JPH06348850A - 濃淡画像処理装置 - Google Patents

濃淡画像処理装置

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JPH06348850A
JPH06348850A JP5160128A JP16012893A JPH06348850A JP H06348850 A JPH06348850 A JP H06348850A JP 5160128 A JP5160128 A JP 5160128A JP 16012893 A JP16012893 A JP 16012893A JP H06348850 A JPH06348850 A JP H06348850A
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Toshimichi Masaki
俊道 政木
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Omron Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】濃淡画像を網点画像に変換した後に標準パター
ンを用いて照合を実行することによりハードウェアの小
規模化と製作コストの低減とを実現する。 【構成】網点画像生成部14はA/D変換器11より濃
淡画像データを入力し、誤差拡散法を用いて2値化処理
を行い、網点画像を生成する。照合処理部10の各相関
演算部15は網点画像をマスクにより走査し、マスク内
の画像を濃淡画像に変換しつつ個々の標準パターンとの
パターンマッチングを行う。各ピークホールド回路16
はパターンの一致度合を表す相関値のピーク値をCPU
17へ出力し、CPU17はこれら入力データより濃淡
画像の中にいずれかの標準パターンと一致する画像パタ
ーンが存在するかどうかを判断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば入力した濃淡
画像の中に所定のモデルの画像パターンが存在するかど
うかをパターンマッチングにより判別するのに用いられ
る濃淡画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のその種濃淡画像処理装置は、図1
5に示すように、カメラ1よりアナログ量の映像信号を
入力してA/D変換器2によりディジタル量の濃淡画像
データに変換した後、この濃淡画像データを照合処理部
3に取り込んでパターンマッチングのための画像処理演
算を行うものである。
【0003】前記照合処理部3は、図16に示すよう
に、濃淡画像7を所定サイズ(M行×N列)の矩形状マ
スク8により走査して、マスク内の画像部分と標準の濃
淡画像パターン(以下「標準パターン」という)との一
致度合を相関演算により算出するもので、多数個のライ
ンメモリ4と相関演算部5とピークホールド回路6とを
含む。
【0004】各ラインメモリ4は1水平ラインに相当す
る濃淡画像データを記憶するもので、(M−1)個のラ
インメモリ4を直列に接続してA/D変換器2および各
ラインメモリ4より同列のM行にわたる各画素の画素デ
ータ(8ビット構成)を一斉に相関演算部5へ送り出
す。
【0005】前記相関演算部5は、前記マスク8内に含
まれる各画素の画素データの総和と標準パターンについ
ての濃度データ(以下「テキストデータ」という)との
差の絶対値を相関値として算出するもので、その相関値
の最小値(以下「ピーク相関値」という)をピークホー
ルド回路6にて保持し、1画面走査完了後にピーク相関
値と、ピーク相関値が得られたときのマスクの座標位置
(以下「ピーク座標値」)とを出力させる。前記ピーク
相関値が所定のしきい値以下であれば、入力した濃淡画
像の中の前記座標位置に標準パターンと一致する画像パ
ターンが存在していると判断する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記構成
の濃淡画像処理装置では、8ビットの画素データより成
る濃淡画像データを処理するため、各ラインメモリ4と
して8ビットのものを用いる必要があり、ハードウェア
が大規模化し、また濃淡画像処理装置の製作コストが高
いものとなる。
【0007】この発明は、上記問題に着目してなされた
もので、濃淡画像を網点画像に変換した後に、標準パタ
ーンを用いて照合処理を実行することにより、ハードウ
ェアの小規模化とコストの低減とを実現した濃淡画像処
理装置を提供することを目的とする。
【0008】またこの発明の他の目的は、濃淡画像の中
に複数種のモデルについての画像パターンのいずれかが
存在するかどうかや、任意の角度回転した濃淡画像の中
に所定のモデルの画像パターンが存在するかどうかなど
を、小規模なハードウエアをもって判別することが可能
な濃淡画像処理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、濃淡
画像を入力して所定の画像処理を行うための濃淡画像処
理装置において、前記濃淡画像を誤差拡散法を用いて2
値化処理して網点画像を生成する網点画像生成部と、前
記網点画像生成部で生成される網点画像を複数種の標準
パターンを用いて並行して照合処理する照合処理部とを
備えたものである。
【0010】請求項2の発明は、複数種の標準パターン
として、異なるモデルについての複数種の標準パターン
を用いたものである。
【0011】請求項3の発明は、複数種の標準パターン
として、回転角度または大きさが異なる同じモデルにつ
いての複数種の標準パターンを用いたものである。
【0012】請求項4の発明は、入力した濃淡画像を処
理して回転角度または大きさが異なる濃淡画像を順次生
成する前処理部と、前記前処理部で順次生成される各濃
淡画像を誤差拡散法を用いて2値化処理して網点画像を
生成する網点画像生成部と、前記網点画像生成部で順次
生成される各網点画像を単一の標準パターンを用いて照
合処理する照合処理部とで濃淡画像処理装置を構成した
ものである。
【0013】請求項5の発明は、入力した濃淡画像を処
理して回転角度または大きさが異なる濃淡画像を順次生
成する前処理部と、前記前処理部で順次生成される各濃
淡画像を誤差拡散法を用いて2値化処理して網点画像を
生成する網点画像生成部と、前記網点画像生成部で順次
生成される各網点画像を回転角度または大きさが異なる
同じモデルについての複数種の標準パターンを用いて並
行して照合処理する照合処理部とで濃淡画像処理装置を
構成したものである。
【0014】
【作用】濃淡画像を2値の網点画像に変換した後、その
網点画像を標準パターンを用いて照合処理を行うので、
濃淡画像を処理対象とする従来の方式と比較して、ハー
ドウエアが小規模となる。その結果、濃淡画像の中に複
数種のモデルについての画像パターンのいずれかが存在
するかどうかを判別したり、例えば任意の角度回転した
濃淡画像の中に所定のモデルの画像パターンが存在する
かどうかを判別したりするのに、複数種の標準パターン
を用いて照合処理を並列して行うような構成、すなわち
請求項1に記載された構成を採用することが可能とな
る。
【0015】請求項4の濃淡画像処理装置では、処理後
の回転角度または大きさが異なる濃淡画像を網点画像に
変換した後に照合処理を行うので、例えば任意の角度回
転した濃淡画像の中に所定のモデルの画像パターンのい
ずれかが存在するかどうかを判別するのに、回転角度が
異なる複数種の標準パターンを用いる必要がなく、請求
項1の濃淡画像処理装置に比較して、処理時間はかかる
が、ハードウエアの構成は簡略化される。
【0016】請求項5の濃淡画像処理装置では、処理後
の回転角度または大きさが異なる濃淡画像を網点画像に
変換した後、回転角度または大きさが異なる同じモデル
についての複数種の標準パターンを用いて照合処理を行
うので、例えば任意の角度回転した濃淡画像の中に所定
のモデルの画像パターンのいずれかが存在するかどうか
を判別するのに、請求項1の濃淡画像処理装置に比較し
てハードウエアの構成が簡易であり、また請求項4の濃
淡画像処理装置に比較して処理時間が短縮される。
【0017】
【実施例】図1は、この発明の一実施例にかかる濃淡画
像処理装置の回路構成を示す。図示例の濃淡画像処理装
置は、A/D変換器11,画像メモリ12,同期信号発
生部13,網点画像生成部14,照合処理部10,CP
U17,I/Oポート18などで構成され、前記照合処
理部10には、相関演算部15とピークホールド回路1
6との組が複数組設けられている。
【0018】前記A/D変換器11はカメラ9よりアナ
ログ量の映像信号を入力してディジタル量の濃淡画像デ
ータに変換する。この濃淡画像データは256階調のい
ずれかの値をとり、網点画像生成部14と画像メモリ1
2とへ出力される。
【0019】前記画像メモリ12は濃淡画像データを画
素単位で格納し、また同期信号発生部13は同期信号を
発生してA/D変換器11,網点画像生成部14,各相
関演算部15,各ピークホールド回路16へ出力する。
前記同期信号には、図2に示すようなタイミングのサン
プリングクロックCK,水平同期信号HD,垂直同期信
号VDが含まれ、構成各部はこれら同期信号のタイミン
グで動作する。
【0020】前記網点画像生成部14は、A/D変換器
11より濃淡画像データを入力し、誤差拡散法を用いて
濃淡画像データを2値化処理する。この2値化処理によ
り網点画像が生成され、この網点画像を構成する網点画
像データは照合処理部10の各相関演算部15へそれぞ
れ出力される。
【0021】前記照合処理部10は、相関演算部15と
ピークホールド回路16との組が標準パターンの登録数
だけ設けられたものであり、組毎に、前記網点画像を所
定サイズのマスクにより走査し、マスク内の画像を濃淡
画像に変換した上で個々の標準パターンについてのテキ
ストデータを用いてパターンマッチングを並列して行
い、パターンの一致度合のピーク値(ピーク相関値)を
算出する。
【0022】前記CPU17は、各組のピークホールド
回路16よりピーク相関値を取り込んでそれぞれ所定の
しきい値を比較し、ひとつでもしきい値以下のピーク相
関値があれば、入力した濃淡画像の中に、登録された標
準パターンと一致する画像パターンが存在すると判断
し、その判断結果をI/Oポート18を介して外部装置
へ出力する。またCPU17は、前記画像メモリ12に
格納されたモデルについての濃淡画像から前記テキスト
データを生成する。
【0023】上記構成の濃淡画像処理装置は、種々の用
途に用いることができるが、例えばこの濃淡画像処理装
置を電子複写機に導入することにより、有価証券などの
複写を禁止するような複写制限機能を付与できる。図3
は、4種類の有価証券a1〜a4を示すもので、各有価
証券a1〜a4の表面には固有の文字や図形などの表示
b1〜b4が適所に表されている。同図中、P1 〜P4
はこれら表示b1〜b4をモデルとした標準パターンで
あって、これら標準パターンP1 〜P4 についてのテキ
ストデータを前記照合処理部10の各組の相関演算部1
5に登録することにより、これら有価証券a1〜a4が
複写されたとき、これを判別してその複写出力を禁止で
きる。
【0024】図4は、ある特定の有価証券a5を示すも
ので、この有価証券a5の表面には固有の図形b5が適
所に表されている。同図中、Q0 〜QN-1 は前記図形b
5をモデルとした異なる回転角度をもつ標準パターンで
ある。いま各標準パターンQ0 〜QN-1 の回転角度の差
をθとすると、360度/θに相当する個数Nの標準パ
ターンが設定される。また、前記照合処理部10には標
準パターンの設定数に相当する個数の相関演算部15お
よびピークホール回路16が設けられる。これら標準パ
ターンQ0 〜QN-1 についてのテキストデータを前記照
合処理部10の各組の相関演算部15を登録することに
より、この有価証券a5が複写されたとき、その有価証
券a5が傾いていても、これを判別してその複写出力を
禁止できる。
【0025】図5は、前記網点画像生成部14による網
点画像の生成過程を示す。同図中、20は濃淡画像であ
って、この濃淡画像20を構成する各画素の画素データ
は0〜255のいずれか値をとる。また21は黒画素の
密度をもって濃度が表現された網点画像であって、この
網点画像21を構成する各画素の画素データは0または
1のいずれか値をとる。誤差拡散法によると、濃淡画像
データを2値化しても濃淡画像の濃度が保存されるもの
で、濃淡画像20における局所領域22の濃度平均は網
点画像21における対応する局所領域23の濃度平均に
一致する。
【0026】図6は前記誤差拡散法の原理を示す。同図
中、各枡目24は濃淡画像の各画素である。この誤差拡
散法では、2値化処理の対象である着目画素24Aの座
標位置を(x,y)とし、その画素データ(濃度)をe
とすると、(x+1,y)の座標位置の画素24Bには
その画素データの1/2が、(x,y+1)の座標位置
の画素24Cには1/4が、(x−1,y+1)および
(x+1,y+1)の各座標位置の画素24D,24E
には1/8が、それぞれ拡散量として付加される。
【0027】図7は、前記網点画像生成部14の具体的
な回路構成例を示すもので、複数個のフリップフロップ
25〜29と複数個の加算器30〜33とを含む他、遅
延回路34,コンパレータ35,乗算器36,減算器3
7,除算器38などで構成される。
【0028】フリップフロップ25は着目画素24A
(座標位置が(x,y)の画素)の画素データを記憶
し、他のフリップフロップ26〜29はその周辺画素、
すなわち座標位置が(x+1,y),(x,y+1),
(x−1,y+1),(x+1,y+1)の各画素24
B〜24Eの画素データを記憶する。各加算器30〜3
2はこれら周辺画素の画素データに前記の各拡散量を加
算するためのものである。
【0029】前記遅延回路34は濃淡画像データを1水
平ラインだけ遅延させる。コンパレータ35は着目画素
24Aの画素データを所定の2値化しきい値THと比較
し、フリップフロップ25からの入力Aがしきい値入力
Bより大きければ(A>B)、2値画素データとして
「1」を、それ以外(A≦B)であれば「0」を、それ
ぞれ乗算器36へ出力する。
【0030】前記乗算器36はコンパレータ35からの
2値画素データに256階調の最大値「255」を乗算
し、前記減算器37は乗算器36の出力(「255」ま
たは「0」)より前記フリップフロップ25の出力(画
素データ)を減算して誤差eを算出する。従ってもし着
目画素24Aの画素データが2値化しきい値THより大
きければ、減算器37からは正の誤差eが、また2値化
しきい値TH以下であれば、減算器37からは負の誤差
eが、それぞれ除算器38へ与えられる。
【0031】図8には、着目画素24Aの画素データと
2値化しきい値THと誤差eとの関係が示してある。
【0032】前記除算器38は前記減算器37より与え
られる誤差eを1/2倍,1/4倍,1/8倍して拡散
量を算出するもので、e/2の拡散量が加算器30へ、
e/4の拡散量が加算器31へ、e/8の拡散量が加算
器32,33へ、それぞれ与えられる。サンプリングク
ロックCKの入力がある毎に着目画素24Aの画素デー
タの2値化処理と周辺画素への拡散処理とが繰り返し実
行される。
【0033】図9は、前記照合処理部10における各相
関演算部15の具体的な回路構成例を、また図10はこ
の相関演算部15の原理を、それぞれ示す。この相関演
算部15は、図10に示す網点画像43を所定サイズ
(M行×N列)の矩形状マスク44によりラスター走査
し、マスク44内の画像を濃淡画像に変換しつつ標準パ
ターンとの一致度合を相関演算により算出するもので、
図9に示すように、(M−1)個のラインメモリ40と
複数個の局所相関演算器41と相関値加算回路42とを
含む。
【0034】各ラインメモリ40は1水平ラインに相当
する網点画像データを記憶するもので、(M−1)個の
ラインメモリ40を直列に接続し、前記網点画像生成部
14のコンパレータ35および各ラインメモリ40より
同列のM行にわたる各画素の2値画素データを一斉出力
する。
【0035】各局所相関演算器41は、所定サイズ(こ
の実施例では4行×4列)の局所領域45に含まれる各
画素の2値画素データの総和と標準パターンについての
テキストデータとの差の絶対値を局所相関値として算出
する。この局所相関演算器41は行方向にM/4個、列
方向にN/4個、マトリクス状に配置される。
【0036】各局所相関演算器41は、図11に示すよ
うに、16個のフリップフロップ46,黒画素計数回路
47,テキストレジスタ48,減算器49,絶対値回路
50を含む。各フリップフロップ46は4行×4列のマ
トリクス状に配置され、前記局所領域45に含まれる各
画素の2値画素データをそれぞれ記憶する。
【0037】前記黒画素計数回路47は各フリップフロ
ップ46で保持された2値画素データのうち黒画素を表
す「1」の2値画素データの個数を計数する。テキスト
レジスタ48はCPU17より与えられる標準パターン
についてのテキストデータを記憶する。減算器49は黒
画素計数回路47の計数値から前記テキストデータを減
算する。絶対値回路50は前記減算器49による減算値
の絶対値を局所相関値として算出し、相関値加算回路4
2へ出力する。各局所相関演算器41で算出された局所
相関値は相関値加算回路42で加算され、その加算値は
相関値としてピークホールド回路16へ出力される。
【0038】図12は、前記ピークホールド回路16の
具体的な回路構成例である。このピークホールド回路1
6は、前記相関演算部15で算出された相関値の最小値
(ピーク相関値)を保持し、1画面走査完了後にピーク
相関値と、そのピーク相関値が得られたマスク44の座
標位置(ピーク座標値X,Y)とを出力するものであ
り、Xカウンタ51,Yカウンタ52,フリップフロッ
プ53〜56,コンパレータ57,フリップフロップ5
8〜60を含む。なお図示例のピークホールド回路16
は、ピーク相関値とピーク座標値とを算出する構成のも
のであるが、この濃淡画像処理装置を前記した電子複写
機の用途に用いる場合には、ピーク座標値を算出するた
めの構成は必ずしも必要でない。
【0039】前記Xカウンタ51はサンプリングクロッ
クCKを計数してマスク44のX座標位置を、またYカ
ウンタ52は水平同期信号HDを計数してマスク44の
Y座標位置を、それぞれ計測する。Xカウンタ51は水
平同期信号HDにより、またYカウンタ52は垂直同期
信号VDにより、それぞれの計数値がクリアされる。
【0040】フリップフロップ53は前記相関演算部1
5より入力した相関値を、またフリップフロップ54は
走査過程での相関値の最小値(ピーク相関値)を、それ
ぞれ記憶する。フリップフロップ55,56は前記フリ
ップフロップ54が記憶するピーク相関値が得られたと
きのXカウンタ51およびYカウンタ52の各計数値を
記憶する。
【0041】コンパレータ57は、フリップフロップ5
3の記憶データをA入力とし、フリップフロップ54の
記憶データをB入力として、その大小を比較するもの
で、A入力がB入力より小さいとき、そのときのフリッ
プフロップ53の内容をフリップフロップ54に記憶さ
せる。各フリップフロップ58,59,60は1画面走
査完了後に各フリップフロップ54,55,56の記憶
データを入力して記憶する。
【0042】前記CPU17は、照合処理部10におけ
る各ピークホールド回路16のフリップフロップ58よ
りピーク相関値をそれぞれ取り込んで所定のしきい値と
比較し、ひとつでもしきい値以下のピーク相関値があれ
ば、入力した濃淡画像の中に、登録された標準パターン
と一致する画像パターンが存在すると判断し、前記した
電子複写機の具体例であれば、複写出力を禁止する信号
を出力する。
【0043】上記構成の濃淡画像処理装置において、ま
ずカメラ9によりモデルを撮像してその濃淡画像を画像
メモリ12に格納した後、CPU17はこの濃淡画像よ
りM行×N列の標準パターンを生成し、パターンマッチ
ングのためのテキストデータを生成する。
【0044】図3に示す具体例では、4種類の有価証券
a1〜a4の各表示b1〜b4をモデルとして撮像して
4種類の標準パターンP1 〜P4 を生成する。図4に示
す具体例では、1種類の有価証券a5の図形b5をモデ
ルとして有価証券a5を決められた角度ずつ回転させつ
つ撮像してN種類の標準パターンQ1〜QN-1 を生成す
る。この場合に回転角度がゼロの濃淡画像に回転処理を
施してN種類の標準パターンQ0 〜QN-1 を生成するこ
とも勿論可能である。
【0045】つぎにカメラ9により対象物が撮像される
と、その映像信号はA/D変換された後、濃淡画像デー
タが網点画像生成部14へ送られる。網点画像生成部1
4では誤差拡散法を用いて濃淡画像データが2値化処理
され、網点画像データが照合処理部10の各相関演算部
15へ送られる。各相関演算部15では網点画像をマス
ク44により走査し、マスク44内の画像を濃淡画像に
変換しつつ個別のテキストデータを用いてパターンマッ
チングを行う。
【0046】いま前記マスク44の網点画像上の座標位
置を(x,y)とし、そのマスク44内の画像部分の相
関値をG(x,y)とすると、前記相関演算部15では
つぎの式の演算が実行されることになる。
【0047】
【数1】
【0048】なお上式中、i,jは各局所領域45の配
列位置を示すデータ、k,lは局所領域45内の各画素
位置を示すデータである。またIMは各局所領域45内
の各画素の画素データを、TMは標準パターンについて
の前記局所領域45に対応する領域内の各画素の画素デ
ータを、それぞれ示す。
【0049】また各局所相関演算器41のテキストレジ
スタ48には、つぎの式で与えられる標準パターンに
ついてのテキストデータTM´がセットされる。なおこ
の式において、256で割っているのは、網点画像に
おける局所領域45の濃度総和が濃淡画像の1/256
であることによる。
【0050】
【数2】
【0051】このような相関演算を実行したとき、あら
かじめ設定された標準パターンと最も一致するマスク4
4内の画像部分については相関値G(x,y)は最も小
さな値を示すことになり、ピークホールド回路16は1
画面内の最小の相関値G(x,y)をピーク相関値とし
て保持する。
【0052】図13は、この発明の他の実施例を示す。
この実施例では、照合処理部10を1組の相関演算部1
5とピークホールド回路16とで構成すると共に、網点
画像生成部14には前処理部としての回転補正コントロ
ール回路19の回転制御下で画像メモリ12より読み出
された濃淡画像が与えられるようになっている。A/D
変換器11より出力される濃淡画像は一旦画像メモリ1
2に格納されるもので、前記回転補正コントロール回路
19は、画像メモリ12より濃淡画像を所定角度ずつ回
転させて次々に読み出すための制御を実行するもので、
前記網点画像生成部14には回転角度θi(ただしi=
0,1,2,……,N−1)が異なる濃淡画像が順次出
力される。
【0053】前記網点画像生成部14は所定の回転角度
θiをもつ濃淡画像が与えられる毎に網点画像を生成し
て照合処理部10へ出力する。照合処理部10の相関演
算部15には、ある回転角度(例えば回転角度がゼロ)
の標準パターンが登録されており、この標準パターンに
よる照合処理を実行してピーク相関値を算出する。
【0054】CPU17は、算出されたピーク相関値を
取り込んで記憶するが、このとき今回取り込んだピーク
相関値と前回までの最小のピーク相関値とを比較し、小
さい方のピーク相関値を最小のものとして記憶してお
く。同様の処理がN回実行されたとき、CPU17は、
記憶している最小のピーク相関値を所定のしきい値を比
較し、しきい値以下であれば、入力した濃淡画像の中
に、登録された標準パターンと一致する画像パターンが
存在すると判断する。
【0055】この実施例によれば、回転処理後の回転角
度が異なる濃淡画像を網点画像に変換した後に照合処理
を行うので、任意の角度回転した濃淡画像の中に所定の
モデルの画像パターンのいずれかが存在するかどうかを
判別するのに、回転角度が異なる複数種の標準パターン
を用いる必要がないから、照合処理部10には1組の相
関演算部15とピークホールド回路16とを設けるだけ
で済み、図1に示す第1実施例の濃淡画像処理装置と比
較して、処理時間はかかるが、ハードウエアの構成は簡
略化される。
【0056】図14は、この発明のさらに他の実施例を
示す。この実施例は、前記した図1に示す第1実施例
と、上記した図13に示す第2実施例とを組み合わせて
構成されたもので、第2実施例と同様の回転補正コント
ロール回路19を有すると共に、照合処理部10として
第1実施例より少ない組数ではあるが、複数組の相関演
算部15とピークホールド回路16とが設けてある。
【0057】この実施例によれば、回転処理後の回転角
度が異なる濃淡画像を網点画像に変換した後、回転角度
が異なる同じモデルについての複数種の標準パターンを
用いて照合処理を行うので、任意の角度回転した濃淡画
像の中に所定のモデルの画像パターンのいずれかが存在
するかどうかを判別するのに、図1に示す第1実施例の
濃淡画像処理装置に比較してハードウエアの構成が簡易
となり、また図13に示す第2実施例の濃淡画像処理装
置に比較して処理時間が短縮される。
【0058】なお上記では、回転角度が異なる同じモデ
ルについての複数種の標準パターンを登録するようにし
た構成の装置例や、入力した濃淡画像に回転処理を施し
た後に網点画像の生成およびパターン照合処理を実行す
るようにした構成の装置例を示したが、これに限らず、
大きさが異なる同じモデルについての複数種の標準パタ
ーンを登録するように構成したり、入力した濃淡画像に
拡大または縮小処理を施した後に網点画像の生成および
パターン照合処理を実行するように構成することもでき
る。
【0059】
【発明の効果】この発明は上記のように、濃淡画像を2
値の網点画像に変換した後、その網点画像を標準パター
ンを用いて照合処理を行うようにしたから、濃淡画像を
処理対象とする従来の方式と比較して、ハードウエアが
小規模となる。その結果、濃淡画像の中に複数種のモデ
ルについての画像パターンのいずれかが存在するかどう
かを判別したり、任意の角度回転した濃淡画像の中に所
定のモデルの画像パターンが存在するかどうかを判別し
たりするのに、複数種の標準パターンを用いて照合処理
を並列して行うような構成を採用することが可能とな
り、複数種の標準パターンとの照合処理が高速で行え
る。
【0060】また請求項4の発明では、処理後の回転角
度または大きさが異なる濃淡画像を網点画像に変換した
後に照合処理を行うようにしたから、例えば任意の角度
回転した濃淡画像の中に所定のモデルの画像パターンの
いずれかが存在するかどうかを判別するのに、回転角度
が異なる複数種の標準パターンを用いる必要がなく、請
求項1の濃淡画像処理装置に比較して、処理時間はかか
るが、ハードウエアの構成を簡略化できる。
【0061】また請求項5の発明では、処理後の回転角
度または大きさが異なる濃淡画像を網点画像に変換した
後、回転角度または大きさが異なる同じモデルについて
の複数種の標準パターンを用いて照合処理を行うように
したから、例えば任意の角度回転した濃淡画像の中に所
定のモデルの画像パターンのいずれかが存在するかどう
かを判別するのに、請求項1の濃淡画像処理装置に比較
してハードウエアの構成が簡易となり、また請求項4の
濃淡画像処理装置に比較して処理時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例にかかる濃淡画像処理装置
の回路構成を示すブロック図である。
【図2】同期信号発生部により生成される同期信号を示
すタイムチャートである。
【図3】複数のモデルから複数種の標準パターンを生成
する例を示す説明図である。
【図4】単一のモデルから複数種の標準パターンを生成
する例を示す説明図である。
【図5】濃淡画像より網点画像を生成する過程を示す説
明図である。
【図6】誤差拡散法の原理を示す説明図である。
【図7】網点画像生成部の回路構成を示すブロック図で
ある。
【図8】着目画素の画素データと2値化しきい値と誤差
との関係を示す説明図である。
【図9】相関演算部の回路構成を示すブロック図であ
る。
【図10】相関演算部の原理を示す説明図である。
【図11】局所相関演算器の回路構成を示すブロック図
である。
【図12】ピークホールド回路の構成を示すブロック図
である。
【図13】この発明の第2実施例の構成を示すブロック
図である。
【図14】この発明の第3実施例の構成を示すブロック
図である。
【図15】従来の濃淡画像処理装置の主要部の回路構成
を示すブロック図である。
【図16】従来例における相関演算の原理を示す説明図
である。
【符号の説明】
10 照合処理部 14 網点画像生成部 15 相関演算部 16 ピークホールド回路 17 CPU 19 回転補正コントロール回路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濃淡画像を入力して所定の画像処理を行
    うための濃淡画像処理装置において、 前記濃淡画像を誤差拡散法を用いて2値化処理して網点
    画像を生成する網点画像生成部と、 前記網点画像生成部で生成される網点画像を複数種の標
    準パターンを用いて並行して照合処理する照合処理部と
    を備えて成る濃淡画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記標準パターンは、異なるモデルにつ
    いての複数種の標準パターンである請求項1に記載され
    た濃淡画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記標準パターンは、回転角度または大
    きさが異なる同じモデルについての複数種の標準パター
    ンである請求項1に記載の濃淡画像処理装置。
  4. 【請求項4】 濃淡画像を入力して所定の画像処理を行
    うための濃淡画像処理装置において、 前記濃淡画像を処理して回転角度または大きさが異なる
    濃淡画像を順次生成する前処理部と、 前記前処理部で順次生成される各濃淡画像を誤差拡散法
    を用いて2値化処理して網点画像を生成する網点画像生
    成部と、 前記網点画像生成部で順次生成される各網点画像を単一
    の標準パターンを用いて照合処理する照合処理部とを備
    えて成る濃淡画像処理装置。
  5. 【請求項5】 濃淡画像を入力して所定の画像処理を行
    うための濃淡画像処理装置において、 前記濃淡画像を処理して回転角度または大きさが異なる
    濃淡画像を順次生成する前処理部と、 前記前処理部で順次生成される各濃淡画像を誤差拡散法
    を用いて2値化処理して網点画像を生成する網点画像生
    成部と、 前記網点画像生成部で順次生成される各網点画像を回転
    角度または大きさが異なる同じモデルについての複数種
    の標準パターンを用いて並行して照合処理する照合処理
    部とを備えて成る濃淡画像処理装置。
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