JPH0634796A - 樹脂製被処理物の酸化分解装置 - Google Patents

樹脂製被処理物の酸化分解装置

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JPH0634796A
JPH0634796A JP4193950A JP19395092A JPH0634796A JP H0634796 A JPH0634796 A JP H0634796A JP 4193950 A JP4193950 A JP 4193950A JP 19395092 A JP19395092 A JP 19395092A JP H0634796 A JPH0634796 A JP H0634796A
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JP
Japan
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oxidative decomposition
resin
tank
gas
processed object
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Application number
JP4193950A
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English (en)
Inventor
Fumiaki Komatsu
史明 小松
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0634796A publication Critical patent/JPH0634796A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 排ガス中にセシウムなどの核種が同伴するこ
とはなく、かつ比較的小規模な装置で充分に樹脂製被処
理物を分解することができるようにする。 【構成】 放射性物質が付着した樹脂製被処理物Pを酸
化分解し、生成した放射性物質が含まれない分解ガスを
系外に排出するようになされた樹脂製被処理物の酸化分
解装置であって、上記樹脂製被処理物Pが装入される酸
化分解槽2と、この酸化分解槽2に酸化ガスを供給する
酸素ボンベ3と、上記酸化分解槽2内を所定の低圧に保
持するとともに上記槽内で発生した分解ガスを系外に排
出する真空ポンプ4とが備えられ、上記酸化分解槽2に
導入された酸化ガスのガス流に高周波を照射する高周波
コイル5設けられるとともに、装入された樹脂製被処理
物Pを撹拌する撹拌羽根6が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の原子力施設で廃
棄物として処分される放射性物質が付着した樹脂製被処
理物の酸化分解装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所や原子力関係の研究設備な
どの放射性物質を取り扱う施設においては、放射性物質
が付着した試料や放射性物質が混入した液体などは、通
常ポリエチレン、塩化ビニール、ポリテトラフルオロエ
チレンあるいは各種合成ゴムなどからなる貯蔵容器に厳
重に収容され、放射能が外部に放出されるのを防止して
いる。また、上記放射性物質を取り扱う施設において
は、上記のような樹脂製品からなるパイプや電力線も多
用されている。
【0003】また、原子力発電所においては、原子炉の
冷却水を超純水にまで浄化するために、通常ポリスチレ
ンからなる粒状のイオン交換樹脂が浄化用フィルターと
して採用されている。
【0004】上記のような貯蔵容器やパイプあるいは電
力線のような樹脂製品、さらには上記イオン交換樹脂
は、長期間の使用によって劣化すると新品に更新される
が、取り替えられた劣化品は一般的に嵩高であるため、
焼却炉に投入して焼却処理による減容処理が実施されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記焼却炉
においては、燃焼に際し700℃以上に加熱されるた
め、樹脂製被処理物に付着している融点の低いセシウム
などの核種は、上記高温に曝された結果、蒸気となって
排ガス中に移行し、系外に排出される可能性がある。
【0006】また、樹脂製被処理物のなかには燃焼し難
いものもあり、それらをも良好に燃焼させるために、焼
却炉に供給される燃焼空気は、通常の燃焼に比し多い目
にされることが多く、その結果、燃焼排ガスは通常の焼
却の場合よりも多くなるので、大規模な排ガス処理設備
が必要になる。
【0007】本発明は、上記のような問題点を解消する
ためになされたものであり、低圧下で供給されたガスを
イオン化することにより、低温で樹脂製被処理物を分解
処理することで排ガス中にセシウムなどの核種が同伴す
ることはなく、かつ比較的小規模な装置で充分に樹脂製
被処理物を分解することが可能な樹脂製被処理物の酸化
分解装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
樹脂製被処理物の酸化分解装置は、放射性物質が付着し
た樹脂製被処理物を酸化分解し、生成した放射性物質が
含まれない分解ガスを系外に排出するようになされた樹
脂製被処理物の酸化分解装置であって、上記樹脂製被処
理物が装入される酸化分解槽と、この酸化分解槽に酸化
ガスを供給する酸化ガス供給源と、上記酸化分解槽内を
所定の低圧に保持するとともに上記槽内で発生した分解
ガスを系外に排出する排気手段とが備えられ、上記酸化
分解槽に導入された酸化ガスをイオン化させるための高
周波加熱機構が設けられるとともに、装入された樹脂製
被処理物を撹拌する撹拌手段が設けられていることを特
徴とするものである。
【0009】本発明の請求項2記載の樹脂製被処理物の
酸化分解装置は、請求項1記載の樹脂製被処理物の酸化
分解装置において、上記高周波加熱機構が、高周波電流
を発生させる高周波電源と、この高周波電源で発生した
と、この高周波ケーブルから供給される高周波電流を得
て上記酸化分解槽内に導入された酸化ガスを加熱分解す
るための高周波コイルとから構成されていることを特徴
とするものである。
【0010】本発明の請求項3記載の樹脂製被処理物の
酸化分解装置は、請求項1記載の樹脂製被処理物の酸化
分解装置において、上記高周波加熱機構が、高周波とし
ての電磁波を発生させる電磁波発信器と、この電磁波発
信器で発生した電磁波を上記酸化分解槽内に導入された
酸化ガスのガス流に向けて送波する導波管または同軸ケ
ーブルとから構成されていることを特徴とするものであ
る。
【0011】本発明の請求項4記載の樹脂製被処理物の
酸化分解装置は、請求項1、2または3記載の樹脂製被
処理物の酸化分解装置において、上記酸化ガス供給源か
ら上記酸化分解槽に到る酸化ガスの供給経路には定流量
制御手段が設けられ、上記酸化分解槽には排出される分
解ガスの吸引量を調節することによって酸化分解槽内を
定圧に制御する圧力制御手段が設けられていることを特
徴とするものである。
【0012】本発明の請求項5記載の樹脂製被処理物の
酸化分解装置は、請求項1、2、3または4記載の樹脂
製被処理物の酸化分解装置において、上記酸化ガスは酸
素ガスまたは酸素と窒素との混合ガスであることを特徴
とするものである。
【0013】
【作用】上記請求項1記載の発明によれば、樹脂製被処
理物が装入された酸化分解槽内は所定の低圧に保持され
るとともに、上記酸化分解槽に導入された酸化ガスをイ
オン化させるための高周波加熱機構が設けられている。
この高周波による加熱により上記酸化ガスはイオン状に
解離し、極めて活性な気体分子になる。従って、酸化分
解槽内に装入されている樹脂製被処理物は上記活性な気
体分子と接触することで容易に酸化し、CO、CO2
るいはH2O等の分解ガスを生成する。この場合、酸化
分解は200℃以下の低温で生じるため、融点が低くく
かつ高蒸気圧のセシウムなどの核種についても気化はせ
ず、結果として放射性物質が酸化分解槽から分解ガスに
同伴して系外に放出されるということはない。
【0014】また、酸化分解槽には装入された樹脂製被
処理物を撹拌する撹拌手段が設けられているため、この
撹拌手段を作動させることによって槽内において上記活
性な気体分子と樹脂製被処理物との接触が均一に行わ
れ、樹脂製被処理物はむらなく分解される。
【0015】上記請求項2記載の発明によれば、上記酸
化分解槽に供給される酸化ガスのガス流には上記高周波
コイルで加熱されるため、酸化ガス中で青橙色のプラズ
マが発生する放電現象が起り、この放電現象によって酸
化ガスはイオン化し、樹脂製被処理物を分解するに必要
な活性な気体分子になる。
【0016】上記請求項3記載の発明によれば、上記酸
化分解槽に供給される酸化ガスのガス流には上記導波管
から電磁波を照射することで、酸化ガスをプラズマ化す
る。
【0017】上記請求項4記載の発明によれば、上記酸
化ガス供給源から上記酸化分解槽に到る酸化ガスの供給
経路には定流量制御手段が設けられ、さらに、排出され
る分解ガスの吸引量を調節することによって酸化分解槽
内を定圧に制御する圧力制御手段が設けられている。従
って、酸化分解槽への酸化ガスの導入量は定量に制御さ
れ、かつ、酸化分解槽内の圧力は所定の低圧が保持さ
れ、酸化分解装置を安定的に運転することができる。
【0018】上記請求項5記載の発明によれば、上記酸
化ガスとして酸素ガスまたは酸素と窒素との混合ガスが
用いることができる。この混合ガス中の酸素と窒素の割
合を変化させることで、酸化能力を制御することができ
る。また、上記のガスは容易かつ安価に入手が可能であ
り、工業的規模で樹脂製被処理物を分解するのに適して
いる。
【0019】
【実施例】図1は本発明に係る樹脂製被処理物の酸化分
解装置の一例を示す説明図である。この図に示すよう
に、酸化分解装置1は、放射性物質が付着した樹脂製被
処理物Pが装入される酸化分解槽2と、この酸化分解槽
2に酸化ガスを供給する酸化ガス供給源としての酸素ボ
ンベ3と、上記酸化分解槽2内を所定の低圧に保持する
とともに上記槽内で発生した分解ガスを系外に排出する
排気手段としての真空ポンプ4とから基本構成されてい
る。
【0020】酸化分解槽2の上側部であって、後述する
プラズマ室21の近傍には樹脂製被処理物Pを槽内に装
入するための装入孔23が設けられており、その上部に
は装入孔23を閉止するための装入蓋23aが設けられ
ている。また、酸化分解槽2内の底部であって、上記装
入孔23の対角位置には樹脂製被処理物Pの分解後の残
留固形分を取り出すための取出し孔24が設けられてお
り、この取出し孔24にはスライドして開閉するダンパ
ー24aが設けられている。
【0021】この酸素ボンベ3と酸化分解槽2との間に
はガス供給経路31が設けられており、このガス供給経
路31には上流側から遮断弁32、流量計33および制
御弁34が直列に設けられている。そして、点線で示す
信号線によって流量計33と制御弁34とは流量制御計
35を介して接続されており、流量制御計35は流量計
33から発信される流量信号を得て、それと予め設定さ
れている設定流量とが常に比較され、設定流量と異なる
場合には弁開度が適切なものになるように、流量制御計
35から制御弁34に指令信号が発信されるいわゆるフ
ィードフォワード制御が採用されている。
【0022】これらの流量計33、制御弁34および流
量制御計35によって酸化ガスの定流量制御手段が形成
されており、この流量制御手段の働きによって酸素ボン
ベ3からガス供給経路31を介して酸化分解槽2に供給
される酸素ガスは予め設定された一定流量になってい
る。
【0023】本実施例においては、酸化ガス供給源とし
て酸素ボンベ3が用いられているが、本発明は酸化ガス
供給源は酸素ボンベ3に限定されるものではなく、酸素
製造装置を酸化ガス供給源とし、直接酸素製造装置から
酸素ガスを酸化分解槽2に導入するようにしてもよい。
また、酸化ガスについては、酸素ガスに限定されるもの
ではなく、空気など酸素と窒素との混合ガスでもよい。
空気を酸化ガスとして使用する場合には、酸化ガス供給
源として圧縮ポンプを設定し、この圧縮ポンプで空気を
取り込み、酸化分解槽2に供給するようにしてもよい。
【0024】上記酸化分解槽2の一側部上面には上方に
突出したプラズマ室21が立設されている。このプラズ
マ室21の上面にはガス導入口21aが設けられてお
り、このガス導入口21aから酸化分解槽2内に供給さ
れる酸素ガスの気流を取り囲むように石英パイプ22が
上記ガス導入口21aから垂下して設けられている。こ
の石英パイプ22の外周には、高周波コイル5が巻き付
けられており、この高周波コイル5には高周波電源51
から高周波ケーブル52を介して高周波電流が供給され
るようになっている。この場合に適用される高周波の周
波数については特に限定はないが、10kHz以上にさ
れる場合が多い。この例においては、上記高周波電源5
1、上記高周波ケーブル52および上記高周波コイル5
によって高周波加熱機構が形成されている。
【0025】石英パイプ22の下部出口部分と、上記装
入孔23との間には酸化分解槽2の天井面から垂下した
隔壁7が設けられており、この隔壁7は、石英パイプ2
2から酸化分解槽2内に導入された活性化した酸素ガス
が酸化分解槽2内の上部空間を通って短絡してガス排出
口4aから排出されてしまうのを抑止している。
【0026】酸化分解槽2内の下部には槽内に装入され
た樹脂製被処理物Pを撹拌するための撹拌手段としての
撹拌羽根6が設けられている。この撹拌羽根6は、槽内
の互いに対向する側壁を貫通して設けられた回転軸62
に取り付けられており、この回転軸62は槽外に設けら
れた駆動モータ61に接続されている。従って、駆動モ
ータ61を駆動させることによって回転軸62は回転
し、それに伴って撹拌羽根6も回転軸62周りに回転す
るから、この回転によって槽内に装入された樹脂製被処
理物Pは撹拌される。
【0027】なお、本実施例においては、撹拌手段とし
て撹拌羽根6が用いられているが、本発明の撹拌手段は
この撹拌羽根6に限定されるものではなく、上記活性化
された酸化ガスの気流を酸化分解槽2内の底部から樹脂
製被処理物Pに向かって吹き上げるように噴出させ、こ
の気流で樹脂製被処理物Pを撹拌するようにしてもよ
い。
【0028】そして、プラズマ室21から最も遠い酸化
分解槽2の側壁には分解ガス排出口4aが設けられてい
る。このガス排出口4aはガス排出経路42に接続され
ており、このガス排出経路42には上流側からフィルタ
41とガス排出手段としての真空ポンプ4とが設けられ
ている。
【0029】上記フィルタ41は、主にガス排出口4a
から導出される分解ガス中に混入している粉塵などの固
形分を濾過して除去するためのものであるが、フィルタ
41として活性炭などの吸着剤を用いれば、粉塵の他、
未分解の有機成分などをも吸着除去するため都合がよ
い。
【0030】そして、本実施例においては、酸化分解槽
2内の圧力を一定の低圧に制御するための圧力制御計4
3が設けられている。この圧力制御計43には予め槽内
圧力の設定値が入力されており、また、点線で示すよう
に槽内の圧力は常にこの圧力制御計43によって検出さ
れ、逐一上記圧力の設定値と検出値とが比較演算され、
酸化分解槽2内の圧力が設定圧力と異なるときには、上
記真空ポンプ4に制御信号が発信され、これを受けた真
空ポンプ4は槽内の圧力が設定圧力になるように適切に
駆動するようになっている。これらの真空ポンプ4と圧
力制御計43とで酸化分解槽2内を定圧に制御する圧力
制御手段が形成されている。通常酸化分解槽2内は1〜
20トールの低圧状態にされている。
【0031】本発明の樹脂製被処理物の酸化分解装置1
は以上のように構成されているので、分解処理に供する
樹脂製被処理物は、予め所定の大きさになるように別途
裁断処理が施され、それが装入蓋23aの開放された装
入孔23から酸化分解槽2内に装入される。所定量の酸
化分解槽2内への樹脂製被処理物Pの装入が完了する
と、装入蓋23aは閉止され、槽内は密閉状態とされ
る。
【0032】その後、高周波電源51からケーブル52
を介して高周波コイル5に高周波電流が供給され、この
状態でガス供給経路31の最上流側に設けられた遮断弁
32は開通させられ、同時に真空ポンプ4および駆動モ
ータ61の双方が駆動させられる。そうすると、酸素ボ
ンベ3内に貯蔵されている圧縮酸素が流量計33および
制御弁34を介して予め設定された所定の流量でガス導
入口21aから酸化分解槽2のプラズマ室21内に設け
られた石英パイプ22内に導入される。
【0033】酸化分解槽2内は真空ポンプ4によって吸
引されてかなりの真空度(1〜20トール)になってい
るため、石英パイプ22内に設けた図外のスパーク発生
器によって火花が発生すると、石英パイプ22内の酸素
はプラズマ状になりイオン化した活発に活動する気体分
子になる。
【0034】そして、活性化された上記酸素分子は隔壁
7に遮られ、槽内下部の撹拌羽根6部分で撹拌されてい
る樹脂製被処理物Pに向かって放出され、樹脂製被処理
物Pは活性化された酸素分子によって分解され、一酸化
炭素、二酸化炭素あるいは水分子が生成する。上記活性
酸素分子によって樹脂製被処理物Pが分解されるに際
し、酸化反応により樹脂製被処理物Pは発熱するが、そ
の温度は200℃以内であり、このような低い温度では
セシウムなどの核種が揮発して排ガスに同伴して系外に
放出されるというようなことは起らない。なお、酸素の
代わりに空気が酸化分解槽2に導入された場合には、酸
素のみならず窒素も高周波の照射を受けてイオン化し、
活性な気体分子となって樹脂製被処理物Pの分解に寄与
する。
【0035】分解して生成した一酸化炭素、二酸化炭素
あるいは水分子からなる分解ガスは、真空ポンプ4の吸
引力によってガス排出口4aからガス排出経路42を通
って系外に排出されるが、この分解ガスに同伴して導出
される微細粒子状の放射性物質はフィルタ41で除去さ
れるため、それが系外に排出されることはない。
【0036】以上のような樹脂製被処理物Pに対する分
解処理の1バッチが終了すると、遮断弁32が閉止され
て酸素ボンベ3からの酸素の供給は停止され、高周波電
源51からの高周波コイル5への電流供給は遮断され、
真空ポンプ4の駆動は停止させられ、酸化分解槽2内は
常圧に復帰させられる。この状態で、上記分解でガスに
はならずに灰分あるいはその他の固形分になったもの
は、撹拌羽根6の回転に伴って固形分の取出し孔24近
辺に移送されているため、取出し孔24を開通させるこ
とによって、これらの固形分は系外に排出される。な
お、排出した上記固形分は、別途図外の処理装置で所定
の処理が施される。
【0037】図2は本発明に係る樹脂製被処理物の酸化
分解装置の他の例を示す説明図である。この例の場合
は、高周波加熱機構としては、高周波電源の代わりに電
磁波発信器53が採用されている。この電磁波発信器5
3は100kHz以上の高周波の電磁波を発生させる機
器であり、この電磁波発信器53で得られた電磁波は、
導波管54を介して酸化分解槽2のプラズマ室21内に
照射されるように構成されている。なお、本実施例にお
いては電磁波の導波に導波管54を適用しているが、本
発明においては電磁波の導波は上記導波管54に限定さ
れるものではなく、同軸ケーブルを用いてもよい。
【0038】酸化分解槽2のプラズマ室21内に照射さ
れた電磁波は、石英パイプ22内を流下する酸素ガスに
作用してそれをプラズマ化し、その結果活性化した気体
分子は酸化分解槽2内に装入されている樹脂製被処理物
Pの分解に供せられる。なお、この例の場合には、プラ
ズマ室21内に酸化ガスの酸化分解槽2内への導入をガ
イドする石英パイプ22を特に設けなくてもよい。
【0039】そして、プラズマ室21の下部にはその部
分の酸化分解槽2の側壁と隔壁7とに亘って金網55が
張設されている。この金網55は跳ね上げることによっ
てこの部分から除くことができる。プラズマ室21内と
酸化分解槽2内の樹脂製被処理物Pが装入されている部
分とを区分している。この金網55はプラズマ室21内
の電磁波が酸化分解槽2内に漏れ出るのを防止するため
のものであり、これによって酸化分解槽2内の樹脂製被
処理物Pに電磁波が直接照射されることはないため、樹
脂製被処理物Pに電磁波が直接照射されることによって
起る発熱や発火が有効に阻止される。
【0040】従って、供給ガスを加熱する初期には、供
給ガスがプラズマ化していないので、金網55が存在し
ていると、直接被処理物Pが電磁波によって加熱される
が、一旦供給ガスがプラズマ化すると、電磁波はプラズ
マ状気体に吸収され、被処理物Pを加熱することはな
い。この状態になると、金網55は側方に跳ね上げら
れ、プラズマ状気体の一部が被処理物Pと接触してさら
に酸化分解が良好になる。
【0041】以上のように、本発明の樹脂製被処理物の
酸化分解装置は、酸化分解槽2内に供給される樹脂製被
処理物Pを分解するための酸化ガスに高周波を照射する
ことによってそれを活性化させ、それによって樹脂製被
処理物Pを分解させるものであるため、樹脂製被処理物
Pはそれほど高温にならない状態で有効に分解し、しか
も樹脂製被処理物Pに付着している核種が蒸発して分解
ガスに同伴して系外に導出されるようなことは起らず、
環境保全上好都合である。
【0042】さらに、酸化分解装置1自体その構成は簡
単であり、またその大きさは分解処理すべき樹脂製被処
理物Pの量に応じて適宜設定することが可能であり、そ
れほど大型化せずに手軽に適用することができ、各種の
原子力施設で廃棄物として処分される放射性物質が付着
した樹脂製被処理物を処理する装置として優れたもので
ある。
【0043】(試験例)酸化分解槽として石英ガラス製
の内容積2リットルの容器を用意した。この容器に分解
させる樹脂製被処理物の試料としての直径2mmのポリエ
チレン製粒状物10grを装入した。
【0044】そして、別途高周波加熱用のプラズマ発生
装置を用意し、酸素ガスをプラズマ状にして上記容器内
に400ミリリットル/minの割合で供給した。なおこ
のとき、容器内の気体を真空ポンプで吸引して、容器内
の圧力を6トールになるように制御した。この状態を2
4時間継続させたが、容器内の温度は200℃以上には
上昇せず、プラズマを生成させて酸化ガスを活性化すれ
ば、比較的低温で合成樹脂が分解されることが確認でき
た。
【0045】プラズマの供給を24時間継続した結果、
当初10grであったポリエチレン製の粒状物は分解して
そのほとんどは分解ガスになり、固形分として残留した
のは4grであった。しかもこの残留した固形分は、ほと
んどが炭化状態を呈しており、一部は完全に灰化してい
た。
【0046】このことから、放射性物質が付着した樹脂
製被処理物を上記のように活性化した酸化ガスで処理す
れば、処理温度は200℃以上に上昇せず、従って、各
種の放射性物質は蒸発しないことを確認することができ
た。
【0047】すなわち、本発明装置で樹脂製被処理物を
分解処理しても、それに付着している放射性物質は蒸発
しないから、分解ガスに同伴して系外に排出されること
もなく、環境保全上極めて好都合であり、放射性物質が
付着した樹脂製被処理物の処理用として本発明装置が極
めて優れたものであることを示している。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の樹脂製被
処理物の酸化分解装置は、樹脂製被処理物が装入された
酸化分解槽内は所定の低圧に保持されるとともに、上記
酸化分解槽に導入された酸化ガスのガス流に高周波を照
射する高周波加熱機構が設けられているため、この高周
波加熱機構からの高周波(含む電磁波)の照射あるいは
加熱によって上記酸化ガス中で放電現象が起り、この放
電現象によって酸化ガスはイオン化して極めて活性な気
体分子になり、酸化分解槽内に装入されている樹脂製被
処理物は上記活性な気体分子によって200℃以下の低
温で容易に酸化されて分解する。そして、発生した分解
ガスは200℃以下の低温であるため、融点が低くかつ
高蒸気圧のセシウムなどの核種についても気化はせず、
結果として放射性物質が酸化分解槽から分解ガスに同伴
して系外に放出されるということはなく、環境保全上好
都合である。
【0049】また、酸化分解槽には装入された樹脂製被
処理物を撹拌する撹拌羽根が設けられているため、槽内
において上記活性な気体分子と樹脂製被処理物との接触
が均一に行われ、樹脂製被処理物はむらなく効率的に分
解される。
【0050】上記高周波加熱機構を、高周波電流を発生
させる高周波電源と、この高周波電源で発生した高周波
電流を電送する高周波ケーブルと、この高周波ケーブル
から供給される高周波電流を得て上記酸化分解槽内に導
入された酸化ガスを加熱する高周波コイルとから構成す
れば、酸化ガスがプラズマ化し、この放電現象によって
酸化ガスはイオン化して樹脂製被処理物を分解する極め
て活性な気体分子になる。
【0051】上記高周波加熱機構を、高周波としての電
磁波を発生させる電磁波発信器と、この電磁波発信器で
発生した電磁波を上記酸化分解槽内に導入された酸化ガ
スのガス流に向けて送波する導波管または同軸ケーブル
高周波電流を電送する高周波ケーブルとから構成すれ
ば、上記酸化分解槽に供給される酸化ガスのガス流には
上記導波管から高周波としての電磁波が照射されるた
め、酸化ガス中でプラズマが発生する放電現象が起り、
この放電現象によって酸化ガスはイオン化して樹脂製被
処理物を分解する極めて活性な気体分子になる。
【0052】また、上記酸化ガス供給源から上記酸化分
解槽に到る酸化ガスの供給経路には定流量制御手段を設
け、上記酸化分解槽には排出される分解ガスの吸引量を
調節することによって酸化分解槽内を定圧に制御する圧
力制御手段を設ければ、酸化分解槽への酸化ガスの導入
量は定量に制御され、かつ、酸化分解槽内の圧力は所定
の低圧が自動的に保持され、その結果酸化分解装置を安
定的に運転することが可能となり、運転管理上有効であ
る。
【0053】さらに、上記酸化ガスとして酸素ガスまた
は酸素と窒素との混合ガスを用いれば、酸化能力は極め
て良好であるとともに、容易かつ安価に入手が可能であ
り、工業的規模で樹脂製被処理物を分解するのに適して
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る樹脂製被処理物の酸化分解装置の
一例を示す説明図である。
【図2】本発明に係る樹脂製被処理物の酸化分解装置の
他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 酸化分解装置 2 酸化分解槽 21 プラズマ室 22 石英パイプ 3 酸素ボンベ 33 流量計 34 制御弁 35 流量制御計 4 真空ポンプ 41 フィルタ 43 圧力制御計 5 高周波コイル 51 高周波電源 52 ケーブル 53 電磁波発信器 54 導波管 55 金網 6 撹拌羽根 61 駆動モータ P 樹脂製被処理物

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射性物質が付着した樹脂製被処理物を
    酸化分解し、生成した放射性物質が含まれない分解ガス
    を系外に排出するようになされた樹脂製被処理物の酸化
    分解装置であって、上記樹脂製被処理物が装入される酸
    化分解槽と、この酸化分解槽に酸化ガスを供給する酸化
    ガス供給源と、上記酸化分解槽内を所定の低圧に保持す
    るとともに上記槽内で発生した分解ガスを系外に排出す
    る排気手段とが備えられ、上記酸化分解槽に導入された
    酸化ガスをイオン化させるための高周波加熱機構が設け
    られるとともに、装入された樹脂製被処理物を撹拌する
    撹拌手段が設けられていることを特徴とする樹脂製被処
    理物の酸化分解装置。
  2. 【請求項2】 上記高周波加熱機構が、高周波電流を発
    生させる高周波電源と、この高周波電源で発生した高周
    波電流を電送する高周波ケーブルと、この高周波ケーブ
    ルから供給される高周波電流を得て上記酸化分解槽内に
    導入された酸化ガスを加熱分解する高周波コイルとから
    構成されていることを特徴とする請求項1記載の樹脂製
    被処理物の酸化分解装置。
  3. 【請求項3】 上記高周波加熱機構が、高周波としての
    電磁波を発生させる電磁波発信器と、この電磁波発信器
    で発生した電磁波を上記酸化分解槽内に導入された酸化
    ガスのガス流に向けて送波する導波管または同軸ケーブ
    ルとから構成されていることを特徴とする請求項1記載
    の樹脂製被処理物の酸化分解装置。
  4. 【請求項4】 上記酸化ガス供給源から上記酸化分解槽
    に到る酸化ガスの供給経路には定流量制御手段が設けら
    れ、上記酸化分解槽には排出される分解ガスの吸引量を
    調節することによって酸化分解槽内を定圧に制御する圧
    力制御手段が設けられていることを特徴とする請求項
    1、2または3記載の樹脂製被処理物の酸化分解装置。
  5. 【請求項5】 上記酸化ガスは酸素ガスまたは酸素と窒
    素との混合ガスであることを特徴とする請求項1、2、
    3または4記載の樹脂製被処理物の酸化分解装置。
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