JPH063443B2 - 呼気ガス分析器の特性補償装置 - Google Patents

呼気ガス分析器の特性補償装置

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JPH063443B2
JPH063443B2 JP62077100A JP7710087A JPH063443B2 JP H063443 B2 JPH063443 B2 JP H063443B2 JP 62077100 A JP62077100 A JP 62077100A JP 7710087 A JP7710087 A JP 7710087A JP H063443 B2 JPH063443 B2 JP H063443B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はインパルス状ガス濃度変化を用いて呼気ガス分
析用ガスメータの特性を補償するための呼気ガス分析器
の特性補償装置に係わる。
従来の技術 呼気ガス分析では、酸素ガス分析用ガスメータや炭酸ガ
ス分析用ガスメータ等が同時に使用される。この酸素ガ
ス分析用ガスメータとしてはジルコニア式やポーラログ
ラフ式等が,又炭酸ガス分析用ガスメータとしては主に
赤外線吸光式が、夫々使用されている 通常呼気ガス分析などに使用するガスメータは高速応答
と高い安定性が要求されており、それにはマススペクト
ロメータなどの高価な分析装置を用いるか又は安価なガ
スメータの特性を補償して用いていた。本発明では後者
の安価なガスメータの特性をディジタル信号処理の手法
により補償することにより従来の補償方法と比較してよ
り高い応答性、安定性をえようとするものである。
発明が解決しようとする問題点 呼気ガス分析に用いるガスメータは第6図bに示すよう
に真のガス濃度変化に対して時間遅れ要素と時定数要素
があるためこれを補償する必要がある。
従来はこの補償を行う方法としてガスメータに過渡的な
ガス濃度変化(それはステップ状の変化であり、第6図
aのようであったが)を与えその応答波形(第6図b)
より時間遅れをtd,時定数をtcとして補償を行なってい
た。しかし実際には時間遅れtdと時定数tcを完全に分離
してとらえることは不可能であり、又時定数要素も2次
遅れと近似するか3次遅れと近似するかあるいはもっと
高次の遅れと近似するのかという問題があり、完全な形
での補償とはならず近似的な補償となりがちであった。
そのためtcを自動的に求め補償を行なうことは困難であ
った。
問題点を解決するための手段 そこで本発明人はガスメータの補償を時間遅れ要素と時
定数要素に分離して近似的に補正するのではなく、ガス
メータの特性そのものを求めそれを利用することにより
完全な補償を行なうことを考えた。原理としてはある線
形なシステム(ガスメータ)にインパルス信号を加えた
ときの出力応答をフーリエ変換したものは伝達関数と呼
ばれそのシステムの特性の全てを表現するものであると
いうことを利用し、ガスメータにインパルス状ガス濃度
変化を入力し、その出力応答をフーリエ変換したものを
その特性として記憶し実際の動作のときには記憶させて
おいた特性を用いてリアルタイムに補償を行うものであ
る。
作用 このようにすることにより、本発明では低速応答のガス
メータを安定に高速応答化でき、補償のための校正操作
を完全に自動化でき従来の方式より補償精度がよいもの
がえられる。
実施例 本発明を図の具体的実施例に従って説明する。
第1図は本発明装置の実施例構成図,第2図は第1図に
おけるガスメータサンプリングチューブ接続用アダプタ
側面図,第3図はインパルス状ガス濃度の時間変化を示
す特性図である。
例えば酸素濃度計を補償するものとし、図で1は高濃度
の酸素ガス,2は低濃度の酸素ガスを夫々封入した校正
用ガス管で、第3図のインパルス状ガス濃度変化をつく
るものとし、3,4は定圧バルブ又は定流量バルブ,5
はオーバーフローガス放出用3方向電磁弁,6はインパ
ルス状ガス発生用3方向電磁弁,7は第2図で詳細を示
すガスメータサンプリングチューブ接続用アダプタ,8
は被補償ガスメータ,9はA/D変換器,10はディジ
タル信号処理装置である。又ガスメータサンプリングチ
ューブ接続用アダプタ7では7aがサンプリングチュー
ブ接続用アダプタ本体,7bはオーバーフローガス排出
口,7cはガスメータのサンプリングチューブである。
次にガスメータの特性をうるための手順を示す。ディジ
タル信号処理装置10(以下DSPと称す)はガスメー
タの特性をうるモードとえられた特性によりリアルタイ
ムにガスメータの特性を補償するモードとを有する。今
未知の特性を有するガスメータの補償を行なうことを考
える。まずガスメータの特性をうるためDSP10をガ
スメータの特性をうるモード(校正モード)で動作させ
る。
動作を開始したDSP10は3方向電磁弁5,6を一瞬
の間開閉させることにより第3図に示すようなインパル
ス状のガス濃度変化を発生させる。この時バルブ3,4
は校正用ガス管1,2の圧力変化によりインパルス状の
ガス濃度が影響を受けないよう、常に一定量のガスを供
給するようコントロールするためのものである。又この
とき供給されるガスの量は3方向電磁弁6内のデッドス
ペースの影響をなくすだけの量であり、かつ(ガスメー
タのガスサンプル量)≦(供給されるガスの量)となる
ようにしている。又3方向電磁弁5,6は校正ガス管1
及び2を切り換えるためのもので、各相反する動作を行
う。つまりガスメータ8に与えるガスが校正用ガス管1
から流出している場合には3方向電磁弁5は校正用ガス
管2を大気に放出しており、校正用ガス管1のガスは遮
断される。逆に3方向電磁弁6は校正用ガス管1のガス
をガスメータ8に流し校正用ガス管2は遮断している。
これによりバルブ3,4に電磁弁切換えにより圧力が加
わりガスの量に変化を及ぼすことを防いでいる。つまり
定常状態においてはガスメータ8にはガス管2より低濃
度の校正ガスが一定量流れており、校正モードを開始す
ることによりガス管1の高濃度の校正ガスに切り換わる
が、切り換えた瞬間及びその後も切り換える前と流れる
ガスの量が変化しないようにしている。又逆に高濃度ガ
スから低濃度ガスに切り換えた時にもガスメータ8側に
流れるガスの量を変化させないようにし、常にガスメー
タサンプリングチューブ接続用アダプタ7を通過するガ
スの量には変化がないようにしている。そして発生させ
たインパルス状のガス濃度変化はガスメータサンプリン
グチューブ接続用アダプタ7を通してガスメータ8に与
えられる。又第2図のチューブ接続用アダプタ7ではガ
スメータサンプリングチューブ接続用アダプタ本体7a
にガスメータ8のサンプリングチューブ7cを挿入す
る。オーバーフローガス排出口7bはガスメータの種類
によってガスのサンプル量が違うため流しているガス量
がサンプル量より多くなることによりサンプリングチュ
ーブ内の圧力を上昇させるのを防ぐ目的で余分なガスを
外部に放出するために設けた排出口で、この排出口7b
があるため余分なガスは大気中に排気されガスメータ8
のサンプルするガスの量は常に一定に保たれる。このよ
うな手順で発生させたインパルス状のガス濃度変化はガ
スメータ8に与えられ、その出力信号がA/D変換器9
によりディジタル信号に変換されDSP10内にとりこ
まれる。とりこまれた信号はフーリエ変換された後DS
P10内のメモリに記憶されガスメータの特性として保
存される。
以上のようにしてえられたガスメータの特性は次に述べ
る補償モードで使用される。即ちガスメータのサンプリ
ングチューブをガスメータサンプリングチューブ接続用
アダプタ7から取り外し分析現象環境にセットしDSP
10を補償モードに切り換える。するとDSP10はリ
アルタイムにガスメータの信号をA/D変換したものを
受けとり、フーリエ変換したのち先に保存しておいたガ
スメータの特性を用いて補償を行ない逆にフーリエ変換
を施して出力する。以上の補償操作を数式に示すと下式
のようになる。
y(t):補償後のガスメータ出力 H(ω)=F 〔h(t)〕 x(t):補償前のガスメー
タ出力 X(ω)=F 〔x(t)〕 h(t):ガスメータのインパルス状
ガスに対する出力 H(ω):Dspに記憶される F:フーリエ変換 ガスメータの特性 F-1:逆フーリエ変換 次に前記の補償を用いて補償を行った結果を第4図,第
5図に示す。第4図はガスメータにインパルス状のガス
を与えたときの出力波形図でDSP10はこの出力応答
をフーリエ変換したものをガスメータの特性として記憶
している。第5図はガスメータに方形波状のガス濃度変
化を与えたときの応答曲線で、図aはガスメータへ入力
されるガス濃度変化曲線,図bは図aに対するガスメー
タの応答出力曲線,図cは図bを本発明により補償した
結果の出力波形である。図bと図cを比較すると図cは
遅れ時間,時定数共に補償されているのがわかる。尚第
4図,第5図a,b,cはプリンタで打出したためガタ
ツキとなっているが実際の曲線はなめらかとなる。
本発明はインパルス状のガスを例えば圧力の変化に変更
すれば圧力センサのレスポンス補償を行うことが可能で
あり、動脈圧用カテーテルを含む圧力計の特性改善にも
応用することが可能である。このほか音,光,動力,磁
気,電気等各種のインペルス状の信号を用いることによ
り補償が可能となる。
発明の効果 このように本発明はインパルス状のガスを用いてガスメ
ータの特性を補償するため低速応答のガスメータを安定
に高速応答化でき、補償のための校正操作を完全に自動
化でき従来の方式より補償精度がよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明装置の実施例構成図,第2図は第1図に
おけるガスメータサンプリングチューブ接続用アダプタ
側面図,第3図はインパルス状ガス濃度の時間変化を示
す特性図,第4図はガスメータにインパルス状のガスを
与えたときの出力波形図,第5図a,b,cはガスメー
タに方形波状のガス濃度変化を与えたときの応答曲線
図,第6図は従来におけるガスメータのステップ応答図
である。 図で1,2は校正用ガス管,3,4は定圧バルブ,5,
6は3方向電磁弁,7はガスメータサンプリングチュー
ブ接続用アダプタ,8はガスメータ,9はA/D変換
器,10はデジタル信号処理装置。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】呼気ガス分析用ガスメータにインパルス状
    ガス濃度変化を入力し、その応答出力をフーリエ変換し
    たものをその特性として記憶せしめておき、実際の動作
    に際して記憶させておいた前記特性を用いてリアルタイ
    ムに補償を行いうるようにしたことを特徴とする呼気ガ
    ス分析器の特性補償装置。
  2. 【請求項2】インパルス状ガス濃度変化発生装置とイン
    パルス状ガス濃度変化が与えられる呼気ガス分析用ガス
    メータと、該呼気ガス分析用ガスメータ出力をA/D変
    換するA/D変換器とディジタル信号を処理し、メモリ
    に記憶するディジタル信号処理装置とを備えることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載の呼気ガス分析器の
    特性補償装置。
  3. 【請求項3】ディジタル信号処理装置は呼気ガス分析用
    ガスメータの特性をうるモードとえられた特性によりリ
    アルタイムに該呼気ガス分析用ガスメータの特性を補償
    するモードとを有することを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載の呼気ガス分析器の特性補償装置。
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