JPH06349523A - 非水電池 - Google Patents

非水電池

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JPH06349523A
JPH06349523A JP5138600A JP13860093A JPH06349523A JP H06349523 A JPH06349523 A JP H06349523A JP 5138600 A JP5138600 A JP 5138600A JP 13860093 A JP13860093 A JP 13860093A JP H06349523 A JPH06349523 A JP H06349523A
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JP
Japan
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battery
negative electrode
electrode
benzotriazole
positive electrode
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Application number
JP5138600A
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English (en)
Inventor
Mitsutoshi Tanaka
光利 田中
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH06349523A publication Critical patent/JPH06349523A/ja
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】非水電池、とくに負極として遷移金属酸化物及
び又は炭素質材料を用いる非水電池において充放電サイ
クルによる著しい容量低下を軽減させる。 【構成】少なくとも正極と負極と非水電解液からなる電
池要素を電池容器に収納した非水電池に於いて、該電池
容器内にベンゾトリアゾールまたはその誘導体を存在さ
せたことを特徴とする非水電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非水電池のサイクル性
改良に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウム金属やリチウム合金を負極の活
物質に用いる非水電池はアルカリ蓄電池(ニッケル−カ
ドミウム電池やニッケル−水素電池)に比べ容量が高い
電池であるが、充放電中にリチウム金属が樹枝状に成長
し内部短絡して発熱したり、この樹枝状金属自体の活性
のため発火したりする危険をはらんでいる。この問題を
解決するため、近年リチウムを吸蔵・放出することがで
きる焼成炭素質材料が実用されるようになってきた。し
かし、この炭素質材料はそれ自体が導電性という欠点を
もち、過充電や急速充電の際に炭素質材料の上にリチウ
ム金属が析出することがある。また、この炭素質材料は
密度が比較的小さいという欠点をもち、体積当たりの放
電容量があまり高くできない。そこで、負極として遷移
金属酸化物を用いるとこれらの欠点を解決できた(特願
平4−106642)。即ち、負極として遷移金属酸化
物を用いる該非水電池は、体積当たり放電容量が比較的
高くしかも、負極上にリチウム金属の析出が起こらず、
高容量、高安全性電池である。ところが、該非水電池に
は以下のような思わぬ問題点がある。該非水電池の負極
活物質は、密度が高く単位体積あたりの充填量が多くで
きる他、該負極の電池反応に関与する価数が多いことで
炭素質負極より多くの容量を持っていると考えられる。
従って、該非水電池の容量を十分に引き出そうとする場
合、放電の終止電圧はなるべく低くしたい。ところが、
放電の終止電圧を下げて行くと、例えば0Vまで放電さ
せると、サイクル性が著しく悪化した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題
点、すなわち、非水電池、とくに負極として遷移金属酸
化物を用いる非水電池において充放電サイクルによる著
しい容量低下を軽減させようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、少なく
とも正極と負極と非水電解液からなる電池要素を電池容
器に収納した非水電池に於いて、該電池容器内に下記一
般式(1)で表されるベンゾトリアゾールまたはその誘
導体を存在させたことを特徴とする非水電池により達成
された。一般式(1)
【0005】
【化2】
【0006】但し、式中、X、Yは置換基を表し、Xは
水素、置換基を有しても良いアルキル、アルケニル、ア
リール、置換アリール、−OCOR、Yは水素、置換基
を有しても良いアルキル、アルケニル、アリール、置換
アリール、−COOR、ハロゲン、水酸基、ニトロ基、
アミノ基、nは0から4の整数で、nが2以上の時は、
Yは同一種の置換基でも異種の置換基でも良い。その中
でも、該負極がリチウム含有遷移金属酸化物および/ま
たは炭素質の負極である第一の手段記載の非水電池に本
発明の化合物を適用することが好ましい。
【0007】本発明に用いるベンゾトリアゾールまたは
その誘導体について詳しく説明する。一般式(1)で表
わされる化合物において、X、Yは置換基を表し、Xは
水素、置換基を有しても良い炭素数1〜16の、アルキ
ル、アルケニル、アリール、置換アリール、−OCO
R、Yは水素、置換基を有しても良い炭素数1〜16
の、アルキル、アルケニル、アリール、置換アリール、
−COOR(RはXで表わされる置換基を表わす。但
し、−OCORは含まない。)、ハロゲン、水酸基、ニ
トロ基、アミノ基、nは0から4の整数で、nが2以上
の時は、Yは同一種の置換基でも異種の置換基でも良
い。さらに具体的には、好ましくは、ベンゾトリアゾー
ル、ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸メチルエステ
ル、N−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イルメチ
ル)ホルムアミド、1H−ベンゾトリアゾール−1−イ
ルメチルイソシアニド、5−メチル−1H−ベンゾトリ
アゾール、5,6−ジメチル−1H−ベンゾトリアゾー
ル、ビス−(1H−ベンゾトリアゾールイル)オキザレ
ート、アリル1H−ベンゾトリアゾールカーボネート、
1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾー
ル−1−イルオキシトリピロリディノフォスフォニウム
塩(PF 6 塩等)、1−ベンゾトリアゾーリル 9−フ
ルオレニルメチル カーボネート、ベンゾトリアゾール
−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)フォスフォ
ニウム塩(PF6 塩等)、2−(2H−ベンゾトリアゾ
ール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチ
ルブチル)フェノール、o−ベンゾトリアゾール−1−
イル−N,N,N′,N′−テトニメチルウロニウム塩
(PF6 塩等)等、より好ましくは、ベンゾトリアゾー
ル、ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸メチルエステ
ル、N−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イルメチ
ル)ホルムアミド、1H−ベンゾトリアゾール−1−イ
ルメチルイソシアニド、5−メチル−1H−ベンゾトリ
アゾール、5,6−ジメチル−1H−ベンゾトリアゾー
ル、ビス−(1H−ベンゾトリアゾールイル)オキザレ
ート、アリル1H−ベンゾトリアゾールカーボネート、
1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾー
ル−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)フォスフ
ォニウム塩(PF6 塩等)、等、最も好ましくは、ベン
ゾトリアゾール、N−(1H−ベンゾトリアゾール−1
−イルメチル)ホルムアミド、5−メチル−1H−ベン
ゾトリアゾール等である。
【0008】本発明に用いるベンゾトリアゾールまたは
その誘導体を存在させる場所は、電解液に可溶の場合
は、好ましくは少なくとも負極に、より好ましくは負
極、セパレータ、電解液、正極に存在させる。この場
合、例えば、ベンゾトリアゾールまたはその誘導体を溶
解した電解液を電池に用いても良いし、また例えば、ベ
ンゾトリアゾールまたはその誘導体を溶解した電解液で
処理した電極を電池に用いても良い。また、例えば電極
を作成する際に電極合剤に添加しても良い。電解液に不
溶の場合は、好ましくは負極、正極に、より好ましくは
負極に存在させる。
【0009】本発明に用いるベンゾトリアゾールまたは
その誘導体を存在させる量は、電池重量(発電要素、電
解液、セパレーター、リードタブ、安全弁、電池缶等、
被覆のない素電池重量全体)当たり、好ましくは1から
1×104 ppm、より好ましくは10から6×103
ppm、最も好ましくは500から5×103 ppmで
あり、また、電解液重量あたり、好ましくは10から1
×105 ppm、より好ましくは100から6×104
ppm、最も好ましくは5×103 から5×104 pp
mである。
【0010】本発明で使用できる正極活物質は、非水電
池用電極材料であれば良いが、特に無機化合物正極活物
質のうち、Co酸化物(特開昭52−12,424、D
E−2,606,915など)、Li−Co酸化物(U
S−3,945,848、US−4,340,652な
ど)、Li−Ni−Co酸化物(EP−243,926
A、特開昭63−114,063、特開昭63−21
1,565、特開昭63−299,056、特開平1−
120,765など)、V酸化物(FR 21,61
1,796、特開昭55−53,077、特開昭62−
140,362、特開昭62−227,358など)、
Li−V酸化物(電気化学48巻432(1980)、
ジャーナル オブ エレクトロケミカル ソサエティー
130巻1225(1983)、特開平2−12,7
69など)、Mn酸化物(EP 269,855、特開
昭63−58,761、など)、Li−Mn酸化物(特
開昭56−136,464、特開昭56−114,06
4、特開昭56−114,065、特開昭56−14
8,550、特開昭56−221,559、特開平1−
5,459、特開平1−109,662、特開平1−1
28,371、特開平1−209,663、特開平2−
27,660)、Li−Ni−Mn酸化物(特開昭63
−210,028など)などがあげられる。
【0011】また、有機高分子正極活物質のうち、ポリ
アニリン誘導体(モレキュラー クリスタル アンド
リキッド クリスタル121巻 173(1985)、
特開昭60−197,728、特開昭63−46,22
3、特開昭63−243,131、特開平2−219,
823など)、ピロール誘導体(ジャーナル オブケミ
カル ソサエティー ケミカル コミュニケーション
854 (1979)、DE 3,223,544A3
A、DE 307,954A、特開昭62−225,5
17、特開昭63−69,824、特開平1−170,
615など)、ポリチオフェン誘導体(特開昭58−1
87,432、特開平1−12,775など)、ポリア
セン誘導体(特開昭58−209,864など)、ポリ
パラフェニレン誘導体などがあげられる。各誘導体は共
重合体も含まれる。この有機高分子化合物については、
「導電性高分子」緒方直哉編 講談社サイエンティフィ
ック刊(1990) に詳細に記載されている。
【0012】本発明で使用できる負極活物質は金属リチ
ウムまたはその合金、リチウムアルミ合金、焼成炭素質
材料(特開昭58−209,864等)、TiS2 、L
iTiS2 (米国特許第3,983,476)、WO2
(米国特許第4,198,476)、LixFe(Fe
2 )O4 などのスピネル化合物(特開昭58−2203
62)、Fe2 3 のリチウム化合物(特開平3−11
2070)、Nb2 5 (特公昭62−59412、特
開平2−82447)、酸化鉄、FeO、Fe 2 3
Fe3 4 、酸化コバルト、CoO、Co2 3 、Co
3 4 (特開平3−291862)、Li含有遷移金属
酸化物等である。本発明で使用できる負極活物質は、好
ましくはLi含有遷移金属酸化物(Li(p) 1(q)
2(1-q)(r ) の式で示される物質を言う。ここで、M1
はCo、Ni、Znから選ばれる少なくとも一種、M2
はV、Nbから選ばれる少なくとも一種、(p)、
(q)、(1−q)、(r)は化合物の元素組成を示す
下付き数字を表し、(p)=0〜3、(q)=0〜1、
(r)=1.2〜5.5である。)およびまたは焼成炭
素質材料であり、より好ましくは、焼成により得られた
リチウム含有遷移金属酸化物であり、最も好ましくは、
化学的にリチウムイオンを挿入して結晶の基本構造を変
化させた焼成により得られたリチウム含有遷移金属酸化
物である。
【0013】導電剤として電極合剤には、通常、天然黒
鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛など)、人工黒
鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェ
ンブラック、炭素繊維や金属(銅、ニッケル、アルミニ
ウム、銀(特開昭63−148,554)など)粉、金
属繊維あるい、ポリフェニレン誘導体(特開昭59−2
0,971)などの導電性材料を1種以上含ませること
ができる。添加量は1から50重量パーセントが好まし
く、とくに2から30重量パーセントが好ましい。正極
容量と負極容量の比率(以下、C/A比と略す。次の式
により求める:C/A比=(正極容量mAH)/(負極
容量mAH))は0.5から5の範囲、より好ましくは
1から4、最も好ましくは1.5から3.5である。結
着剤としては、でんぶん、ポリビニルアルコール、カル
ボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、再生セルロース、ジアセチルセルロース、ポリビニ
ルクロリド、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエ
チレン、ポリ弗化ビニリデン、ポリエチレン、ポレプロ
ピレン、EPDM、スルホン化EPDM、SBR、ポリ
ブタジエン、フッ素ゴム、ボリエチレンオキシドなどの
多糖類、熱可塑性樹脂、ゴムなどが1種以上用いられ
る。添加量は0.5から50重量パーセントが好まし
く、とくに1から15重量パーセントが好ましい。ま
た、繊維状材料のポリプロピレン、ポリエチレンなどの
ポリオレフィン、ガラス、炭素などをフィラーとして加
えてもよい。電極合剤はホモジナイザー、サンドミル、
ディゾルバー、ペイントシェイカー、ニーダーなどで調
製される。電極合剤の支持体として、正極はアルミニウ
ム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンまたはそれら合
金、負極には銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンまた
はそれらの合金が用いられる。支持体の形状は、箔、エ
キスパンドメタル、パンチングメタル、金網などであ
る。これらの中で、正極にはアルミニウム、負極には銅
が最も適している。
【0014】電極合剤の塗布は一般的な方式が用いられ
る。例えば、リバースロール方式、ダイレクトロール方
式、ブレード方式、ナイフ方式、エクストルージョン方
式、スライドホッパー方式、カーテン方式、グラビア方
式、バー方式、ディップ方式、スクイーズ方式が用いら
れる。そのなかでは、好ましくは、ブレード方式、ナイ
フ方式、エクストルージョン方式が用いられる。塗布は
支持体の搬送速度毎分0.1メートルから毎分100メ
ートルの範囲で実施され、電極合剤の物性、乾燥能力に
応じて適宜方式を選定することにより、良好な塗布面の
状態を得ることができる。塗布は平方ミリメートル当た
りの張力0.1キログラム重から100キログラム重の
範囲で実施され、支持体の耐力、ばたつき、カールなど
で適宜選択される。支持体がアルミニウムの場合、平方
ミリメートル当たりの張力1キログラム重から20キロ
グラム重の範囲が好ましく、中でも平方ミリメートル当
たりの張力2.5キログラム重から10キログラム重の
範囲が特に好ましい。支持体が銅またはニッケルまたは
ステンレス鋼の場合、平方ミリメートル当たりの張力2
キログラム重から50キログラム重の範囲が好ましく、
中でも平方ミリメートル当たりの張力2.5キログラム
重から25キログラム重の範囲が特に好ましい。塗布層
の厚み、長さや幅は電池の大きさにより決められるが、
塗布層の厚みは乾燥後圧縮された状態で1ミクロンから
2000ミクロンが特に好ましい。
【0015】塗布されたシート状の電極は、電極合剤中
に溶媒が残存する場合、必要に応じて乾燥工程を設けそ
の溶媒を取り除くことが行われる。乾燥の方法としては
一般の方法が用いられるが、特に、熱風、真空、赤外
線、遠赤外線、マイクロ波、低湿度風、誘電過熱などを
単独であるいは組み合わせて実施することができる。乾
燥温度は摂氏20度から摂氏350度が好ましい。中で
も摂氏40度から摂氏200度がより好ましい。風を用
いる場合、風速毎秒0.1メートルから100メートル
の範囲が好ましく、なかでも風速毎秒1メートルから3
0メートルの範囲がより好ましい。乾燥は平方ミリメー
トル当たりの張力0.1キログラム重から100キログ
ラム重の範囲で実施され、支持体の耐力、ばたつき、カ
ールなどで適宜選択される。支持体がアルミニウムの場
合、平方ミリメートル当たりの張力1キログラム重から
20キログラム重の範囲が好ましく、中でも平方ミリメ
ートル当たりの張力2.5キログラム重から10キログ
ラム重の範囲が特に好ましい。支持体が銅またはニッケ
ルまたはステンレス鋼の場合、平方ミリメートル当たり
の張力2キログラム重から50キログラム重の範囲が好
ましく、中でも平方ミリメートル当たりの張力2.5キ
ログラム重から25キログラム重の範囲が特に好まし
い。
【0016】電極シートは必要な形状に裁断して用いら
れる。裁断される正極と負極の幅の関係は、好ましくは
0.2ミリメートル以上5ミリメートル以下の範囲で正
極の幅より負極が広いこと、より好ましくは0.5ミリ
メートル以上4ミリメートル以下の範囲で正極の幅より
負極が広いことである。裁断の方法として、慣用剪断
法、精密打抜法、バリなし剪断法、平押し法、上下抜き
法、バリ片寄せ打抜法などが用いられる。電極シート
(正極および又は負極)切断面は最も好ましくはバリ
(切断時に生じる被切断材突起の総称)が全く出ないよ
う切断されることであるが、多少のバリ発生は許容され
る。この場合、バリの電極厚方向の長さは好ましくは電
極厚の0パーセントから50パーセント、より好ましく
は電極厚の5パーセントから25パーセントである。裁
断は平方ミリメートル当たりの張力0.1キログラム重
から100キログラム重の範囲で実施され、支持体の耐
力、ばたつき、カールなどで適宜選択される。支持体が
アルミニウムの場合、平方ミリメートル当たりの張力1
キログラム重から20キログラム重の範囲が好ましく、
中でも平方ミリメートル当たりの張力2.5キログラム
重から10キログラム重の範囲が特に好ましい。支持体
が銅またはニッケルまたはステンレス鋼の場合、平方ミ
リメートル当たりの張力2キログラム重から50キログ
ラム重の範囲が好ましく、中でも平方ミリメートル当た
りの張力2.5キログラム重から25キログラム重の範
囲が特に好ましい。
【0017】シート状の電極は、電極合剤中に水が残存
する場合、必要に応じて脱水工程を設けその水を取り除
くことが行われる。脱水の方法としては一般の方法が用
いられるが、特に、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、マ
イクロ波、低湿度風、誘電過熱などを単独であるいは組
み合わせて実施することができる。乾燥温度は摂氏20
度から摂氏350度が好ましい。中でも摂氏100度か
ら摂氏250度がより好ましい。脱水は平方ミリメート
ル当たりの張力0.1キログラム重から100キログラ
ム重の範囲で実施され、支持体の耐力、ばたつき、カー
ルなどで適宜選択される。支持体がアルミニウムの場
合、平方ミリメートル当たりの張力1キログラム重から
20キログラム重の範囲が好ましく、中でも平方ミリメ
ートル当たりの張力2.5キログラム重から10キログ
ラム重の範囲が特に好ましい。支持体が銅またはニッケ
ルまたはステンレス鋼の場合、平方ミリメートル当たり
の張力2キログラム重から50キログラム重の範囲が好
ましく、中でも平方ミリメートル当たりの張力2.5キ
ログラム重から25キログラム重の範囲が特に好まし
い。電極合剤中に残存する水の量を含水量と呼ぶことに
すると、含水量は電池全体で2000ppm以下が好ま
しい。電極合剤中では500ppm以下が好ましく、2
00ppm以下がより好ましい。
【0018】該電極シートは必要に応じてプレスされ
る。プレスは直系10センチメートルから100センチ
メートル程度のカレンダーロールを用いることが好まし
く、搬送速度0.1から50メートル/分で0.2から
10トン/平方センチメートルの圧力が好適である。ま
た必要に応じて摂氏20度から200度に過熱される。
該支持体の表面は必要なら凹凸にして電極活物質との密
着力を向上させる。この凹凸は予め陽極酸化、電解、サ
ンドブラスト、粗面圧延等により設けてもよいし、活物
質塗布後、例えば前記プレスによつて設けてもよい。凹
凸のサイズは0.1ミクロンから10ミクロン程度であ
る。負極の電極シートには必要に応じてシート状態での
充電が行われる。これは電解液中に負極の電極シートと
リチウムまたはリチウムを放出できる物質を浸漬し、該
負極の電極シートの電位を該リチウムまたはリチウムを
放出できる物質に対し卑に保つことで実施される。電極
シートには必要に応じてリードタブが設けられる。リー
ドタブの材質として、正極の電極シート用にはアルミニ
ウム、ニッケル、チタン、ステンレス鋼またはこれらの
合金、負極の電極シート用には銅、ニッケル、チタン、
ステンレス鋼またはこれらの合金が用いられる。これら
の中で、正極の電極シート用にはアルミニウム、負極の
電極シート用にはニッケル、銅が好ましい。リードタブ
の形状はリボン状が一般的だが、タブの一方に電極体
(後述)直径程度の円形部分(さらに必要なら大小穴、
切れ込み等をあけ、電極体と接する部分を切り立たせ
る)を設け、該円形部を電極体の上面または下面に溶接
等で取り付けそれぞれ複数箇所から電気を導き出すこと
も可能である。この場合、一方の電極支持体の耳部が上
面に、他方の電極支持体の耳部が下面にくることが必要
である。また、すくなくとも一方の電極支持体の耳部が
上面または下面にある場合、これに少なくとも一カ所、
場合によっては複数箇所集電部材を接触させて電気を導
き出すことも可能である。
【0019】リードタブの取り付け位置は、正極の電極
シートの場合、巻回時最も内側になる部分、負極の電極
シートの場合、巻回時最も外側になる部分が好ましい。
また、必要なら適当な間隔を空けて2本またはそれ以上
取り付けても良い。取り付け方法としては、直流抵抗溶
接、交流抵抗溶接、圧接、レーザー溶接、超音波溶接な
どがある。上記リードタブには必要に応じて絶縁テープ
が貼付される。絶縁テープの材質としては、基材はアラ
ミド繊維、ポリイミド、平面紙、カプトン、超高分子量
ポリエチレン、テフロン、ポリエステル、硬質塩化ビニ
ル、ポリウレタン、ビニール、不織布、薄葉紙、紙、ア
クリルフォーム、ウレタンフォーム、エラストマフォー
ム、クレープ紙、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポ
リエチレン、ガラスクロス、アルミナクロス等のうちか
ら1種以上、粘着剤としては、シリコーン系、アクリル
系、エポキシ系、ゴム系から1種以上が用いられる。こ
れらの中で、基材がカプトン、粘着剤がシリコン系のテ
ープ、基材がアラミド繊維、粘着剤がシリコン系のテー
プ、基材がポリイミド、粘着剤がアクリル系のテープが
好ましい。テープの形状は適宜選択される。リードタブ
がリボン状の場合、該リボンの幅より少し広いテープを
片面または両面に貼り付けても良いし、該リボン幅と等
しい幅のテープを片面または両面に貼り付けても良い
し、該リボンをテープで包んでも良い。該包みかたは、
該リボンの幅の2倍以上の幅のテープで包んでも良い
し、細長いテープで該リボンを螺旋状に包んでも良い。
【0020】セパレーターは、イオン透過度が大きく、
所定の機械的強度を持つ、絶縁性の薄膜である。セパレ
ーターの材質はポリプロピレン、ポリエチレンなどのオ
レフィン系ポリマー、ガラス繊維、ポリエチレン、アル
ミナ繊維、フッ素系ポリマー、セルロース系ポリマー、
ポリイミド、ナイロン等である。これらのなかで耐有機
溶剤性と疎水性からかポリプロピレン、ポリエチレンが
好ましく、中でもポリプロピレンが最も好ましい。セパ
レーターの形状は、微孔性シート状、不織布状、織布状
等が用いられる。これらのなかで微孔性シート状が好ま
しい。微孔性セパレーターの空孔率(ASTM D28
73による値)は好ましくは空孔率35パーセントから
40パーセント、より好ましくは空孔率37パーセント
から39パーセントである。該微孔性セパレーターの孔
径(SEMにより観察)は、好ましくは、長径で最大孔
径0.05ミクロンから0.15ミクロン、短径で最大
0.01ミクロンから0.07ミクロンである。より好
ましくは、長径で最大孔径0.1ミクロンから0.14
ミクロン、短径で最大0.03ミクロンから0.06ミ
クロンである。また該セパレーターの厚みは25ミクロ
ン前後、20ミクロンから30ミクロンが好ましい。ま
た該セパレーターの他の物性値は、空気透過抵抗(AS
TM D−726による値)は25から60sec/1
0ml、収縮率(ASTM D−1204、摂氏90度
60分の値)5パーセント未満、引っ張り強さ(AST
M D−882)MD値が1055キログラム/平方セ
ンチメートル程度、TD値が84キログラム/平方セン
チメートル程度が好ましい。また、該セパレーターは複
数枚貼り合わせて使用してもよい。その場合の貼り合わ
せ枚数は2枚が最も好ましい。また、セパレーターは必
要に応じてグロー放電処理、コロナ放電処理、プラズマ
放電処理などを実施される。またセパレーターには必要
に応じて界面活性剤を含ませても良い。
【0021】必要に応じて巻芯を用いることができる。
巻芯の材質は、ステンレス鋼(SUS304、SUS3
01、SUS316、SUS430等)、アルミニウ
ム、チタン、ニッケル、銅、ニッケルメッキ鉄、または
それらの合金、ガラス、アルミナ、セラミック、粘土、
プラスチック、アラミド繊維、ポリイミド、紙、カプト
ン、超高分子量ポリエチレン、テフロン、ポリエステ
ル、硬質塩化ビニル、ポリウレタン、ビニール、アクリ
ルフォーム、ウレタンフォーム、エラストマフォーム、
クレープ紙、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリエ
チレン等が用いられる。巻芯の形状は、中空筒状で断面
O文字状のもの、中空筒状でかつ一部が切れた断面C文
字状のもの、棒状のもの、多孔質のものなどが使用でき
る。また、該巻芯形状は、両端に角がなく丸みを帯びた
もの、両端近傍から端部にかけて外径が小さくなってい
るもの等が好まれる。また、該巻芯は、電極巻回の始め
から使用されても良いし、電極巻回後に挿入されても良
いし、電極体を電池缶に挿入した後に挿入されても良
い。
【0022】電極の巻回は公知の電解コンデンサー電極
の巻回に準じて実施することができる。巻回は巻回体外
側に位置するシートから順に書くと、外側セパレータ
ー、外側電極、内側セパレーター、内側電極の順に重ね
られて実施される。外側電極が負極、内側電極が正極で
も良いし、その逆でも良い。電池缶が負極端子を兼ねる
場合外側電極を負極、内側電極を正極とするのが好まし
い。外側セパレーターと内側セパレーターは巻始部付近
で連続していても良いし、独立していても良い。また外
側セパレーターと内側セパレーターは封筒状に周辺で連
続していても良い。巻回の巻き始めは、セパレーターを
巻芯に固定して巻芯を回転する方法、セパレーターを巻
芯に挟んで(巻芯はセパレーターを挟めるよう割形とな
っている)巻芯を回転する方法、正極、あるいは負極の
支持体を巻芯に固定して巻芯を回転する方法などがあ
る。セパレーターは適当な力で引っ張られると良い。セ
パレーターの引っ張りテンションは好ましくは50グラ
ム重/平方ミリメートルから10キログラム重/平方ミ
リメートル、より好ましく100グラム重/平方ミリメ
ートルから2000グラム重/平方ミリメートル、最も
好ましくは500グラム重/平方ミリメートルから10
00グラム重/平方ミリメートルである。該テンション
は巻回中一定に制御しても良いし、巻始めから巻終わり
にかけて連続的に大きくしても良いし、巻始めから巻終
わりにかけて連続的に小さくしても良い。巻回の回転速
度は毎分20回転から毎分3000回転の範囲が好まし
い。中でも毎分30回転から毎分300回転の範囲がよ
り好ましい。巻回の回転速度は巻回中一定に制御しても
良いし、巻始めから巻終わりにかけて連続的に大きくし
ても良いし、巻始めから巻終わりにかけて連続的に小さ
くしても良い。巻回した電極体は断面が略円形の円柱状
にてしも良いし、断面が長円の長円柱状にしても良い。
【0023】セパレーター、電極、電極支持体、巻き止
めテープなどのウエブハンドリングは段差ロール、テン
ションピックアップなどでテンション値を検出し、テン
ションの揺らぎを吸収し、巻トルク、回転数を調整して
テンション値を適切に制御すル。また幅方向の位置ずれ
を防止するため、フランジ付きローラーを用いたり、幅
方向の位置検出センサー、幅方向の位置修正ロールを用
いてずれを防止する。幅方向の位置の検出は幅中心を検
出する場合と、エッジを検出する場合がある。位置修正
ロールは、1本または2本のロールを、ロールの中央付
近を軸として角度可変とし、ずれが小さくなる方向に変
化させることで実現される。また少なくとも2本以上の
幅方向位置可変ロールを順次ウエブに接触させ、該接触
時にずれを小さくする方向に該ロールを平行移動させて
実現する場合がある。
【0024】巻回された電極体は必要に応じて巻止テー
プを貼付される。巻止めテープの材質としては、基材は
アラミド繊維、ポリイミド、平面紙、カプトン、超高分
子量ポリエチレン、テフロン、ポリエステル、硬質塩化
ビニル、ポリウレタン、ビニール、不織布、薄葉紙、
紙、アクリルフォーム、ウレタンフォーム、エラストマ
フォーム、クレープ紙、ポリオレフィン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ガラスクロス、アルミナクロス等、
粘着剤としては、シリコーン系、アクリル系、エポキシ
系、ゴム系が用いられる。これらの中で、基材がカプト
ン、粘着剤がシリコン系のテープ、基材がアラミド繊
維、粘着剤がシリコン系のテープ、基材がポリイミド、
粘着剤がアクリル系のテープが好ましい。また巻止テー
プは、電極体の外周の一部に貼付されても良いし、電極
体外周の全周にわたって貼付されてもよいし、場合によ
っては、前記負極リードタブ部分を残してほぼ全周に貼
付されてもよい。また巻止テープは、電極体の長さの一
部の幅でも良いし、電極体の長さの全長の同幅でもよ
い。また、電極体の外周にセパレータを1周、2周、3
周、4周、5周程度余計に巻き、外周を超音波やヒータ
ーで熱溶着して止めても良い。
【0025】前記電極体は電池缶に収納される。電池缶
の材質は、ニッケルメッキ鉄板、ステンレス鋼(SUS
304、SUS304L、SUS304N、SUS31
6、SUS316L、SUS430、SUS444
等)、ニッケルメッキステンレス鋼(同)、アルミニウ
ムまたはアルミニウム合金、ニッケル、銅、チタン等で
ある。電池缶の形状は有底円筒状、有底長円筒状、遊底
長方筒状などである。電池缶の肉厚は100から500
ミクロンが適当である。内容積を増やす意味では肉厚を
50から150ミクロン程度に薄くするとよい。この場
合、缶底は曲面にしたり、300から500ミクロンに
厚くするなどして内圧による変形を防止することが好ま
しい。また薄くした缶の強度を増すため、材質は前記ス
テンレス鋼、炭素鋼、チタン合金が好ましく、より薄く
する意味では、超塑性ステンレス鋼が好ましい。
【0026】電極体と電池缶底の間、かつ又は、電極体
と電池蓋の間には必要に応じて絶縁板が設けられる。絶
縁板の材質としては、アラミド繊維、ポリイミド、平面
紙、カプトン、超高分子量ポリエチレン、テフロン、ポ
リエステル、硬質塩化ビニル、ポリウレタン、ビニー
ル、不織布、薄葉紙、紙、アクリルフォーム、ウレタン
フォーム、エラストマフォーム、クレープ紙、ポリオレ
フィン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ガ
ラスクロス、アルミナクロス等が用いられる。絶縁板は
必要なら多孔質でも良い。
【0027】電池缶に電極体を挿入するには巻止テープ
を電極体に付けたまま挿入する方法、巻止テープを剥ぎ
取って挿入する方法、電池缶を規定の太さより50から
500ミクロン太めに作っておき電極体挿入後の適当な
段階で電池缶を絞って規定の太さにする方法等がある。
巻止テープを電極体に付けたまま挿入するには電極体の
挿入先端形状が乱れないよう巻止テープが少なくとも該
先端付近を十分覆っていることが好ましい。またリード
タブが外周付近にある場合、リードタブ部分を避けて巻
止テープが巻かれていると、電極体断面が真円に近づ
き、挿入がたやすい。電極体の挿入後、リードタブのう
ち一方の電極の支持体と接続されているものを電池缶の
底部内側に溶接すると良い。取り付け方法としては、直
流抵抗溶接、交流抵抗溶接、圧接、レーザー溶接、超音
波溶接などがある。電極体等を挿入した電池缶は、その
開口部付近の直径を少し細くして蓋やガスケットを支え
やすくすることができる(この細い部分をビード、この
操作をビーディングと言う)。ビードは電池缶を回転さ
せながら側面から円盤状ローラーで押して設けられる。
このとき、電池缶開口部端を内側から適当に押して支え
ると良い。また、電池缶を上下から押す場合もある。こ
のほか、電池缶開口部付近の直径を予め太く作成してお
いても良い。
【0028】電池缶開口部付近の内側、および又は、ガ
スケットには必要に応じてシール剤を塗布することがで
きる。シール剤の材質としてはアスファルト、コールタ
ール等のピッチ(瀝青物)、またはその混合物が好まし
い。該混合物としては鉱物油、シリコンゴム、熱可塑性
または熱硬化性樹脂(酢酸ビニル、あるいは、アタクチ
ックポリプロピレン)、ゴムラテックス(スチレンブタ
ジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチ
レンプロピレンゴムのいずれかあるいはこれらの混合物
をカチオン界面活性剤とともに水に分散懸濁)、非シリ
コン系ゴム(天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(I
R)、ブタジエンゴム(BR)、1,2−ポリブタジエ
ン(1,2−BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SB
R)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NB
R)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレンゴ
ム(EPM、EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレ
ン(CSM)、アクリルゴム(ACM、ANM))等か
あげられる。これらのなかで該混合物としては非シリコ
ン系ゴムが好ましい。さらにモンモリロン石群鉱物など
の粘土鉱物を添加したものがより好ましい。シール剤は
非極性有機溶媒に溶解し混合し、もし必要ならば不純物
をろ過・沈降等で除去し、適切な粘度に調製した後塗布
し、該有機溶媒を蒸発させてシール剤塗布膜を形成され
る。該有機溶媒としては具体的にはトルエン、キシレ
ン、シクロヘキサン、ヘキサン、クロロホルム、ジクロ
ロエタン、ジクロロメタン、等、又は、これらの混合物
である。また、加熱により溶解・塗布しても良い。シー
ル剤の塗布の方法は、缶、またはガスケットまたは封口
板を回転させながら塗布する方法と、シール剤が吐出す
るノズル先端を円形に回転させて塗布する方法がある。
回転数は毎分1から6000回転が好ましく、なかでも
毎分60から600回転がより好ましい。また回転軸は
垂直の場合、45度から30度傾斜させる場合がある。
シール剤を吐出させるノズルは、バルブ付きノズル、断
面長方形のノズル、断面円形のノズル、先端扇形ノズ
ル、先端曲面ノズルなどで、先端付近を撥液処理したも
の、45度から30度傾斜させて取り付けたもの等が用
いられる。ノズルにシール剤を送るには、シール剤の液
面を加圧気体で押す方法、重力による自然落下、しごき
ポンプ、フランジポンプ、注射器型ポンプ、ギアポン
プ、ロータリーポンプ、モーノポンプ、毛管浸透等が用
いられる。
【0029】該電極体の巻回後、または、電池缶への挿
入・缶底溶接後、または、ビード・シール剤塗布後の何
れか1つ以上のタイミングで、必要に応じてリーク電流
測定及びまたは絶縁測定が実施される。リーク電流は例
えば正極リードタブまたは端子と負極リードタブまたは
端子との間に1から10ボルトの直流または交流電圧を
印加し流れる電流を1ピコアンペア、或いは0.1から
0.001ピコアンペアまで測定する。このような装置
は、例えばキースレイ社のQuasistatic C
V Meter Model 595がある。また絶縁
は正極リードタブまたは端子と負極リードタブまたは端
子との間に100から5000ボルトの直流または交流
電圧を印加し、スパーク電流の有無を観測するものであ
る。このような装置は、例えばサンコー電子社のピンホ
ールテスタ TR−D型がある。リーク電流は引加電圧
10ボルトのとき1ピコアンペア未満が好ましく、絶縁
は少なくとも1000ボルトでスパークしないことが好
ましい。
【0030】本発明で言う非水電解液とは、分子量が概
ね1万未満であって、常温での使用形態で液体(単独で
は固体でも、混合溶媒とすることで液体として使用する
ものも含む)の非水電解質を言う。本発明の電池は以下
の非水電解液で能力を発揮することができる。プロピオ
ンカーボネート、エチレンカーボネート、ガンマ−ブチ
ルラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロ
フラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスル
フォキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジ
メチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、
ニトロメタン、リン酸トリエステル(特開昭60−2
3,973)、トリメトキシメタン(特開昭61−4,
170)、ジオキソラン誘導体(特開昭62−15,7
71、特開昭62−22,372、特開昭62−10
8,474)、スルホラン(特開昭62−31,95
9)、3−メチル−2−オキサゾリジノン(特開昭62
−44,961)、プロピオンカーボネート誘導体(特
開昭62−290,069、特開昭62−290,07
1)、テトラヒドロフラン誘導体(特開昭63−32,
872)、エチルエーテル(特開昭63−62,16
6)、1,3−プロパンスルトン(特開昭63−10
2,173)などの非プロトン性有機溶媒の少なくとも
1種以上を混合した溶媒とその溶媒に溶けるリチウム
塩、例えば、ClO4 - 、、BF4 - PF6 - 、C
3 SO3 - 、CF3 CO2 - 、AsF6 - 、SbF6
- 、B10Cl10(特開昭57−74,974)、(1,
2−ジメトキシエタン)2 ClO4 - (特開昭57−7
4,977)、低級脂肪族カルボン酸塩(特開昭60−
41,773)、AlCl4 - 、Cl- 、Br- 、I-
(特開昭60−247,265)、クロロボラン化合物
(特開昭61−165,957)、四フェニルホウ酸
(特開昭61−214,376)などの一種以上から構
成されたものを言う。なかでも、プロピオンカーボネー
トと1,2−ジメトキシエタンの混合液にLiBF4
含む電解液、エチレンカーボネートとジエチレンカーボ
ネートの混合液にLiPF6 を含む電解液が好的であ
る。
【0031】電解液の水分含量は好ましくは2000p
pm以下、より好ましくは500ppm以下、最も好ま
しくは100ppm以下である。
【0032】電解液と活物質の比率((電解液の重量)
/((正極活物質重量)+(負極活物質重量)))は
0.05から10が好ましく、中でも0.1から0.6
がより好ましい。
【0033】電池内部に残す気相(空気、アルゴン、電
解液蒸気などで満たされ、液体、固体を含まない部分)
の体積は電池内部の容積の0.1から30%が好まし
く、中でも0.2%から5%がより好ましい。
【0034】ガスケットの材質は、ポリエチレン樹脂、
ポリプロピレン樹脂、ナイロン樹脂が一般的である。樹
脂水分透過係数(単位:立方センチメートル・センチメ
ートル/平方センチメートル・秒・パスカル)は好まし
くは200以下、より好ましくは100以下、最も好ま
しくは80以下である。ポリプロピレンとしてはホモポ
リマー、ブロック共重合体、ランダム共重合体等が用い
られ、フィラーを添加するなどして強度を高める場合が
ある。共重合体ではエチレン等が用いられる。また、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレンゴム
の混合体を用いる場合、結晶核剤を加えて結晶化度50
から70%にする場合がある。また、メルトフローレー
ト0.5から50(グラム/10分)、引っ張り強度1
50から800(キログラム重/平方センチメート
ル)、伸び率10から1000(%)、曲げ弾性率50
00から30000(キログラム重/平方センチメート
ル)、ロックウエル強度50から200(Rスケー
ル)、ビカット軟化点80から200(摂氏温度)、熱
変形温度50から150(摂氏温度)、アイゾット衝撃
強度1から50(キログラム重・センチメートル/平方
センチメートル)、圧縮弾性率2000から18000
(キログラム重/平方センチメートル)、圧縮強度15
0から1200(キログラム重/平方センチメートル)
が好ましい。ガスケット表面はグロー処理、プラズマ処
理、コロナ処理などを施してもよい。またガスケットは
使用前に摂氏50度から200度の範囲で10分から1
00時間、熱処理してもよい。
【0035】封口板及びまたはキャップの材質はステン
レス鋼(SUS201、(以下SUSを略す)202、
301、301J1、302、302B、404、30
4L、304N1、304N、2304LN、305、
309S、310S、316、316L、316N、3
16LN、316J1、316J1L、317、317
L、317J1、321、347、XM15J1、32
9J1、329J2L、405、410L、429、4
30、430LX、434、436L、444、447
J1、XM27、403、410、410S、420J
1、420J2、429J1、440A、631)、ア
ルミニウムまたはその合金(JIS呼称:1N99、1
N90、1085、1080、1070、1060、1
050、1230、1N30、1100、1200、1
N00、2011、2014、2017、2117、2
018、2218、2618、2219、2024、2
025、2N01、3003、3203、3004、3
104、3005、3105、4032、5005、5
052、5652、5154、5254、5056、5
082、5182、5083、5086、5N01、5
N02、6101、6003、6151、6061、6
N01、6063、7003、7N01、7050、7
072、7075)、チタンまたはその合金(JIS
1種、同2種、同3種、Ti−0.15Pd、Ti−
0.3Mo−0.8Ni、Ti−5Ta等)、ニッケル
またはその合金、銅またはその合金、モネル、インコネ
ル、ハステロイ、ニッケルメッキ鉄などである。
【0036】電池容器とは、電池要素を外の温度湿度等
の環境から隔離し、該電池要素の正常な電気化学反応を
保つ機能のものであり、例えば前記電池缶、ガスケッ
ト、封口板、キャップなどがこれにあたる。安全弁は、
封口板とキャップの間、及びまたは、電池缶の一部、及
びまはた、封口板の代わりとして設けられる。本発明の
電池の内部、及びまたは、キャップ部分、及びまたは、
缶底部分、及びまたは、外部の導電接続部分には、PT
C素子、及びまたは、温度ヒューズ、及びまたは、ヒュ
ーズ、及びまたは、電流遮断素子などの安全素子をそな
えることができる。
【0037】本発明の電池の封口の方法には幾つか種類
がある。その一つは、一方の端子を兼ねる金属缶と他方
の端子を兼ねる金属フタまたは金属ピンとの間に絶縁性
封口体を配置するもので、この方法では、通常、金属
缶、絶縁性封口体、フタまたはピンを重ねたのち、金属
缶開口部(あるいはピンの一方)に力を加えて絶縁性封
口体を押圧する側への塑性変形を施す事(クリンプ封
口、カシメ封口と呼ばれる)で封口される。封口方法の
別の一つは、絶縁を取るためにハーメチックシールを用
いる方法である。この方法では、通常フタにハーメチッ
クシールが組み込まれるため、フタの中心と外側で絶縁
が取られており、フタの周辺と金属缶との接合には必ず
しも絶縁性封口体を必要としない。またこの場合、フタ
の周辺の接合には、抵抗溶接、レーザー溶接などを用い
てもよい。
【0038】本発明の電池は必要ならば封口後、または
封口前、または封口中に電池缶を絞って直径を小さくし
ても良い。さらに具体的には、電池缶の直径を出来上が
りの寸法より50ミクロンから300ミクロン大きく設
定しておき、封口後、絞って規定の直径にしても良い。
本発明の電池は必要ならば封口後、キャップの周辺に絶
縁板または絶縁塗料層を設けると良い。構成する部材
(正極集電体、負極集電体、正極リードタブ、負極リー
ドタブ、セパレーター、巻芯、絶縁板、ガスケット、電
池缶、封口板、キャップ、安全弁、安全素子など)は、
必要ならば洗浄及びまたは乾燥して使用される。洗浄は
水、フロン、アセトン、アルコールなどを用いるとよ
い。また洗浄には超音波を用いるとよい。乾燥は摂氏3
0度から摂氏100度の温風を吹き付ける、または、減
圧にするなどして実施される。場合によっては、遠赤外
線、マイクロ波などの輻射線を照射しても良い。
【0039】構成する部材(巻芯、絶縁板、ガスケッ
ト、電池缶、封口板、キャップ、安全弁など)は、必要
ならばサイズの公差、円筒度、真円度、真直度、平行度
などを検査・選別し、また必要に応じてサイズの公差、
円筒度、真円度、真直度、平行度などが一定の範囲とな
るよう製作したものを用いるとよい。サイズの公差は好
ましくは0.1ミリメートル以内、より好ましくは0.
03ミリメートル以内、円筒度は好ましくは0.1ミリ
メートル以内、より好ましくは0.03ミリメートル以
内、真円度は好ましくは0.1ミリメートル以内、より
好ましくは0.03ミリメートル以内、真直度は好まし
くは0.1ミリメートル以内、より好ましくは0.03
ミリメートル以内、平行度は好ましくは0.1ミリメー
トル以内、より好ましくは0.03ミリメートル以内で
ある。
【0040】封口した本発明の電池は必要に応じて洗浄
及びまたは乾燥される。洗浄は水、フロン、アセトン、
アルコールなどを用いるとよい。また洗浄には超音波を
用いるとよい。乾燥は摂氏30度から摂氏100度の温
風を吹き付ける、または、減圧にするなどして実施され
る。場合によっては、遠赤外線、マイクロ波などの輻射
線を照射しても良い。また洗浄後に遠心力や強風を及ぼ
し洗浄溶媒滴を飛ばしてもよい。本発明の電池は必要に
応じて後処理される。回路電圧測定、内部抵抗測定、充
電、放電、摂氏20度から90度で1時間から30日の
間熱処理、容量選別、回路電圧選別、内部抵抗選別など
を、単独でまたは組み合わせて実施することができる。
また活性化のため波高値10から1000mV、周波数
10万から1ヘルツの交流をかけることもある。電池の
充電や放電は電池ごとに個別に行ってもよいが、10個
から1000個の単位で同時に実施すると効率がよい。
たとえば、10個から1000個の電池を直列に繋いで
同一回路同一電流値で充電または放電する方法である。
また例えば10個から1000個の電池を並列に繋いで
同一電圧で充電または放電する方法である。本発明の電
池は必要に応じて外装材で被覆される。外装材として
は、熱収縮チューブ、粘着テープ、紙、布、塗料、プラ
スチックケースなどがある。また、外装または、電池パ
ックの少なくとも一部に、熱で変色する部分を設け、使
用中の熱履歴がわかるようにしてもよい。
【0041】本発明の電池は必要に応じて1本または複
数本を直列または並列に組み電池パックに収納される。
複数本としては3本直列、2本直列、4本直列、5本直
列、6本直列、3本並列、2本並列、4本並列、5本並
列、6本並列など。またこの電池パックにはPTC素
子、及びまたは、温度ヒューズ、及びまたは、ヒュー
ズ、及びまたは、電流遮断素子などの安全素子の他、安
全回路(各単電池及びまたは組電池全体の電圧、温度、
電流などをモニターし、必要なら電流を遮断する機能を
有す回路)を設けても良い。また電池パックには組電池
全体の正極端子、組電池全体の負極端子以外に、各単電
池の正極端子、各単電池の負極端子、各単電池の温度検
出端子、組電池全体の温度検出端子、組電池全体の電流
検出端子、各単電池の圧力検出端子などの、少なくとも
1種以上を外部端子として設けることができる。またこ
の外部端子の代わりに、該外部端子によって伝えようと
する情報を含んだ信号を内部で発生させ、該信号を外部
で受信しても良い。該信号には電磁波を用いるのが好ま
しく、該信号の伝達路は組電池全体の正極端子または組
電池全体の負極端子を用いることが好ましい。また電池
パックには、電圧変換回路(DC−DCコンバータ等)
を内蔵してもよい。また各単電池の接続はリード板を溶
接などで強固に固定して行っても良いし、ソケットなど
で容易に着脱できるように固定しても良い。また、接続
の順番は一定でもよいし、必要ならば、充電時と放電時
とで並列にしたり直列にしたりできるようにスイッチ素
子で切り替えられ可能に作ってもよい。さらには、電池
パックに電池残存容量、充電の有り無し、使用回数など
の表示機能を設けても良い。
【0042】本発明の電池は単電池または組電池で充電
される。単電池の充電は、一定の電流、たとえば500
ミリアンペアで充電し一定の電圧、例えば4.3ボルト
で停止しても良いし、該一定の電圧までは該一定の電流
で充電し、該一定の電圧に到達したのちは該一定の電圧
を保ちながら充電電流を徐々に小さくし、特定の電流値
または特定の時間経過後に停止しても良い。組電池での
充電は、一定の電流、たとえば500ミリアンペアで充
電し一定の電圧、例えば4.3ボルトで停止しても良い
し、該一定の電圧までは該一定の電流で充電し、該一定
の電圧に到達したのちは該一定の電圧を保ちながら充電
電流を徐々に小さくし、特定の電流値または特定の時間
経過後に停止しても良い。この場合、端子や信号によっ
て得られる電池パック内部の状況に応じて充電を制御し
ても良い。
【0043】本発明の電池は様々な機器に使用される。
ビデオムービー、モニター内蔵携帯型ビデオデッキ、モ
ニター内蔵ムービーカメラ、コンパクトカメラ、一眼レ
フカメラ、使い捨てカメラ、レンズ付きフイルム、ノー
ト型パソコン、ノート型ワープロ、電子手帳、携帯電
話、コードレス電話、ヒゲソリ、電動工具、電動ミキサ
ー、自動車など。このばあい、必要な電流値で使用され
るが、過剰な電流(例えば4アンペア)が流れたら停止
する、特定の電圧値で停止する、その他、端子や信号に
よって得られる電池パック内部の状況に応じて放電を制
御しても良い。本発明は非水電池に関するものである。
しかし、本発明の第一、第二、第三の手段におけるポリ
マーの組成物を含む安全弁は、アルカリ電池、ニッケル
カドミウム電池、ニッケル水素電池、鉛蓄電池の安全弁
として用いても良い。
【0044】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明の趣旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。 実施例1 正極活物質としてLiCoO2 、導電剤としてアセチレ
ンブラックをそれぞれ87重量部、10重量部の割合で
混合し、さらに結着剤として固形分で3重量部のポリフ
ッ化ビニリデン溶液を加え混練した後、厚さ20ミクロ
ンのアルミニウム箔集電体の両面に塗布した。該ポリフ
ッ化ビニリデン溶液の溶媒としてはN−メチルピロリド
ンを使用した。上記塗布物を乾燥後、ローラープレス機
により圧縮成型し、さらにこれを切断して帯状の正極シ
ートを作成した。該正極シートの切断後の幅は40ミリ
メートルであった。負極活物質としてLiVCoO
4 (該活物質は摂氏800度6時間空気中で焼成し
た)、導電剤としてアセチレンブラックをそれぞれ87
重量部、9重量部の割合で混合し、さらに結着剤として
固形分で4重量部のポリフッ化ビニリデン溶液を加え混
練した後、厚さ20ミクロンの銅箔集電体の両面に塗布
した。該ポリフッ化ビニリデン溶液の溶媒としてはN−
メチルピロリドンを使用した。上記塗布物を乾燥後、ロ
ーラープレス機により圧縮成型し、さらにこれを切断し
て帯状の負極シートを作成した。該負極シートの切断後
の幅は42ミリメートルであった。微孔性ポリプロピレ
ン製セパレーター、上記負極シート、微孔性ポリプロピ
レン製セパレーターおよび上記正極シートの順で積層
し、これを渦巻き状に巻回し、この巻回体を負極端子を
兼ねる、ニッケルめっきを施した鉄製の有底円筒型電池
缶に収納した。さらに電解質として0.1mol/リッ
トルのベンゾトリアゾールを添加した1mol/リット
ルの六弗化りん酸リチウム(エチレンカーボネートとブ
チレンカーボネートとジエチルカーボネートの2:2:
6の容量比混合液)を電池缶内に注入した(ベンゾトリ
アゾール添加量は電池重量当たり約1100ppm、電
解液あたり11900ppm)。安全弁を有する正極端
子を兼ねる電池蓋をガスケットを介してかしめて図1の
円筒型電池を作成した。なお正極端子は正極シートと、
負極缶は負極シートと予め電池内部で正極側アルミニウ
ム製リードタブ、負極側ニッケル製リードタブにより接
続した。
【0045】実施例2 電解質として0.05mol/リットルの5−メチル−
1H−ベンゾトリアゾールを添加した1mol/リット
ルの六弗化りん酸リチウム(エチレンカーボネートとブ
チレンカーボネートとジエチルカーボネートの2:2:
6の容量比混合液)を電池缶内に注入した他は、実施例
1と同様に電池を作成した(5−メチル−1H−ベンゾ
トリアゾール添加量は電池重量当たり約620ppm、
電解液あたり7000ppm)。
【0046】実施例3 負極の塗布液に負極の乾燥重量当たり約8900ppm
(電池重量当たり約890ppm)のN−(1H−ベン
ゾトリアゾール−1−イルメチル)ホルムアミドを添加
した他は、実施例1と同様に電池を作成した。
【0047】実施例4 電解質として0.01mol/リットルの1−ヒドロキ
シベンゾトリアゾールを添加した1mol/リットルの
六弗化りん酸リチウム(エチレンカーボネートとブチレ
ンカーボネートとジエチルカーボネートの2:2:6の
容量比混合液)を電池缶内に注入した他は、実施例1と
同様に電池を作成した(1−ヒドロキシベンゾトリアゾ
ール添加量は電池重量当たり約100ppm、電解液あ
たり1000ppm)。
【0048】実施例5 電解質として0.05mol/リットルの1H−ベンゾ
トリアゾール−1−イルメチルイソシアニドを添加した
1mol/リットルの六弗化りん酸リチウム(エチレン
カーボネートとブチレンカーボネートとジエチルカーボ
ネートの2:2:6の容量比混合液)を電池缶内に注入
した他は、実施例1と同様に電池を作成した(1H−ベ
ンゾトリアゾール−1−イルメチルイソシアニド添加量
は電池重量当たり約730ppm、電解液あたり750
0ppm)。
【0049】実施例6 電解質として0.05mol/リットルのベンゾトリア
ゾール−5−カルボン酸メチルエステルを添加した1m
ol/リットルの六弗化りん酸リチウム(エチレンカー
ボネートとブチレンカーボネートとジエチルカーボネー
トの2:2:6の容量比混合液)を電池缶内に注入した
他は、実施例1と同様に電池を作成した(ベンゾトリア
ゾール−5−カルボン酸メチルエステル添加量は電池重
量当たり約820ppm、電解液あたり8400pp
m)。
【0050】実施例7 電解質として0.05mol/リットルの5,6−ジメ
チル−1H−ベンゾトリアゾールを添加した1mol/
リットルの六弗化りん酸リチウム(エチレンカーボネー
トとブチレンカーボネートとジエチルカーボネートの
2:2:6の容量比混合液)を電池缶内に注入した他
は、実施例1と同様に電池を作成した(5,6−ジメチ
ル−1H−ベンゾトリアゾール添加量は電池重量当たり
約680ppm、電解液あたり7400ppm)。
【0051】実施例8 電解質として0.025mol/リットルのビス−(1
H−ベンゾトリアゾールイル)オキザレートを添加した
1mol/リットルの六弗化りん酸リチウム(エチレン
カーボネートとブチレンカーボネートとジエチルカーボ
ネートの2:2:6の容量比混合液)を電池缶内に注入
した他は、実施例1と同様に電池を作成した(ビス−
(1H−ベンゾトリアゾールイル)オキザレート添加量
は電池重量当たり約750ppm、電解液あたり810
0ppm)。
【0052】実施例9 電解質として0.05mol/リットルのアリル 1H
−ベンゾトリアゾールカーボネートを添加した1mol
/リットルの六弗化りん酸リチウム(エチレンカーボネ
ートとブチレンカーボネートとジエチルカーボネートの
2:2:6の容量比混合液)を電池缶内に注入した他
は、実施例1と同様に電池を作成した(1H−ベンゾト
リアゾールカーボネート添加量は電池重量当たり約80
0ppm、電解液あたり9000ppm)。
【0053】比較例1 電解質として1mol/リットルの六弗化りん酸リチウ
ム(エチレンカーボネートとブチレンカーボネートとジ
エチルカーボネートの2:2:6の容量比混合液)を電
池缶内に注入した他は、実施例1と同様に電池を作成し
た。
【0054】実施例10 負極活物質として焼成炭素質材料を用いた他は実施例1
と同様に電池を作成した。
【0055】比較例2 電解質として1mol/リットルの六弗化りん酸リチウ
ム(エチレンカーボネートとブチレンカーボネートとジ
エチルカーボネートの2:2:6の容量比混合液)を電
池缶内に注入した他は、実施例10と同様に電池を作成
した。
【0056】〔測定〕各電池を電流値100mAで4.
1Vまで充電し、続いて同電流値で0Vまで放電し、こ
の操作を繰り返し、充放電サイクルに伴う放電容量の変
化を測定した。結果を表1に示す。 (表1) 第1 第5 第10 第15 第20 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 100 82 75 73 70 実施例2 100 77 70 64 61 実施例3 100 79 71 68 66 実施例4 100 82 75 73 35 実施例5 100 77 68 62 54 実施例6 100 79 70 65 59 実施例7 100 82 73 71 63 実施例8 100 77 71 64 60 実施例9 100 79 70 64 59 比較例1 100 72 18 12 8 実施例10 100 85 79 75 72 比較例2 100 72 36 29 17 実施例1から9及び比較例1の電池は、第一サイクルの
放電容量が約750mAHであった。実施例10及び比
較例2の電池は、第一サイクルの放電容量が約320m
AHであった。これら、それぞれの例の電池の第一サイ
クル放電容量を100として、各サイクルの放電容量を
表したのが、表1中の数値である。
【0057】
【発明の効果】本発明は実施例のように、負極として遷
移金属酸化物および又は炭素質材料を用いる非水電池に
おいて充放電サイクルによる著しい容量低下を軽減させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電池の例である。
【符号の説明】
1 合成樹脂(ポリプロピレン)製絶縁封口体 2 負極端子を兼ねる負極缶 3 負極 4 セパレーター 5 正極 6 非水電解液 7 可撓性薄板の弁体 8 正極端子を兼ねる正極キャップ 9 切り刃 10 封口板 11 リング

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも正極と負極と非水電解液から
    なる電池要素を電池容器に収納した非水電池に於いて、
    該電池容器内に下記一般式(1)で表されるベンゾトリ
    アゾールまたはその誘導体を存在させたことを特徴とす
    る非水電池。一般式(1) 【化1】 但し、式中、X、Yは置換基を表し、Xは水素、置換基
    を有しても良いアルキル、アルケニル、アリール、置換
    アリール、−OCOR、Yは水素、置換基を有しても良
    いアルキル、アルケニル、アリール、置換アリール、−
    COOR(RはXで表わされる置換基である。)、ハロ
    ゲン、水酸基、ニトロ基、アミノ基、nは0から4の整
    数で、nが2以上の時は、Yは同一種の置換基でも異種
    の置換基でも良い。
  2. 【請求項2】 該負極がリチウム含有遷移金属酸化物お
    よび/または炭素質の負極である請求項1記載の非水電
    池。
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