JPH06345861A - 熱安定化ポリカーボネートの製造法 - Google Patents

熱安定化ポリカーボネートの製造法

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JPH06345861A
JPH06345861A JP5167659A JP16765993A JPH06345861A JP H06345861 A JPH06345861 A JP H06345861A JP 5167659 A JP5167659 A JP 5167659A JP 16765993 A JP16765993 A JP 16765993A JP H06345861 A JPH06345861 A JP H06345861A
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polycarbonate
dihydric phenol
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JP5167659A
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English (en)
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Tatsuya Sugano
龍也 菅野
Yutaka Fukuda
豊 福田
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 カーボネート縮合を生成する化合物として、
2価フェノールと特定の不純物の少ない炭酸ジエステル
とを、ホウ酸塩の中から選択された1種又は2種以上の
触媒に対して、塩基性触媒を中和する酸性物質を添加
し、溶融エステル交換重縮合させることを特徴とする熱
安定化ポリカーボネートの製造法。 【効果】 無色透明で高分子量のポリカーボネートを得
ることができ、ヒートエージング性が極めてよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱安定化ポリカーボネ
ートの製造法に関するものであり、詳しくはホウ酸塩の
中から選択された1種又は2種以上の触媒に対して、塩
基性触媒を中和する酸性物質を添加し、2価フェノール
と特定の不純物が少ない炭酸ジエステルとを溶融エステ
ル交換重縮合させて得られる熱安定化ポリカーボネート
の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】高分子
量ポリカーボネートは、幅広い用途、特に射出成形用又
は窓ガラスの代わりのガラスシートとしての用途を有す
る汎用エンジニアリングサーモプラスチックスである。
【0003】界面重縮合法は、一般的にポリカーボネー
トの製造に効果的であるが、有毒なホスゲンを使用する
ことや塩素イオンが、生成するポリカーボネートに残存
することなどの欠点を有する。
【0004】これらの欠点を除くために、有毒なホスゲ
ンの代わりにホスゲンのダイマーである液体のトリクロ
ロメチルクロロホルメートを用いて特殊な2価フェノー
ルと界面重縮合反応でポリカーボネートを製造すること
が特開昭63−182336号公報に開示されている。
【0005】しかしながら、特殊な2価フェノールとし
て9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン
類についての記載があるのみである。また、有毒なホス
ゲンの代わりにトリホスゲンを用いて2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパンからポリカーボネート
を得ることがAngew. Chem.(アンゲバンテ・ヘミー),
99,922(1987) に記載されているが、ホスゲンが発生す
る反応機構も提唱されている。
【0006】また、特開昭60−51719 号公報(特公昭64
−10003 号公報)には、特定の含窒素塩基性化合物、即
ち、水酸化第4級アンモニウム及びホウ酸エステルを含
む混合物を触媒として用いたポリカーボネートの製造法
が提案されていて、用いられる触媒の重合活性が低いも
のの、比較的淡色なポリカーボネートが得られる。しか
し、触媒の重合活性が低いと重合に時間がかかるので工
業的に生産性が低く、重合中に分岐構造などの副反応を
起こしやすくなるばかりでなく、耐熱安定性が劣るとい
う問題点があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、毒性のホスゲンを用いずに且つ塩素イオンを本
質的に含まない耐熱安定性のよいポリカーボネートの製
造法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、カーボネート縮合を生成
する化合物として、2価フェノールと特定の不純物の少
ない炭酸ジエステルとを、ホウ酸塩の中から選択された
1種又は2種以上の触媒に対して、塩基性触媒を中和す
る酸性物質を添加し、溶融エステル交換重縮合させるこ
とを特徴とする熱安定化ポリカーボネートの製造法を提
供するものである。
【0009】本発明では、上記のような2価ヒドロキシ
化合物と炭酸ジエステルとを用いてエステル交換触媒の
存在下でポリカーボネートを製造するに際して、反応系
に末端封止剤として炭酸ジエステル化合物、エステル化
合物、フェノール化合物等を添加することも可能であ
る。これらの末端封止剤の使用量は、2価ヒドロキシ化
合物に対して0.05〜10モル%、好ましくは1〜5モル%
であるのがよい。
【0010】本発明において、エステル交換触媒として
使用しうるホウ酸塩の代表例としては、二ホウ酸ナトリ
ウム、四ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸ナトリウム、六ホ
ウ酸ナトリウム、八ホウ酸ナトリウム、メタホウ酸リチ
ウム、四ホウ酸リチウム、五ホウ酸リチウム、メタホウ
酸カリウム、四ホウ酸カリウム、五ホウ酸カリウム、六
ホウ酸カリウム、八ホウ酸カリウム、メタホウ酸アンモ
ニウム、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウ
ム、八ホウ酸アンモニウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ
酸テトラメチルアンモニウム、ホウ酸アルミニウムカリ
ウム、ホウ酸カドミウム、ホウ酸銀、ホウ酸銅、ホウ酸
鉛、ホウ酸ニッケル、ホウ酸マグネシム、ホウ酸マンガ
ン等が挙げられる。この中では、ホウ酸のアルカリ金属
塩が好ましい。
【0011】これらのエステル交換触媒は、単独で用い
てもよいし、複数を組み合わせて使用してもよい。ま
た、複数を組み合わせて使用する場合は、それらの触媒
の添加時期は、モノマー仕込み時に同時に添加してもよ
いし、反応中段階的に添加してもよい。
【0012】また、本発明に使用しうる塩基性物質を中
和する酸性物質としてははホウ酸、亜リン酸水素アンモ
ニウムを用いることができ、これらの1種又は2種の組
み合わせでもよい。
【0013】本発明で用いられる炭酸ジエステルの代表
例としては、ジフェニルカーボネート、ジトリールカー
ボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−
クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス
(ビフェニル)カーボネート、ジエチルカーボネート、
ジメチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシク
ロヘキシルカーボネート等が挙げられる。これらのうち
特にジフェニルカーボネートが好ましい。
【0014】また、上記のような炭酸ジエステルは、50
モル%以下の量のジカルボン酸エステルを含有してもよ
い。即ち、テレフタル酸ジフェニル又はイソフタル酸ジ
フェニル等を含有してもよい。この様な場合には、ポリ
エステルカーボネートが得られる。
【0015】また、本発明で用いられる2価フェノール
の代表例としては、下記の一般式(I)〜(IV)で表さ
れる化合物が挙げられる。
【0016】
【化2】
【0017】(一連の式中、R1,R2,R3,R4,R5はそれぞれ
水素原子、炭素数1〜10の直鎖又は枝分かれを含むアル
キル基、環状アルキル基又はフェニル基であり、 Xはハ
ロゲン原子であり、n=0〜4、m=1〜4である。) 上記一般式(I)で表される化合物に分類される2価フ
ェノールとしては、2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)オクタン、4,4'−ジヒドロキシ−2,2,
2−トリフェニルエタン、2,2−ビス(3,5−ジブ
ロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられ
る。
【0018】上記一般式(II)で表される化合物に分類
される2価フェノールとしては、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−sec-ブチル
フェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン
等が挙げられる。
【0019】上記一般式(III) で表される化合物に分類
される2価フェノールとしては、1,1'−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、
1,1'−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソ
プロピルベンゼン等が挙げられる。
【0020】上記一般式 (IV) で表される化合物に分類
される2価フェノールとしては、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサン等が挙げられる。
【0021】さらに、上記一般式(I)〜 (IV) で表さ
れる化合物の中から選択された2種又は3種以上の2価
フェノールを組み合わせたポリカーボネート共重合体を
製造することも可能である。
【0022】本発明の方法は、特定の不純物の少ない炭
酸ジエステルと2価フェノールをホウ酸塩の中から選ば
れた1種又は2種以上の触媒に対して、塩基性触媒を中
和する酸性物質を添加し、溶融エステル交換重縮合反応
させることにより実施される。
【0023】この反応が進む温度は、 100℃以上〜約 3
00℃までの範囲である。好ましくは130℃〜 280℃の範
囲である。反応温度が 100℃未満であると反応速度が遅
くなり、 300℃を越えると副反応が起こりやすくなる。
【0024】そこで、熱安定化に寄与する酸性物質は、
使用する触媒のモル数量に対して1〜500 倍モル必要と
する。1倍モル未満であると熱安定化に効果なく、500
倍モルを越えると重合度があがらなくなるので好ましく
ない。
【0025】酸性物質の添加時期は、原料モノマーであ
る2価フェノールと炭酸ジエステルおよびエステル交換
触媒を仕込むときに、同時に添加しても良く、また、反
応開始後、重合体の相対粘度(ポリマー濃度 0.5g/d
l、20℃、メチレンクロリド濃度で測定)が約 1.1以上
に達した任意の時点で加えることが出来る。更に反応後
に添加しても良い。
【0026】また、本発明においては、上記のようにし
て得られたポリカーボネートに耐熱防止剤としてリン化
合物やヒンダードフェノール化合物を配合して、更に熱
安定化されたポリカーボネート組成物を得ることができ
る。
【0027】本発明に使用しうるリン化合物の代表例と
しては、トリエチルホスファイト、トリイソプロピルホ
スファイト、トリイソデシルホスファイト、トリドデシ
ルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、
ジフェニルイソデシルホスファイト、トリフェニルホス
ファイト、トリス−トリルホスファイト、フェニル−ビ
ス(4−ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(4−
オクチルフェニル)ホスファイト、トリス(4−(1−
フェニルエチル)フェニル)ホスファイト、トリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、下
記式で表されるテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフ
ェニル)−4,4'−ビフェニレンジホスフォナイト、
【0028】
【化3】
【0029】下記式で表されるペンタエリスリトール−
ジ〔(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)
ホスファイト〕、
【0030】
【化4】
【0031】下記式で表されるペンタエリスリトール−
ジ〔(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイ
ト〕、
【0032】
【化5】
【0033】下記式で表されるテトラキス(2,4−ジ
−t−ブチルフェニル)−4,4'−(2,2−ジフェニ
ルプロパン)ホスフォナイト、
【0034】
【化6】
【0035】下記式で表されるジアルコキシフェニルリ
ン酸
【0036】
【化7】
【0037】(R6、R7は炭素数1〜20の直鎖又は枝分れ
を含むアルキル基、Phはフェニル基を示す。)等であ
る。また、上記のリン化合物を2種又はそれ以上組み合
わせて用いることも出来る。
【0038】リン化合物の添加時期は、原料モノマーを
仕込む時に、同時に添加してもよく、また、反応開始後
任意の時点で添加することも可能である。また、加える
リン化合物の量は2価フェノールに対して10〜1000ppm
が好ましい。10ppm 未満であると熱安定化に効果はな
く、1000ppm を越えると物性に悪影響を及ぼすので好ま
しくない。
【0039】本発明に使用しうるヒンダードフェノール
化合物の代表例としては、オクタデシルプロピオネート
−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、
トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル
−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステルを
はじめ、下式の (A) 〜 (C) で表される化合物等が挙
げられる。
【0040】
【化8】
【0041】また、前記のヒンダードフェノール化合物
を2種又はそれ以上の組み合わせで用いることも出来
る。
【0042】ヒンダードフェノール化合物の添加時期
は、リン化合物の添加時期と同じでも良く、また別々の
任意の時期でもよい。また、加えるヒンダードフェノー
ル化合物の量は2価フェノールに対して10〜2000ppm が
好ましい。 10ppm未満であると熱安定化に効果はなく、
2000ppm を越えると物性に悪影響を及ぼすので好ましく
ない。
【0043】触媒として用いるホウ酸塩の中から選択さ
れた1種又は2種以上の合計量は、反応系中に存在する
2価フェノール1モルに対して10-6〜10-1モルが好まし
く、更に好ましくは10-4〜10-2モルである。10-6モル未
満であると触媒作用が少なくポリカーボネートの重合速
度が遅くなり、10-1モルより多くなると触媒として生成
するポリカーボネート中に残存する率が高くなるので、
ポリカーボネートの物性低下を招く。
【0044】上記のようなポリカーボネートを得るため
に、炭酸ジエステルの必要量は、2価フェノール1モル
に対して1.01〜1.5 倍モル、好ましくは1.015 〜1.20倍
モル用いて、生成するポリカーボネートの末端を炭酸エ
ステルで封止することが好ましい。
【0045】原料の炭酸ジエステルに含まれる加水分解
可能な塩素含有量3ppm 以下、ナトリウムイオン含有量
1ppm 以下、鉄イオン含有量1ppm 以下、銅イオン含有
量1ppm 以下、リンイオン含有量 20ppm以下、サリチル
酸フェニル、o−フェノキシ安息香酸及びo−フェノキ
シ安息香酸フェニルの含有量の合計が 50ppm以下、錫イ
オン含有量5ppm 以下及びメチルフェニルカーボネート
含有量50ppm 以下であることが必要である。これらの範
囲を越えると生成するポリマーの着色が大きくなり、物
性特に耐熱安定性が劣るようになる。
【0046】尚、ここで加水分解可能な塩素とは、塩酸
などの酸あるいは塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの
塩として存在する塩素あるいはフェニルクロロホーメイ
トのような有機性の加水分解可能な塩素を意味する。
【0047】炭酸ジエステル中の不純物を除去する方法
としては、(1) 熱水又は弱塩基性水溶液で洗浄する、
(2) 尿素を加えて加熱溶融処理する、または(3) アルカ
リ金属又はアルカリ土類金属の塩、例えばNa2CO3、NaHC
O3、KH2PO4、K2HPO4などを加えて減圧蒸留で処理するな
どの精製法によって除去することが可能である。
【0048】さらに、炭酸ジエステル中に含まれる水分
が 0.3wt%を越えると、反応中に炭酸ジエステルが加水
分解し、モルバランスが崩れ、ポリマーの重合度が上り
にくい。
【0049】また、末端水酸基が30モル%を越えると、
生成するポリマーの着色が大きくなり、耐熱安定性が劣
るようになる。
【0050】
【実施例】以下に本発明を実施例について説明するが、
本発明はこれらの実施例によって限定されるものではな
い。
【0051】実施例1 ニッケル張り製槽型反応器に、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン4560g(20モル)、ジフェニ
ルカーボネート4391.5g(20.5モル)、四ホウ酸ナトリ
ウム38mg(1×10-4モル)、ホウ酸30.9mg(5×10-4
ル)を加え、窒素下 160℃で融解後、1時間攪拌し、徐
々に減圧にしながら昇温させ、最終的に1Torr、 270
℃、4時間重縮合させ、生成するフェノールを留去し、
更に縦型二軸セルフクリーニング型反応機で50分反応さ
せることにより、無色透明なポリカーボネートを得た。
得られたポリカーボネートの粘度平均分子量(Mv)を
測定すると、Mv=35,000であった。また、末端水酸基
濃度は18モル%であった。
【0052】粘度平均分子量の測定方法は、20℃におけ
る塩化メチレン溶液の固有粘度〔η〕をウベローデ粘度
計を用いて測定し、次式を用いて粘度平均分子量Mvを
計算した。 〔η〕=1.11×10-4(Mv)0.82 実施例2 実施例1と全く同様の条件下で、四ホウ酸ナトリウム38
mg(1×10-4モル)の代わりに八ホウ酸カリウム30.5mg
(1×10-4モル)を加え、実施例1と同様の方法で重縮
合反応を行い、無色透明なポリカーボネートを得た。得
られた樹脂の粘度平均分子量(Mv)は38,000であっ
た。また、末端水酸基濃度は21モル%であった。
【0053】実施例3 実施例1と全く同様の条件下で、四ホウ酸ナトリウム38
mg(1×10-4モル)、ホウ酸30.9mg(5×10-4モル)の
代わりに四ホウ酸ナトリウム19mg(5×10-5モル)と八
ホウ酸カリウム15.3mg(5×10-5モル)、ホウ酸40mg
(6.5×10-4モル)を加え、実施例1と同様の方法で重縮
合反応を行い、無色透明なポリカーボネートを得た。得
られた樹脂の粘度平均分子量(Mv)は32,000であっ
た。また、末端水酸基濃度は16モル%であった。
【0054】実施例4 実施例1と全く同様の条件下で、ホウ酸30.9mg(5×10
-4モル)の代わりにリン酸水素アンモニウム50mg(5×
10-4モル)を加え、実施例1と同様の方法で重縮合反応
を行い、無色透明なポリカーボネートを得た。得られた
樹脂の粘度平均分子量(Mv)は29,500であった。ま
た、末端水酸基濃度は23モル%であった。
【0055】実施例5 実施例1で用いた反応器に、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン3648g(16モル)、イソフタル
酸ジフェニルエステル1272g(4モル)、ジフェニルカ
ーボネート4391.5g(20.5モル)、四ホウ酸ナトリウム
38mg(1×10-4モル)、ホウ酸30.9mg(5×10-4モル)
を加え、窒素下 180℃で融解後、1時間攪拌し、実施例
1と同様の方法でその後の重縮合反応を行い、ポリエス
テルカーボネート共重合体を得た。得られた樹脂の粘度
平均分子量(Mv)は29,200であった。また、末端水酸
基濃度は18モル%であった。
【0056】実施例6 実施例1の原料に加え、リン化合物としてトリス (2,
4−ジ−t−ブチルフェニル) フォスファイト100ppmを
さらに加え、実施例1と同様に反応させて、無色透明な
ポリカーボネートを得た。得られたポリカーボネートが
未だ溶融状態にあるうちに、ヒンダードフェノール化合
物として、オクタデシルプロピオネート−3− (3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル) 200ppmを
加え、ギヤーポンプを通じて、ストランドカットした。
このようにして得られたポリカーボネートの粘度平均分
子量(Mv)は26,700であった。また、末端水酸基濃度
は16モル%であった。
【0057】実施例7 実施例1と全く同様の条件下で、四ホウ酸ナトリウム38
mg(1×10-4モル)、ホウ酸30.9mg(5×10-4モル)の
代わりにメタホウ素リチウム17.2mg(2×10-4モル)、
ホウ酸61.8mg(1×10-3モル)を加え、実施例1と同様
の方法で重縮合反応を行い、無色透明なポリカーボネー
トを得た。得られた樹脂の粘度平均分子量(Mv)は3
1,000であった。また、末端水酸基濃度は17モル%であ
った。
【0058】実施例8 実施例1と全く同様の条件下で、四ホウ酸ナトリウム38
mg(1×10-4モル)、ホウ酸30.9mg(5×10-4モル)の
代わりにメタホウ素リチウム17.2mg(2×10-4モル)、
ホウ酸3.09g(5×10-2モル)を加え、実施例1と同様
の方法で重縮合反応を行い、無色透明なポリカーボネー
トを得た。得られた樹脂の粘度平均分子量(Mv)は2
8,500であった。また、末端水酸基濃度は15モル%であ
った。
【0059】比較例1 実施例1で用いたジフェニルカーボネートの代わりに特
定な不純物濃度の多いジフェニルカーボネートを用い
て、ホウ酸を加えずに実施例1の反応で重縮合反応を行
い、淡黄色のポリカーボネートを得た。得られた樹脂の
粘度平均分子量(Mv)は29,500であった。また、末端
水酸基濃度は48モル%であった。
【0060】比較例2 実施例1で用いたジフェニルカーボネートの代わりに特
定な不純物濃度の多いジフェニルカーボネートを用いて
実施例1の方法で重縮合反応を行い、淡黄色のポリカー
ボネートを得た。得られた樹脂の粘度平均分子量(M
v)は28,600であった。また、末端水酸基濃度は38モル
%であった。
【0061】比較例3 実施例1の条件で、四ホウ酸ナトリウムの代わりに水酸
化ナトリウム 0.2mg(5×10-6モル)を用いる以外は実
施例1と同様の条件で全く同じ方法で重縮合反応を行
い、淡赤色のポリカーボネートを得た。得られた樹脂の
粘度平均分子量(Mv)は30,500であった。また、末端
水酸基濃度は35モル%であった。
【0062】実施例1〜8及び比較例1〜3で得られた
ポリカーボネート或いはポリエステルカーボネートを用
い、厚み0.5mm 、50mm×50mmのシートをホットプレス急
冷法で作成し、 160℃、10日後、20日後、30日後の粘度
平均分子量を測定した。また下記式より切断数を求め
た。また、厚み2mm、50mm×50mmのシートを上記と同様
の方法で色相(YI)を測定した。
【0063】
【数1】
【0064】色相(YI)は日本電色(株)300Aを
用いて測定した。
【0065】末端水酸基濃度の測定方法は13C-NMR を用
いて、測定モード・ゲーテッド・デカップリングで測定
し、114.80ppm と129.50ppm の比から算出した。
【0066】不純物濃度は下記のように測定した。 〔サリチル酸フェニル、o−フェノキシ安息香酸、o−
フェノキシ安息香酸フェニル及びメチルフェニルカーボ
ネートの測定法〕ガスクロマトグラフ装置(島津製作所
GC-14A)を用いて測定した。
【0067】〔加水分解可能な塩素の測定法〕加水分解
可能な塩素含量はイオンクロマトグラフィー(Yokogawa
Electric works IC 100) を用いて測定した。
【0068】〔ナトリウムイオン、鉄イオンの測定法〕
原子吸光法(セイコー電子 SAS-727) を用いて測定し
た。
【0069】〔銅イオン、リンイオンの測定法〕高周波
プラズマ発光分析装置 (ICP,島津製作所 ICPS-1000III)
を用いて測定した。
【0070】〔錫イオンの測定法〕原子吸光法 (島津製
作所 AA-670G型) 、グラファイトファーネストアナライ
ザー (島津製作所 GFA-4A 型) を用いて測定した。
【0071】〔水分の測定法〕微量水分測定装置 (三菱
化成 CA-05型) を用いて測定した。
【0072】結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年10月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】上記のようなポリカーボネートを得るため
に、炭酸ジエステルの必要量は、2価フェノール1モル
に対して1.01〜1.5 倍モル、好ましくは1.015 〜1.20倍
モル用いて、生成するポリカーボネートの末端を炭酸エ
ステルで封止することが好ましい。また、好ましい末端
水酸基濃度は3〜30モル%である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホウ酸塩の中から選択された1種又は2
    種以上の触媒に対して、塩基性触媒を中和する酸性物質
    を添加し、2価フェノールと炭酸ジエステルとを溶融重
    縮合させることを特徴とする熱安定化ポリカーボネート
    の製造法。
  2. 【請求項2】 2価フェノール1モルに対して、ホウ酸
    塩の中から選択された1種又は2種以上の触媒を合計10
    -6〜10-1モル用いることを特徴とする請求項1記載の熱
    安定化ポリカーボネートの製造法。
  3. 【請求項3】 ホウ酸塩の中から選択された1種又は2
    種以上の触媒の合計モル数に対して、塩基性触媒を中和
    する酸性物質を1〜500 倍モル添加することを特徴とす
    る請求項1又は2記載の熱安定化ポリカーボネートの製
    造法。
  4. 【請求項4】 塩基性触媒を中和する酸性物質がホウ酸
    及び/又は亜リン酸水素アンモニウムであることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱安定化ポ
    リカーボネートの製造法。
  5. 【請求項5】 原料の炭酸ジエステル中に含まれる合計
    の水分 0.3wt%以下、加水分解可能な塩素含有量が3pp
    m 以下、ナトリウムイオン含有量が1ppm 以下、鉄イオ
    ン含有量が1ppm 以下、銅イオン含有量1ppm 以下、リ
    ンイオン含有量20ppm 以下、サリチル酸フェニル、o−
    フェノキシ安息香酸及びo−フェノキシ安息香酸フェニ
    ルが合計で50ppm 以下、錫イオン含有量5ppm 以下及び
    メチルフェニルカーボネートが50ppm 以下である請求項
    1〜4のいずれか1項に記載の熱安定化ポリカーボネー
    トの製造法。
  6. 【請求項6】 2価フェノール1モルに対して、炭酸ジ
    エステルを1.01〜1.5 モル用いることを特徴とする請求
    項1〜5のいずれか1項に記載の熱安定化ポリカーボネ
    ートの製造法。
  7. 【請求項7】 末端水酸基濃度が3〜30モル%であるこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱
    安定化ポリカーボネートの製造法。
  8. 【請求項8】 2価フェノールが、下記の一般式(I)
    〜(IV)で表される化合物から選ばれることを特徴とす
    る請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱安定化ポリカ
    ーボネートの製造法。 【化1】 (式中、 R1,R2,R3,R4及びR5は水素原子、炭素数1〜10
    の直鎖又は枝分かれを含むアルキル基、環状アルキル基
    又はフェニル基であり、 Xはハロゲン原子であり、n=
    0〜4、m=1〜4である。)
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