
    が、結晶相の形で添加されている請求項3の配線基板の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 抵抗体ペーストにおける酸化ビスマス
    が、ガラスフリットの内部に固溶された形で添加されて
    いる請求項3の配線基板の製造方法。
JP5164268A 1993-06-08 1993-06-08 配線基板およびその製造方法 Withdrawn JPH06350218A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017063034A (ja) * 2015-09-25 2017-03-30 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. 導電体、その製造方法、およびこれを含む素子
JP2018165222A (ja) * 2017-03-28 2018-10-25 住友金属鉱山株式会社 ルテニウム酸ビスマス粒子を含有するガラスとその製造方法、厚膜抵抗体組成物並びに厚膜抵抗体ペースト
WO2022202808A1 (ja) * 2021-03-25 2022-09-29 東京コスモス電機株式会社 抵抗体、可変抵抗器および抵抗体の製造方法

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