JPH0634513Y2 - 外装パネル目地部構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は外装パネルの目地部構造に関するもので、更
に詳細には、例えば建造物躯体の外側面に取付けられる
複数の外装パネルの隣接部間に形成される目地部構造の
改良に係るものである。

［従来の技術］ 一般に、建造物躯体の外側面にブラケット等の取付け手
段を介して複数の化粧用の外装パネルを取付けた建造物
の外壁構造が知られている。この外壁構造において、各
外装パネルの隣接部間の目地部には気水密性を維持する
ためにコーキング材が充填されている。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、従来の目地部構造においては、各外装パ
ネルの隣接部間の目地部にコーキング材を充填するため
施工に手間がかかるという問題があり、また、コーキン
グ材が外面に露出するため、気候変化に伴う経年変化を
きたし、長期間の使用に耐えないという問題もあった。

したがって、現状においては簡単な施工により目地部の
気水密を維持することができと共に、中期間の使用に得
る目地部構造の開発が望まれている。

［課題を解決するための手段］ この考案は上記事情に鑑みなされたもので、上記技術的
課題を解決するために、外装パネルの取付けと同時に目
地部の気水密の維持を行えるようにしたことを特徴とす
る外装パネルの目地部構造を提供しようとするものであ
る。

すなわち、この考案は、建造物躯体の外面側に取付けら
れる複数の外装パネルにおける隣接部間に凹状の目地部
を形成し、上記目地部には、隣接する上記外装パネルの
端面に圧接する弾性気水密材を一体に設けた塞ぎ部材を
嵌挿すると共に、この塞ぎ部材を建造物躯体に固定し、
上記外装パネルを建造物躯体に取り付けると同時に、互
いに隣接する外装パネルの気水密を維持したことを特徴
とする外装パネルの目地部構造を提供しようとするもの
である。

この考案において、上記目地部は隣接する外装パネル間
に形成される凹状をなすものであれば任意のものであっ
てもよいが、好ましくは各外装パネルの辺部に装着され
る枠材から突設される外向きの取付けフランジ部にて形
成する方がよい。また、上記塞ぎ部材は隣接する外装パ
ネルの端面に圧接する弾性気水密材が一体に設けられた
ものであれば任意のものでよく、例えば一対の弾性気水
密材が塞ぎ部材の両側に夫々固設されたもの、あるいは
両側に外装パネルへの圧接部を有する一つの弾性気水密
材が塞ぎ部材に固設されたものであってもよい。

［作用］ 上記技術的手段は次のように作用する。

複数の外装パネルの隣接部間の凹状の目地部を形成し、
この目地部に嵌挿されて上記外装パネルを建造物躯体に
固定する塞ぎ部材には、互いに隣接する上記外装パネル
の端面に圧接する弾性気水密材を一体に設けたので、上
記塞ぎ部材の固定によって上記外装パネルを建造物躯体
に取り付けると同時に、互いに隣接する外装パネルの気
水密維持を図ることができる。

［実施例］ 以下にこの考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図はこの考案のに目地部構造の縦断面図、第２図は
目地部構造の横断面図を示している。

この考案の目地部構造は、建造物躯体10の外側面に固定
される取付け手段30を介して取付けられる複数の外装パ
ネル20,20…の隣接部間に形成される外方に向って開口
する凹状の目地部12に、隣接する外装パネル20,20の端
面に圧接する弾性気水密材16,16を具備する塞ぎ部材14
を嵌挿すると共に、この塞ぎ部材14を固定手段である固
定ビス18にて固定して成る構造となっている。

この場合、上記外装パネル20は、アルミニウム合金製外
側表面板22と着色亜鉛鉄板製内側表面板24との間に無機
質断熱材を含む断熱性心材26を充填すると共に、その四
周辺には、断熱性心材26の外側面及び端面を抱持する抱
持部27と外向きの取付けフランジ部28とを有する断面が
ほぼクランク状の鋼板製の補強枠材29を装着して成る。
なおこの場合、断熱性心材26は、黒曜石等の粒状の無機
質発泡体、バインダとして使用される硅算アルカリ溶液
及び金属硅素粉を主体とする硬化剤を含有する反応混合
物にて形成されている。また、補強枠剤29の外方面はそ
れぞれ両表面板22,24にて被覆されて、両表面板24,24と
断熱性心材との間に埋設された状態となっている。

上記のように構成される外装パネル20は取付け手段30を
介して躯体10の外側面に取付けられるのであるが、外装
パネル20の垂直方向の上下端部は取付け手段30に固定さ
れるパネル受部材31にて固定される。すなわち、パネル
受部材31を断面ほぼＨ状のアルミニウム合金製形材にて
形成すると共に、その上下端面に嵌合溝32,32を形成し
て、嵌合溝32,32内にそれぞれ上方に位置する外装パネ
ル20の下端部の補強枠材29の取付けフランジ部28を嵌挿
し、また、下方に位置する外装パネル20の上端部の補強
枠材29の取り付けフランジ部28を嵌挿して外装パネル2
0,20…の取付けを行うと共に、隣接する外装パネル20,2
0間に凹状の目地部12を形成する（第１図参照）。一
方、外装パネル20の水平方向の左右端部の補強枠材29,2
9の取付けフランジ部28,28はそれぞれ取付け手段30に当
接されて目地部12を形成すると共に、固定ビス18によっ
て取付け手段30に固定される塞ぎ部材14と取付け手段30
とで挟持固定されている（第２図参照）。なおこの場
合、取付け手段30は、躯体10の外側面にアンカーボルト
33をもって固定される複数のアングルピース34,34…
と、２つにアングルピース34,34にボルト35をもって連
結される複数のアングル状の胴縁36,36…とで構成され
ており、胴縁36の外側面に上記パネル受部材31が皿ビス
37をもって固定、あるいは、外装パネル20の補強枠材29
の取付けフランジ部28が当接固定されるようになってい
る。

上記塞ぎ部材14は、第３図に示すように、アルミニウム
合金製押出し形材にて形成される中空角状本体14aと、
この本体14aの対向する２辺の外面側に設けられた挟隘
開口溝14b,14b内に嵌合固定されて外方に突設される合
成ゴム製の弾性気水密材16,16とで構成されている。こ
のように構成される塞ぎ部材14は上記目地部12内に嵌挿
された後、外方からこの塞ぎ部材14を貫通して取付け手
段30の胴縁36にねじ結合される固定ビス18にて固定され
る共に、両側の弾性気水密材16,16がそれぞれ隣接する
外装パネル20,20の目地部側端面に圧接されて目地部の
気水密を維持している。

第４図及び第５図はこの考案の別の実施例を示す縦断面
図及び横断面図で、塞ぎ部材15を第６図に示すようなア
ミミニウム合金製押出し形材にて形成される断面コ字状
の本体15aと、この本体15aの凹条部15b内に嵌合固定さ
れると共に、本体の両側方に突設される１つの合成ゴム
製弾性気水密材17とで構成した場合である。

なお、第４図及び第５図においてその他の部分は上記実
施例と同じであるので、同一部分には同一符号を付して
その説明は省略する。

［考案の効果］ 以上説明してきたように、本考案の外装パネルの目地部
構造によれば、互いに隣接する外装パネルの間に形成さ
れた凹状の目地部に塞ぎ部材を固定することによって、
上記塞ぎ部材と一体に設けられた弾性気水密材が外装パ
ネルの端面に圧接するので、外装パネルの取付けと同時
に目地部の気水密の維持を図ることができ、外装パネル
の取付け作業とシール材の充填作業とを別個に行う必要
があった従来の構造に比べて施工の簡略化を図ることが
できる。

また、弾性気水密材を塞ぎ部材と一体的に形成したの
で、シール部の経年劣化を可及的に抑えることができ、
長期間に亘って気水密性の維持を図ることができる。

【図面の簡単な説明】 第１図はこの考案の目地部構造の第一実施例を示す縦断
面図、第２図はその目地部構造の横断面図、第３図は第
一実施例における塞ぎ部材の斜視図、第４図はこの考案
の第二実施例を示す縦断面図、第５図はその横断面図、
第６図は第二実施例における塞ぎ部材の斜視図である。 符号説明 （10）……建造物躯体 （12）……目地部 （14,15）……塞ぎ部材 （16,17）……弾性気水密材 （18）……固定ビス（固定手段） （20）……外装パネル （22,24）……表面板 （26）……断熱性心材 （29）……補強枠材 （30）……取付け手段

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】建造物躯体の外側面に取付けられる複数の
   外装パネルにおける隣接部間に凹状の目地部を形成し、
   上記目地部には、隣接する上記外装パネルの端面に圧接
   する弾性気水密材を一体に設けた塞ぎ部材を嵌挿すると
   共に、この塞ぎ部材を建造物躯体に固定し、上記外装パ
   ネルを建造物躯体に取り付けると同時に、互いに隣接す
   る外装パネルの気水密を維持したことを特徴とする外装
   パネルの目地部構造。