JPH06345660A - ナトリウム吸収阻害剤、ナトリウム吸収阻害飲食物および動物用飲食物 - Google Patents

ナトリウム吸収阻害剤、ナトリウム吸収阻害飲食物および動物用飲食物

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JPH06345660A
JPH06345660A JP5177172A JP17717293A JPH06345660A JP H06345660 A JPH06345660 A JP H06345660A JP 5177172 A JP5177172 A JP 5177172A JP 17717293 A JP17717293 A JP 17717293A JP H06345660 A JPH06345660 A JP H06345660A
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sodium
drink
salt
food
sodium absorption
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JP5177172A
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Yutaka Hironaka
豊 弘中
Yoshihiko Nakano
佳彦 中野
Michiyo Kubo
美千代 久保
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Earth Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 腎疾患、成人病などあるいはこれらの疾患の
予防のために減塩食を必要としている人に対して、塩分
制限を緩やかにして、食事療法を楽にさせる。また、動
物においても同様の効果をえる。 【構成】 ナツメおよびその抽出物を有効成分とするこ
とを特徴とするナトリウム吸収阻害剤。また、前記のナ
トリウム吸収阻害剤を含むナトリウム吸収阻害飲食物。
そして前記のナトリウム吸収阻害剤を含む動物用飲食
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、健康補助食品として成
人病(高血圧、心臓病、ガンなど)に不快関係のあるナ
トリウムイオンの吸収阻害剤、特に腎臓病、心臓病など
むくみを伴う諸疾患、高血圧などの治療・予防のための
減塩食事療法に適した食品に使用することができるナト
リウムイオンの吸収阻害剤とその応用に関する。
【0002】
【従来の技術】高血圧患者は食塩(ナトリウムイオン)
の摂取量を減らすことが血圧を下げる上で極めて有効で
あることが広く知られている。特に、軽症の高血圧症の
場合には、降圧剤などの薬物療法によらず減塩食事療法
のみによっていることが多い。これはいくつかの治療試
験により軽度の食塩制限によって有効な降圧効果をもた
らすことが確認されていることからもわかる。これらの
報告のうち二重盲検法による報告では、5g程度の減塩
でも血圧が有意に(平均血圧値で7.7mmHg)下降
したという。このため、高血圧症の場合には食塩の摂取
量を制限するような食事(減塩食事療法)をすることが
常識となっている。
【0003】しかし、減塩食事療法の効果については、
生体側の「食塩感受性」の問題がある。例えば、食塩摂
取量が1日当たリ0.5g以下という厳しい減塩食事療
法においても、約2/3の患者では有効であったが、残
りの1/3の患者では降圧が認められなかったという報
告もある。また、生れながらの高血圧である本態性高血
圧症の人の中にも、血圧が食塩の摂取量の変化に影響さ
れやすい人とそうでない人がいる。
【0004】このように、減塩食事療法は高血圧の人に
有効なので、重度および軽度の高血圧症患者に減塩食指
導がなされている(重度の場合は降圧剤との併用)。そ
こで、減塩食指導の食事を調理するため、あるいは高血
圧を予感して予め食塩の摂取に留意する人のために、食
塩の添加量をできるだけ減らした減塩醤油や減塩バター
などの調味料や食品が市販されている。そして特開平5
−68502号に示されるように低ナトリウム乳性デザ
ートなど、各種の製品でナトリウムイオンの生体内への
取り込みを少なくする試みが行われている。
【0005】また、ナトリムイオンの代わりとしてカリ
ウムイオンを用いる方法もある。これは従来よりカリウ
ムイオンに降圧作用を有することが知られおり、その作
用機序についてはまだはっきりとしていないが、ナトリ
ウム利尿作用、血管拡張作用、昇圧反応性の減弱作用、
交感神経抑制作用、レニン分泌抑制作用などによるもの
とされている。塩の型でカリウムイオンを投与した場
合、低塩食の状態で降圧効果があるという。しかし、カ
リウム塩を投与すると、胃潰瘍や腸穿孔を生じる危険性
もあるとされ、また腎不全の患者では、高カリウム血症
の危険性があるといわれているので、カリウムイオンの
投与は個々の高血圧患者によって決められるという制約
があり、その効果も十分なものではない。
【0006】他方、犬、猫などのような家庭において飼
育されている動物の多くは、汗腺を持たず、このためこ
れらの動物は、ナトリウムの生体内濃度の調節を、尿あ
るいは便による排泄に依存している。またこれらの動物
においては、一般的にナトリウムの必要摂取量は少な
く、その体重当たり(kg当り)のナトリウムの必要摂
取量は、犬で11mg、猫で25mgと人間の約10分
の1程度の摂取量が好ましいとされている。しかしこれ
らの動物に日常的に与えられるもので、一般にいうペッ
トフードも含めた動物用飲食物のように、何ら加工する
ことなくそのまま与えることができるようになっている
ものは、通常必要な栄養素が摂取される形態になってい
る。その場合、食塩類(ナトリウムイオンなど)の濃度
も適量に調整されている。しかしながら、通常人と同じ
食品あるいは従来に餌と混合する動物用飲食物を与えら
れている動物は、塩分の濃度が高い食品を食べるため
に、前記した必要摂取量からいうと排泄できないような
量のナトリウムイオンを摂取することになっており、そ
のため高血圧などの症状を示すものが近年見られように
なった。
【0007】一方、ナツメはくろうめもどき科の植物で
特に形が大きく、肉厚手味の甘いものを良とし、これを
大ソウと言う。この大ソウは日局にも収載され、その適
用として「かぜ薬、鎮痛、鎮けい薬、健胃消化薬、止瀉
整腸薬、精神神経用薬とみなされる処方に高頻度で配合
される」と記載されており、歯科分野においても、グリ
コシルトランスフェラーゼの阻害剤として、抗プラーク
剤への用途研究も行なわれている。さらに大量のビタミ
ンCおよびPを含有しているので、壊血症、過敏性紫斑
病、血小板減少症、高血圧症または動脈硬化症に常用さ
れている旨の記載(馬 有度著、滝川訳、漢方研究 V
ol 247 p242、1992)もある。しかしな
がら、減塩食事療法などに用いて、生体内でナトリウム
イオンの吸収を阻害することは示されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ハム、チー
ズ、かまぼこ、スナック菓子類などの塩分濃度が高い加
工食品が多く販売されていると同時に外食する機会も多
くなっている。このためナトリウムイオンの摂取量をな
るべく低く抑えるため、自分で食品に添加する食塩量を
調整することはなかなか困難であると共に、日常食で食
塩の含有量を低く抑えることは味覚の点から継続するこ
とは難しい。特に、食塩の含有量を1日0.5g以下と
いう厳しい減塩食事療法を長期にわたって続けることは
実際上は極めて困難なことである。そこで、長期の減塩
食事療法としては、1日当たりの食塩摂取量が約5〜6
g程度とし、血圧の低下が十分でない場合にはじめて利
尿剤の投与を行うようにされている。
【0009】このような高血圧症患者における減塩食事
療法やあるいは高血圧を予感して予め食塩の摂取に留意
する人のために、味覚の点からは食塩の摂取を控えるこ
とはないが、体内の生理学的な観点からは減塩食事療法
と同じ作用を示すもの、すなわち、食事ではさほど減塩
をすることがなく、それでいて副作用が避けられない降
圧剤を投与しないですむ薬剤あるいはそれを含有する食
品を提供しようとすることを目的とするものである。
【0010】さらに、本発明の他の目的は、人と同じ食
品を与えられている動物が必要以上にナトリウムイオン
を吸収することを防ぎ、人と同様の高血圧などの病的症
状を発生させないことを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来の高血圧
症の要因となる食塩の摂取を減少させるとか、人体に血
管拡張剤とか交感神経抑制剤のような降圧剤を投与する
という手段によらず、従来全く考えられていなかった新
規な手段である。すなわち、人体内あるいは動物の体内
で血圧を高める要因となるナトリウムイオンがヒトの体
内(血中)に入らないようにすることにより、実質的に
減塩したのと同じ効果を与えることができるのではない
かということを着想し、そのような物としてナツメがあ
ることを見出すことによって完成されたものである。ま
た、前記のようにビタミンCおよびPをナツメが多量に
含んでいることによる作用でなく、生体内(腸管中)で
ナトリウムイオンが吸収されることを阻害する作用を発
見することで始めて見いだされたものである(以下、簡
単にいうため、前記の「ナトリウムイオンが吸収される
ことを阻害すること」を「ナトリウム吸収阻害」とい
う。)。
【0012】すなわち、本発明は次の(1)、(2)お
よび(3)手段によって前記の目的を達成した。 (1)ナツメおよびその抽出物を有効成分とすることを
特徴とするナトリウム吸収阻害剤。 (2)(1)記載のナトリウム吸収阻害剤を含むことを
特徴とするナトリウム吸収阻害飲食物。 (3)(1)記載のナトリウム吸収阻害剤を含むことを
特徴とする動物用飲食物。
【0013】本発明のナツメとしては、前記のとおりく
ろうめもどき科の植物で一般に言う「ナツメ」または
「サネブトナツメ」であれば良い。特に生薬製剤の原料
として利用されるナツメとしては、乾ソウ、密ソウ、紅
ソウ(大紅ソウ、小紅ソウ)、黒ソウ(鳥ソウまたは燻
ソウ)および南ソウなどが例示でき、高価であるが薬局
などで容易に入手できる。またサネブトナツメの種子を
乾燥させたものも酸ソウ仁またはソウ仁として同様に販
売されている。さらにこれらのナツメの果実をそのまま
を配合してもよいが、当該ナツメの乾燥物を粉砕などの
破砕処理したものを用いても良い。
【0014】本発明のナツメの抽出物としては、ナツメ
を水;エタノールなどの低級アルコール;大豆油、胡麻
油、オリーブ油などの植物油;肝油、ミンク油、鯨など
の動物油;などのように溶媒自体も経口的に摂取しても
体調を壊すことがない溶媒を1種または2種以上の混合
溶媒で抽出する方法、あるいは炭酸ガスなどのガスで抽
出する方法などによって得られるチンキ、抽出エキス、
精油または抽出液あるいはそれらの乾燥エキスなどが挙
げられる。さらに多段階抽出により分画された抽出物
(一般にいう「分画物」)、あるいは多段階抽出により
発生する残渣なども抽出物として挙げられる。またその
抽出に際しては、その成分が分解しない温度、例えば2
5〜130℃で、約30分〜48時間、溶媒に浸漬する
ことができる。さらに、常温で長時間浸漬すれば特別な
処理をすることなく抽出物が得らえれる。
【0015】本発明のナトリウム吸収阻害剤は、ナツメ
および/またはナツメの抽出物を配合することでできる
(以下、ナツメとナツメの抽出物を合わせて「ナツメな
ど」と記載する)。
【0016】本発明のナトリウム吸収阻害剤は、薬剤と
して使用することができる。ナツメなどを投与するにあ
たっては、固体あるいは液体の剤型が示せる。例えば、
錠剤、顆粒や液状のもの、さらには液状体をカプセルに
封入することができる。その際、必要により賦形剤やそ
の他の剤型を形成するのに使用されている添加剤を添加
することができる。
【0017】本発明のナトリウム吸収阻害剤の投与量
は、通常、1回0.5〜3.0g/kgを食前および/
または食後約30〜60分以内に経口投与し、特に、ナ
トリウムイオンが多い塩辛い物を多量に摂取した場合に
は1回2.0g以上を食後約30分以内に経口投与する
ことで、有意に生体内の吸収されるナトリムイオンの量
が減少できる。しかし、摂取した食塩量、体調などに応
じて本発明のナトリウム吸収阻害剤の投与量は適宜変え
ることができる。
【0018】本発明のナトリウム吸収阻害剤には、カリ
ウム塩を含有させて併用すると、そのナトリウム吸収阻
害作用を一層増大させることができる。カリウムが降圧
作用をすることは、前述したように良く知られており、
このカリウム塩を併用すると、ナツメのナトリウム吸収
阻害作用を一層助長することができる。カリウム塩とし
ては、塩化カリウムなどが好ましく用いられる。カリウ
ム塩の添加量としては、カリウム塩:ナツメが約1:1
から約1:100とすることができ、特に約1:10か
ら約1:100とするのが好ましい。また、カフェイン
はナトリウムイオンの吸収を阻害する作用を有する。
【0019】また、本発明のナトリウム吸収阻害剤に、
1価の陽イオンを有する物質(ただし、ナトリウムイオ
ン、カリウムイオンを除く)を共存させることにより、
そのナトリウム吸収阻害作用を助長させることができ
る。
【0020】本発明のナトリウム吸収阻害飲食物は、こ
れの飲料および/または食品を総称するものであり、一
般に言う健康食品、栄養補助食品、機能性食品、病者用
特別用途食品あるいは特定保健食品をも含み、これはナ
ツメなどを食品中に含有させて、食事に供することで作
ることができる。本来ナツメは果実であることから、食
品と良く調和し、食品に含有させることができる。含有
させる食品としては、どのような食品でもよいが、ナツ
メなど自体に甘みがあることからその味と調和できるも
のが好ましい。例えば菓子、デザート類、乳製飲料およ
びドリンク剤などを挙げることができる。特に、毎日定
期的に摂取するようなものであることが好ましく、例え
ば乳製飲料などが好ましい。この食品中のナツメなどの
含有量は、食品の摂取量からみてナトリウムイオンの摂
取量に対応した必要量が投与されるように設定するのが
良く配合量は前記のナトリウム阻害剤と同様である。こ
の飲食物にも、カリウム塩を併用すると、相乗的にその
効果を増大させることができる。
【0021】本発明のナトリウム吸収阻害剤は、前記の
ナトリウム吸収阻害飲食物と同様に従来からの動物用食
品あるいは動物用飲料に添加することなどにより、食塩
の取り過ぎによる害を防ぐことができる動物用飲食物と
することができる。また、ナトリウム吸収阻害剤単独、
または当該ナトリウム吸収阻害剤に香料および/または
調味料のみを添加した動物用のふりかけなども本発明の
動物用飲食物に含む。利用に際しては、本発明の動物用
飲食物と、摂取する動物によって過剰に食塩を含んでい
る他の動物用食品または飲料に混合して利用でき、例え
ば人用の食物に当該動物用飲食物を添加して動物用に利
用することで、人間には適量であるが、動物では過剰の
ナトリウム量の生体内への吸収を抑制することができ
る。そして、動物としては、犬、猫、ウサギ、ねずみ類
(モルモット、ハムスターなど)のペットに加えて馬お
よび羊などの家畜類も含む。なお本発明の動物用飲食物
は、通常いわれている餌、ドックフード、キャットフー
ドなどのペットフード類を含む意味で用いられており、
かつ動物に与えられる液状の飲料も含むものである。
【0022】
【作用】本発明のナトリウム吸収阻害剤において、ナツ
メなどはナトリウムイオンが腸管等の消化器系より人体
内に吸収されるのを阻害する作用を有するので、塩分
(ナトリウムイオン)の多量摂取が問題となる高血圧症
の予防などをはじめ、その他、腎疾患、成人病治療に有
効である。その際、カリウム塩、カフェインおよびアル
ギニン等を併用すると、一層その効果が大きい。その併
用においては、カリウム塩によるナトリウムイオン排泄
作用あるいはカフェインによる利尿作用がある。
【0023】このナトリウム吸収阻害剤は、食品中に添
加すると、前記のナトリウム吸収阻害作用をするため、
動物用飲食物あるいはナトリウム吸収阻害飲食物として
有用である。そして、ナツメなどそれ自体果実であるか
ら容易に摂取しうるものである。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定される
ものではない。
【0025】実施例1 (1)ナツメ水性エキスの抽出(本発明のナトリウム吸
収阻害剤) ナツメとして小城製薬(株)より大ソウを購入し(12
00〜2400円/kg)、種子を除いた果肉150g
に対して800mlの蒸留水を加え、水浴上で80℃、
3時間温浸抽出した。その後ろ過し、残渣に再び500
mlの蒸留水を加えてさらに水浴上で80℃、3時間温
浸抽出後にろ過した。そして、この2回のろ液を合わせ
て凍結乾燥したものを、ナツメ水性エキスとして実験に
使用した。
【0026】(2)門脈カニューレ固定ラットの作製 雄性ラット(SD系、400g前後)を使用した。該ラ
ットをペントバルビタール麻酔下に開腹して肝臓や小腸
を押しのけ、門脈を見つけて、細いポリエチレンチュー
ブSP35(内径0.5m、外径0.9mm;夏目製作
所製)に医療用シリコンチューブ シラスコン▲R▼
H No00(内径0.5mm、外径1.0mm;ダウ
コーニング製)を接続したカニューレの一端を門脈内に
挿入して固定した。そして、該シリコンチューブの他端
をラット腹腔内から背部皮下を通して頚部に出して固定
した。
【0027】門脈にカニューレを挿入固定したラット
は、ペニシリンとサルファ剤の投与によって術後感染と
化膿を予防し、手術後3日間の回復期間をおいて、ほぼ
完全に手術の影響から回復し元気なものを実験に供し
た。
【0028】(3)各供試料の投与 測定に供したラットは、ナトリウムを強制摂取させる日
の前日より絶食し(18時間絶食、水は自由に摂水)、
当日は実験終了時まで絶食および絶水とした。
【0029】まず、表1に記載の本発明のナツメ投与群
(AまたはB)は、50.0%ナツメ水性エキス水溶液
を調製して、該ナツメ水性エキス水溶液を500mg/
kgまたは1000mg/kgの割合で経口投与した。
そして、対照群(C)としては、ナツメ水性エキス水溶
液の代わりに2ml/kgの割合で蒸留水を経口投与し
た。そして、ナツメ水性エキス水溶液または蒸留水の経
口投与1時間後に、各群のラットにナトリウムイオンを
摂取させた。ナトリウムイオンは25%塩化ナトリウム
水溶液の形でラットに0.5g/kgの割合で一回の経
口投与で摂取させた。そして、生体内へのナトリウムイ
オンの吸収阻害度を、門脈中のナトリウムイオン濃度の
変化で経時的に測定することで確認した。
【0030】(4)生体内のナトリウムイオンの測定 生体内のナトリウムイオンを測定するため、ナトリウム
イオンを摂取させる直前(供試料投与後60分)と、ナ
トリウムイオンを摂取させた直後から15分、30分、
60分、90分、120分、150分、180分および
300分まで150ulの門脈中血液をカニューレから
採血を行った。
【0031】採血した各群の各時間の門脈血中のNa
およびK濃度は、採決した血液を5分間遠心分離機
(久保田社製)にて遠心分離(12000rpm)して
血漿をえ、該血漿を炎光光度計(日立 703型)に供
試して測定して、ナトリウムイオン摂取前の測定値とか
ら今回の測定値とのナトリウムイオンの量(例えば、ナ
トリウムイオンを摂取させた直後の測定値と摂取後15
分目の測定値の差)の差(mg/ml)を求めて表1に
記載した。また、供試動物は1群8〜10頭で行い、表
中の数値は平均値およびその誤差を示した。
【0032】
【表1】
【0033】この表からも明らかなように、500mg
/kgおよび1000mg/kgのナツメ水性エキス水
溶液を経口投与したいずれの群も無投与群に比して、血
中のナトリウムイオン濃度が低い。
【0034】実施例2 動物用飲料 本発明のペット用飲料として、次の成分からなるものを
調整した。 成分 g/100ml含量 ビタミンB 0.0012 dl−塩化カルニチン 0.05 塩化カルシウム 0.1 乳果オリゴ糖 1.0 液糖 5.0 ナツメチンキ 0.5 dl−メチオニン 0.5 タウリン 0.05 精製水 残り
【0035】
【発明の効果】本発明のナトリウム吸収阻害剤は、ナト
リウムイオンがヒトの体内に吸収されるのを阻害する作
用、ナトリウムイオンが排泄されるのを促進する作用お
よび利尿作用があるため、高血圧症者が食塩を摂取して
もその影響が少なくてすむので、厳しい減塩食をつづけ
なくてもよい。このため、高血圧症者は食事療法が非常
に楽になる。高血圧症者などにおける塩分(ナトリウム
イオン)の摂取制限の補助効果がある。それで、このナ
トリウムイオンの影響を少なくすることができるので、
軽症高血圧患者の場合、降圧剤を使用しなくてもすみ、
軽症でない場合でも、降圧剤の使用量が少なくてよいの
で、それによる副作用をなくすることができるか、ある
いはあっても低く抑えることができる。そして、このナ
トリウム吸収阻害剤をカリウム塩などと併用したものと
するときには、カリウム塩の降圧作用などと相まって、
一層その効果が増大される。このように、本発明のナト
リウム吸収阻害剤は、高血圧、腎疾患、成人病などに極
めて有効である。そして、健康に不安を有する一般にい
う中年以上の方が、高血圧症、心臓病またはガン等の予
防のために容易に摂取できる形態をとりえる。
【0036】このナトリウム吸収阻害剤を食品に含有さ
せた食品または動物用飲食物は、ナツメが他の効果とし
て健胃効果を持っているため、食品となじみやすく、容
易に摂取できる。そして、前記のナトリウム吸収阻害作
用を容易に果たすことができるので、高血圧の予防に有
効である。その際カリウム塩を併用すれば、その降圧作
用等を合わせて得ることができる。
【0037】さらに、ナトリウム吸収阻害剤を動物用食
品または動物用飲料に添加した、あるいはナトリウム吸
収阻害剤に香料および/または調味料のみを添加した動
物用飲料品は、前記のナトリウム吸収阻害飲食物と同様
に食塩の取り過ぎによる悪影響の発生、例えば高血圧症
状の発生を予防することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナツメおよびその抽出物を有効成分とす
    ることを特徴とするナトリウム吸収阻害剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のナトリウム吸収阻害剤を
    含むことを特徴とするナトリウム吸収咀害飲食物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のナトリウム吸収阻害剤を
    含むことを特徴とする動物用飲食物。
JP5177172A 1993-06-10 1993-06-10 ナトリウム吸収阻害剤、ナトリウム吸収阻害飲食物および動物用飲食物 Pending JPH06345660A (ja)

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Dinesh A Study on Sobai
Cure et al. Click on the image below to launch the video Moringa Documentary-the'miracle'tree-click on the image below to launch video. Treatment/Alternative Treatments/Herbal Medicines/Moringa Tree Moringa Tree: Side Effects & Uses for Cancer Treatment Moringa tree extracts contain high levels of antioxidants that may be beneficial in the treatment of cancer. Studies show moringa tree extracts reduce cancer cell growth. Some mesothelioma survivors claim the herbal supplement has helped them.