JPH06344967A - 自動二輪車 - Google Patents

自動二輪車

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JPH06344967A
JPH06344967A JP7714794A JP7714794A JPH06344967A JP H06344967 A JPH06344967 A JP H06344967A JP 7714794 A JP7714794 A JP 7714794A JP 7714794 A JP7714794 A JP 7714794A JP H06344967 A JPH06344967 A JP H06344967A
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JP
Japan
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straight line
rear wheel
front fork
motorcycle
drive
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Application number
JP7714794A
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English (en)
Inventor
Tsugunori Konakawa
嗣教 粉川
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH06344967A publication Critical patent/JPH06344967A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
    • F02B2075/022Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
    • F02B2075/025Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two

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  • Automatic Cycles, And Cycles In General (AREA)
  • Axle Suspensions And Sidecars For Cycles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 実走時にフロントフォークの軸方向力を低減
することにより車体のピッチングを低減でき、操縦性を
向上できる自動二輪車を提供する。 【構成】 後輪懸架装置の略1/2ストローク状態でみ
て、駆動チェーン42の駆動スプロケット40との駆動
側接点61及び従動スプロケット41との従動側接点6
2を結ぶ第1直線sの延長線と、駆動スプロケット40
の軸方向投影面内に配置されたリアアームピボット軸5
6a,56bと後輪軸63とを結ぶ第2直線tの延長線
とを車両前部で交差させ、該交点ICと後輪接地点Eと
を結ぶ直線uとフロントフォーク4との交差角度θを略
90°に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動二輪車に関し、詳
細には実走時にフロントフォークに作用する軸方向力,
及びリヤアームに作用するストローク方向力の両方又は
一方の低減により車体のピッチングを低減でき、操縦性
を向上できる自動二輪車のリアアーム及びフロントフォ
ークの形状,位置等の幾何学的関係(以下リアアームジ
オメトリと記す)の改良に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】とくにレース用の自動二輪
車においては、実走時にリアアームジオメトリに起因し
て発生する駆動合力がフロントフォークに対して種々の
分力を生じさせる。これらの分力のうち、主としてフロ
ントフォークの軸方向分力がフロントフォークを上下動
させ、これにより車体が前後又は上下にピッチングを起
こしたり、あるいは前輪を外方に押し出そうとしたりす
る。従って、車体のピッチング及び前輪外方押出し力を
低減させるためには、このようなフロントフォークの軸
方向分力を低減させることが必要である。
【0003】また上記駆動合力がリヤアームに対してス
トローク方向の分力を生じさせ、これにより車体が前後
又は上下にピッチングを起こす問題もある。
【0004】本発明は上記従来の実情に鑑みてなされた
もので、実走時にフロントフォークの軸方向力を低減す
ることにより車体のピッチング及び前輪外方押出し力を
低減でき、またリヤアームに対するストローク方向力を
低減でき、その結果操縦性を向上できる自動二輪車を提
供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】まず請求項1の発明の成
立過程について説明する。自動二輪車では、後輪の上下
ストロークに起因するチェーン張力による車体のピッチ
ングを低減させるためには、リアアームのピボット部を
後輪駆動用スプロケットの軸心に近接させることが有効
であることが知られている。
【0006】さらに本願発明者は、上記車体ピッチング
等を低減すべく鋭意研究を進め、次のような仮定を立て
た。すなわち、自動二輪車の後輪懸架装置部分の挙動を
微小時間で捉え、リアタイヤの接地点から駆動力が作用
した瞬間について考える。このとき駆動スプロケットは
回転せず車体本体の一部とみなすことができるものとす
る。これにより後輪側部分は4つのリンク(図6(a)
のリアアームA、駆動チェーンの駆動スプロケットとの
接点とピボット軸とを結ぶ車体本体B,又はB´、チェ
ーンC,又はC´、駆動チェーンの従動スプロケットと
の接点と後輪軸とを結ぶリアホイールD,又はD´、な
お,B´,C´,D´は減速時を示す。)から構成され
ていると仮定できるものとする。
【0007】後輪側部分をこのようなリンク機構と考え
たとき、リアホイールDの車体本体Bに対する瞬間中心
は、リアアームAの延長線と、チェーンCの延長線との
交点ICとなる。従って、リアホイールDは瞬間中心I
Cを中心とした運動をすることになり、さらにリアタイ
ヤRの接地点EはリアホイールDの一部であることか
ら、リアタイヤRは瞬間的には、接地点EとICとを結
んだ直線mに直交した方向(図6(a)矢印方向)に運
動する。
【0008】次に図6(b)に示すように、エンジン駆
動時にリアタイヤRに駆動力が作用する場合を考える。
該駆動力をfとし、該駆動力fを上記直線m方向とこれ
に直交する方向に分解すると、駆動力fの直線m方向分
力f1はフロントフォークに作用する押付け力となり、
直線mの直交方向分力f2はリアタイヤRが路面を押し
付ける力となる。
【0009】従って、図7(a)に示すように、上記直
線mの延長線(すなわちフロントフォークに作用する分
力f1の作用線方向)がフロントフォークのFrの軸線
に直交しておれば、フロントフォークFrの軸方向分力
は生じない。また同図(b)のように直線mの延長線と
フロントフォークFrの軸線とのなす角度θが鈍角であ
ればフロントフォークFrには押下げ力が、さらに同図
(c)のように上記角度θが鋭角であればフロントフォ
ークFrには押上げ力が作用することになる。なおこの
場合、前輪には走行抵抗があることを前提条件としてい
る。この走行抵抗とはタイヤと路面とのころがり抵抗,
車軸軸受のころがり抵抗,前輪自体の回転慣性力等から
なる。
【0010】またエンジンブレーキが作用する場合に
は、リアタイヤRには上記f(図6(b)参照)とは逆
方向の力が作用するため、その直線m方向分力はフロン
トフォークに作用する引張り力となる。このため、図8
(a)に示すように直線mの延長線とフロントフォーク
Frの軸線とが直交しておればフロントフォークFrに
軸方向分力は作用しないが、上記駆動時の場合とは逆に
フロントフォークFrに押上げ力が作用するのは直線m
の延長線とフロントフォークFrの軸線とのなす角度θ
´が鈍角の場合であり(同図(b))、フロントフォー
クFrに押下げ力が作用するのは上記角度θ´が鋭角の
場合である(同図(c))。
【0011】種々の自動二輪車について実走行を行って
フロントフォークの軸方向移動量を測定した結果、後輪
懸架装置の略1/2ストローク状態において車体のピッ
チング,前輪外方押出し力の小さいものには上記考察が
よく当てはまることが分かった。
【0012】従って、請求項1の発明に係る自動二輪車
は、後輪懸架装置の略1/2ストローク状態でみて、駆
動チェーンの駆動スプロケットとの駆動側接点及び従動
スプロケットとの従動側接点を結ぶ第1直線の延長線
と、リアアームピボット軸及び後輪軸を結ぶ第2直線の
延長線とを車両前部で交差させ、該交点と後輪接地点と
を結ぶ直線とフロントフォークとの交差角度を略直角に
設定したことを特徴としている。
【0013】次に請求項2の発明の成立過程について説
明する。上述のように、上記駆動力fの上下方向分力f
2は後輪が路面を押し付ける力であり、これによりリヤ
アームがストロークし、車体のピッチングの原因とな
る。一方、上記駆動力fにより車両重心G回りのモーメ
ントMが発生する。そしてこのモーメントに起因して前
輪側から後輪側に荷重移動があり、これは上記分力f2
を打ち消す方向に作用する。従って、この荷重移動量を
上記分力f2と同等の大きさに設定すればリヤアームの
ストロークによる車体ピッチングを防止できることとな
る。
【0014】そこで請求項2の発明は、後輪懸架装置の
略1/2ストローク状態でみて、前輪接地点と前輪軸と
を結ぶ第4直線の延長線上の車両重心高と同じ高さの点
と後輪接地点とを結ぶ第5直線上に、駆動チェーンの駆
動スプロケットとの駆動側接点及び従動スプロケットと
の従動側接点を結ぶ第1直線の延長線と、リヤアームピ
ボット軸及び後輪軸を結ぶ第2直線の延長線との交点を
設定したことを特徴としている。
【0015】また請求項3の発明は請求項2において、
上記第5直線とフロントフォークとの交差角度を略直角
に設定したことを特徴と、請求項4の発明は請求項1な
いし3の何れかにおいて、上記リヤアームピボット軸が
駆動スプロケットの軸方向投影面内に配置されているこ
とを特徴としている。
【0016】ここで本発明において、後輪懸架装置の略
1/2ストローク状態において各要件を設定したのは以
下の理由による。即ち、上述の各要件を設定した場合の
ストロークより大きくなっても、また小さくなってもピ
ッチング抑制効果は小さくなるわけであるが、1/2ス
トローク状態で設定することにより、ピッチング抑制効
果の減少を最小限に押さえることができるからである。
また、上記ピッチングの発生が最も問題になるのは、比
較的高速でコーナリングする場合であり、このような運
転状態では後輪懸架装置は1/2程度ストロークしてい
るのが一般的であり、従ってこの点からも略1/2スト
ロークを基準にするのが好ましい。
【0017】また、車両重心は懸架装置のストローク状
態で変化するのであるが、請求項2における重心高さと
は、上述の略1/2ストローク状態での重心高さの意味
である。
【0018】また、第1直線における駆動チェーンのス
プロケットとの接点とは、張り側における接点であり、
従って加速時は図6(a)のB,D側接点であり、減速
時は同図のB′,D′側接点である。
【0019】
【作用】請求項1の発明では、上記第1直線と第2直線
との交点を瞬間中心と考えたとき、該瞬間中心と後輪接
地点とを結ぶ直線とフロントフォークとの交差角度が略
直角に設定されているので、フロントフォークに軸方向
分力が作用するのが回避でき、これにより車体のピッチ
ング,前輪外方押出し力を低減でき、操縦性を向上でき
る。
【0020】請求項2の発明では、第1直線と第2直線
との交点を瞬間中心と考えたとき、該瞬間中心を、前輪
接地点からの垂直線(第4直線)上の車両重心高の点と
後輪接地点とを結ぶ第5直線上に位置させたので、駆動
力を瞬間中心方向力と上下方向力とに分解した場合のこ
の上下方向力が荷重移動量と略同一大きさでかつ逆向き
となることから、後輪ストローク量が略零となり、これ
により車体のピッチングを低減できる。
【0021】また請求項3の発明では、請求項2におい
てさらに瞬間中心と後輪接地点とを結ぶ直線とフロント
フォークとの交差角度を略直角に設定したので、フロン
トフォークに軸方向分力が作用するのが回避でき、より
一層車体のピッチングを低減でき、操縦性を向上でき
る。
【0022】請求項4の発明では、リアアーム前端側の
ピボット部が後輪駆動用スプロケットの軸芯に近接して
いるので、チェーンの張力による車体のピッチングを低
減できる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。図1ないし図4は請求項1,3,及び4の発
明の一実施例(第1実施例)による自動二輪車を説明す
るための図であり、図1は該自動二輪車の側面概略図、
図2は該自動二輪車の瞬間中心を説明するための図、図
3は該自動二輪車のリアアーム支持ブロック部分の背面
図、図4は走行試験結果を示す図である。なお、図1及
び図2は後輪懸架装置の略1/2ストロークの状態を示
している。
【0024】図1及び図2において、1は本実施例の自
動二輪車、2は該自動二輪車1の車体フレームであり、
この車体フレーム2は、ヘッドパイプ3から後方に延び
る左右一対のメインフレーム43,43の後端同士をリ
アアーム支持ブロック6で連結した構造のものであり、
その前部には走行風をエンジン回りに導入するための導
風部44が一体形成されている。
【0025】上記ヘッドパイプ3によりフロントフォー
ク4の操向軸が左右に操向自在に軸支されており、該フ
ロントフォーク4の下端で前輪5が軸支されている。ま
た上記リアアーム支持ブロック6によってリアアーム7
が上下に揺動自在に軸支されており、該アーム7の後端
で後輪8が軸支されている。また上記車体フレーム2の
下方にはエンジンユニット9が懸架支持されており、こ
れの上方には燃料タンク10が搭載され、これの後方に
はシート11が配設されている。上記シート11の周囲
はサイドカバー12で囲まれており、また上記車体フレ
ーム2,エンジンユニット9,及びフロントフォーク4
はカウリング13で囲まれている。
【0026】上記エンジンユニット9は、2サイクル水
冷式V型4気筒エンジンであり、クランクケース14の
前壁上側,下側に上側シリンダボディ15,下側シリン
ダボディ16を左右一対ずつ所定のバンク角をなすよう
に締結し、該各シリンダボディにシリンダヘッド17を
装着した構造のものである。上記各シリンダボディ1
5,16間にはスロットルボディ66,67が接続さ
れ、該各スロットルボディ66,67は導風ダクト65
により上記導風部44の後端部下面に接続されている。
またこの導風ダクト65の前側にラジエータ64が位置
している。
【0027】上記シリンダボディ15,16の背面側に
は上側,下側排気管18,19が左右一対ずつ接続され
ている。上記左右の上側排気管18,18は上記メイン
フレーム43,43間から上記サイドカバー12内を通
って斜め上方に延びており、また上記左右の下側排気管
19,19は上記クランクケース14の下方を通って上
記リアアーム7の左右側方を斜め上方に延びている。
【0028】上記クランクケース14は、前部ケース2
0と後部ケース21とからなる前後分割式のものであ
る。上記前部,後部ケース20,21の合面部分には上
側,下側クランク軸22,23が配設されている。
【0029】上記後部ケース21内には出力軸が配設さ
れ、該出力軸のケース外方に突出する端部には、駆動ス
プロケット40がスプライン嵌合により装着されてい
る。この駆動スプロケット40は上記後輪8に固着され
た従動スプロケット41に駆動チェーン42で連結され
ている。
【0030】上記車体フレーム2のリアアーム支持ブロ
ック6は、左,右リアアームブラケット45a,45b
を上クロス部45cに接続し、左,右リアアームブラケ
ット45a,45bの下端部に支持ボス部45dを形成
した構造のものであり、この支持ボス部45dによって
支持ブラケット21eがボルト49で懸架支持されてい
る。なお、図示していないが、上記支持ボス部45dに
は、後輪懸架装置のリンクを支持するボス部が形成され
ている。
【0031】上記左リアアームブラケット45aにはサ
ブリアアームブラケット46がボルト46aにより着脱
可能に取り付けられており、該サブリアアームブラケッ
ト46,左リアアームブラケット45aにより上記リア
アーム7の左ピボット部47が左ピボット軸56aを介
して軸支されている。また上記右リアアームブラケット
45bの内側には中支持部45eが一体形成されてお
り、この中支持部45e,上記右リアアームブラケット
45bにより上記リアアーム7の右ピボット部48が右
ピボット軸56bを介して軸支されている。
【0032】上記リアアーム7は左右一対のアーム本体
50の前部同士を接続してなり、該接続部の前端部に上
記左右ピボット部47,48が一体形成されている。上
記ピボット部47,48は、上記駆動スプロケット40
の近傍好ましくは駆動スプロケット40の径内方に配置
されている(図3参照)。
【0033】なおチェンジペダル59は、上記リアアー
ムブラケット6にボルト締め固定された支持ブラケット
57にステップ58と同軸をなすように軸支されてい
る。
【0034】次に図2において、駆動チェーン42の駆
動スプロケット40との駆動側接点を61とし、従動ス
プロケット41との従動側接点を62として、該各接点
61,62を結ぶ直線を第1直線sとおく。また駆動ス
プロケット40の軸方向投影面内に配置されたリアアー
ムピボット軸56a,56b(図3参照)と後輪軸63
とを結ぶ直線を第2直線tとおく。さらに上記第1及び
第2直線s,tの各延長線の交点をICとおく。そし
て、該交点IC,後輪接地点Eを結ぶ直線uとフロント
フォーク4との交差角度をθとおくとき、該角度θは略
90゜(より正確には90゜±5゜前後)に設定されて
いる。なお、図中Gは重心位置を示している。
【0035】次に、本実施例の作用効果について説明す
る。本自動二輪車1により実走行を行った結果を図4に
示す。図4はエンジン駆動時のフロントフォーク(フロ
ントサス)4の動きをスロットル開度に対応させて示し
たものである。図中aはフロントサスの動きを、bはス
ロットル開度を示している。なお、フロントサスの動き
については、上方がサスペンションの収縮方向を、下方
がサスペンションの伸長方向をそれぞれ示している。な
お、比較のため、従来の自動二輪車による同様の実走行
試験結果を図5に示す。図5ではa´がフロントサスの
動きを、b´がスロットル開度を示している。
【0036】これらの図より、いずれの場合もスロット
ルを開くにつれて車体が加速され、フロントサスが徐々
に伸長する傾向が見られるが、図5の従来例では、A部
分に示すようにフロントサスの伸長途中に突然フロント
サスが収縮する領域が見られ、この結果車体がピッチン
グを起こす。またこのような伸長途中にフロントサスが
収縮する傾向はライダーに違和感を与えるものである。
一方、図4の本実施例ではこのような傾向はなく、車体
の加速につれてフロントサスがスムーズに伸長され、車
体もピッチングを起こさず、ライダーに違和感を与える
こともない。このことは、リアアーム7を含む後輪懸架
装置部分及び車体本体部分をリンク機構と考えたとき、
上記交点ICがこのリンク機構の瞬間中心として働くこ
とを示しているといえる。
【0037】このように本実施例装置では、ピボット部
47,48を駆動スプロケット40の径内方に配置した
ので、つまり出力軸に近傍させたので、後輪8の上下ス
トロークに起因するチェーン張力による車体のピッチン
グを低減できる。
【0038】さらに本実施例装置では、第1及び第2直
線s,tの交点ICと後輪接点Eとを結ぶ直線uの延長
線がフロントフォーク4となす角度θを略90゜に設定
したので、フロントフォーク4に作用する軸方向分力を
低減でき、これにより車体のピッチングをさらに低減で
き、操縦性を向上できる。
【0039】図9は請求項2,3,及び4の発明に係る
実施例(第2実施例)を説明するための図であり、図
中、図2と同一符号は同一又は相当部分を示す。本実施
例では、ピボット部47,48の軸線は上記第1引例と
同様に駆動スプロケット40の軸方向投影面内にに配置
されており、また瞬間中心ICは、後輪懸架装置の1/
2ストローク状態でみた場合、前輪接地点Fから前輪軸
Hを通る垂直線(第4直線)αの延長線上の車両重心G
と同じ高さの点G′と後輪接地点Eとを結ぶ第5直線u
上に位置している。またこの第5直線uとフロントフォ
ークとの成す角度θは略90°に設定されている。な
お、本第2実施例における第5直線uは結果的に上記第
1実施例における第3直線uと同一直線となっている。
【0040】そして上記第5直線uと路面との成す角度
をη、前,後輪5,8の軸間距離(ホイルベース)をL
とし、上記前輪接地点Fから点G′までの距離をhcgと
すると、tanη=hcg/Lとなっている。
【0041】このような構成を有する本実施例における
作用効果について説明する。上記駆動力fに起因する車
両重心まわりのピッチングモーメントMは、 M=f・hcg (1) このモーメントMに起因するフロントからリヤへの移動
荷重ΔWは、 ΔW=M/L =f・hcg/L (2) ここで後輪懸架装置における後輪接地点Eを通る垂直線
K上の圧縮ストロークδは、上記直線K上のばね定数を
Krとすると、 δ=(ΔW−f・tanη)/Kr =(hcg/L−tanη)f/Kr (3) ここで本実施例では、上述の構成により、tanη=h
cg/Lである。従ってこれを式(3)に代入すると、 δ=(hcg/L−hcg/L)f/Kr=0 (4) となる。従って、駆動力fを回転瞬間中心方向力f1と
上下方向力f2とに分解した場合の力f2は、移動荷重
ΔWに相当することとなり、後輪懸架装置が上記駆動力
fによって圧縮方向にストロークすることは無く、その
結果車体のピッチングを回避できる。またこの場合、上
記第5軸線uがフロントフォークとなす角度θが略90
°であることから、フロントフォーク4に作用する軸方
向力を低減してこの点からも車体ピッチングを低減で
き、さらにチェーン張力に起因する車体ピッチングも低
減でき、その結果より一層操縦性を向上できる。
【0042】またエンジンブレーキ力を発生した場合に
も同様に車体ピッチングを抑制できる。エンジンブレー
キ力f′(図6(b)のfと逆向き)は後輪接地点Eに
作用するものとすると重心まわりのピッチングモーメン
トMは上記式(1)と同じになり、またリヤからフロン
トへの移動荷重ΔWは式(2)と同じになる。さらに後
輪懸架機構の伸びストロークも式(3)と同じになる。
従って本実施例の構成を採用することにより、エンジン
ブレーキ力を回転瞬間中心方向力と上下方向力とに分解
した場合の上下方向力は移動荷重ΔWに相当するものと
なり、その結果後輪懸架装置に伸び方向のストロークが
生じることはない。
【0043】なお、上記第1,第2実施例では、ピボッ
ト軸が駆動スプロケットの投影面内に配置されている場
合を説明したが、請求項1〜3の発明は、図10に示す
ように、ピボット軸が駆動スプロケットの投影面外方に
配置されている場合にも適用できる。
【0044】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明に係る自動
二輪車によれば、第1直線と第2直線との交点と後輪接
地点とを結ぶ直線とフロントフォークとの交差角度が略
直角に設定されているので、フロントフォークに軸方向
分力が作用するのを回避でき、これにより車体のピッチ
ング,前輪外方押出し力を低減でき、操縦性を向上でき
る効果がある。
【0045】また請求項2の発明に係る自動二輪車によ
れば、第1直線と第2直線との交点を瞬間中心と考えた
とき、該瞬間中心を、前輪接地点からの垂直線(第4直
線)上の車両重心高の点と後輪接地点とを結ぶ第5直線
上に位置させたので、駆動力を瞬間中心方向力と上下方
向力とに分解した場合のこの上下方向力が荷重移動量と
略同一大きさでかつ逆向きとなることから、後輪ストロ
ーク量が略零となり、これにより車体のピッチングを低
減でき、操縦性を向上できる効果がある。
【0046】また請求項3の発明では、請求項2におい
てさらに瞬間中心と後輪接地点とを結ぶ直線とフロント
フォークとの交差角度を略直角に設定したので、後輪ス
トロークを略零にでき、さらにフロントフォークに軸方
向分力が作用するのが回避でき、車体のピッチングをよ
り確実に低減でき、より一層操縦性を向上できる。
【0047】請求項4の発明では、リアアーム前端側の
ピボット部が後輪駆動用スプロケットの軸芯に近接して
いるので、チェーンの張力による車体のピッチングを低
減でき、この点からより一層操縦性を向上できる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1,3,4の発明に係る一実施例(第1
実施例)による自動二輪車の側面概略図である。
【図2】上記第1実施例の自動二輪車の瞬間中心を説明
するための図である。
【図3】上記第1実施例の自動二輪車のリアアーム支持
ブロック部分の背面図である。
【図4】上記第1実施例の自動二輪車の実走行試験結果
を示す図である。
【図5】従来の自動二輪車の比較試験結果を示す図4に
相当する図である。
【図6】上記第1実施例の自動二輪車の後輪側部分をリ
ンク機構と仮定した模式図である。
【図7】上記第1実施例の自動二輪車の駆動時における
フロントフォークに作用する軸方向分力を考察した図で
ある。
【図8】上記第1実施例の自動二輪車のエンジンブレー
キ時におけるフロントフォークに作用する軸方向分力を
考察した図である。
【図9】請求項2,3,4の発明に係る一実施例(第2
実施例)による自動二輪車の側面概略図である。
【図10】上記第1,第2実施例自動二輪車のピボット
軸位置の変形例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 自動二輪車 4 フロントフォーク 7 リアアーム 40 駆動スプロケット 47,48 左,右ピボット部 56a,56b リアアームピボット軸 61 駆動側接点 62 従動側接点 63 後輪軸 IC 瞬間中心 E 後輪接地点 F 前輪接地点 G 重心 G′重心と同じ高さの点 s 第1直線 t 第2直線 u 第3,第5直線 α 第4直線 θ 交差角度

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後輪懸架装置の略1/2ストローク状態
    でみて、駆動チェーンの駆動スプロケットとの駆動側接
    点及び従動スプロケットとの従動側接点を結ぶ第1直線
    の延長線と、リヤアームピボット軸及び後輪軸を結ぶ第
    2直線の延長線とを車両前部で交差させ、該交点と後輪
    接地点とを結ぶ第3直線とフロントフォークとの交差角
    度を略直角に設定したことを特徴とする自動二輪車。
  2. 【請求項2】 後輪懸架装置の略1/2ストローク状態
    でみて、前輪接地点と前輪軸とを結ぶ第4直線の延長線
    上の車両重心高と同じ高さの点と後輪接地点とを結ぶ第
    5直線上に、駆動チェーンの駆動スプロケットとの駆動
    側接点及び従動スプロケットとの従動側接点を結ぶ第1
    直線の延長線とリヤアームピボット軸及び後輪軸を結ぶ
    第2直線の延長線との交点を設定したことを特徴とする
    自動二輪車。
  3. 【請求項3】 請求項2において、上記第5直線とフロ
    ントフォークとの交差角度を略直角に設定したことを特
    徴とする自動二輪車。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3の何れかにおいて、上
    記リヤアームピボット軸が駆動スプロケットの軸方向投
    影面内に配置されていることを特徴とする自動二輪車。
JP7714794A 1993-04-15 1994-04-15 自動二輪車 Pending JPH06344967A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006347365A (ja) * 2005-06-16 2006-12-28 Honda Motor Co Ltd 自動二輪車
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